ビル・ゲイツ、ジェフ・ベゾス、マーク・ザッカーバーグが出資するVCが出来てた
びっくりして久しぶりにブログ書いた。
昨日、Village GlobalというシードステージのVCが立ち上がった。
http://www.villageglobal.vc/
ここが気になっている。まだウェブサイトをざっと眺めただけなんだけど、気になって仕方がない。
なぜなら、Microsoftのビル・ゲイツ、Amazonのジェフ・ベゾス、Googleのエリック・シュミット、Facebookのマーク・ザッカーバーグが(大げさに言えば)手を携えているから。
いったい何が起こるんだ。
Erik Torenberg(Product Huntの1人目の従業員。Product Huntを作った人が作ったVCというだけでもすでに気になる)やリード・ホフマンの片腕だったBen CasnochaなどがGP(運営者)。
彼らはVillage Globalはネットワーク型のVCだと宣言している。正確に言えば、エンジェル(投資家)ネットワーク型のVCだ。どういうことか。
スーパーエンジェルたちが組み、そこに集積される圧倒的な量と質を誇る(違法ではない)インサイダー情報を駆使し投資先を発掘する。そして自らの資金を効率的に投資し、ネットワークをフル活用して成長支援を行うという。
そのエンジェル(彼らはLP(出資者)でもある)代表が、先に挙げた4人なのだ。
日本で言えば、Tokyo Funders FundにLPとして孫さんや三木谷さんや柳井さんや永守さんが参画するようなイメージだろうか。すごい。ぜひやって欲しい。
エンジェルの一覧は続く。
LinkedInのリード・ホフマン、Twitterのエヴァン・ウィリアムズ、Pinterestのベン・シルバーマン、元Yahooのマリッサ・メイヤー。
シリコンバレーの殿堂入りオールスター全員集合といった趣。Code ConferenceだかPando Dailyだかの登壇者一覧を見ているよう。
しかも、新興Tech系の起業家だけではない。
Disneyのボブ・アイガー、元ニューヨーク市長のマイケル・ブルームバーグ、さらには元NBA選手のマジック・ジョンソンまでが参画している。
Smart Moneyの時代。
たとえば、Andreessen HorowitzのJeffrey Jordan、BenchmarkのBill Gurley、Sequoia CapitalのAlfred Lin。
かつてAmazonやFacebookやGoogleに投資し、”Hard Things”を乗り越えて育てあげた一流ベンチャーキャピタリストたちに情報とノウハウとネットワークが集積する。いい案件は一流VCにのみ集まり、彼らとのネットワークを持っているかでそういった案件に投資できるかが決まる。
だが、大雑把に言えばシード期は少し様相が異なる。
だいたい数が多すぎるし、ほとんどが失敗するのでリスクも大きい。そもそも必要な資金もそこまで大きくないことも多くて大型VCからするとちょっと手を出しづらい。(そこをhackしたのがY Combinatorだったわけだし、もっと最近ではStartup Studioが勃興しつつある)
だからこそ、そういった組織だった投資ではなく、起業して成功した人がエンジェル(個人投資家)として後続のシードステージの起業家に投資し、具体的かつ迫真のアドバイスを提供し続け、投資されたスタートアップが成功するという循環が生まれた。
(もちろん大型VCであるAndreessen Horowitzや、Khosla Venturesなんかも元起業家が立ち上げたVCだし、Bezos Expeditionsのような「本来はエンジェル投資なんだけど規模が大きすぎるのでVCにしました」みたいな組織も増えてきたのだけれど)
Microsoftが3兆円でLinkedInを買ったときに「Microsoftは3兆円を使い、シリコンバレーで最も愛され、最も強いネットワークを持つリード・ホフマンを買ったのだ。そしてそれは(シリコンバレーの中に入り込めていないMicrosoftにとって)素晴らしい投資だ」という意見があった。
それくらい、一部の人たちに情報と経験が集約されているわけだ。
たぶん、Village Globalはそんな背景で生まれた新世代のシードステージVCなんだろう。
シードステージに注力するからこそ、筋肉質な資本で戦える。スーパーエンジェルの強みが活きる。
世界最高峰の起業家たちが、かつてAmazonやGoogleやFacebookを自ら作り上げたリーダーたちが、どんなスタートアップに投資するのか、そして彼らをどのように支援するのか。
気になって仕方がない。