ブログで稼ぐ新時代: 読まれた時間がお金に変わる!

ブログ副業なんて稼げない、とあきらめるのはまだ早い

Mai Yamamoto
日本語で読む
20 min readOct 29, 2019

--

ブログで稼ぐ、ブログで副業というと、まずはブログアフィリエイトというのがこれまでの常識だった。しかし、個人で行うブログアフィリエイトの将来は明るくない。

じゃあ、もうブログは稼げないのか、と思うかもしれないが、それは結論を出すのはまだ早いかもしれない。

2019年10月28日、Mediumのパートナプログラムの計測方法が大幅に変更された。これまでは読者にクラップ(拍手)されることが主な収益化の方法だったが、今後は既読時間が収益に反映されるようになる。

つまり、読まれるブログが稼ぐ、ブログが読まれた時間がそのままお金になる、そんなプラットフォームが現れたのだ。

ブログで稼ぐ=アフィリエイトは古い

そもそもブログアフィリエイトって?

この記事を読みに来ている人は、すでにブログアフィリエイトについて知識があったり、実践している人が多いかもしれない。けれども、念のためにブログアフィリエイトの基本についても説明しておく。

ブログアフィリエイトとは、単純にいうと、自分の運営するブログに広告を掲載してそこから紹介料をいただくビジネスである。

はじまりは1990年代、アマゾンがあるブロガーに書籍の紹介記事を掲載してもらったのが最初だと言われている。

新聞でもテレビでも、ありとあらゆるメディアでは広告収入が幅を利かせているが、それと同様のビジネスだと思ってよい。

ブログを開設するのは今日比較的容易だし、初期費用もかからない。片手間に気軽に始めることができる副業としても人気を集めている。

ブログアフィリエイトの終焉

私がブログアフィリエイトの世界に入ったのが2015年の春。残念ながら、ビジネスとしてのピークは過ぎ去ったと実感している。特に個人で行うブログアフィリエイトは、今から参入しても大きく稼ぐことは非常に難しい。作業効率から考えるとコンビニでバイトする方がマシだと思っているくらいだ。

嘘だと思うなら、自分で試していただきたい。ブログ、稼げない、オワコン、などといったキーワードで検索すれば、ネガティブなコンテンツがどっと検索上位に表示されるだろう。

もちろん、やり方によっては稼げないことはないと思うが、いったん稼げてもその売り上げを長期にわたって維持することは難しい時代になってきている。それを除いても、ブログアフィリエイトには他にまだ落とし穴がある。

広告単価の不均衡

ブログアフィリエイトは広告依存型のビジネスである。広告主がいてはじめて広告料が支払われる。つまりアフィリエイト広告の絶対数が少ないジャンルでは驚くほど稼げないのが実情でもある。

私はいろいろなジャンルのブログを運営している。

私がブログアフィリエイトに参入した時代は「特化型ブログ」がもてはやされていた。投稿する記事のジャンルを絞ったブログ設計だ。

複数分野のブログを運営しているとよくわかるが、広告料、すなわち広告収益は、ブログ分野によって大きく差が開く。どんなに品質の高いブログ記事を書いても稼げないジャンルがあるのだ。

具体的に例を挙げると、広告単価が高い分野は、投資・金融関係、美容関係、ダイエット食品関連、就職転職関連、恋愛関係など。その他の趣味に関連したブログは広告単価が低い傾向にある。

広告単価が高いものと低いものを比較すると、そこには雲泥の差がある。

クリック型広告(広告がクリックされるだけで収益が上がるタイプの広告)でも、成果報酬型広告(広告主のサイトでユーザーが購入あるいはサービス利用を行って初めて収益につながる)であっても、広告単価が高いものと低いものとの間では100倍以上の差がある。

つまり、クリック単価型なら1クリック1円のものから1000円のものまで、成果報酬型広告なら、1発生につき100円から数万円のものまで、まさにピンキリ。

ブロガーの視点からいうと、ブログがどれだけ読まれても、稼ぎにくい分野で勝負しているブログは稼げるジャンルのブログに比べて100分の一しか稼げないということになる。たとえアクセスや閲覧数が同じであってもだ。これってちょっと空しくなるよね。

まさに広告単価の不均衡であり、だからネット上には稼げる分野のブログだけが大量に作成されるわけ。

アフィリエイトはブロガーにフェアな世界じゃない

ユーザーに役立つ情報を届けよう、読んでおもしろいと思ってもらおう、と考えてブログを書いているブロガーにとって、こんなにアンフェアを感じることはないと思う。

同じ文字数、同じ記事数のブログでも、株式投資に特化したブログとガーデニングに特化したブログでは、たとえ同じくらいユーザーに読まれるブログであっても収益の差が文字通り桁違いだ。

だから、特殊な趣味に特化したブログは書き続けることがむずかしい。稼ぐことが第一の目的ではなかったとしても、あまりに「暖簾に腕押し」状態ではモチベーションが持たない。

ブログと検索エンジンとの蜜月は終わった

それだけでない。昨今、検索エンジンもブロガーにそっぽを向き始めた。

検索エンジンにもいろいろなものがあるが、日本語検索においてはGoogleが絶大である。Yahoo!も、Googleとおなじシステムでサイトやブログの評価を行っているので、ブログで稼ごうと思うならGoogleのアルゴリズム(サイトやブログの評価指標)において高く評価されるようにブログを作り込むのがアフィリエイトの王道である(これをSEO対策=検索エンジン最適化という)。

少し前まで、Googleは個人ブロガーのブログを高く評価していた。企業のサイトに比べるとブログは更新頻度も高く、フレッシュな情報を届けてくれる。だからユーザーにも頻繁に訪問されやすい。

Googleは広告主から依頼を受けてウェブ上に広告を掲載し、その広告収入で利益を上げる、一種の広告代理店である。だから、提携しているブロガーのブログがたくさんの人に読まれなくてはいけない。そのために頻繁に更新を繰り返す個人ブロガーのブログは、彼らにとって打ち出の小槌だった。

しかし、個人ブロガーの情報への不信感から、Googleはもはや個人のサイト運営者を高く評価しない傾向にある。個人で集めた不確かな情報よりも権威性のある情報を重視するように方向転換したのである。

これにて、ブロガーとGoogle社との蜜月は終わった。

ここまで読んでいただいて、ブログでどんなに頑張っても、もう稼げない…、と絶望しはじめている人もいるかもしれない。でも、そう結論付けるのはちょっと待ってほしい。

ブログが読まれた時間がそのままお金に変わる

ブログをやってみた、それなりに読まれているみたいだけど、広告収益は雀の涙程度。やっぱり、ブログで副業なんて稼げない。あーあ、もうブログなんてやめちゃおうかな、でもブログ書くの好きだったんだけどなぁ...

もし、あなたがこんな風に思っているのだったら、やめてしまうのはちょっとまだ早いかもしれない。ブログで稼ぐ方法はブログアフィリエイトだけではないからだ。

あなたのそのブログ、仮に、記事が読まれた時間がそのままお金に変わるとしたら、どうだろう?

そんなプラットフォームがここにある。私が今この記事を書いているMediumだ。

Mediumとはサブスクリプション型の文章投稿サイトである。原型はツイッターを作った開発者が作成したもので、ツイッターよりも長い文章も投稿できるサービスとして始まった。

Mediumに掲載されているすべての記事を読むには、月に約500円の会費を払って有料メンバーになる必要がある。しかし、ブログ記事を投稿するだけなら無料で利用できる。いってみれば、はてなブログやアメブロのような、無料でブログが投稿できるウェブサービスと考えても間違いではない。

日本の一般的なブログサービスと大きく異なるのは、Mediumは広告非表示のウェブサービスであるという点だ。Mediumでは基本的にアフィリエイトは禁止されている。だから、ブログアフィリエイトはできない。

じゃあ、タダで文章を書くのかというと、そうではない。Mediumにはパートナープログラムという独自の収益化システムがある。

これは、有料メンバーから集めた会費をMediumに文章を書くライターで分配するというシンプルな仕組みだ。よりたくさんの人に読まれて高く評価されたライターがより多く稼げるようになっている。

では、どうやってどのライターの記事が多くのユーザーに高く評価されたと判断するのか。その評価基準が今回大幅に変更された。既読時間によって計測されるようになったのである。

要するに、ブログの内容やジャンルに関わらず、読まれれば読まれるほど、読まれた時間が長いほど、高い収益が得られるということ。もちろん、ブログだけでなく、それが小説であっても詩であっても、とにかくあなたの文章が読まれた時間がお金に変わるのだ。

有料メンバー以外のユーザーに読まれても収益化できる

先ほど、Mediumでは有料メンバーの会費がライターに分配されると書いた。2019年10月28日(アメリカ西部時間)に刷新された仕組みでは、たとえそれが有料メンバーでなくても、そのユーザーが有料メンバーとして登録した暁には、30日前までさかのぼった既読時間によって収益が分配されることが明記されている。

つまり、有料メンバー以外のユーザーに読まれた時間も、収益として換算される可能性が高くなったのだ。

要するに、Mediumに文章を書くブロガーは、できるだけたくさんの人に、できるだけ長い時間読んでもらうことだけを目標にすればいい。ユーザーがあなたの文章を読んだ時間がお金になる、まさに「時は金なり」なのである。

ブログカスタマイズ、広告連携の承認、広告が上手く表示されない不具合、SEO対策、キーワード、検索ボリューム、広告単価とクリックの誘因など、そんな余計なものは一切考えなくてよろしい。

良質の記事を書くこと、ユーザーに喜ばれる文章を書くこと、これに集中すればいいのである。純粋に文章を書くのが好き、文章を書いて稼ぎたいと思っている人にとって、これほど理想に近いプラットフォームが他にあるだろうか。

2019年10月28日以降に実施されるMediumパートナープログラムの指標:

  • クラップ(拍手)の数ではなく、読まれた時間に基づいて収益を計測する
  • 有料メンバー以外のユーザーに読まれた分も、そのユーザーが30日以内に有料メンバー化した場合、読まれた時間が収益化される
  • 週毎の収益報告を日毎の収益報告へ変更

広告非表示のプラットフォームなら、noteがある、という人もいるだろう。noteは私も使っているが、残念ながら、知名度の低い人が気軽に記事を書いて稼げる場所ではない。これについては、以下の記事ですでに書いているので、詳しくはご一読いただきたい。

noteも文章を書くことに集中できる、すぐれたウェブサービスだと思う。ただ、そこで収益化を狙えるかというとそれほど容易ではない。これも、実際に試してみるとよくわかると思う。

noteの場合、有料コンテンツを販売するか、任意のサポート(投銭)を待つという稼ぎ方になるが、いずれもハードルは低くない。嘘だと思うなら試してみていただきたい。

Mediumは文章が読まれただけでお金になる。これほど単純で分かりやすい収益化のモデルがあるだろうか。

Mediumにも課題はある

とはいえ、完璧なウェブサービスというものは存在しないわけで、Mediumにも課題はある。

日本語でブログを書く人にとって、第一にMediumでの日本語ユーザーが未だ少ないということだろう。ユーザー数が少ないため、他のブログサービスに比べると一日の閲覧数も少ないし、読まれる時間も少ない。

ただし、それで収益が少ないかというと、それは別問題。

この収益計測の変更は実施され始めたばかりなので、読まれた時間一分当たり何円になるのかはふたを開けてみなければ分からない。でも、ブログジャンルによっては、はてなやアメブロで書いているよりもはるかに収益化しやすいのではないかと思う。

そもそも、どんなブログサービスであっても、ブログを新規に開設した当初が一番難しい。だから、ブログは最低でも三カ月続けようといわれるが、Mediumに関してはそれはあまり関係ないように思える。

適切なパブリケーション(パブリケーションについては後述する)で、読み応えのある文章を投稿すれば、第一日目から収益を上げることも不可能ではない。

さらに、今回のMediumアップデートによって、パートナープログラムの収益は毎日表示されるように変更された。前日ブログがどれだけ読まれてどれだけの収益になったかという金額が、毎日確認できるのである。

Mediumにブログを書いて稼ぐ方法

では、具体的に何から始めればいいのか。

まずはMediumでアカウントを作ろう。Mediumは英語ベースのプラットフォームなので、とっつきにくいかもしれない。Mediumでアカウントを作る方法は、別ブログで日本語で説明しているので、英語が苦手な方はそちらを参照いただきたい。

アカウントを取得したら、すぐにでもブログを書き始めることができる。ブログを書くのは無料で書き放題なので、まずは試しに何か書いてみるとよいと思う。

Mediumで文章を書くときに役立つ情報は、記事にしていくらか書いているので参考までに。

パートナープログラムに登録する方法は以下の記事で。

その他、Mediumでライターとして文章を投稿する際に役立つ情報は、このパブリケーション内のナビゲーションメニューから「ライターさんへ」というカテゴリーにまとめている。

ここまでのところで、英語がネックになって上手く利用できない、パートナープログラムの参加方法がよく分からないといったトラブルがあれば、日本語によるサポートコミュニティも運営しているので、お声がけください。(この投稿にコメント、あるいはツイッター https://twitter.com/hana_gardenerにて)

ブログの文字数とボリューム

記事が読まれる時間が収益計測の基準になるなら、当然長い文章を書くのが手っ取り早いと考えるだろう。

短い文章よりも長い文章の方が滞在時間は長くなる。ただし、無駄に文字稼ぎをするのはおすすめしない。最初はそれで稼げても、いずれフォロワーが離れて行ってしまうだろうから。

単純にいって、たくさんの記事、たくさんのコンテンツ、より多くの文字数をMediumに投入することが、すなわち収益アップのコツになると思う。間接的にはフォロワーを増やすことも大切だ。

一記事あたりの文字数は大いに越したことはないが、だからといって最後まで読まれないのでは意味がない。だったら、最初から一記事当たりは1000文字くらいにおさえる代わりに、コンテンツ数を増やす方が全体としては収益が高くなるかもしれない。

この辺も今後いろいろ実験的に行ってみないと分析できないところ。

パブリケーションに参加する

読まれる時間を一分でも長くすることが、Medium上のブログで稼ぐコツになる。より多くの人にブログを読んでもらうために、日本語で書くなら日本語を読みに来るユーザーがたくさんいる場所に投稿しよう。

だから、適切なパブリケーションから投稿することに意味がある。

先ほどからパブリケーションという言葉が出てきているが、これはMedium特有のシステムなので、少しわかりにくいかもしれない。

noteを利用したことがある人なら、noteのおけるマガジンみたいなものだと思ってよい。Medium上に投稿する記事をまとめておく、カテゴリー的に使うこともできる。でもそれだけではない。

パブリケーションの醍醐味は、複数のライターが集まってともに文章を投稿することでパブリケーションそのものを育てることができる点だと思う。

つまり、ライター同士のコミュニケーションの場にもなっていて、複数の人で運営できるため、その分活気も出るわけだ。

個人でMediumにブログを投稿するよりも、フォロワーがたくさんついているパブリケーションに記事を投稿する方が読まれやすくなる理由はこここにある。だから、適切なパブリケーションを選んで投稿することが大切。

私が今、この文章を書いている「日本語で読むパブリケーション」は、日本語で記事を読みたい人のためのパブリケーションである。私が言うと手前味噌になるが、現時点でMediumのアクティブな日本語ユーザーをもっとも多く抱えているパブリケーションだと自負している。

ここから派生しているパブリケーションは、現在以下の二つ。

無料で読める記事を集めたパブリケーション:

日本語小説に特化したパブリケーション:

もちろん、今後、日本語の詩に特化したパブリケーションや、イラスト特化、漫画特化型のパブリケーションをみなさんで作成、運営することも可能だ。

SNSで拡散する

Mediumは検索エンジンにもそれなりに高く評価されている。だから、Mediumでブログ記事を書くこと自体、その記事がGoogleなどで上位表示される可能性も低くない。

ただ、ブログ初心者にとってやりやすい方法は、ツイッターなどのSNSを上手に活用してそこからアクセスを増やすというやり方だろう。

SNSはだれでもすぐに始めることができるし、Mediumで記事を公開した直後にツイッターなどでも投稿を告知するだけなのでシンプルだ。

SNSでMediumに人を呼び込んでも、有料メンバーでない限り収益にはつながらないと考えがちだが、それが新規のユーザーであっても30日以内に有料メンバー化すれば、読まれた時間は収益に反映されることを忘れてはいけない。

だからSNSだけでなく、他のブログサービスでもnoteでも、どんどんMediumへのリンクを挿入し、集客するのがおすすめなのである。

英語が苦手な方のための日本語でのサポートコミュニティも

Photo by John Schnobrich on Unsplash

やはり、どうやっても英語がダメという人は少なくないと思う。私だって、最初は英語だらけの管理画面に辟易した。

でも言い換えれば、言語の壁以上に野望や情熱を持っている人しかMediumでブログを書くことはできない。だからこそ、ユーザー数が限られるし、その分ライバルが少ないということでもある。

とはいえ、英語で何もかも使いこなせる人はそうたくさんいないと思う。そこでこのパブリケーションでは、日本語ユーザー同士のサポートコミュニティを運営している。

Mediumの使い方やパートナープログラムについて、日本語でユーザー同士が助け合うシステムになっている。Slack無料チャットを利用しているので、だれでもすぐに参加可能。希望者はこの投稿にコメントかあるいは私のツイッター https://twitter.com/hana_gardenerまでご連絡ください。

これからのブログ副業は複数ルートのかけ合わせ

ブログはオワコン、個人アフィリエイトはもう稼げないといわれているブログの世界だけど、まだあきらめるのは早いかもしれない。

そもそも、ネットビジネスは不安定なものだ。だからこそ、複数の収入ルートを持っておくのが長期的に稼ぎ続けるコツだろう。

Mediumのパートナープログラムは、これまでのブログアフィリエイトとも、noteでの有料コンテンツ販売とも異なるビジネスモデルだ。

これからのブログで稼ぐ方法は、複数のプラットフォームと異なるビジネスモデルを掛け合わせたハイブリッド型が生き残る秘訣ではないかと思う。

よい文章を書いて、それが読まれた分だけお金になる。Mediumは、文章を書くことが好きでたまらない人にとって、かなり理想に近いプラットフォームなのである。

それでもまだ挑戦しない理由があるだろうか?

--

--

Mai Yamamoto
日本語で読む

Japanese writer. Poetry, Travel, Cooking, Gardening and Languages.