生物学 第2版 — 第31章 土壌と植物の栄養摂取 —

Japanese translation of “Biology 2e”

Better Late Than Never
37 min readOct 17, 2019

OpenStax のサイトで公開されている教科書“ Biology 2e”の翻訳です。こちらのページから各章へ移動できます。

31 | 土壌と植物の栄養摂取

図31.1 | この(a)西洋カボチャ(Cucurbita maxima)の実生が、(b)果実をつける成熟した植物へと成長するためには、数多くの栄養の必須要件が満たされなければなりません。(credit a: modification of work by Julian Colton; credit b: modification of work by “Wildfeuer”/Wikimedia Commons)

この章の概要

31.1:植物の栄養上の必須要件
31.2:土壌
31.3:植物の栄養上の適応

はじめに

ウリ科は、メソアメリカで最初に栽培された植物の科ですが、北アメリカ原産の種もいくつかあります。この科には、カボチャなどの多くの食用の種とともに、ヒョウタンなどの非食用のものも含まれています。成熟した、果実をつける植物へと成長して発達するためには、多くの必須要件が満たされ、さまざまな事象が調整されなければなりません。種子は適切な条件下で土壌の中で発芽しなければなりません。したがって、温度、湿気、および土壌の質は、発芽と実生の発達で役割を果たす重要な因子です。土壌の質と気候は植物の分布と成長にとって重要なものです。若い実生は最終的には成熟した植物へと成長し、根は土壌から栄養分と水分を吸収します。同時に、植物の地上部分は大気中の二酸化炭素を吸収し、太陽光からのエネルギーを利用して、光合成によって有機化合物を生成します。この章では、植物と土壌の複雑な動態、そして栄養資源をより有効に利用するために植物が進化させてきた適応について探求していきます。

31.1 | 植物の栄養上の必須要件

この節が終わるまでに、あなたは次のことができるようになります:
•植物がどのように栄養素を得るのかを記述する
•植物の適切な栄養摂取に必要な元素と化合物を列挙する
•必須栄養素を記述する

植物はその根系を通して栄養素と水を吸収するとともに、大気から二酸化炭素を吸収することができる独特な生物です。土壌の質と気候が植物の分布と成長の主な決定要因です。土壌の栄養素、水、二酸化炭素を太陽光と組み合わせることで、植物は成長することができます。

植物の化学組成

植物は炭素やカリウムなどの元素の形の栄養素を必要とするため、植物の化学組成を理解しておくことは重要です。植物細胞の体積の大部分は水です。それは通常、植物の総重量の80~90%を占めます。土壌は陸上植物の水源であり、たとえそれが乾燥しているように見えても、豊富な水源となり得ます。植物の根は、根毛を通じて土壌から水分を吸収し、それを木部を介して葉まで運びます。水蒸気が葉から失われるにつれて、蒸散のプロセスと水分子の極性(それは水が水素結合を形成するのを可能にします)が、根から植物を通して葉までより多くの水を引き寄せます(図31.2)。植物は、細胞構造を支えるため、代謝機能のため、栄養分を運ぶため、そして光合成のために水を必要とします。

図31.2 | 水は根毛を通して吸収され、木部を上って葉に移動します。

植物細胞は生命を維持するために、栄養素と総称される必須の物質を必要とします。植物の栄養素は、有機化合物で構成されていることも、無機化合物で構成されていることもあります。有機化合物は、大気から得られる二酸化炭素などの炭素を含む化学的な化合物です。大気中のCO₂から得られた炭素は、ほとんどの植物内の乾燥質量の大部分を占めています。無機化合物は炭素を含まず、生きている生物の一部でもなければ、生きている生物によって生産されるものでもありません。土壌の溶液の大部分を占める無機物質は、一般にミネラルと呼ばれています。植物にとって必要なものには、構造と調節のための窒素(N)とカリウム(K)が含まれます。

必須栄養素

植物は、すべての生化学的な必要性をサポートするために、光、水、そして約20個の元素のみを必要とします。これらの20の元素は必須栄養素と呼ばれます(表31.1)。ある元素が必須と見なされるには、3つの基準が必要とされます:1)その元素がないと植物がその生活環を完了できないこと、2)他のいかなる元素もその元素の機能を実行できないこと、そして、3)その元素が植物の栄養摂取に直接関与していること、です。

表31.1

多量栄養素と微量栄養素

必須元素は2つのグループに分けることができます:多量栄養素および微量栄養素です。植物が大量に必要とする栄養素は多量栄養素と呼ばれます。必須元素の約半分が多量栄養素と見なされます:炭素、水素、酸素、窒素、リン、カリウム、カルシウム、マグネシウム、硫黄です。これらの多量栄養素の最初のものである炭素(C)は、炭水化物、タンパク質、核酸、そして他の多くの化合物を形成するのに必要です。それゆえ炭素はすべての高分子に存在します。平均して、細胞の乾燥重量(水を除く)は50%が炭素です。図31.3に示されるように、炭素は植物生体分子の重要な部分です。

図31.3 | 植物の細胞壁の主要構造要素であるセルロースは、植物の物質の30%以上を占めています。それは地球上で最も豊富な有機化合物です。

植物の細胞で次に豊富な元素は窒素(N)です。それはタンパク質と核酸の一部です。窒素はいくつかのビタミンの合成にも使われています。水素と酸素は多くの有機化合物の一部となる多量栄養素であり、水も形成します。酸素は細胞呼吸に必要です。植物は、ATPの形でエネルギーを貯蔵するために酸素を使います。他の多量栄養素であるリン(P)は、核酸とリン脂質を合成するのに必要です。リンは、ATPの一部として、食物エネルギーを酸化的リン酸化によって化学エネルギーに変換することを可能にします。同様に、光エネルギーは、光合成における光リン酸化中に化学エネルギーに変換されるとともに、呼吸中に抽出される化学エネルギーに変換されます。硫黄は、システインやメチオニンなどの特定のアミノ酸の一部であり、いくつかの補酵素にも含まれています。硫黄は、電子伝達鎖の一部として光合成でも役割を果たします。そこでは、水素勾配が光エネルギーのATPへの変換に重要な役割を果たします。カリウム(K)は気孔の開閉を調節する役割を果たしているので重要です。気孔は、ガス交換のための開口部として、健全な水分平衡を維持するのを助けます。カリウムイオンポンプがこのプロセスを支えています。

マグネシウム(Mg)とカルシウム(Ca)も重要な多量栄養素です。カルシウムの役割は2つあります:栄養素の輸送を調節すること、そして多くの酵素機能を支えることです。マグネシウムは光合成プロセスにとって重要です。これらのミネラルは、以下に記載される微量栄養素と共に植物のイオン平衡にも貢献します。

多量栄養素に加えて、生物は少量のさまざまな元素を必要とします。これらの微量栄養素、または微量元素は非常に少量で存在します。それらは、ホウ素(B)、塩素(Cl)、マンガン(Mn)、鉄(Fe)、亜鉛(Zn)、銅(Cu)、モリブデン(Mo)、ニッケル(Ni)、ケイ素(Si)、およびナトリウム(Na)を含みます。

これらの栄養素のいずれかの不足、特に多量栄養素の不足は、植物の成長に悪影響を及ぼすことがあります(図31.4)。特定の栄養素に応じて、欠乏は成長不良、成長の鈍化、または白化(葉の黄変)を引き起こすことがあります。極端な欠乏は、細胞死の徴候を示す葉をもたらすかもしれません。

学習へのリンク

このウェブサイト(http://openstaxcollege.org/l/plant_mineral)にアクセスして、植物の栄養素欠乏に関するインタラクティブな実験に参加してみてください。あなたは植物が受け取るN、P、K、Ca、Mg、およびFeの量を調整できます。そして何が起こるかを見てください。

図31.4 | これらの植物が示す症状では栄養素欠乏が明らかです。この(a)グレープトマトは、カルシウム欠乏によって引き起こされる尻腐れを患っています。この(b)フラングラ・アルヌス(Frangula alnus)の黄変はマグネシウム欠乏に起因しています。不適切なマグネシウムはまた、(c)このフウの葉に見られる葉脈内白化を引き起こします。この(d)シュロはカリウム欠乏症の影響を受けています。(credit c: modification of work by Jim Conrad; credit d: modification of work by Malcolm Manners)

日常へのつながり

図31.5 | 植物生理学者のレイ・ウィーラーが、水耕栽培技術を使って育てている玉ねぎをチェックしています。他の植物はビッブレタス(左)と大根(右)です。(Credit: NASA)

水耕栽培

水耕栽培は、土壌の代わりに水-栄養素の溶液で植物を育てる方法です。その出現以来、水耕栽培は研究者がしばしば使用する育成プロセスへと発展してきました。植物の栄養素欠乏症の研究に興味がある科学者は、厳密に制御された条件下で、異なる栄養素の組み合わせの効果を研究するために、水耕栽培を使用することができます。水耕栽培はまた、温室環境で花、野菜、および他の作物を栽培する方法として発達してきました。あなたは、地元の食料品店で水耕栽培で育てられた農産物を見つけることができるかもしれません。今日、市場の多くのレタスとトマトは水耕栽培されています。

31.2 | 土壌

この節が終わるまでに、あなたは次のことができるようになります:
•土壌がどのようにして形成されるかを記述する
•土壌の組成を説明する
•土壌断面を記述する

植物は土壌から無機元素を得ています。土壌は陸上植物のための自然の培地として役に立ちます。土壌は地球の表面を覆う外側の緩い層です。土壌の質は、気候とともに、植物の分布と成長にとっての主要な決定要因です。土壌の質は、土壌の化学組成だけでなく、地形(地域的な表面の特徴)や生物の存在にも左右されます。農業では、栽培慣行や以前の作物などの土壌の歴史によって、その土壌の特性や肥沃度が変化します。

土壌は長期間にわたって非常にゆっくりと発達し、その形成は鉱物、岩石、および有機化合物に作用する自然および環境の力から生じます。土壌は2つのグループに分けることができます。有機質土壌は堆積によって形成され、主として有機物で構成されているものである一方で、岩石の風化によって形成され、主として無機物質で構成されているものは鉱質土壌と呼ばれます。鉱質土壌は陸上生態系で優勢です。そこでは、土壌は1年の一部の間には水で覆われているか、あるいは大気にさらされています。

土壌の組成

土壌はこれらの主要成分から構成されています(図31.6)。
•無機鉱物物質、土壌体積の約40~45%
•有機物質、土壌体積の約5%
•水と空気、土壌体積の約50%
土壌の4つの主要成分のそれぞれの量は、植生の量、土壌圧縮、および土壌に存在する水分に依存します。健康的なよい土壌には、植物の寿命を促進し維持するのに十分な空気、水、鉱物、有機物質が含まれています。

ビジュアルコネクション

図31.6 | 土壌の4つの主要な成分が示されています:無機鉱物、有機物質、水、そして空気です。

土壌が重機や徒歩での通行によって圧縮されると、土壌圧縮が起こることがあります。この圧縮によって土壌の組成はどのように変わるでしょうか?

腐植質と呼ばれる土壌の有機物質は、微生物(死んだものと生きているもの)と、そして腐敗のさまざまな段階にある死んだ動植物で構成されています。腐植質は土壌構造を改善し、水とミネラルを植物に供給します。土壌の無機物質は、さまざまな大きさの細かい粒子にゆっくりと崩れた岩石からなります。直径0.1~2mmの土壌粒子は砂です。0.002~0.1mmの土壌粒子はシルトと呼ばれ、直径が0.002mm未満のさらに小さい粒子は粘土と呼ばれます。一部の土壌では優勢な粒子の大きさがなく、砂、シルト、腐植質の混合物を含んでいます。これらの土壌はロームと呼ばれています。

学習へのリンク

米国内のほぼすべての地域の土壌データにアクセスするには、アメリカ合衆国農務省の全国共同土壌調査からのこのインタラクティブな地図(http://openstaxcollege.org/l/soil_survey_map)を調べてください。

土壌形成

土壌形成は、生物学的、物理的、そして化学的プロセスの組み合わせの結果です。土壌は、理想的には50%の固形物質と50%の間隙空間を含むべきです。間隙空間の約半分は水を含み、残りの半分は空気を含むべきです。土壌の有機成分は、接着材料として働き、栄養素を植物に戻し、土壌が水分を蓄積するのを助け、土壌を農業用に耕作可能にし、そして土壌の微生物にエネルギーを提供します。ほとんどの土壌微生物(細菌、藻類、または菌類)は乾燥した土壌では休眠状態ですが、ひとたび水分が利用可能になると活動的になります。

土壌の分布は均質ではありません。なぜなら、土壌の形成は層を生み出すからです。土壌の垂直断面はまとめて土壌断面と呼ばれます。土壌科学者は、土壌断面の中で、層位と呼ばれる区域を定義します。層位は、他の層とは異なる物理的および化学的性質を持つ土壌の層です。5つの要因が土壌形成を説明します:母材、気候、地形、生物学的要因、そして時間です。

母材

土壌が形成される有機材料および無機材料が母材です。鉱質土壌は、基盤岩、つまり土壌の下にある固い岩の風化から直接形成されるため、元の岩と似た組成をしています。他の土壌は、砂や氷河作用による物質など、他の場所から来た物質によって形成されます。土壌の深くにある物質は堆積した物質と比べて比較的変化がありません。河川の堆積物は、流れが速く動くのかゆっくり動くのかによって、異なる特性を持つことがあります。動きの速い川には岩や砂の堆積物があり、動きの遅い川には粘土のようなきめの細かい物質があるでしょう。

気候

気温、湿気、そして風はさまざまな風化パターンを引き起こし、それゆえ土壌の特性に影響を与えます。風化による湿気や栄養素の存在はまた、生物学的活動も促進します。これは良質な土壌の重要な要素です。

地形

地域的な表面の特徴(よく「地勢」と呼ばれます)は、土壌の特性や肥沃度に大きな影響を与えることがあります。地形は水の流出に影響し、それは母材を取り除き、植物の成長に影響を与えます。急勾配の土壌はより侵食されやすく、比較的平らまたは平坦な土壌よりも薄くなることがあります。

生物学的要因

生物の存在は土壌の形成や構造に大きな影響を与えます。動物や微生物は小さな穴や割れ目を作り出すことができ、植物の根は割れ目に侵入してより多くの破砕を引き起こすことができます。植物の分泌物は、根圏として知られている領域において、根の周りの微生物の発達を促進します。さらに、植物から落ちる葉や他の物質は分解して土壌の組成に寄与します。

時間

土壌は長い期間にわたって発達するため、時間は土壌形成における重要な要素です。土壌形成は動的なプロセスです。物質は時間とともに堆積され、分解し、そして生物によって使用され得るかまたは土壌の表面上に堆積され得る他の材料に変換します。

土壌の物理的特性

土壌はその層位に基づいて命名され分類されています。土壌断面には4つの異なる層があります:1)O層位、2)A層位、3)B層位、または下層土、4)C層位、または土壌基盤(図31.7)です。O層位の表面には腐植したばかりの有機物質(腐植質)があり、その底には分解した植生があります。腐植質は栄養素で土壌を豊かにし、土壌の水分保持を強化します。表土(土壌の表層)は通常2~3インチの深さですが、この深さはかなり異なることがあります。たとえば、ミシシッピ川デルタのような河川デルタは表土の深い層を持っています。表土は有機物質が豊富です。そこでは微生物プロセスが起こるとともに、それは植物の生産の「主力」です。A層位は有機物質と風化作用による無機産物の混合物からなります。それゆえ、それは真の鉱質土壌の始まりとなっています。この層位は通常、有機物質の存在のために暗い色がついています。この領域では、雨水が土壌に浸透し、地表から物質を運びます。B層位は、下方に移動した主として細かい物質の蓄積であり、その結果、土壌の中の密な層となっています。いくつかの土壌では、B層位は団塊または炭酸カルシウムの層を含んでいます。C層位、つまり土壌基盤には、母材と、土壌を形成するために分解された有機物質および無機物質が含まれます。母材は、元の場所で作り出されることも、他の場所から現在の場所に輸送されることもあります。C層位の下には基盤岩があります。

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図31.7 | この土壌断面は、典型的な土壌に見られるさまざまな土壌層(O層位、A層位、B層位、C層位)を示しています。(credit: modification of work by USDA)

どの層位が表土と見なされ、どれが下層土と見なされますか?

いくつかの土壌は追加の層を持っているか、またはこれらの層の1つを欠いているかもしれません。層の厚さも可変であり、土壌形成に影響を与える要因に依存します。一般的に、未熟土壌はO、A、C層位を持っていることがある一方で、成熟土壌はこれらすべてと追加の層を示すでしょう(図31.8)。

図31.8 | サン・ホアキンの土壌断面には、O層位、A層位、B層位、C層位があります。(credit: modification of work by USDA)

キャリアへのつながり

土壌科学者

土壌科学者は、土壌の生物学的成分、物理的および化学的性質、分布、形成、および形態を研究します。土壌科学者は、物理科学と生命科学の強固な背景知識と、数学の基礎を身に着けている必要があります。彼らは連邦または州の機関、学術界、または民間部門のために働くことがあります。彼らの仕事には、データの収集、研究の実施、結果の解釈、土壌の検査、土壌調査の実施、および土壌管理プログラムの推奨が含まれます。

図31.9 | この土壌科学者は、研究現場で土壌の層位と組成を研究しています。(credit: USDA)

多くの土壌科学者は、オフィスでも現場でも働いています。米国農務省(USDA)によれば:「土壌科学者には、さまざまな種類の土壌の特性を分析および決定するための優れた観察技能が必要とされます。土壌の種類は複雑で、土壌科学者が調査する可能性のある地理的領域はさまざまです。その領域を調査するためには、航空写真やさまざまな衛星画像がよく使用されます。コンピュータのスキルと地理情報システム(GIS)は、科学者が地形学、地形、植生、および気候の種々の側面を分析して、その景観に残されているパターンを発見するのに役立ちます。」[1]土壌科学者は、土壌の過去を理解し、現在の状況を分析し、将来の土壌に関連した実践のための勧告をする上で重要な役割を果たします。

[1] National Resources Conservation Service / United States Department of Agriculture. “Careers in Soil Science.” http://soils.usda.gov/education/facts/careers.html (http://openstax.org/l/NRCS)

31.3 | 植物の栄養上の適応

この節が終わるまでに、あなたは次のことができるようになります:
•植物の栄養上の適応を理解する
•菌根について記述する
•窒素固定について説明する

植物は2つの異なる方法で食料を手に入れます。独立栄養性の植物は、太陽光の存在下での光合成によって、二酸化炭素や水などの無機原料から自身の食料を作ることができます。緑色植物はこのグループに含まれます。しかしながら、いくつかの植物は従属栄養性です:それらは完全に寄生的で、クロロフィルを欠いています。全寄生植物と呼ばれるこれらの植物は、有機炭素を合成することができず、宿主植物からそれらの栄養素の全てを引き出します。

植物はまた、栄養素の獲得において微生物パートナーの助けを借りるかもしれません。特定の種の細菌や菌類は、特定の植物とともに進化し、根との相利共生的な共生関係を作り出しました。これは植物と微生物の両方の栄養摂取を改善します。マメ科植物における根粒形成および菌根形成は、植物の栄養上の適応の中で考慮することができます。しかしながら、これらは私たちが見つけるかもしれない唯一のタイプの適応ではありません。多くの植物は特定の条件下で繁栄することを可能にする他の適応を持っています。

学習へのリンク

このビデオ(http://openstaxcollege.org/l/basic_photosyn)では、光合成に関する基本的な概念について説明しています。左側のパネルで、それぞれのタブをクリックして確認するトピックを選択してください。

窒素固定:根と細菌の相互作用

窒素は核酸やタンパク質の一部であるため、重要な多量栄養素です。二原子分子N₂、または二窒素である大気中の窒素が陸上生態系における窒素の最大の貯蔵場所です。しかしながら、植物は窒素を生物学的に有用な形に変換するのに必要な酵素を持っていないため、植物はこの窒素を利用することができません。しかしながら、窒素は「固定」することができます。それは、窒素が生物学的、物理的または化学的プロセスを通してアンモニア(NH₃)に変換され得ることを意味します。あなたが学んできたように、生物学的窒素固定(BNF)とは、大気中の窒素(N₂)からアンモニア(NH₃)への変換であり、土壌細菌やシアノバクテリアのような原核生物によって独占的に行われます。生物学的プロセスは農業で使われる窒素の65%を占めています。次の式はこのプロセスを表します:
N₂ + 16ATP + 8e⁻ + 8H⁺ → 2NH₃ + 16ADP + 16Pi + H₂
BNFの最も重要な原因は、土壌細菌とマメ科植物との共生的な相互作用です。これには、人間にとって重要な多くの作物が含まれます(図31.10)。固定から生じるNH₃は、植物組織に輸送され、そしてアミノ酸に組み込まれ、それは次に植物タンパク質へと作り上げられます。大豆やピーナッツなどのいくつかのマメ科の種子には、高レベルのタンパク質を含んでいるものがあり、世界で最も重要な農業産タンパク質源の1つになっています。

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図31.10 | (a)ピーナッツ、(b)小豆、(c)ヒヨコマメなどの一般的な食用のマメ科植物は、窒素を固定する土壌細菌と共生的に相互作用することができます。(credit a: modification of work by Jules Clancy; credit b: modification of work by USDA)

農家はしばしばトウモロコシ(穀物)と大豆(マメ科植物)を交代させ、それぞれの作物を交互の季節に畑に植えます。この輪作はどのような利点をもたらすでしょうか?

まとめて根粒菌と呼ばれる土壌細菌は、マメ科植物の根と共生的に相互作用して、根粒と呼ばれる特殊な構造を形成し、そこで窒素固定が行われます。このプロセスは酵素のニトロゲナーゼによる大気中の窒素のアンモニアへの還元を伴います。したがって、根粒菌の使用は、天然ガスなどの再生不可能な資源を使用する化学的施肥とは対照的に、植物を施肥するための自然で環境に優しい方法です。植物は、共生的窒素固定を通じて、大気からの無限の窒素源を使用することから利益を得ます。このプロセスは同時に土壌の肥沃度にも貢献します。なぜなら、植物の根系が生物学的に利用可能な窒素の一部を残すからです。他の共生と同様に、両方の生物がこの相互作用から利益を得ます:植物はアンモニアを得て、細菌は光合成によって生成された炭素化合物とともに、成長するための保護されたニッチを獲得します(図31.11)。

図31.11 | 大豆の根には(a)窒素を固定する根粒が含まれています。根粒内の細胞は、ブラディリゾビウム・ジャポニクム(Bradyrhyzobium japonicum)という一種の根粒菌または「根を愛する」細菌に感染しています。この透過型電子顕微鏡写真に見られるように、この細菌は細胞内の(b)小胞に包まれています。(credit a: modification of work by USDA; credit b: modification of work by Louisa Howard, Dartmouth Electron Microscope Facility; scale-bar data from Matt Russell)

菌根:菌類と根の間の共生関係

土壌溶液が急速に取り込まれるとき、栄養素濃度が低いとき、拡散速度が低いとき、または土壌水分が低いときには、栄養素枯渇領域が発生することがあります。これらの条件は非常に一般的です。したがって、ほとんどの植物は土壌からのミネラルの取り込みを促進するために菌類に依存しています。菌類は、菌根と呼ばれる共生関係を植物の根と形成し、その中で菌類は実際には根の物理的構造の中に統合されています。菌類は活発な植物成長の間に生きている根の組織に侵入します。

菌根形成を通して、植物は土壌から主にリン酸と、亜鉛や銅などの他のミネラルを得ます。菌類は、植物の根から糖などの栄養素を得ます(図31.12)。菌根は、植物の根系の表面積を増加させるのに役立ちます。なぜなら、細い菌糸が、栄養素枯渇領域を超えて広がることができるからです。菌糸は、それがなければ植物に利用できないであろうリンへのアクセスを可能にするような、小さな土壌の孔へと成長することができます。植物への有益な効果は、貧弱な土壌において最もよく観察されます。菌類にとっての利点は、植物によってアクセスされる総炭素の最大20%を菌類が得られるということです。菌根は病原体に対する物理的障壁として機能します。それはまた、一般化された宿主防御機構の誘導を与え、そして時には菌類による抗生物質の化合物の産生を含みます。

図31.12 | 根の先端は菌根菌による感染のもとで増殖します。これはこの画像では灰色がかった白色のけばとして現れています。(credit: modification of work by Nilsson et al., BMC Bioinformatics 2005)

菌根には2つのタイプがあります:外生菌根と内生菌根です。外生菌根は、菌鞘と呼ばれる根の周りの広範で密な鞘を形成します。この菌類からの菌糸は菌鞘から土壌へと広がり、水やミネラルを吸収するための表面積が増えます。この種の菌根は、森林の木、特に針葉樹、樺の木、そしてオークに見られます。内生菌根はアーバスキュラー菌根とも呼ばれ、根の上に密な鞘を形成することはありません。代わりに、この菌類の菌糸体は根の組織内に埋め込まれています。内生菌根は陸生植物の80%以上の根に見られます。

他の供給源からの栄養素

いくつかの植物は自身の食物を生産することができず、外部の供給源からその栄養を得なければなりません。これは、寄生性または腐生性の植物で起きることがあります。いくつかの植物は相利共生的な共生植物、着生植物、または食虫植物です。

植物への寄生植物

寄生植物は生き残るためにその宿主に依存しています。いくつかの寄生植物は葉を持っていません。その一例がネナシカズラ(図31.13)です。これは、宿主の周囲に巻き付き吸枝を形成するやわらかい円筒形の茎を持っています。これらの吸枝から、細胞は宿主の茎に侵入し、そして成長して宿主の維管束バンドルと結合します。寄生植物はこれらのつながりを通して水と栄養素を得ます。この植物は、完全にその宿主に依存しているため、完全寄生植物(全寄生植物)です。他の寄生植物(半寄生植物)は完全に光合成性であり、水とミネラルのためだけに宿主を使います。寄生植物は約4100種あります。

図31.13 | ネナシカズラは宿主の維管束組織を貫通して、自身の成長のために栄養素を流用する全寄生植物です。白い花をつけたネナシカズラのつるがベージュ色であることに注意してください。ネナシカズラは葉緑素を持っておらず、自身の食物を生産することはできません。(credit: “Lalithamba”/Flickr)

腐生植物

腐生植物(サプロファイト)は、クロロフィルを持たず、細菌や菌類と同様に、死んだ物質から食物を得るような植物です(菌類もしばしばサプロファイト[日本語では腐生菌]と呼ばれますが、菌類は植物ではないのでこれは正しくありません)。このような植物は酵素を使って有機的な食物物質をより簡単な形に変換し、そこから栄養素を吸収することができます(図31.14)。ほとんどの腐生植物は死んだ物質を直接消化はしません:代わりに、それらは死んだ物質を消化する菌に寄生するか、あるいは菌根性であり、その宿主から光合成産物を引き出す菌類から最終的に光合成産物を得ます。腐生植物は珍しいです。ほんのいくつかの種のみが記載されています。

図31.14 | このシャクジョウソウ(Monotropa hypopitys)のような腐生植物は、死んだ物質から食物を入手し、クロロフィルを持っていません。(credit: modification of work by Iwona Erskine-Kellie)

共生植物

共生植物は、菌根や根粒形成などの特別な適応を伴う、共生関係にある植物です。菌類はまた、シアノバクテリアおよび緑藻類と共生的な関係を形成します(地衣類と呼ばれます)。地衣類は岩や木の表面で色鮮やかに成長しているものとして見られることがあります(図31.15)。藻類のパートナー(フィコビオント)は食物を独立栄養的に作り、その一部を菌類と共有しています。菌類のパートナー(ミコビオント)は、環境から水とミネラルを吸収します。そして、それらは緑藻類に利用可能にされます。もし一方のパートナーが他方から分離された場合、それらは両方とも死んでしまうでしょう。

図31.15 | 地衣類はしばしば他の植物と共生関係にあり、木の表面で成長している所を見ることができます。(credit: “benketaro”/Flickr)

着生植物

着生植物は、別の植物の上で成長する植物ですが、その別の植物に栄養を依存していません(図31.16)。着生植物には2つのタイプの根があります:木の割れ目に蓄積する腐植質から栄養分を吸収するまとわりつく気根と、大気から水分を吸収する気根です。

図31.16 | これらの着生植物はパリ植物園の中心の温室で育っています。

食虫植物

食虫植物には、昆虫を引き付けて消化するための特殊な葉があります。ハエトリグサは、その食虫様式の栄養摂取でよく知られており、罠として機能する葉を持っています(図31.17)。それが獲物から得るミネラルは、その原産のノースカロライナの沿岸平野の沼地(低pH)土壌に欠けているミネラルを補っています。それぞれの葉の各半分の中央には3本の感受性のある毛があります。それぞれの葉の縁は長い棘で覆われています。この植物によって分泌される蜜はこの葉へとハエを引き付けます。ハエが感覚毛に触れると、葉はすぐに閉じます。次に、水分や酵素が獲物を分解し、ミネラルが葉によって吸収されます。この植物は園芸貿易で人気があるので、その元の生息地では危機に瀕しています。

図31.17 | ハエトリグサは昆虫を捕らえるための特別な葉を持ってます。(credit: “Selena N. B. H.”/Flickr)

重要用語

A層位:有機物質と風化による無機産物の混合物からなる

B層位:下方に移動した主に細かい物質の蓄積である土壌層

基盤岩:土壌の下にある固い岩

C層位:母材、および土壌を形成するために分解される有機物質と無機物質を含む土壌の層。土壌基盤としても知られる

粘土:直径0.002mm未満の土壌粒子

着生植物:他の植物の上で成長するが、他の植物には栄養を依存しない植物

層位:物理的および化学的性質が異なる土壌の層。形成された方法と時期によって他の層とは異なる

腐植質:土壌の有機物質。微生物と、腐敗のさまざまな段階にある死んだ動植物で構成されている

無機化合物:炭素を含まない化合物。それは生きている生物の一部でもなければ、生きている生物によって生産されるものでもない

食虫植物:昆虫を引き付けて消化するための特殊な葉を持つ植物

ローム:優勢な粒子のサイズを持たない土壌

多量栄養素:植物の成長において大量に必要とされる栄養素。炭素、水素、酸素、窒素、リン、カリウム、カルシウム、マグネシウム、硫黄

微量栄養素:少量が必要な栄養素。微量元素とも呼ばれる

鉱質土壌:岩石や無機物質の風化から形成される土壌の種類。砂、シルト、粘土からなる

ニトロゲナーゼ:大気中の窒素のアンモニアへの還元を担う酵素

根粒:窒素固定が行われる根粒細菌を含む特殊な構造

O層位:表面に腐植質があり、底部に分解した植生がある土壌の層

有機化合物:炭素を含む化合物

有機質土壌:堆積によって形成され、主に有機物質からなる土壌の種類

寄生植物:生存のためにその宿主に依存している植物

母材:土壌が形成される有機物質および無機物質

根粒菌:マメ科植物の根と共生的に相互作用して根粒を形成し、窒素を固定する土壌細菌

根圏:根の分泌物および微生物の影響を受ける土壌の領域

砂:直径0.1~2mmの土壌粒子

腐生植物:葉緑素を持たず、死んだ物質から食物を得る植物

シルト:直径0.002~0.1mmの土壌粒子

土壌:地球の表面を覆う外側の緩い層

土壌断面:土壌の垂直断面

共生植物:細菌や菌類と共生関係にある植物

この章のまとめ

31.1 | 植物の栄養上の必須要件

植物は、その根系を通して無機栄養素と水を、そして環境からは二酸化炭素を吸収することができます。有機化合物と水、二酸化炭素、そして太陽光の組み合わせは、植物が成長するのを可能にするエネルギーを生み出します。無機化合物が土壌溶液の大部分を占めています。植物は土壌を通して水にアクセスします。水は植物の根によって吸収され、植物全体に栄養素を運び、植物の構造を維持します。必須元素は植物の成長に欠かせない元素です。それらは多量栄養素と微量栄養素に分けられます。植物が必要とする多量栄養素は、炭素、窒素、水素、酸素、リン、カリウム、カルシウム、マグネシウム、そして硫黄です。重要な微量栄養素には、鉄、マンガン、ホウ素、モリブデン、銅、亜鉛、塩素、ニッケル、コバルト、ケイ素、およびナトリウムが含まれます。

31.2 | 土壌

植物は土壌から無機栄養素を得ます。土壌は地球の表面を覆う外側の緩い層です。土壌の質は、土壌の化学組成、地形、生物の存在、気候、および時間に依存します。農業の実践と歴史もまた、土壌の特性と肥沃度を変えるかもしれません。土壌は4つの主要な要素からなります:1)無機鉱物物質、2)有機物質、3)水と空気、そして4)生物です。土壌の有機物質は腐植質でできており、これは土壌の構造を改善し、水とミネラルを供給します。土壌の無機物質は、砂、シルト、ロームなど、サイズが異なる小さな粒子にゆっくりと粉砕された岩石で構成されています。

土壌形成は、生物学的過程、物理的過程、および化学的過程の組み合わせの結果として生じます。土壌は均質ではありません。なぜなら、その形成は土壌断面と呼ばれる層の生成をもたらすからです。土壌形成に影響を与える要因には、母材、気候、地形、生物学的要因、および時間が含まれます。土壌は、その層位、土壌粒子のサイズ、および比率に基づいて分類されます。ほとんどの土壌には4つの異なる層位があります:O層位、A層位、B層位、C層位です。

31.3 | 植物の栄養上の適応

大気中の窒素は陸上生態系で利用可能な窒素の最大の貯蔵場所です。しかしながら、植物は必要な酵素を持っていないので、この窒素を使うことはできません。生物学的窒素固定(BNF)は、大気中の窒素のアンモニアへの変換です。BNFの最も重要な源は、土壌細菌とマメ科植物との共生的相互作用です。細菌は、窒素固定が行われるマメ科植物の根に根粒を形成します。菌類は植物と共生的な関係性(菌根)を形成し、根の物理的構造に統合されるようになります。菌根形成を通して、植物は土壌からミネラルを獲得し、菌類は植物の根から光合成産物を獲得します。外生菌根は根の周りに広範で密な鞘を形成する一方で、内生菌根は根の組織内に埋め込まれます。いくつかの植物 — 寄生植物、腐生植物、共生植物、着生植物、および食虫植物 — は、さまざまな供給源から有機的な栄養またはミネラルの栄養を得るための適応を進化させてきました。

ビジュアルコネクション問題

1.図31.6 | 土壌が重機や徒歩での通行によって圧縮されると、土壌圧縮が起こることがあります。この圧縮によって土壌の組成はどのように変わるでしょうか?

2.図31.7 | どの層位が表土と見なされ、どれが下層土と見なされますか?

3.図31.10 | 農家はしばしばトウモロコシ(穀物)と大豆(マメ科植物)を交代させ、それぞれの作物を交互の季節に畑に植えます。この輪作はどのような利点をもたらすでしょうか?

レビュー問題

4.ある元素が必須と見なされるためには、________を除く、以下のすべての基準が満たされなければなりません。
a.他の元素がその機能を実行できないこと
b.その元素が植物の栄養摂取に直接関係していること
c.その元素が無機であること
d.植物がその元素なしではその生活環を完了できないこと

5.炭水化物、タンパク質、核酸の一部であり、生体分子を形成する栄養素は________です。
a.窒素
b.炭素
c.マグネシウム
d.鉄

6.ほとんどの________は酵素機能に必要です。
a.微量栄養素
b.多量栄養素
c.生体分子
d.必須栄養素

7.陸上植物の主な水源は何ですか?
a.雨
b.土壌
c.生体分子
d.必須栄養素

8.どの要因が土壌の質に影響しますか?
a.化学組成
b.土壌の歴史
c.生物の存在と地形
d.上記のすべて

9.直径が0.1~2mmの土壌粒子は________と呼ばれます。
a.砂
b.シルト
c.粘土
d.ローム

10.土は________と呼ばれる層で構成され、それらは一緒になって________と呼ばれます。
a.土壌断面:層位
b.層位:土壌断面
c.層位:腐植質
d.腐植質:土壌断面

11.土壌の下にある固い岩を表すのに使われる用語は何ですか?
a.砂
b.基盤岩
c.粘土
d.ローム

12.植物が容易に使用できる無機化合物を生成するプロセスはどれですか?
a.光合成
b.窒素固定
c.菌根
d.カルヴィン回路

13.菌根形成を通して、植物は________のような重要な栄養素を得ます。
a.リン、亜鉛、銅
b.リン、亜鉛、カルシウム
c.ニッケル、カルシウム、亜鉛
d.上記のすべて

14.生きている宿主植物からの栄養摂取を必要とする植物を表す用語は何ですか?
a.寄生植物
b.腐生植物
c.着生植物
d.食虫植物

15.菌類とシアノバクテリアの間の共生的な関係性のための用語は何ですか?
a.地衣類
b.菌根
c.着生植物
d.窒素を固定する根粒

クリティカルシンキング問題

16.窒素とカルシウムの欠乏によってどんな種類の植物の問題が起こりますか?

17.ヤン・バプティスタ・ファン・ヘルモントの生涯を調べてください。ファン・ヘルモント実験は何を示しましたか?

18.2つの必須多量栄養素と2つの必須微量栄養素を列挙してください。

19.鉱質土壌と有機質土壌の主な違いを記述してください。

20.土壌形成に影響を与える要因を挙げて簡単に説明してください。

21.地形が土壌の特性と肥沃度にどのように影響するかを記述してください。

22.なぜ生物学的窒素固定は、環境にやさしい植物への施肥方法なのでしょうか?

23.光合成と生物学的窒素固定との間の、エネルギーの観点からの主な違いは何ですか?

24.根粒が植物の栄養上の適応であるのはなぜですか?

解答のヒント

第31章

1 図31.6 土壌の空気量は減少します。3 図31.10 大豆はその根で窒素を固定することができますが、それは生育期の終わりには収穫されません。地下の窒素はトウモロコシによって次の季節に使用することができます。4 C 6 A 8 D 10 B 12 B 14 A 16 これらの栄養素が欠乏すると、成長不足、成長の鈍化、そして白化が引き起こされる可能性があります。18 回答は多様なものになるかもしれません。必須多量栄養素には、炭素、水素、酸素、窒素、リン、カリウム、カルシウム、マグネシウム、および硫黄が含まれます。必須微量栄養素には、鉄、マンガン、ホウ素、モリブデン、銅、亜鉛、塩素、ニッケル、コバルト、ナトリウム、およびケイ素が含まれます。20 母材、気候、地形、生物学的要因、そして時間が土壌形成に影響を与えます。母材は、土壌が形成される材料です。気候は、気温、湿度、および風が、どのようにして異なるパターンの風化を引き起こし、土壌の特性に影響を与えるかを表しています。地形は土壌の特性と肥沃度に影響します。生物学的要因には、土壌形成に大きく影響する生物の存在が含まれます。凍結や解凍などのプロセスでは、岩石にひびが入ることがあります。植物の根はこれらの裂け目を貫通し、さらなる細分化を引き起こします。土壌は長期間にわたって発達するため、時間は土壌に影響を与えます。22 それは自然のものであり、天然ガスなどの再生不可能な資源の使用を必要としないからです。24 根粒は、植物と細菌の共生によって生じます。根粒内では、窒素固定のプロセスによって植物が空気から窒素を得ることが可能になります。

この訳文は元の本のCreative Commons BY 4.0ライセンスに従って同ライセンスにて公開します。 問題がありましたら、可能な限り早く対応いたしますので、ご連絡ください。また、誤訳・不適切な表現等ありましたらご指摘ください。この本は、https://openstax.org/details/books/biology-2e で無料でダウンロードできます。

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