品質向上での満足度の限界

カスタマーサポートでは目標を「ユーザーの満足度向上」とすることが多いです。

その目標を達成するために、日々カスタマサポートでは、お問い合わせへの返信速度を上げ、アンケートからユーザーの不満を見つけだし、UIやオペレーション改善を続けています。

では、素早い返答をして不満を抑えるよう製品の改善をつづければ、満足度は必ず上がるのでしょうか。

サービスサイエンスという考え方では、「成果品質」「プロセス品質」の面から説明しています。「成果品質」とは、如何に早く高品質の製品を提供するか、「プロセス品質」とはその製品の提供プロセスをどうするかというものです。

製品を改善するということは「成果品質」を良くすることです。ただ「成果品質」による満足度は一定のレベルまでいくとそれ以上は上がらないとされています。飲食店を例にすれば、どんなに美味しくて注文後すぐに出てきたとしても右肩上がりで満足度が高まるわけではないと想像できるはずです。むしろ、一度でも美味しくないものを出してしまう、注文が漏れてしまう、そんなことがあれば満足ではなく不満がたまってしまうことでしょう。Webサービスであれば、製品がちゃんと動くかどうかは「成果品質」に入りますから、当然、動くべき機能が動かなかったら不満が溜まっていくことでしょう。また、もし動いたとしても満足度が上がることはないはずです。製品は安定して動くことが当然だから、です。

このように「成果品質」では、一定のレベルまでいくと満足度を上げることが難しくなるとされています。「成果品質」は満たせなかった時の影響から、むしろ「不満足度」との関連性の方が大きいとされています。

カスタマーサポートの「成果品質」に当たる、迅速で的確な返信も満足度向上には限界が出てきます。誤解をして欲しくないのは、そうした改善が意味がないわけではありません。「成果品質」が満たされていなければ、不満が溜まり、満足度以前にサービスを利用する方がいなくなってしまいます。考えなければならないのは「不満を解消すること(=不満足度を下げること)」と「満足度を上げること」は、方法論が違うということです。

どうやって「プロセス品質」から満足度向上につなげていくかは、またの機会に。

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