半年間で3つの死を経験して考えた、死ぬまでやり続けたい2つのこと

Eiko Matsumura
7 min readFeb 25, 2018

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もう2018年も1/6が終わろうとしていますが、本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

2017年のご報告と、2018年の抱負をお話したいと思います。

2017年は最後の最後に、女児出産という初めての大型プロダクトのリリースを完了して幕を閉じました。

え、そーなの!?というかそもそも結婚してたっけ??
と返されることが多いのですが、いろいろと心境の変化があり、2017年は結婚と出産を同時にした一年でした。

2つの死

仕事一筋だったアラサー女性が結婚と出産を決意した理由

時は2016年12月に遡ります。

2つの死を同時に迎えました。

ひとつは、自分が創業した会社の死。
そしてもうひとつは、父の事故死でした。

その2つは、文字通り公私共に私に多大なるダメージを与え、強靭なメンタルを持つと自負している自分ですが、だいぶへこたれてしまいました。

意気消沈した私は、同様にダメージを負った関係者が、そして自分自身が、どうやったら立ち直れるかを長い時間考えました。その時に行き着いた解決策が、“一回目の起業が失敗した時に乗り越えた方法を再現する”ことでした。(私は2011年に最初の起業をし、3年で失敗して清算しています。)

その方法とは、“ダメージを凌駕するくらいインパクトのある新しい希望をつくる”

一回目の起業の時、廃業と同時に新しい会社をつくりました。
ひとつの大きな失敗を受け入れるには、それを活かし、失敗をくよくよできないくらい新しくて大きなチャレンジが必要だった。悲しみに心を支配されないためには、悲しみが限りなく小さくなってしまうくらい大きなドキドキワクワクが必要だったのです。

今回も、同じ方法で乗り越えよう。

数ヶ月悩み苦しんでそう結論付けた私は、新しい家族をつくり、新しい会社をつくることを決意しました。その新しいことへの挑戦で、悲しみをできるだけ小さくしてしまいたかったのです。

こうして、2017年、結婚し生涯の伴侶を得、出産し血の繋がった新しい家族を迎えました。(三度目の起業については、“起業”が目的になっても良いこと無いとの判断により、現在起業には至っていません。が、起業することは決めアクションしています。)

2つの死から学んだこと

ベストな状態は決して維持できず、状態は常に変化していくということ。
そして、より良い変化を自らの活動で以って齎さない限り、状態は悪化していくということ。

会社も、そして家族も、成長を目指さなければ衰退していくのだ。

会社や事業では常に成長を目指していたけれど、今回プライベートでも突然の死を経験して、家族や友人も同様なのだと実感しました。そして、20代全力で仕事をしてきたけれど、だいぶ経験を積み実績も出来てきた今、仕事以外のことももう少し大事に出来るのではないか?と思うようになりました。

そう考えたときに、今まで仕事以外をあまり重視して来なかった私にとってはかなり大きなチャレンジとなる、“家族の成長”も、目指していこうと生まれて初めて思いました。

2つの死から、仕事もプライベートも、同じように成長を目指していくことを学びました。

3つめの死

癌発覚

2017年5月。健康診断で、癌を患っていることが発覚しました。
正式な病名は、子宮頸癌。

子宮癌全体の罹患数は年間約25,000例、このうち子宮頸癌は約10,000例。死亡数は、全体で年間約6,400人で、このうち子宮頸癌は約2,900人。罹患者の30%が死に至る病です。(国立がん研究センター がん情報サービスより抜粋)

もしかしたら死ぬかもしれない。

再検査をした病院で病名を告げられたときに、そう思いました。けれど、半年前に2つの死を経験した私は、正直自分の死はあまり衝撃的な出来事ではありませんでした。

「もう、このまま死んでしまうのもアリかもな…」
そう思う程に、この時は心にダメージを負っていました。

ただ、癌発覚とほぼ同時に妊娠が発覚。もう自分ひとりの命ではないことがわかったことで、良い意味で生への執着が生まれ、病気をきちんと受け止め治療していく道を前向きに選択することができました。
幸いにも早期発見だったので、出産後に治療する方針となり、妊娠中は経過観察をしていました。

この度、無事に出産することができましたので、体の回復を優先しつつ、今年中には子宮頸癌羅漢部位の摘出手術、治療完了する予定です。

3つの死を経て考えた、これからどう生きていくか

2つの死と1つの死にかけを乗り越え、今後の人生、2つのことを心に刻んで生きていこうと思うに至りました。

1. やりたいことは今すぐやる

“人生100年時代”とは言うけれど、死は100年待たずに突然訪れます。
何の用意も無しに、本当に突然、命あるものは死んでしまう。「100年もあるから後でいいや」なんてことはない。先延ばしにしてもいいことなんて、ない。大切な人がいたら大切だと伝えろ。やりたいことがあるなら後回しにせずに今すぐやれ。誰にでも人生100年あると思うな。後悔先に立たず。

2. 0から1を生み出せる力を信じて、これからも作り続ける

会社も人も、うまくいけば100年生きられるかもしれない。でも、生きられないかもしれない。死は突然やって来る。そんな当たり前だけど切ない世界で、自分に出来ることは何か?
そう自問した時に、自分には0から1を作り出すことが出来る、これは結構な特技なのではと思い始めました。

作っても作っても死んでゆく。それは本当に絶望に近い。
でもだからって諦められない。永遠に生き続けるものなんて無いけれど、作り続ければ全滅することは無い。

だから、これからも作り続けようと思います。
会社も、仲間も、家族も、友人も。
大切なものがどんどん失われてゆこうとも、失われるよりも早く多く作る。いつかこの世が大切なもので溢れるように。それでいつか大切なものが溢れる世界で死ねたら、それこそ本望なんじゃないか、と。

そして、新しい世界へ

今回雪崩のように起こった一連の出来事は、良くも悪くも、今までの生き方、スタンスをガラリと変えるものになりました。
でも、仕事を最優先にしてきた今までの人生を後悔なんてしてない。もちろんこれからの人生も。

そして突然の死とそれを乗り越えるためにした様々なアクションは、私に新たな気付きや出会い、繋がりを齎してくれました。

例えば、マギーズ東京との出会い

癌の検査結果を待っている期間に、偶然にも癌支援センターマギーズ東京開設者の 方と知り合う機会がありました。

普段だったら、素敵な活動をされてる方だな、と思って終わり。

でも、この時は思い切って踏み込もうと思った。
自分の癌とこの方との出会いという偶然を、良い意味で利用して、今まで全く関係の無かった世界、今までだったら踏み込まなかった世界に踏み込んでみようと思ったのです。

そう思い、癌を告白し、マギーズ東京を訪問したい旨を伝えました。
このことをきっかけに、実際に訪れたり、寄付してみたり、今までだったら出会わなかったであろう方と出会ったり。人生の幅を広げることが出来ました。

2018年からは、仕事一筋だったところから、先程の具体例のように、プライベートなことも巻き込んで活動の幅を広げていこうと考えています。

楽しかったことも辛かったことも、全部自分の何事にも代え難い大事な経験だから。全て飲み込んで成長の糧にする。その糧で心身共にもっと大きく成長し、新たな視野で新たな事業を生み出していきます。

私にも、突然の死が訪れるまで。
それは100年後かもしれないし、10年後や1年後なのかもしれない。いつかはわかりませんが、その時まで。
引き続きよろしくお願いいたします。

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Eiko Matsumura
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Written by Eiko Matsumura

serial entrepreneur / angel investor / Chief Digital Officer

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