「フリーランスの現実を暴露します」という記事が極端だったので私の場合を記事にしておこうと思います

Lifhackerさんの記事で『「フリーランスの現実を暴露します」幻想と実情はここまで違う』という記事があったのですが、そこでは少し偏ったフリーランス像が描かれていました。インターネット空間におけるフリーランス像のバランスを取るために、私自身の場合を書いてみたいと思います。

以下のパートはどれも元記事に由来しています。

幻想1:自宅で下着姿のまま働ける

(元記事より)
現実:確かに下着姿で働けます。しかし、下着姿で働く理由は、忙しくて服を着る時間もないからなのです(すでに4日間も同じ下着で働いています。ときどき母親がふらっと様子を見に来て気がつきますが、もう4日間も食器を洗っていなかったり、お風呂にも入っていないのです)。

私の場合は毎日下着を替えていますし、お風呂も入っています。こういうふうに忙しさをアピールしている人はフリーランスに向いていないです。時間管理ができていないと言っているようなものですから。仮に「俺はフリーランスとして人気なんだぜ!」ということを吹聴したいのであっても、他の方法で自分の有能さをアピールした方がいいです。

幻想2:フリーランスは稼げる

(元記事より)
現実:フリーランスはある程度稼ぐことができるのは確かです。しかし、稼いだお金の大半は、仕事の出費によってなくなってしまいます。MacBook、iMac、iPhone、Apple Watch、Apple製品以外(ソフトウェア、デスク、椅子、インターネット接続、ウェブサイトのホスト、メーリングリストなど)、数え始めたらきりがありません。さらに、保険、貯金、投資などもあります。せっかく一生懸命働いて稼いだお金を政府に持っていかれてしまいます。

実際、30万円/月の仕事が3本あればそれで90万円なので、稼ぎやすいのは本当。(ただし適切なマーケティング活動が必須)

アップル製品買すぎです。これは私も人のことは言えませんが。

今は様々なものが無料もしくは安価に活用できる時代なので、そこは頭使えば解決できます。そんなにコストかからないですよ。

確かに、保険料が高いのは本当のところ。ですが毎月数万円なので、そんなに気にすることではないです。

幻想3:上司がいないからストレスもない

(元記事より)
現実:私は毎回異なる企業と一緒に仕事をします。そのようなワークスタイルでお金を稼ぐことを考えてみてください。つまり、毎回新しい上司と仕事をする感覚に似ています。普通に働くと上司は1人でしたが、フリーランスになると何人もの上司と仕事をしないといけなくなります。その上司たち全員が、私のことを束縛します。彼らは、14件ものメールの返信をすぐに求めてくることさえあります。よく自分の上司は自分と言いますが、フリーランスの仕事では他に対応すべき相手はたくさんいるのです。

自分を部下として考えたら、「毎回が新しい上司」という考え方はわかります。しかし、本来対等な立場で業務委託契約を結んでいるので、上下関係にはならないはずです。

クライアントは何かに困っていて、フリーランスはそれを解決する手段や能力を持っている。そういった関係をなぜ上司と部下の関係になぞらえるのかはよくわかりませんが、もしかしたらこの方はあまり良いクライアントに出会えていないのかもしれませんね。

私は良いクライアントに巡り会えていると思っています。心底面白くて可能性のある事業だと思ってお付き合いしています。運が良いのかもしれません。

幻想4:いつでも好きなことができる

(元記事より)
現実:私は水曜日を一日休暇にして、昼間から下着姿で酒を飲み、テレビを見ることができます。しかし、仕事をしないと1円も稼げません。ですので、多くのフリーランスは、週に40時間以上働きます。フリーランスは誰かのために週40時間働くのが嫌なので、それ以上の時間を自分のために働くのです。

40時間も働いてないです。私はどちらかというと働く時間が短い方かもしれません。

常駐型の案件も一部あるので、その時間は制限がかかっています。しかし、「好きなこと」を仕事にしているので、そういう意味ではいつでも好きなことをやっていますね。

幻想5:好きな仕事をしているので、仕事をしていないように感じる

(元記事より)
現実:テレビを見ながら酒を飲む仕事でもない限り、フリーランスだとしても仕事は仕事です。特に独立したてのころは、かなり働かないといけません。なぜなら、目の前にある仕事をこなすだけでなく、新しい仕事を見つける必要もあるからです。しかし、予想以上に新しい仕事を見つけるには多くの時間が必要です。正直、酒を飲みながらテレビを見ることでお金を稼げる方法を誰かに考え出して欲しいです。

仕事を見つけるためには多大な時間を使わなければいけないように書かれていますが、私はそうは思いません。

実際、今受けている仕事のうち、コネでもらったものはごく少数で、どちらかというとWebマーケティングで獲得したも案件のほうが多いです。私から声をかけたものはなく、全てクライアントから声をかけてもらいました。

どうやっているのかはここでは意図的に伏せますが、ここが頭の使いどころです。自分をメディアとして考えるべきなんです。どこにどういった露出をし、誰とどういったコンタクトポイントを作るのかという発想ができれば、あとはやるだけです。

営業で辟易しているフリーランスの方がいたら、このドラッカー氏の言葉を思い出すべきです。

マーケティングの理想は、営業を不要にすることである

ちゃんとマーケティングやってますか?

幻想6:組織のわずらわしさから解放される

(元記事より)
現実:フリーランスは会社勤めでは不必要な管理の仕事を、1人でやらないといけません。給与計算、経理、法務、営業、マーケティング、プロジェクトマネジメント...本業をやりながら、そのすべてをこなす必要があるのです。

分からないでもないですが、そんなに大変なわけではないです。今はFreeeなどの便利なサービスがありますし、必要な情報は検索すればある程度はアクセスできます。

幻想7:常に一匹狼でいられる

(元記事より)
現実:孤独を愛する人、内向的な人は、フリーランスに惹かれるかもしれません。そういった人たちは、朝から晩まで好きな音楽をかけ、1人で過ごす日々を妄想しているかもしれません。しかし残念ながら、クライアントはあなたに連絡をしてきます。さらに、フリーランスとしての自分の価値を認めてもらうためには、たくさんの人たちと出会い、仕事をもらうコネクションを築かなければなりません。ずっと家の中で引きこもり、孤高の人を気取っているだけではダメなんです。

やり方次第ですね。例えば、クラウドソーシングを使って受注していれば、クライアントから電話がかかってくることはありません。

孤独を愛する人であれば、山奥で良い土を見つけて陶芸を生業とするフリーランスになるのも良いと思います。わたしも一時期検討したことがあります。

幻想8:会社勤めが苦手な人はフリーランスに向いている

(元記事より)
現実:他人やロボットのために働くのが嫌いで、フリーランスに惹かれるという気持ちは十分にわかります。しかし、組織の中で仕事ができないような頼りがいのない人は、フリーランスになるには頼りがいがなさすぎます。フリーランスの仕事では自分のことを監視しながら、進捗を確認してくれる人はいません。もし仕事の納期が遅れてしまったら、クライアントからお金をいただけないと思った方が良いです。

これは同意します。所属している組織に惜しまれて辞めるくらいの方がいいのだと思います。

幻想9:ウェブサイトさえあれば大丈夫

(元記事より)
現実:多くのフリーランスを目指す人は、ウェブサイトさえつくれば、自然とお金が入ってくるものだと思っています。つくったサイトを眺めているだけで良いなんてことは絶対にありえません。そのウェブサイトをきちんとクライアントに見てもらい、フリーランスとしての仕事の質を信用してもらう必要があります。また、フリーランスの仕事がクライアントの課題をどのように解決できるのかを理解してもらわないかぎり、サイトはただ埃をかぶっているだけでしかありません。

そうですね。SNSを活用するのがとても大事だと思います。

フリーランスと言っても様々な種類があり、これからその種類も増えていきます。他のフリーランスがどうやっているのかを知ることも大事ですが、自分自身がどういったキャリアを目指し、どういった意志で仕事をするのかを考えて自分なりのスタイルを作るほうが大切だと思います。

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Yusuke Kuroda(黒田 悠介)
文系フリーランスって 食べていけるの?

「フリーランスを実験し、世に活かす」という活動ビジョンのもと自分自身を実験台にしているフリーランス研究家。東京大学→ベンチャー社員×2→起業→キャリアカウンセラー→フリーランスというキャリア。ディスカッションパートナーを生業とし、新規事業の立ち上げを支援。その他、議論メシ代表。FreelanceNow発起人。