まだ店内は混んでない。ハッピーアワーでジントニックが190円だ。
たとえば土曜日や日曜日、スターバックスに行かなくても、1日外に出なくたって、後悔しない。ただただゆっくりとした時間を優雅に過ごせるような、そんなソファが欲しい。
「人生はこのために存在する」というような高まりを感じられずに、あっという間に時間が過ぎてしまった。
せめて振り返りに記録を残したい。
スターバックスを訪れるも、どの席も満席だった。わりと早い時間帯から、席が埋まってしまうようだ。
100人による実験がおこなわれていた。100人が円になって、同時に手をつなぎながら、バルーンのように上空に浮き上がっていくのだ。みんな笑顔で浮き上がっていく。
僕はそれを追跡調査していた。僕自身も上空に浮き上がりながら、全国に状況をアナウンスするのだ。たしかに下にはクッションが引いてあるが危険であることに変わりはない。
「インスピレーションを発揮できるようになる」とか「記憶想起力が良くなる」とかだったかもしれない。
だけどそんな現実的な効用は、たぶん夢の世界の住人には不要だ。もっと抽象的な部分に「夢を思い出すこと」の意義はあるような気がする。
なぜなら僕らは起きている間、世界の半分にしか存在していないんだから。
