YugabyteDB Japan Meetup #1 開催報告

Arisa Izuno
The Distributed SQL Blog
Mar 20, 2023

2023年3月1日、Yugabyte Japan初のMeetupをリアルとバーチャルのハイブリッドで開催しました。今回は、その様子をお伝えしたいと思います。

YugabyteDB概要と主要機能

最初のプレゼンテーションは、スイスから来日したYugabyte のDeveloper AdvocadteであるFranck Pachotから、アーキテクチャや自動シャーディングなどYugabyteDBの特徴をご紹介しました。

会場の様子

YugabyteDBはオープンソース・データベースとして広く使われているPostgreSQLのクエリ層を再利用し、分散ストレージを組み合わせたアーキテクチャになっていること、そして、YugabyteDB自体もオープンソースでありロックインを回避して、技術コミュニティのアセットや様々なリソースを活用できることが説明されました。

デモでは、ローカルのDocker環境を使用してYugabyteDB のノードを1つずつ開始し、ノードが3つになるとReplication Factor (コピー係数)が1から3に増え、1ノードの障害に耐える構成になることや、どのノードからもデータのInsertとSelectができることを確認しました。

接続元を含むメッセージをInsert

そしてYugabyteDB に付属のWeb UIを使用して、ノードを追加してクラスタをスケールさせたときに、一瞬だけFOLLOWERタブレットが3よりも増え、その後また3に戻る (追加されたノードにFOLLOWERタブレットがコピーされてリバランスされる) ことを確認しました。YugabyteDBの特徴であるスケール・アウトがサービスを継続しながらオンラインで自動的に行われることがわかります。

3つ目のタブレットに4つのレプリカが存在

タブレット・ピアのLEADERはクライアントからの読み込み、書き込みのリクエストを受け付けるので、FOLLOWERよりも多くのCPUやメモリを使用します。そのため、LEADERもクラスタのノードに偏らないように分散配置されています。

タブレットの分割やノード障害時の動作について、会場からも多くのご質問をいただきました。タブレットはノードが追加されても自動的に増えることはなく、データの増加 (タブレットのサイズ増加) によって閾値を超えると自動的に分割されたり、手動で分割を行ったりすることができます。ノード障害が発生したときには、YugabyteDBは3秒でそのタブレットに存在していたLEADERにアクセスできないことを検知し、タブレット・ピアの間で再選挙を行なって新しいLEADERを決定します。ノードのエントリはクラスタに15分間残りますが、それ以降もアクセスができない場合は削除されます。一方アプリケーション側では、コネクション・タイムアウトに設定された時間までの間は、パフォーマンス低下時と同様に応答を待ちますが、タイムアウトした後にデータソースの再接続を試行します。元々接続していたノードがダウンしている場合には、スマートドライバで取得したその他のノードのアドレスに接続することになります。

YugabyteDBではPlacementの設定によりCloud/Region/Zoneを指定することができます。ノード障害が発生したときやスケールアウト時には、Placement考慮したリバランスを行うことができるのも大きな特徴です。

はじめてのYugabyte DB

次のプレゼンテーションは、Yugabyteのソリューション・アーキテクトであるGwenn Etourneauから、はじめての方向けにインストール方法やサンプルのワークロードをご紹介しました。

バイナリインストールの方法

ローカルでYugabyteDBを動かすには、LinuxやMacにバイナリをインストールする方法と、DockerやKubernetesを使ってコンテナ実行する方法があります。デモでは、Macへのバイナリインストール、Dockerコンテナのダウンロード、HelmによるKuberenetesへのインストールの3パターンをご覧いただきました。

また簡単にYugabyteDBを使う選択肢として、YugabyteDB Managedの無料枠(Sandbox)と有償版(Dedicated)の無料試用があります。デモではYugabyteDB Managedのクラスタが数ステップの設定だけで簡単に作成できることをご紹介しました。

YugabyteDB Managed

このようにYugabyteDBは、ローカルでもクラウドでも簡単に使ってみることができます。お試し利用に役立つサンプルのNorthwindデータベースやTPC-C等のベンチマークツールもご提供しています。

Next Stepとして、YugabyteDBの様々な学習コンテンツと認定資格試験を提供しているYugabyte Universityをご紹介してプレゼンテーションを締めくくりました。

LT:Edgeプロダクト概要

最後のプレゼンテーションは、デル・テクノロジー社の池戸様からYugabyteDBと関連する領域であるエッジ・ソリューションについてLightning Talkとしてお話しいただきました。

Project Frontier

デル・テクノロジーのエッジデバイスを使用するだけでなく、ライフサイクル管理を行うオーケストレーションのプラットフォームを提供することで、安全かつシンプルにエッジ・アプリケーションの試行検証やサービス提供ができることをご紹介いただきました。

初のMeetup開催をとおして

Yugabyte Japan発足初のリアルイベント開催、かつバーチャルとのハイブリッド開催で、運営の至らない面も多かったかと思います。

それでも、ご登録いただいた方の9割以上が実際にご参加いただき、会場はほぼ満席、オンラインも30−40名の方にリアルタイムにご視聴いただき、YugabyteDBに対する関心の高まりや分散SQLコミュニティでのネットワークの広がりを感じる1日となりました。ご参加いただいたみなさま、本当にありがとうございました。

懇親会の様子

今後も、今回の反省を受けて改善を続けながら、Meetupを開催していく予定です。日程が決まり次第、告知いたしますので是非お楽しみに。

また、そして今回お会いできなかった方も、次回のMeetupでお会いできることを楽しみにしています!

謝辞

今回のMeetupは、デル・テクノロジー様にセミナー会場をお借りすることで直接、コミュニティの皆様にお会いしてリアル開催をすることができました。デル・テクノロジーの皆様には事前準備や当日運営含め、多大なるご支援をいただきましたこと、深く感謝いたします。

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