生物学 第2版 — 第45章 個体群と生物群集の生態学 —

Japanese translation of “Biology 2e”

Better Late Than Never
124 min readOct 24, 2019

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45 | 個体群と生物群集の生態学

図45.1 | 電気漁法に反応してアジアコイが飛び出しています。挿入された写真のアジアコイは、2010年5月にイリノイ州のリトル・カルメット川でロテノンを使用して捕獲されたものです。ロテノンは殺虫剤としてしばしば使用される毒素で、種の個体群について詳しく知るために使用されました。(credit main image: modification of work by USGS; credit inset: modification of work by Lt. David French, USCG)

この章の概要

45.1:個体群の人口統計学
45.2:生活史と自然選択
45.3:個体群の増大に対する環境的な制限
45.4:個体群の動態と調節
45.5:人間の人口増加
45.6:生物群集生態学
45.7:行動生物学:行動の直接の原因および究極の原因

はじめに

週末の午後に小さなモーターボートに乗って川を下っているところを想像してください。水は穏やかで、あなたは暖かい日差しと涼しい風を楽しんでいたところ、突然20ポンドの銀色のコイが頭からぶつかってきました。これは現在、イリノイ州とミズーリ州の多くの河川と運河システムにおけるアジアコイの存在によるリスクとなっています。

この魚は、実際にはハクレン、アオウオ、ソウギョ、コクレンなどの種を含むグループであり、1000年以上にわたって中国で飼育され、食用にされてきました。それは、世界で最も重要な水産養殖の食料資源の1つです。しかしながら、米国では、アジアコイは生物群集の構造と組成を破壊して在来種を脅かすほど危険な侵入種と考えられています。

45.1 | 個体群の人口統計学

この節が終わるまでに、あなたは次のことができるようになります:
•生態学者が個体群の大きさと密度をどのように測定するかを記述する
•個体群の分布の3つの異なるパターンを記述する
•生命表を使用して死亡率を計算する
•3種類の生存曲線を記述し、それらを特定の個体群に関連付ける

個体群は動的な存在です。個体群は特定の地域内に生息するすべての種において構成され、個体群は多くの要因に基づいて変動します:環境の季節的および毎年の変化、森林火災や火山噴火などの自然災害、種間および種内の資源の競合などです。個体群の動態の統計的研究である人口統計学では、一連の数学的な道具立てを使用して、生物的環境および非生物的環境の変化に対する個体群の反応を調査します。これらの道具の多くは、もともと人間の集団を研究するために設計されました。たとえば、集団内の個体の平均余命を詳述する生命表は、当初は保険料率を設定するために生命保険会社によって開発されました。実際、「人口統計学」という用語は人間について議論する際に一般的に使用されますが、このアプローチを使用してすべての生物の個体群を研究することができます。

個体群の大きさと密度

任意の個体群の研究は、通常、いくつかの特定の種の個体の数と、それらが互いにどの程度密接に関連しているかを判断することから始まります。特定の生息地内では、個体群は、その個体群の大きさ(N)、すなわち個体の総数と、その個体群の密度、すなわち特定の領域内または体積内の個体の数とによって特徴付けられます。個体群の大きさと密度は、個体群を記述し理解するために使用される2つの主要な特徴です。たとえば、個体数の多い個体群は、遺伝的変動性のために、したがって環境に適応する潜在能力のために、小さな個体群よりも安定しているかもしれません。あるいは、個体群の密度が低い(生息地に広がっている)個体群のメンバーは、密度の高い個体群と比較して、交尾相手を見つけるのが難しい場合があります。図45.2に示されるように、小さな生物は大きな生物よりも密に分布する傾向があります。

ビジュアルコネクション

図45.2 | オーストラリアの哺乳類は、個体群の密度と体の大きさの間で典型的な逆相関の関係を示しています。

このグラフが示すように、個体群の密度は通常、体のサイズが大きくなると減少します。あなたはなぜそうなのだと思いますか?

個体群を調査する方法

個体群の大きさを決定する最も正確な方法は、生息地内のすべての個体を単純に数えることです。しかしながら、この方法は、特に大規模な生息地を研究する場合には、物流的にまたは経済的に実行不可能な場合がしばしばあります。したがって、科学者は通常、それぞれの生息地の代表的な部分をサンプリングし、このデータを使用して生息地全体について推論することにより、個体群を研究します。個体群をサンプリングし、大きさと密度を決定するためにさまざまな方法を使用することができます。植物などの動かない生物、または非常に小さく動きの遅い生物の場合は、コドラート法(方形区画法)を使用することができます(図45.3)。コドラート法は、棒とひもを使ってある領域を区画分けするか、あるいは地面の上に置かれた木材、プラスチック、または金属の方形を使用することによって、生息地内の正方形のエリアを印付けする方法です。方形を設定した後、研究者は、境界内にある個体の数を数えます。生息地全体にわたっていくつかのランダムな場所で複数の四角形のサンプリングを実行して、生息地全体の個体群の大きさと密度を推定します。方形のサンプリングの数と大きさは、研究中の生物の種類と、その生物の密度などのその他の要因によって異なります。たとえば、スイセンをサンプリングする場合、1m²の四角形が使用されるでしょう。一方、巨大なセコイアでは、100m²のより大きな四角形が使用されるでしょう。これにより、サンプリングされていないエリアを含め、生息地と相関する正確なサンプルを取得するのに十分な種の個体がカウントされます。

図45.3 | 科学者が、方形を使用して個体群の大きさと密度を測定しています。(credit: NPS Sonoran Desert Network)

哺乳類、鳥類、魚類などの動くことのできる生物の場合、科学者は標識再捕獲法と呼ばれる手法を使用します。この方法では、捕獲された動物のサンプルに何らかの方法で標識を付け(タグ、帯、塗料、またはその他の体の標識など)、それらを環境に戻して残りの個体群と混合できるようにします。その後、研究者は新しいサンプルを収集します。これには、標識が付けられた個体(再捕獲)と標識が付けられていない個体が含まれます(図45.4)。

図45.4 | (a)オオツノヒツジ、(b)カリフォルニアコンドル、(c)サケなどの動くことのできる動物の個体群の大きさを測定するために標識再捕獲法が使用されています。(credit a: modification of work by Neal Herbert, NPS; credit b: modification of work by Pacific Southwest Region USFWS; credit c: modification of work by Ingrid Taylar)

科学者は、標識が付けられた個体と標識が付けられていない個体の比率を使用して、サンプルに含まれる個体の数を判断します。これから、計算を使用して個体群の大きさの総数を推定します。この方法では、個体群が大きければ大きいほど、より多くの標識付けされていない個体と混ざり合うため、再捕獲される標識付けられた生物の割合が低くなると想定しています。たとえば、もし80頭の鹿が捕獲され、標識が付けられ、森に放たれ、その後に100頭の鹿が捕獲され、そのうち20頭がすでに標識付けされている場合、私たちは次の式を使用して個体群の大きさ(N)を推定することができます:

私たちの例を使用すると、個体群の大きさは400と推定されます。

したがって、元の個体群には推定400体の個体がいます。

標識再捕獲法にはいくつかの制限があります。最初の捕獲での一部の動物は、2回目において捕獲を回避することを学習しているかもしれず、そのため個体群の大きさの推定が膨らみます。あるいは、一部の動物は再捕獲されることを好むことがあり(特に食物の報酬が提供される場合には)、個体群の大きさの過小評価をもたらします。また、一部の種は標識技術によって害を受け、生存率が低下する場合があります。個体群や生物群集のサイズと健全性を推定するために、無線送信機で標識付けされた動物を電子的に追跡することや、商業漁業や捕獲作業からのデータを使用することを含む、他のさまざまな手法が開発されています。

種の分布

単純な密度の測定に加えて、個体の分布を調べることにより、個体群についてのさらなる情報を取得することができます。種の分散パターン(または分布パターン)は、特定の時点での生息地内の個体群のメンバー間の空間的な関係を示します。言い換えれば、それらは、種のメンバーが近くに住んでいるのか、遠く離れて住んでいるのか、そしてそれらが離れているときにはどのようなパターンが明らかになるのかを示しています。

ある個体群内の個体は、均等に間隔をあけていたり、予測可能なパターンなしでランダムに分散していたり、またはグループにかたまっていたりすることがあります。これらは、それぞれ一様分散パターン、ランダム分散パターン、および集中分散パターンとして知られています(図45.5)。一様分散は、近くの個体の成長を阻害する物質を分泌する植物(サルビア植物のサルビア・レウコフィラ(Salvia leucophylla)による有毒化学物質の放出、アレロパシーと呼ばれる現象)や、特定の縄張りを維持するペンギンのような動物で観察されます。ランダム分散の例は、風によって分散される種子を持ち、それらがたまたま好ましい環境に落ちたならばどんな場所ででも発芽するタンポポや他の植物で起こります。集中分散は、オークの木のように種子を地面にまっすぐ落とす植物や、グループで生きている動物(魚の群れや象の群れ)で見られることがあります。集中分散は、生息地の不均一性の作用でもあります。したがって、個体群内の個体の分散は、単純な密度の測定を行うよりも、それらが互いにどのように相互作用するかについてより多くの情報を提供します。密度の低い種が交配相手を見つけるのがより困難になることがあるように、ランダムに分布する単独行動性の種は、グループにまとめられた社会的な種と比較した場合、同様の困難さを持つことがあります。

図45.5 | 種は一様、ランダム、または集中した分布を持つことがあります。ペンギンなどの縄張りをもつ鳥類は、一様に分布する傾向があります。種子が風によって分散されるタンポポなどの植物は、ランダムに分布する傾向があります。グループで移動するゾウなどの動物は、集中した分布を示します。(credit a: modification of work by Ben Tubby; credit b: modification of work by Rosendahl; credit c: modification of work by Rebecca Wood)

人口統計学

個体群のサイズと密度は特定の時点での個体群のことを表しますが、科学者は個体群の動態を研究するためには人口統計学を使用しなければなりません。人口統計学とは、個体群の経時変化(出生率、死亡率、平均余命)の統計学的研究のことです。これらの各指標、特に出生率は、上記の個体群の特徴の影響を受けることがあります。たとえば、個体群のサイズが大きいと、生殖能力のある個体がより多く存在するため、出生率が高くなります。対照的に、個体群のサイズが大きいと、競争、病気、廃棄物の蓄積により死亡率が高くなることがあります。同様に、個体群の密度が高いか、集中分散パターンを持っていると、個体間で生殖的な出会いの可能性が高まり、出生率が増加することがあります。最後に、女性に偏った性比(雌に対する雄の比率)、または多くの生殖年齢にある個体で構成される年齢構造(特定の年齢層にある個体群のメンバーの割合)は、出生率を高めることがあります。

さらに、ある個体群の人口統学計的な特徴は、その個体群が経時的にどのように増減するかに影響を与えることがあります。もし出生率と死亡率が等しい場合、個体群は安定したままです。しかしながら、もし出生率が死亡率を超えると、個体群のサイズが大きくなります。もし出生率が死亡率よりも低い場合、個体群は減少します。平均余命はまた別の重要な要素です。個体が個体群内に留まる時間の長さは、地域の資源、生殖、および個体群の全体的な健全性に影響を与えます。これらの人口統計学的な特徴は、しばしば生命表の形式で表示されます。

生命表

生命表は、ある生物の生活史についての重要な情報を提供します。生命表は、個体群を年齢グループに、そしてしばしば性別に分割し、そのグループのメンバーがどれくらい長く生きる可能性があるかを示します。これらは、保険業界で人間の平均余命を推定するために使用されている保険数理表をモデルにしています。生命表には、個体が次の誕生日の前に死亡する確率(つまり、死亡率:特定の年齢間隔において生存したものに対する死亡したものの割合)、およびそれぞれの間隔での平均余命が含まれます。生命表の例は、北米の北西部に土着の種であるドールシープの研究からの表45.1に示されています。個体群が年齢間隔に分割されていることに注意してください(列A)。列Dに示されている死亡率(1000体あたり)は、ある年齢間隔の間に死亡した個体の数(列B)を、間隔の開始において生存していた個体の数(列C)で割って、1000を掛けた値に基づきます。

たとえば、3歳から4歳までの間に、元の1000頭のヒツジから残っていた776頭のうち12頭の個体が死亡します。次に、この数値に1000を掛けて、1000頭あたりの死亡率を得ます。

死亡率のデータ(列D)からわかるように、ヒツジが生後6か月から12か月の間に高い死亡率が発生し、その後8歳から12歳ではさらに増加し​​、その後まで生きているものはほとんどいませんでした。このデータは、もしこの個体群のヒツジが1歳まで生存した場合、列Eの平均余命で示されるように、平均でさらに7.7年生きることが期待できることを示しています。

表45.1 | ドールシープ(Ovis dalli)のこの生命表は、ドールシープのそれぞれの年齢間隔での死亡数、生存数、死亡率、および平均余命を示しています。

[1] Data Adapted from Edward S. Deevey, Jr., “Life Tables for Natural Populations of Animals,” The Quarterly Review of Biology 22, no. 4 (December 1947): 283–314.

生存曲線

個体群生態学者が使用する別の道具は、生存曲線です。これは、それぞれの年齢間隔で生存した個体の数を時間に対してプロットしたグラフです(通常は生命表から編集されたデータを使用します)。これらの曲線により、異なる個体群の生活史を比較することができるようになります(図45.6)。人間とほとんどの霊長類は、子孫の高い割合がその初期と中期を生き抜く(死亡は主として老年の個体で起こります)ので、I型の生存曲線を示します。これらの型の種は、通常一度に少数の子供を持ち、その生存を確実にするために、それらに親としての世話を大量に与えます。鳥類は、それぞれの年齢間隔でほぼ等しく死亡するため、中間型またはII型の生存曲線の例となります。これらの生物は、比較的少ない子供を持ち、かなりの親としての世話を提供します。樹木、海洋無脊椎動物、およびほとんどの魚類は、若い年齢を生き抜くものが非常に少ないため、III型の生存曲線を示します。しかしながら、高齢になることができたものは、比較的長期間生存する可能性が高くなります。通常、このカテゴリーの生物は非常に多くの子供を産みますが、ひとたびそれらが産まれると、親としての世話はほとんど行われません。したがって、これらの子供は「それ自身では」捕食に対して脆弱ですが、その莫大な数によって種を永続させるのに十分な個体の生存を確実にします。

図45.6 | 生存曲線は、年齢に応じた個体群の個体分布を示しています。人間とほとんどの哺乳類は、死亡が主に高齢時に起こるため、I型の生存曲線を持っています。鳥類は、あらゆる年齢において死亡が同様に発生する可能性があるため、II型の生存曲線を持っています。樹木は、若い年齢を生き抜くものがほとんどいないものの、一定の年齢を過ぎると、個体が生き残る可能性がはるかに高くなるため、III型の生存曲線を持っています。

45.2 | 生活史と自然選択

この節が終わるまでに、あなたは次のことができるようになります:
•生活史のパターンが自然選択によってどのように影響を受けるかを記述する
•さまざまな生活史パターン、およびさまざまな生殖戦略が種の生存にどのように影響するかを説明する

種の生活史は、成長、維持、生殖のために資源がどのように割り当てられるかなど、その生涯にわたる一連の出来事を記述します。生活史の形質は、生物の生命表に影響を与えます。ある種の生活史は遺伝的に決定され、環境と自然選択によって形作られます。

生活史のパターンとエネルギー収支

すべての生物は、成長、維持、生殖のためにエネルギーを必要とします。同時に、エネルギーはしばしば生物の生存を決定する主要な制限要因です。たとえば、植物は光合成によって太陽からエネルギーを獲得しますが、このエネルギーを消費して成長し、健康を維持し、エネルギーを豊富に含む種子を生産して次世代を生み出さなければなりません。動物には、エネルギーの一部を使って食物を獲得するという追加の負担があります。さらに、一部の動物は、子孫の世話にエネルギーを費やさなければなりません。したがって、すべての種にはエネルギー収支があります。すなわちそれらは、エネルギー摂取と、代謝、生殖、親としての世話、エネルギー貯蔵(冬眠のために体脂肪を蓄積するクマなど)のためのエネルギー使用とのバランスをとらなければなりません。

親としての世話と繁殖力

繁殖力は、個体群内の個体の潜在的な生殖能力です。言い換えれば、繁殖力とは、もし個体が子供の誕生後できるだけ早く生殖周期を繰り返し、可能な限り多くの子供を持つならば、理想的にはどのくらいの子供を生み出すことができるかを記述します。動物では、繁殖力は個々の子供に与えられる親としての世話の量に反比例します。多くの海洋無脊椎動物などの、たくさんの子供を生み出す種は、通常、子供の世話を(たとえするとしても)ほとんど提供しません(どのみちそれらは、そうするためのエネルギーも能力も持っていません)。それらのエネルギー収支のほとんどは、多くの小さな子供を生み出すために使用されます。この戦略を備えた動物は、非常にしばしば幼い年齢で自給自足となります。これは、これらの生物が進化的適応度を最大にするために行ったエネルギーのトレードオフのためです。それらのエネルギーは親としての世話の代わりに子供を生み出すために使用されるため、これらの子供が環境内を移動し、食べ物や住処を見つけることができる能力をいくらか持っていることは理にかなっています。たとえこれらの能力を備えていたとしても、それらはサイズが小さく捕食に対して非常に脆弱であるため、多くの子供を生み出すことによって、種を維持するのに十分な数の子供が生き残ることを可能にします。

生殖の事象の間に生み出す子供が非常に少ない動物の種は通常、広範な親としての世話をし、時には自分の健康を犠牲にするほどこれらの活動に多くのエネルギー収支を割り当てます。これは、人間、カンガルー、パンダなどの多くの哺乳類の場合です。これらの種の子供は出生時には比較的無力であり、自給自足を達成する前に発達する必要があります。

繁殖力の低い植物は、エネルギーが豊富な種子(ココナッツや栗などのような)をわずかに生み出し、そのそれぞれは新しい生物へと発芽する十分なチャンスがあります。繁殖力の高い植物には、通常、生存の可能性が比較的低い数多くの小さなエネルギーに乏しい種子(ランなど)があります。ココナッツと栗のほうが生き残る可能性が高いように見えますが、ランにおけるエネルギーのトレードオフも非常に効果的です。それは、エネルギーがどこで使用されるか(大量の種子のためか、またはより多くのエネルギーを持つより少ない種子のためか)の問題です。

早期の生殖と後期の生殖

生活史における生殖のタイミングも種の生存に影響します。早い時期に生殖する生物は、子供を生み出す可能性が高くなりますが、これは通常、成長と健康の維持を犠牲にします。逆に、生命の遅い時期に生殖を開始する生物は、繁殖力が大きいか、親としての世話をよりよく提供することができますが、生殖年齢まで生存できないリスクがあります。この例は魚類で見ることができます。グッピーのような小さな魚類は、急速に生殖するためにそのエネルギーを使用しますが、捕食者に対する防御を与えるほどの大きさになることはありません。ブルーギルやサメのような大型の魚類は、そのエネルギーを使って大きなサイズを獲得しますが、生殖することができるようになる前に、または少なくとも最大限に生殖する前に死ぬというリスクを伴います。これらの異なるエネルギー戦略とトレードオフは、それぞれの種が適応度を最大化しニッチを埋める際における、それぞれの種の進化を理解するための鍵となります。エネルギー収支の観点から、一部の種は「すべて使い果たす」、つまり、そのエネルギー貯蔵のほとんどを使い、死ぬ前に早期に生殖します。他の種は生殖を行うのを遅らせ、より強く、より経験豊富な個体になり、必要に応じて親としての世話を提供するのに十分なほど強くなるのを確実にします。

単一の生殖の事象と複数の生殖の事象

繁殖力、生殖のタイミング、親としての世話などのいくつかの生活史の形質は、複数の種によって使用される一般的な戦略へとグループ化できます。ある種が生涯に一度だけ生殖してその後死ぬときには、一回繁殖性が生じます。そのような種は、単一の生殖の事象中に資源量の大部分を使用し、生存できなくなるほどに自らの健康を犠牲にします。一回繁殖性の例としては、一度咲いてから死んでしまう竹や、マスノスケ(図45.7a)があります。マスノスケはほとんどのエネルギー備蓄を使って、海から淡水の繁殖地に移動し、そこで生殖をして死にます。科学者たちは、マスノスケの生殖後の死亡の進化的利点について代わりとなるいくつかの説明を有しています:コルチコステロイドホルモンの大量放出によって引き起こされるプログラムされた自殺(おそらく、それによって親が子供の食物となることができるように)か、あるいは生殖に求められるエネルギーによって引き起こされる単純な消耗です。これらはまだ議論されています。

多数回繁殖性は、生涯にわたって繰り返し生殖する種のことを表します。一部の動物は1年に1回しか交尾できませんが、複数回の交尾期を生き延びます。エダツノレイヨウは、季節的な発情周期に入る動物の例です。発情周期とは、交尾を成功させるために体を準備するホルモンによって誘発された生理学的状態です(図45.7b)。これらの種の雌は、周期の中の発情期にのみ交尾します。人間やチンパンジーなどを含む霊長類では異なるパターンが観察され、それらは生殖年齢の間はどの時点でも生殖を試みますが、月経周期により月に数日の排卵中にしか妊娠しません(図45.7c)。

(a)
(b)
(c)
図45.7 | (a)マスノスケは交尾を1回行い、死にます。(b)エダツノレイヨウは、生殖年齢にある間は、1年の特定の時期に交尾します。人間や(c)チンパンジーなどの霊長類は、排卵とは関係なく、いつでも交尾します。(credit a: modification of work by Roger Tabor, USFWS; credit b: modification of work by Mark Gocke, USDA; credit c: modification of work by “Shiny Things”/Flickr)

学習へのリンク

このPBSによるインタラクティブな進化を基にした交配ゲーム(http://openstaxcollege.org/l/mating_game)をプレイして、生殖戦略の詳細を学んでください。

進化へのつながり

ショウジョウバエのエネルギー収支、生殖コスト、性選択

動物が成長、維持、生殖のためにエネルギー資源をどのように割り当てるかについての研究は、さまざまな実験動物モデルを使用しています。この作業の一部は、一般的なキイロショウジョウバエ(Drosophila melanogaster)を用いて行われました。いくつかの研究では、生殖は、雄のショウジョウバエがどれだけ長く生きることができるかについて負担をかけるだけでなく、すでに数回交尾したショウジョウバエは生殖のために残っている精子が限られていることも示されています。ショウジョウバエは、最適な交配相手を選択することにより、生殖の最後のチャンスを最大化します。

1981年の研究では、雄のショウジョウバエが処女の雌または受精した雌のいずれかと一緒に囲いの中に置かれました。処女の雌と交尾した雄は、同じ数の受精した雌と接触したものの交尾できなかった雄よりも寿命が短かったです。この効果は、雄の大きさ(年齢を示す)に関係なく生じました。したがって、交尾しなかった雄は長生きし、将来、交尾相手を見つける機会が増えました。

2006年に実施されたより最近の研究では、雄が交尾する雌をどのように選択し、それが以前の交尾によってどのように影響を受けるかを示しています(図45.8)。[2]雄は小さな雌と大きな雌との間で選ぶことができました。実験結果は、大きい雌の方が繁殖力が高く、小さい雌よりも1回の交尾あたりの子供が2倍多いことを示しました。以前に交尾したために精子の供給量が少ない雄は「資源枯渇」と呼ばれ、交尾したことのない雄は「非資源枯渇」と名前が付けられました。この研究は、非資源枯渇の雄も大きな雌と優先的に交尾するものの、このパートナーの選択は資源枯渇の雄でより顕著であることを示しました。このように、精子の供給が枯渇した雄は、精子の供給量を補充する前に交尾できる回数が制限されているため、より大きく、より繁殖力のある雌を選択して、子供の可能性を最大化しました。この研究は、雄の生理学的状態が、限られた生殖資源の使用を明らかに最大化するような方法で交尾行動に影響を与えることを示す最初の研究の1つでした。

[2] Adapted from Phillip G. Byrne and William R. Rice, “Evidence for adaptive male mate choice in the fruit fly Drosophila melanogaster,” Proc Biol Sci. 273, no. 1589 (2006): 917–922, doi: 10.1098/rspb.2005.3372.

図45.8 | 以前に交尾した(精子が枯渇した)雄のショウジョウバエは、以前に交尾しなかった(精子が枯渇していない)雄よりも、体が大きく繁殖力のより高い雌を選びました。この行動の変化により、限られた生殖資源である精子の効率が向上します。

これらの研究は、エネルギー収支が生殖の要因となるような2つの方法を示しています。第1に、交尾に費やされるエネルギーは動物の寿命を縮めることがありますが、この時点でそれらはすでに生殖しているため、自然選択の文脈ではこの早期の死はそれほど進化的に重要ではありません。第2に、精子などの資源(およびそれを補充するために必要なエネルギー)が少ない場合、生物の行動が変化し、遺伝子を次世代に引き継ぐための最良の機会を与えることができます。進化にとって非常に重要なこれらの行動の変化は、個体群生物学と心理学の接点である行動生物学または動物行動学として知られる学問において研究されています。

45.3 | 個体群の増大に対する環境的な制限

この節が終わるまでに、あなたは次のことができるようになります:
•指数関数的成長パターンとロジスティック成長パターンの特徴と違いを説明する
•自然の個体群の指数関数的成長およびロジスティック成長の例を与える
•自然選択と環境適応が特定の生活史パターンの進化にどのようにつながったかを記述する

生活史は個体群の多くの特徴(年齢構造など)が一般的な方法で時間とともにどのように変化するかを記述しますが、個体群生態学者はさまざまな方法を使用して個体群の動態を数学的にモデル化します。これらのより精緻なモデルを使用して、ある個体群で発生する変化を正確に記述し、将来の変化をより正確に予測できます。長い間受け入れられていたいくつかのモデルは、予測能力が不足しているため、現在修正されているか、さらには放棄されていることもあり、研究者たちは効果的な新しいモデルの作成に努めています。

指数関数的成長

チャールズ・ダーウィンは自然選択の理論において、イギリスの聖職者トマス・マルサスの影響を大きく受けました。マルサスは1798年に本を出版し、その中で、無制限の天然資源を持つ個体群は非常に急速に成長し、そして資源が枯渇するにつれて個体群の増加が減速することを述べました。この個体群のサイズの増加の加速パターンは、指数関数的成長と呼ばれます。

指数関数的成長の最良の例は、細菌で見られます。細菌は原核生物的な分裂によって繁殖します。多くの細菌の種では、この分裂には約1時間かかります。もし1000個の細菌が無制限の栄養素が供給される(栄養素が枯渇しないように)大きなフラスコに入れられた場合、1時間後には分裂が1回行われ、それぞれの生物が分裂し、2000個の生物(つまり1000個の増加)が生じます。さらに1時間で、2000個の生物のそれぞれが2倍になり、4000個を作り出します(2000個の生物が増加します)。3時間の後には、フラスコ内に8000個の細菌がおり、4000個の生物が増えているはずです。指数関数的成長の重要な概念は、個体群の増加率(それぞれの生殖世代で追加される生物の数)の加速です。つまり、生物はますます大きくなる率で増加していきます。1日たって24回のサイクルがあった後には、個体群は1000個から160億個以上に増加しているでしょう。個体群のサイズNが時間の経過とともにプロットされると、J字型の成長曲線が作り出されます(図45.9)。

細菌の例は、資源が限られている現実の世界を代表するものではありません。さらに、一部の細菌は実験中に死んでしまい、繁殖しないため、成長率が低下します。したがって、個体群の成長率を計算する場合、死亡率(D)(特定の時間間隔の間に死亡する生物の数)が出生率(B)(その間隔の間に生まれる生物の数)から差し引かれます。これは次の式で示されます:

出生率は通常、1体あたり(個体ごと)をもとにして表されます。したがって、B(出生率)= bN(1体あたりの出生率「b」に個体の数「N」を掛けたもの)となり、D(死亡率)= dN(1体あたりの死亡率「d」に個体の数「N」を掛けたもの)となります。さらに、生態学者は、特定の時点(無限に短い時間間隔)での個体群に興味を持っています。このため、「瞬間的な」成長率を得るために微分計算の用語を使用して、数と時間の変化をある瞬間固有の数と時間の測定値に置き換えます。

最初の項に付随する「d」は微分を指し(微分計算で使用される用語と同様)、死亡率(やはり「d」と呼ばれます)とは異なることに注意してください。出生率と死亡率との間の関係を用語「r」(内的増加率)に置き換えることによって、出生率と死亡率の差はさらに簡潔になります:

値「r」は正の値をになることができ、これは、個体群のサイズが増加していることを意味します。値「r」は負になることもあり、これは、個体群のサイズが減少していることを意味します。また、値「r」はゼロになることもあり、これは個体群のサイズが変化しない場合であって、個体群ゼロ成長として知られる条件です。式をさらに改良すると、理想的な条件下であっても、種ごとに内的増加率に固有の違いがあることがわかります(しばしば、繁殖の可能性として考えられています)。明らかに、細菌は人間よりも速く増殖することができ、高い内的成長率を持っています。ある種にとっての最大成長率はその生物的潜在能力、つまりrₘₐₓであるため、方程式は次のように変更されます。

図45.9 | 資源が無制限の場合、個体群は指数関数的に増加し、J字型の曲線になります。資源が限られている場合、個体群はロジスティック成長を示します。ロジスティック成長では、資源が希少になるにつれて個体群の拡大が減速し、環境の収容能力に達すると横ばいになり、S字曲線になります。

ロジスティック成長

指数関数的成長は、無限の自然資源が利用可能な場合にのみ可能です。現実の世界ではそうではありません。チャールズ・ダーウィンは、「生存競争」の記述の中でこの事実を認識していました。生存競争とは、個体が限られた資源のために(自分と同じ種のメンバーや他の種のメンバーと)競争することを述べています。成功したものは生き残り、自身の特徴と形質(現在では、遺伝子によって伝達されることがわかっています)をより高い割合で次世代に伝えます(自然選択)。限られた資源の現実をモデル化するために、個体群生態学者はロジスティック成長モデルを開発しました。

環境収容力とロジスティックモデル

現実の世界では、資源が限られているため、指数関数的な成長を無限に続けることはできません。指数関数的な成長は、個体が少なく資源が豊富な環境で生じることがありますが、個体の数が十分に増えると、資源が枯渇し、成長率が低下します。最終的に、成長率は停滞または横ばいになります(図45.9)。特定の環境がサポートできる最大の個体群のサイズを表すようなこの個体群のサイズは、環境収容力またはKと呼ばれます。

ロジスティック成長を計算するために使用する式は、成長率の調整力として環境収容力を追加します。「K-N」という表現は、特定の段階で個体群に追加される個体の数を示し、「K-N」を「K」で割ったものが、さらなる成長に利用できる環境収容力の割合です。したがって、指数関数的な成長モデルはこの因子によって制限されて、ロジスティック成長方程式が生み出されます:

Nが非常に小さい場合、(K-N)/Kは、K/Kすなわち1に近くなり、方程式の右辺はrₘₐₓNへとまとめられることに注意してください。これは、個体群が指数関数的に増加し、環境収容力の影響を受けないことを意味します。一方、Nが大きい場合、(K-N)/Kはゼロに近くなります。これは、個体群の成長が大幅に遅くなるか、停止することさえあることを意味します。したがって、個体群の成長は、大規模な個体群では環境収容力Kによって大幅に遅くなります。このモデルでは、個体群のマイナス成長すなわち、個体群の減少も考慮することができます。これは、個体群の個体の数が環境収容力を超えたときに((K-N)/Kの値が負​となるため)発生します。

この方程式のグラフはS字曲線を生成し(図45.9)、指数関数的成長よりもより現実的な個体群の成長のモデルです。S字曲線には3つの異なるセクションがあります。最初は、個体がほとんどおらず利用可能な資源が十分にあるため、成長は指数関数的です。次に、資源が制限され始めると、成長率が低下します。最後に、成長は環境収容力で横ばいになり、時間の経過に伴う個体群のサイズの変化はほとんどなくなります。

種内競争の役割

ロジスティックモデルは、個体群内のすべての個体が資源への平等なアクセスを持ち、したがって生存の平等なチャンスがあることを前提としています。植物にとっては、水の量、日光、栄養素、および成長するスペースが重要な資源ですが、動物では、食物、水、住処、営巣スペース、および交配相手が重要な資源です。

現実の世界では、個体群内の個体間の表現型の変動は、一部の個体が他の個体よりも環境によく適応するであろうことを意味します。結果として生じる同じ種の個体群のメンバー間の資源をめぐる競争は、種内競争(イントラスペシフィック:イントラ- = 「中の」、 -スペシフィック = 「種」)と呼ばれます。資源のための種内競争は、環境収容力をはるかに下回る個体群には影響しないかもしれません。資源は豊富であり、すべての個体が必要なものを手に入れることができます。しかしながら、個体群のサイズが大きくなると、この競争は激化します。さらに、廃棄物の蓄積により、環境の収容能力が低下することがあります。

ロジスティック成長の例

酵母は、パンやアルコール飲料の製造に使用される微視的な菌類であり、試験管で培養するときには古典的なS字曲線を示します(図45.10a)。個体群が栄養素を使い果たすと、その成長は横ばいになります。しかしながら、現実の世界では、この理想的な曲線にはいくつかのバリエーションがあります。野生の個体群の例には、ヒツジとゼニガタアザラシが含まれます(図45.10b)。両方の例で、個体群のサイズは短期間に環境収容力を超え、その後に環境収容力を下回るまで下がります。個体群がその環境収容力を中心に行ったり来たりするにつれて、個体群のサイズのこの変動は引き続き発生します。それでも、この振動があったとしても、ロジスティックモデルが確認されています。

ビジュアルコネクション

図45.10 | (a)試験管内で理想的な条件で成長した酵母は、古典的なS字型のロジスティック成長曲線を示しますが、(b)アザラシの自然の個体群は現実世界の変動を示します。

もしアザラシの主要な食料源が汚染や乱獲のために減少した場合、次のうちどれが起こりそうですか?
a.アザラシの環境収容力は減少し、アザラシの個体群も減少する。
b.アザラシの環境収容力は減少するが、アザラシの個体群は同じままである。
c.アザラシの死亡数は増加するが、出生数も増加するため、個体群のサイズは同じままである。
d.アザラシの環境収容力は同じままであるが、アザラシの個体群は減少する。

45.4 | 個体群の動態と調節

この節が終わるまでに、あなたは次のことができるようになります:
•生息地の環境収容力がどのように変化するかの例を与える
•密度依存的成長調節と密度非依存的成長調節を比較対照し、例を挙げる
•野生動物の個体群の指数関数的成長およびロジスティック成長の例を与える
•自然選択と環境適応が特定の生活史パターンの進化にどのようにつながるかを記述する

個体群の成長のロジスティックモデルは、多くの自然の個体群で有効であり有用なモデルですが、現実世界の個体群の動態を単純化したものです。このモデルにおける暗黙の条件は、環境の収容能力が変わらないことですが、実際にはそうではありません。環境収容力は年ごとに異なります:たとえば、暑くて乾燥している夏もあれば、寒くて雨の多い夏もあります。多くの地域では、冬の間の環境収容力は夏の間よりもはるかに低くなります。また、地震、火山、火災などの自然現象により、環境が変化し、その結果、環境収容力が変化することがあります。さらに、個体群は通常、孤立して存在することはありません。それらは種間競争に従事しています:つまり、それらは同じ資源を求めて競合する他の種と環境を共有しています。これらの要因も、特定の個体群がどのように成長するかを理解するために重要なものです。

自然は、さまざまな方法で個体群の成長を調節します。これらは、所与の時点での個体群の密度が成長率と死亡率に影響を与える密度依存的要因と、個体群の密度に関係なく個体群の死亡率に影響を与える密度非依存的要因に分類されます。前者では、個体群に対する要因の効果は、当初の個体群の密度に依存することに注意してください。保全生物学者は両方のタイプを理解することを望みます。なぜならそれは、彼らが個体群を管理し、絶滅または過密を防ぐのに役立つからです。

密度依存的調節

ほとんどの密度依存的要因は生物学的性質(生物的)のものであり、捕食、種間競争および種内競争、廃棄物の蓄積、および寄生生物によって引き起こされるものなどの疾患が含まれます。通常、個体群の密度が高いほど、死亡率は高くなります。たとえば、種内競争および種間競争の間には、個体の生殖率は通常低くなり、個体群の成長率が低下します。さらに、獲物の密度が低くなると、食物源を見つけるのが難しくなるため、捕食者の死亡率が高くなります。

密度依存的調節の例が、図45.11に示されています。これは、人間や他の哺乳類の寄生生物である大型の腸内の回虫(Ascaris lumbricoides)に焦点を合わせた研究の結果です。[3]寄生生物の密度の高い個体群は低い繁殖力を示します:それらはより少ない卵を持ちます。これについて考えられる説明の1つは、より密度の高い個体群では(資源が限られているため)、雌はより小さくなり、雌が小さいほど卵が少なくなるということです。この仮説は、雌の体重が影響を及ぼさないことを示した2009年の研究によって検証されて、反証されました。[4]この生物の繁殖力の密度依存性の実際の原因はまだ不明であり、さらなる調査が待たれます。

[3] N.A. Croll et al., “The Population Biology and Control of Ascaris lumbricoides in a Rural Community in Iran.” Transactions of the Royal Society of Tropical Medicine and Hygiene 76, no. 2 (1982): 187–197, doi:10.1016/0035–9203(82)90272–3.
[4] Martin Walker et al., “Density-Dependent Effects on the Weight of Female Ascaris lumbricoides Infections of Humans and its Impact on Patterns of Egg Production.” Parasites & Vectors 2, no. 11 (February 2009), doi:10.1186/1756–3305–2–11.

図45.11 | この回虫の個体群では、個体群の密度とともに繁殖力(卵の数)が減少しています。[5]

[5] N.A. Croll et al., “The Population Biology and Control of Ascaris lumbricoides in a Rural Community in Iran.” Transactions of the Royal Society of Tropical Medicine and Hygiene 76, no. 2 (1982): 187–197, doi:10.1016/0035–9203(82)90272–3.

密度非依存的調節、および密度依存的要因との相互作用

多くの要因(典型的には、物理的または化学的性質(非生物的)のもの)は、個体群の密度に関係なく個体群の死亡率に影響するものであり、天候、自然災害、汚染などが含まれます。個々のシカは、その領域に何匹のシカがいるかに関係なく、森林火災で殺されることがあります。その際の生存の可能性は、個体群の密度が高いか低いかにかかわらず、同じです。冬の寒い天候でも同じことが言えます。

現実の状況では、個体群の調節は非常に複雑であり、密度に依存する要因と依存しない要因が相互作用することがあります。いくつかの環境要因によって密度非依存的な方法で減少した密度の高い個体群は、疎らな個体群とは異なる回復をすることができるでしょう。たとえば、厳しい冬の影響を受けたシカの個体群は、生殖するシカがより多く残っているほうが、より早く回復します。

進化へのつながり

なぜケナガマンモスは絶滅したのでしょうか?

(a)
(b)
(c)
図45.12 | 3つの写真は、(a)アメリカ自然史博物館にあるマンモスの群れの1916年の壁画、(b)ロシア、サンクトペテルブルクにある動物学博物館の世界で唯一のマンモスの剥製、および(c)2007年にシベリアで発見された1か月齢のリューバと名づけられたマンモス、です。(credit a: modification of work by Charles R. Knight; credit b: modification of work by “Tanapon”/Flickr; credit c: modification of work by Matt Howry)

恐竜が6500万年前に絶滅した理由についての議論では、簡単に迷子になってしまいます。それは現在のメキシコの海岸近くで地球に激突した流星によるものだったのでしょうか、それともまだ理解されていない長期の気象サイクルによるものだったのでしょうか?科学者は、これらの理論や他の理論を絶えず探求しています。

ケナガマンモスは、ごく最近に、現在の人間と解剖学的に違いのない人類と地球を共有したときに絶滅し始めました(図45.12)。マンモスは、紀元前1700年頃まで島のように孤立した個体群として生き残っていました。私たちは、シベリアや北方の他の地域の氷の中に凍結した死体からこれらの動物について多くのことを知っています。科学者はそのゲノムの少なくとも50%を配列決定しており、マンモスは現代のゾウと98~99%同一であると考えています。

気候変動と人間の狩猟がマンモスの絶滅につながったと一般に考えられています。2008年の研究では、気候変動によってマンモスの生息範囲が4万2000年前の300万平方マイルから6000年前の31万平方マイルに減少したと推定されました。[6]人間がこれらの動物を狩ったことも十分に実証されています。2012年の研究では、これらの堂々とした生き物の絶滅を引き起こした唯一の要因はなかったことが示されました。[7]人間の狩猟、気候変動、生息地の減少に加えて、これらの科学者たちは、マンモスの絶滅のもう1つの重要な要因が、2万年前の最後の氷河期の間にベーリング海峡を越えて北米へと人間が移動したことであると実証しました。

[6] David Nogués-Bravo et al., “Climate Change, Humans, and the Extinction of the Woolly Mammoth.” PLoS Biol 6 (April 2008): e79, doi:10.1371/journal.pbio.0060079.
[7] G.M. MacDonald et al., “Pattern of Extinction of the Woolly Mammoth in Beringia.” Nature Communications 3, no. 893 (June 2012), doi:10.1038/ncomms1881.

安定した個体群の維持は、過去においても現在においても非常に複雑であり、多くの相互作用する要因がその結果を決定します。人間も自然の一部であることを忘れないでください。私たちはかつては、原始的な狩猟技術のみを使用して種の減少に貢献していました。

K選択種とr選択種の生活史

生殖戦略は生活史において重要な役割を果たしますが、それらは限られた資源や競争などの重要な要因を考慮していません。これらの要因による個体群の成長の調節を用いることで、個体群生物学における古典的な概念、すなわちK選択種とr選択種の概念を導入することができます。

この概念は、種の生殖戦略、生息地、および行動、特に、それらが資源を獲得し、自らの子供を世話する方法に関連しています。それには、寿命の長さおよび生存要因も含まれます。個体群生物学者は、種を2つの大きなカテゴリー(K選択種とr選択種)にグループ化しましたが、このカテゴリーは実際には連続体の両端のものです。

K選択種は、安定した予測可能な環境によって選択された種です。K選択種の個体群は、種内の競争が激しいような、環境収容力の近くの状態で存在する傾向があります(したがって、K選択という用語が使われます)。これらの種は、数が少なく体の大きな子供を持ち、妊娠期間が長く、しばしば子供に長期的な世話を与えます(表45.2)。生まれたときのサイズは大きいですが、子供は出生時には比較的無力で未熟です。成体に達するまでに、それらは自然資源をめぐって競争するためのスキルを身に付けなければなりません。植物においては、科学者は親としての世話のことをより広く捉えています:果実が成長するのにどのくらいの時間がかかるか、または植物にどのくらいの時間実ったまま残っているかが、次の生殖事象までの時間を決定する要因となります。K選択種の例は、霊長類(人間を含む)、ゾウ、およびオークの木などの植物です(図45.13a)。

オークの木は成長が非常にゆっくりで、ドングリとして知られる最初の種子を生産するのに平均で20年かかります。個々の木では5万個ものドングリを生産できますが、これらの多くは腐敗したり、リスなどの動物に食べられたりするため、発芽率は低くなります。ある年では、オークは非常に多くの数のドングリを生産することがあり、これらの年はオークの種に応じて2年または3年のサイクルになることがあります(r選択)。

オークの木が大きく成長し、ドングリの生産を開始する前の何年もの間、それらはエネルギー収支の大部分を成長と維持に費やします。この木の高さとサイズは、オークの主要なエネルギー資源である日光をめぐる競争において、他の植物よりも優勢になることを可能にします。さらに、それが生殖するときには、オークはエネルギーの豊富な大きな種子を生み出し、その種子はエネルギー貯蔵を使用して迅速に根付きます(K選択)。

対照的に、r選択種は、多数の小さな子供を持っています(したがって、それらはrと名付けられています(表45.2))。この戦略は、予測不可能な環境や変化する環境でしばしば採用されます。r選択の動物は長期の親としての世話をしません。そして、子供は出生時に比較的成熟していて自給自足します。r選択種の例は、クラゲなどの海洋無脊椎動物やタンポポなどの植物です(図45.13b)。タンポポには、風によって長距離に散らばる小さな種子があります。多くの種子が同時に作られ、それらの少なくともいくつかが好ましい環境に到達するのを確実にします。好ましくない環境に落ちた種子は、その種子のエネルギー含有量が低いため、生存のチャンスはほとんどありません。生存は、必ずしも種子自体に蓄積されたエネルギーの関数ではないことに注意してください。

表45.2
図45.13 | (a)ゾウは、長生きし、成熟するのが遅く、少数の子供に長期の親としての世話を提供するため、K選択種と見なされます。オークの木は、親としての世話を受けない多くの子供を生成しますが、寿命と成熟が遅いことに基づいてK選択種と見なされます。(b)タンポポとクラゲは、早く成熟し、寿命が短く、親としての世話を受けない多くの子供を産むため、どちらもr選択種と見なされます。

生活史の現代理論

20世紀の後半までに、K選択種とr選択種の概念は、個体群を研究するために広く、また成功裏に使用されていました。r選択およびK選択理論は、数十年の間受け入れられ、多くの画期的な研究に使用されていましたが、現在では再検討されており、多くの個体群生物学者はそれを放棄しているか、または修正しています。長年にわたって、いくつかの研究がこの理論を確認しようとしましたが、これらの試みはほとんど失敗しています。この理論の予測に従わない多くの種が特定されました。さらに、この理論は、科学者が現在非常に重要であると知っている個体群の年齢別死亡率を無視していました。生活史の進化の新しい人口統計学ベースのモデルが開発されており、これには、r選択およびK選択理論に含まれる多くの生態学的概念、ならびに個体群の年齢構造および死亡要因が組み込まれています。

45.5 | 人間の人口増加

この節が終わるまでに、あなたは次のことができるようになります:
•指数関数的な人間の人口増加について議論する
•人間が生息地の環境収容力をどのように拡大してきたかを説明する
•さまざまな国における人口増加および年齢構造と、経済発展のレベルとを関連付ける
•抑制の利かない人間の人口増加の長期的な影響について議論する

個体群の動態は、人間の人口増加に適用できます。地球の人間の人口は急速に増加しており、この人口を支える地球環境の能力について懸念する人もでるほどになっています。長期的な指数関数的増加は、飢餓、病気、大規模な死の潜在的なリスクを伴います。

人間は環境の収容能力を向上させてきましたが、この変革を達成するために使用された技術は地球環境に前例のない変化を引き起こし、生態系を崩壊の危険にさらされるところまで変えました。オゾン層の減少、酸性雨による腐食、およびグローバルな気候変動による被害は、人間の活動によって引き起こされるものです。これらの変化が環境収容力に及ぼす最終的な影響は不明です。一部の人が指摘するように、環境収容力を増加させることによる負の影響は正の影響を上回るかもしれません — 人間にとっての世界の環境収容力は実際に減少する可能性があります。

現在、人間の生殖はその生物的潜在能力をはるかに下回っているにもかかわらず、人口は指数関数的に増加しています(図45.14)。人間の生物的潜在能力に到達するためには、すべての女性は生殖年齢の間に約9ヶ月ごとに妊娠しなければならないでしょう。また、資源は、環境がそのような増加をサポートするようなものでなければなりません。これら2つの条件のいずれも存在しません。この事実にもかかわらず、人口は依然として指数関数的に増加しています。

図45.14 | 紀元1000年以降の人間の人口増加は指数関数的です(濃い青色の線)。経済的に低開発国が多いアジアの人口(黄色の線)は指数関数的に増加している一方で、ほとんどの国が経済的に発展しているヨーロッパの人口(水色の線)ははるかにゆっくりと成長していることに注意してください。

指数関数的な人間の人口増加の結果は、地球に特定の数の人間を追加するのにかかる時間が短縮されたことです。図45.15は、1930年までに10億人を追加するには123年が必要だったことを示していますが、1975年から1999年の間に20億人を追加するには24年しかかかりませんでした。すでに議論したように、環境収容力を無限に増やす能力には限界があります。新しい技術の進歩がなければ、人口の成長率は今後数十年で低下すると予測されています。しかしながら、人口は依然として増加しており、人口過剰の脅威が残っています。

図45.15 | 10億人の人間が地球に追加されるまでの時間は、時間とともに減少します。(credit: modification of work by Ryan T. Cragun)

学習へのリンク

このインタラクティブな図(http://openstaxcollege.org/l/human_growth)をクリックして進むと、時間とともに人口がどのように変化したかがわかります。

密度依存的調節の克服

人間は、環境収容力を高めるという意識的な目的を持って環境を変える能力を持つという点で独特です。この能力は、人間の人口増加に関与する主要な要因であり、密度依存的な成長調節を克服する方法です。この能力の多くは、人間の知能、社会、コミュニケーションに関連しています。人間は住処を構築してさまざまな要素から自分たちを保護することができ、農業と家畜を発展させて食糧供給を増やしてきました。さらに、人間は言語を使用してこの技術を新しい世代に伝え、以前の成果の上に改善を加えることをできるようにしています。

人間の人口増加の他の要因は、移住と公衆衛生です。人間はアフリカに起源をもちますが、その後、地球上のほぼすべての居住可能な土地に移住しました。公衆衛生、下水処理、抗生物質およびワクチンの使用により、感染症が人口増加を制限する能力が低下しています。過去には、14世紀の腺ペストなどの疾患により、ヨーロッパの人口の30~60%が死亡し、世界全体の人口が1億人も減少しました。今日では、感染症の脅威はなくなっていませんが、確実にそれほど深刻ではなくなりました。世界保健機関によると、感染症による世界的な死亡数は、1993年の1640万人から1992年の1470万人へと減少しました。過去の流行の一部と比較すると、1993年から2002年の間に死亡した世界の人口の割合は、世界の人口の0.30%から0.24%へと減少しました。このように、人間の人口増加に対する感染症の影響はそれほど顕著ではありません。

年齢構造、人口増加、経済発展

人口の年齢構造は、人口動態の重要な要素です。年齢構造とは、さまざまな年齢層の人口の割合です。年齢構造によって、人口増加をより正確に予測でき、さらにこの成長を地域の経済発展レベルと関連付けることができます。急速な人口増加を遂げている国は、年齢構造の図でピラミッド型をしており、若年の個人が多いことを示しています。その多くは生殖年齢に達しているか、まもなくそうなります(図45.16)。このパターンは、最適とはいえない生活条件のために個人が高齢になるまで生きることがない低開発国で最もよく見られます。米国などの先進国を含む成長の遅い地域の年齢構造は、依然としてピラミッド型の構造を持っていますが、若くて生殖年齢にある個人ははるかに少なく、高齢者の割合が大きくなっています。イタリアなどのその他の先進国では、人口増加はゼロです。これらの集団の年齢構造はより円錐形であり、中高年の個人の割合がさらに高くなっています。さまざまな国の実際の増加率が図45.17に示されています。最も高い成長率は、経済的に発展していないアフリカとアジアの国々で生じる傾向があります。

ビジュアルコネクション

図45.16 | 典型的な年齢構造の図が示されています。急速な増加の図はある点に向けて細くなり、年齢とともに個人の数が急速に減少することを示しています。ゆっくりとした増加のモデルでは、個人の数は年齢とともに着実に減少します。安定した人口の図は上部が丸まっており、年齢グループごとの個人の数は徐々に減少し、集団の高齢の部分で死亡の数が増加することを示しています。

急速に増加している集団、ゆっくりと増加している集団、安定している集団の年齢構造の図がステージ1~3に示されています。ステージ4はどのようなタイプの集団の変化を表していると思いますか?

図45.17 | さまざまな国の人口のパーセント成長率が示されています。最も高い人口増加は、アフリカとアジアの経済的に発展していない国で起こっていることに注意してください。

指数関数的な人間の人口増加の長期的な帰結

「人口爆発」と呼ばれる重大な危機につながる世界の人口について、多くの恐ろしい予測がなされてきました。1968年の本「人口爆弾」では、生物学者であるポール・R. エーリック博士は次のように書いています。「すべての人類を養うための戦いは終わった。1970年代には、現在実施されている緊急プログラムにもかかわらず、数億人もの人々が餓死するだろう。この現在になっても、世界の死亡率の大幅な増加を防ぐことはできていない。」[8]多くの専門家は証拠に基づき、この記述を誤っていると見ていますが、指数関数的な人口増加の法則はまだ有効であり、抑制の利かない人口増加は無限に続けることはできません。

[8] Paul R. Erlich, prologue to The Population Bomb, (1968; repr., New York: Ballantine, 1970).

いくつかの国では、人口に影響を与えることを目的とした政策を実施しています。人口増加を抑制する努力は、中国の一人っ子政策(現在は、段階的に廃止されています)につながりました。インドもまた、家族計画を促進するために全国および地域の人口政策を実施しています。一方、日本、スペイン、ロシア、イラン、その他の国では、出生率が低下した後、人口増加を促進する努力がなされています。このような政策は議論を呼ぶものであり、人口は増え続けています。ある時点において食糧の供給がなくなるかもしれませんが、結果を予測することは困難です。国連は、将来の世界人口の増加は、2100年までに60億人(減少)から160億人まで幅があるだろうと推定しています。

人口増加の別の結果は、自然環境を危険にさらすことです。多くの国は、温室効果ガスの二酸化炭素の排出を削減することにより、気候変動に対する人間の影響を減らすことを試みてきました。しかしながら、これらの条約はすべての国で批准されているわけではありません。気候変動を引き起こす人間の活動の役割は、米国を含むいくつかの国で熱く議論されている社会-政治的な問題となっています。したがって、私たちは、人口増加を抑制し、環境を保護するという私たちの能力について、かなりの不確実性を持って未来に進んでいきます。

学習へのリンク

このウェブサイト(http://openstaxcollege.org/l/populations)にアクセスして、「Launch movie」を選択し、人間の人口増加の世界的な影響を説明するアニメーションを見てください。

45.6 | 生物群集生態学

この節が終わるまでに、あなたは次のことができるようになります:
•捕食者と被食者のサイクルについて議論する
•捕食や草食に対する防御の例を挙げる
•競争的排除の原則を記述する
•種の間の共生関係の例を挙げる
•生物群集の構造と遷移について記述する

個体群が他の種の個体群から隔離されて生きることは(たとえあったとしても)めったにありません。ほとんどの場合、多数の種が1つの生息地を共有しています。これらの個体群間の相互作用は、個体群の成長と個体数の調節に大きな役割を果たします。同じ生息地を占めるすべての個体群は、生物群集を形成します。生物群集は、ある特定の地域に同時に生息する複数の個体群のことです。同じ生息地を占める種の数とそれらの相対的な個体数は、種の多様性として知られています。南極の氷河などの多様性の低い地域には依然として多種多様な生物が含まれていますが、熱帯雨林の多様性はあまりにも巨大すぎて数え切れないほどです。種が互いにどのように相互作用し、同じ資源を求めて競争するかを理解するために、生物群集のレベルで生態学が研究されています。

捕食と草食

おそらく、種の相互作用の古典的な例は捕食です:すなわち、捕食者による被食者の摂食のことです。テレビの自然番組は、ある生物が別の生物を殺すドラマを強調しています。生物群集内の捕食者と被食者の個体群は、時間の経過とともに一定ではありません:ほとんどの場合、それらは関連しているように見えるサイクルでもって変動します。捕食者と被食者の動態で最もよく引用される例は、北米の森林におけるほぼ200年にわたる捕獲データを使用した、オオヤマネコ(捕食者)とカンジキウサギ(被食者)のサイクルで見られます(図45.18)。この捕食者と被食者のサイクルは約10年続き、捕食者の個体群は被食者の個体群に1~2年遅れています。ウサギの数が増えると、オオヤマネコが利用できる餌が増え、オオヤマネコの個体群も増加することが可能になります。しかしながら、オオヤマネコの個体群が閾値レベルに達すると、それらは非常に多くのウサギを殺すため、ウサギの個体群は減少し始め、その後、餌の不足によりオオヤマネコの個体群の減少が続きます。オオヤマネコの個体群が少ない場合、少なくとも部分的には捕食への圧力が低くなるためにウサギの個体群のサイズが増加し始め、新たなサイクルが始まります。

図45.18 | オンタリオ州北部のオオヤマネコとカンジキウサギの個体群のサイクルは、捕食者と被食者の動態の例です。

一部の研究者は、捕食モデルがこの2つの種の個体群のサイクルを完全に制御しているという考えに疑問を呈しています。より最近の研究は、捕食に加えて、未確認の密度依存的要因がこのサイクルの中において重要であると指摘しています。可能性の1つは、ウサギの個体群が密になりすぎる際に混雑によって引き起こされる繁殖力の低下(母体ストレス)などの密度依存的な影響により、ウサギの個体群には内在的にサイクルがあるというものです。ウサギはオオヤマネコの主要な食料源であるため、ウサギのサイクルはオオヤマネコのサイクルを誘発しているのかもしれません。私たちが生物群集を研究すればするほど、私たちが目にする複雑さは多くなり、生態学者が個体群の動態のより正確で洗練されたモデルを導き出すことを可能にします。

草食は、昆虫や他の動物による植物の摂食を表し、それは個体群に影響を与えるような、もう1つの種間の関係です。動物とは異なり、ほとんどの植物は捕食者から逃げたり、空腹の動物から身を隠すために擬態を使用したりすることができません。一部の植物は、草食から身を守るためのメカニズムを発達させてきました。他の種は相利共生の関係を発展させてきました。たとえば、草食は植物の生殖を助ける種子の分散のメカニズムを提供します。

捕食と草食に対する防御メカニズム

生物群集の研究では、生物群集の中に含まれるさまざまな個体群のメンバーに作用する進化的な力を考慮しなければなりません。種は静的であることはなく、自然選択やその他の進化的な力によってゆっくりと変化し、その環境に適応します。種は、捕食や草食から逃れるために多くのメカニズムを進化させてきました。これらの防御は、機械的、化学的、物理的、または行動的なものです。

植物のいばらやカメの硬い甲羅の存在などの機械的防御は、捕食者に肉体的な痛みを引き起こすか、捕食者が被食者を食べることを物理的に妨げることにより、動物の捕食と草食を阻止します。化学的防御は、食べると非常に有毒なジギタリスなどの植物だけでなく、多くの動物によって作り出されます。図45.19は、捕食や草食に対するいくつかの生物の防御を示しています。

図45.19 | (a)アメリカサイカチ(Gleditsia triacanthos)は草食動物に対する機械的防御であるいばらを使用し、(b)フロリダアカハラガメ(Pseudemys nelsoni)はその甲羅を捕食者に対する機械的防御として使用します。(c)ジギタリス(Digitalis sp.)は化学的防御を使用します:この植物によって生成される毒素は、摂取すると、吐き気、嘔吐、幻覚、痙攣、または死を引き起こすことがあります。(d)アメリカヤスデ(Narceus americanus)は、機械的防御と化学的防御の両方を使用します:脅威にさらされると、このヤスデは防御的なボールへと丸まり、目と皮膚を刺激する有害物質を生成します。(credit a: modification of work by Huw Williams; credit b: modification of work by “JamieS93”/Flickr; credit c: modification of work by Philip Jägenstedt; credit d: modification of work by Cory Zanker)

多くの種は、捕食者に検出されるのを避けるために体の形と色を使用します。この熱帯のナナフシは、小枝の色と体の形をした昆虫で、実際の小枝を背景に静止していると見えにくくなります(図45.20a)。別の例では、カメレオンは周囲の色に合わせて体の色を変えることができます(図45.20b)。これらの両方とも、カモフラージュ、すなわち背景と混ざりあうことによって検出を回避することの例です。

(a)
(b)
図45.20 | (a)熱帯のナナフシと(b)カメレオンは、捕食者による検出を防ぐために体の形および/または色を使用します。(credit a: modification of work by Linda Tanner; credit b: modification of work by Frank Vassen)

いくつかの種は、それらが食べるのに適していないことを捕食者に警告する方法として色を使用します。たとえば、辰砂蛾の幼虫、スズガエル、および多くのカブトムシの種は、それぞれ、不快な味、有毒化学物質の存在、および/または刺したり咬んだりする能力を警告する明るい色をしています。この色を無視してこれらの生物を食べる捕食者は、不快な味や有毒化学物質の存在を経験し、将来においてそれらを食べないことを学びます。このタイプの防御メカニズムは、警戒色または警告色と呼ばれます(図45.21)。

図45.21 | (a)イチゴヤドクガエル(Oophaga pumilio)は警戒色を使用して捕食者に対して自分が有毒であることを警告し、(b)シマスカンク(Mephitis mephitis)は警戒色を使用して捕食者に対して自分が作り出す不快な臭いを警告します。(credit a: modification of work by Jay Iwasaki; credit b: modification of work by Dan Dzurisin)

一部の捕食者が、特定の潜在的な獲物を食べることをその色のために避けることを学ぶ一方で、他の種は、自分自身が食べられたときに不快であったり有害な化学物質を含んでいたりしない場合でも、この色を模倣して食べられないようにするようなメカニズムを進化させてきました。ベイツ擬態においては、無害な種は有害な種の警告色を模倣します。それらが同じ捕食者を共有していると仮定すると、無害なものが模倣する生物と同じレベルの捕食に対する物理的または化学的防御を持っていなかったとしても、この色は無害なものを保護してくれます。多くの昆虫種は、針を刺す、有毒な昆虫であるカリバチまたはハナバチの着色を模倣し、それによって捕食を阻止します(図45.22)。

(a)
(b)
図45.22 | (a)マルハナバチと、(b)ハナバチに似たムシヒキアブで見られるように、無害な種が有害な種の色を模倣するときに、ベイツ擬態が発生します。(credit a, b: modification of work by Cory Zanker)

ミュラー擬態においては、複数の種が同じ警告色を共有していますが、それらのすべてが実際に防御を持っています。図45.23は、似たような色を持つ、さまざまな不快な味のする蝶を示しています。エムスレイ/メルテンス擬態においては、非毒性のミルクヘビを模倣する毒性のサンゴヘビなどのように、致命的な被食者がそれほど危険ではないものを模倣します。このタイプの擬態は非常にまれであり、前の2つのタイプよりも理解が困難です。このタイプの擬態が機能するためには、ミルクヘビを食べることが不快ではあるが致命的な結果ではないことが不可欠です。次に、これらの捕食者は、この色を持つヘビを食べないことを学び、これによりサンゴヘビも保護されます。もしそのヘビが捕食者にとって致命的である場合には、捕食者がそれを食べないようにすることを学ぶ機会はなくなり、毒性の低い種の利益は消えてしまうでしょう。

図45.23 | 不快な味のするいくつかのドクチョウの種は、より良い味の種と同様の色パターンを共有しています。これは、ミュラー擬態の例です。(credit: Joron M, Papa R, Beltrán M, Chamberlain N, Mavárez J, et al.)

学習へのリンク

このウェブサイト(http://openstaxcollege.org/l/find_the_mimic)にアクセスして、擬態の見事な例をご覧ください。

競争的排除の原則

ある生息地内ではしばしば資源が限られており、複数の種がそれらを得るために競争することがあります。すべての種は生態系の中に生態学的なニッチを持ち、それは、それぞれの種が必要な資源をどのように獲得し、生物群集内の他の種とどのように相互作用するかを記述します。競争的排除の原則は、2つの種が1つの生息地内の同じニッチを占めることはできないと述べています。言い換えると、まったく同じ資源を求めて競合している場合、異なる種は1つの生物群集内で共存することはできません。2つの原虫の種、ヒメゾウリムシ(Paramecium aurelia)とゾウリムシ(Paramecium caudatum)におけるこの原則の例が図45.24に示されています。実験室で個別に成長すると、それらは両方とも繁栄します。しかし、それらが同じ試験管(生息地)に一緒に置かれると、ヒメゾウリムシはゾウリムシの餌を奪い、後者は最終的に死滅します。

図45.24 | ヒメゾウリムシとゾウリムシは個別にはよく成長しますが、同じ資源めぐって競争すると、ヒメゾウリムシはゾウリムシに勝ります。

もし個体群が進化して、異なる資源、生息地の異なる領域、または異なる時間帯の摂食(資源分割と呼ばれます)を利用するようになった場合、この排除は回避されるでしょう。このとき、その2つの生物は異なるマイクロニッチを占有すると言われます。これらの生物は、直接の競争を最小限に抑えることで共存します。

共生

共生関係、または共生とは、長期間にわたる異なる種の個体間の密接な相互作用であり、関連する個体群の個体数と分布に影響を与えます。ほとんどの科学者はこの定義を受け入れていますが、一部の人はこの用語を相利共生的な(両方の個体がその相互作用から利益を受ける)種のみに限定しています。ここでの議論では、より広い定義が使用されます。

片利共生

片利共生関係は、一方の種が密接な長期の相互作用から恩恵を受け、他方の種が利益も危害も受けないときに発生します。木に営巣する鳥類は、片利共生関係の例を提供します(図45.25)。木は、その枝の間に巣が存在しても危害を受けることはありません。巣は軽く、枝の構造的完全性にほとんど負担をかけません。また、木が光合成によってエネルギーを得るために使用するほとんどの葉は巣の上にあるため、それらは影響を受けません。一方、鳥類は大いに恩恵を受けます。もし鳥類が開けた場所で巣を作らなければならない場合、その卵と幼若は捕食者に対して脆弱になります。片利共生関係の別の例は、カクレクマノミとイソギンチャクです。イソギンチャクはこの魚によって害を受けることはなく、この魚は、イソギンチャクに近づくと刺されてしまう捕食者から保護されるという利益を得ます。

図45.25 | メンガタハタオリが、ザンビアのザンベジ渓谷の木に巣を作り始めています。これは、1つの種(鳥)が利益を得る一方で、他の種(木)は利益も危害も受けないという、片利共生関係の例です。(credit: “Hanay”/Wikimedia Commons)

相利共生

2番目のタイプの共生関係は相利共生と呼ばれ、それでは2つの種が相互作用の恩恵を受けます。一部の科学者は、これらが共生の唯一の真の例であると考えています。たとえばシロアリは、この昆虫の腸内に住む原虫と相利共生の関係にあります(図45.26a)。シロアリは、原虫内の細菌共生生物がセルロースを消化する能力から恩恵を受けます。シロアリ自身はこれを行うことができず、原虫がいなければ、その食物(シロアリが噛んで食べる木材からのセルロース)からエネルギーを得ることができません。原虫と細菌の共生生物は、保護的な環境とシロアリが木材を噛む行動からくる絶え間ない食物の供給によって恩恵を受けます。地衣類は、菌類と光合成藻類または細菌との間での相利共生の関係があります(図45.26b)。これらの共生生物が一緒に成長するにつれて、藻類によって生成されたグルコースは両方の生物に栄養を供給する一方で、地衣類の物理的構造は藻類を外部の要素から保護し、大気中の特定の栄養素を藻類がより利用しやすくします。

(a)
(b)
図45.26 | (a)シロアリは、腸内の共生原虫と相利共生関係を形成します。これにより、両方の生物がシロアリが摂取するセルロースからエネルギーを得ることができます。(b)地衣類は、細胞内に生息している共生光合成藻類を持つ菌類です。(credit a: modification of work by Scott Bauer, USDA; credit b: modification of work by Cory Zanker)

寄生

寄生生物は、別の生きている生物の中または上に住み、そこから栄養素を引き出す生物です。この関係では、寄生生物は恩恵を受けますが、宿主は危害を受けます。寄生生物は、宿主が自身を維持するために通常使用する資源を吸い上げるため、宿主は普通であれば寄生生物によって弱体化されます。しかしながら、寄生生物が宿主を殺す可能性は低く、特に迅速に殺す可能性は低いです。なぜなら、そうしてしまうと、寄生生物が別の宿主に拡散することによって生殖周期を完了するための時間がなくなるためです。

寄生生物の生殖周期はしばしば非常に複雑であり、時には複数の宿主の種が必要になります。サナダムシは、汚染され、調理が不十分な肉を摂取すると、人間に病気を引き起こすような寄生生物です(図45.27)。サナダムシは宿主の腸内で数年間生きることができ、宿主が食べている食物の恩恵を受け、体節を追加することによって長さが50フィートを超えるまで成長することがあります。寄生生物は1つの周期の中で種から種へと移動するため、その生活環を完了するには2つの宿主が必要となります。

別の一般的な寄生生物は熱帯熱マラリア原虫(Plasmodium falciparum)です。これは、世界の多くの地域における重大な病気であるマラリアの原因となる原虫です。人間の肝臓と赤血球に住んでいるこの生物は、吸血蚊の腸内で無性生殖し、その生活環を完了します。したがってマラリアは、蚊によって人から人へと広がる、多くの節足動物媒介型の感染症の1つです。

図45.27 | この図は、人間への寄生虫である有鉤条虫(Taenia solium)の生活環を示しています。(credit: modification of work by CDC)

生物群集の特徴

生物群集は、その構造(存在する種のタイプと数)と動態(生物群集がどのように経時変化するか)によって特徴付けられる複雑な存在です。生物群集の構造と動態を理解することで、生物群集生態学者は生態系をより効果的に管理することができるようになります。

基盤種

基盤種は、生物群集の「基礎」または「根幹」と見なされ、その全体構造に最も大きな影響を与えます。それらは通常、一次生産者であり、生物群集内へとエネルギーのほとんどを持ち込む生物です。昆布、または褐藻は基盤種であり、カリフォルニアの沖の昆布の森の基礎を形成します。

基盤種は、生息地を作り出し維持するために環境を物理的に変更する場合があり、それはその生息地を使用する他の生物に利益をもたらします。1つの例は、サンゴ礁の光合成サンゴです(図45.28)。サンゴ自体は光合成性ではありませんが、その体組織内に光合成を行う共生生物(褐虫藻と呼ばれる渦鞭毛藻)が生息しています。これは相利共生の別の例です。生きているサンゴと死んだサンゴの外骨格がサンゴ礁構造の大部分を構成し、他の多くの種を波や海流から保護します。

図45.28 | サンゴは、サンゴ礁生態系の基盤種です。(credit: Jim E. Maragos, USFWS)

生物多様性、種の豊富さ、および相対種個体数

生物多様性は、生物群集の生物学的複雑さを表します:それは、特定の地域内の異なる種の数(種の豊富さ)と、それらの相対的な個体数(種の均等度)によって測定されます。対象となる領域は、生息地であることも、生物群系であることも、または生物圏全体であることもあります。種の豊富さとは、ある生息地または生物群系に生息する種の数を表すために使用される用語です。種の豊富さは世界中で異なります(図45.29)。種の豊富さを決定する1つの要因は緯度であり、最も大きな種の豊富さは赤道付近の生態系で発生します。そこはしばしば気温が高く、降雨量が多く、季節性が低い場所です。極の近くでは種の豊富さが最も低く、そこはかなり寒く、乾燥しているため、地質学的な時間(氷河期以降の時代)での生命にあまり資するものではありません。気候や生産性の予測可能性も重要な要因です。他の要因も種の豊富さに影響します。たとえば、島嶼の生物地理学の研究では、若き日のダーウィンにインスピレーションを与えたガラパゴス諸島など、特定の孤立した島々に見られる比較的高い種の豊富さを説明しようと試みています。相対種個体数は、生息地、生態系、または生物群系内のすべての種の個体の総数に対する、ある種の個体の数のことです。基盤種は、しばしば種の相対個体数が最も高くなっています。

図45.29 | 北米と南米の哺乳類においての最も大きな種の豊富さは、赤道緯度に関連しています。(credit: modification of work by NASA, CIESIN, Columbia University)

キーストーン種

キーストーン種は、その存在が生態系内の生物多様性を維持し、生態学的な生物群集の構造を支えるための鍵となるようなものです。米国北西部の潮間帯のムラサキヒトデ(Pisaster ochraceus)は、キーストーン種です(図45.30)。研究では、この生物が生物群集から除去されると、その自然の被食者(イガイ)の個体群が増加し、種の組成が完全に変化し、生物多様性が減少することが示されています。もう1つのキーストーン種は、熱帯の小川に生息するバンデッドテトラであり、必須無機栄養素であるリンのほぼすべてを他の生物群集に供給しています。もしこれらの魚が絶滅すると、生物群集は大きな影響を受けるでしょう。

図45.30 | ムラサキヒトデ(Pisaster ochraceus)はキーストーン種です。(credit: Jerry Kirkhart)

日常へのつながり

侵入種

侵入種とは、土着の範囲外の地域に導入されると、その生息地の生態系バランスを脅かすような外来生物です。図45.31に示されるように、米国にはそのような種が多数存在します。森のハイキングを楽しんだり、夏にボート旅行をしたり、単に街の通りを歩いたりするだけで、あなたは侵入種に遭遇する可能性があります。

図45.31 | 米国では、(a)エゾミソハギ(Lythrum salicaria)や(b)カワホトトギスガイ(Dreissena polymorpha)などの侵入種が特定の水中生態系を脅かしています。一部の森林は、(c)一般的なセイヨウクロウメモドキ(Rhamnus cathartica)、(d)ニンニクガラシ(Alliaria petiolata)、および(e)アオナガタマムシ(Agrilus planipennis)の拡散によって脅かされています。(f)ホシムクドリ(Sturnus vulgaris)は、巣穴をめぐって土着の鳥類の種と競合することがあります。(credit a: modification of work by Liz West; credit b: modification of work by M. McCormick, NOAA; credit c: modification of work by E. Dronkert; credit d: modification of work by Dan Davison; credit e: modification of work by USDA; credit f: modification of work by Don DeBold)

最近の侵入種の多くの蔓延のうちの1つは、アジアコイの個体群の成長に関係しています。アジアコイは、この魚の優れた濾過摂食能力を使用して池の余分なプランクトンを洗浄するために、1970年代に漁業および下水処理施設によって米国に導入されました。しかしながら、この魚の一部は逃げ出し、1980年代までにイリノイ川とミズーリ川を含むミシシッピ川流域の多くの水路に定着しました。

アジアコイは、貪欲な捕食者であり急速に生殖する動物であるため、食物をめぐって在来種を打ち負かし、潜在的にそれらの絶滅につながることがあります。たとえば、アオウオは野生のイガイと巻貝の貪欲な捕食者で、在来の魚種にとってこの食料源を制限します。ハクレンは、在来のイガイや巻貝が摂食するプランクトンを食べ、食物網の異なる変化によってこの食物源を減らします。ミシシッピ川の一部の地域では、アジアコイの種が最も優勢になり、生息地の在来魚を実質的に打ち負かしています。イリノイ川の一部では、アジアコイがその生物群集のバイオマスの95%を占めています。この魚は食べることができますが骨が多く、米国では望ましい食べ物ではありません。さらに、それらの存在は、地元の経済や趣味の釣り人にとって重要なものである五大湖の固有の魚と漁業を脅かしています。アジアコイは人間を傷つけることすらあります。この魚は、モーターボートの近づいてくる音でおびえて、空中に飛び出し、しばしばボートに飛び込んできたり、乗船者に直接ぶつかったりします。

五大湖とその貴重なサケとレイクトラウトの漁業も、これらの侵略的な魚によって脅かされています。アジアコイはすでにミシガン湖につながる川や水路に定着しています。この魚がはびこっている特に重要な水路の1つは、五大湖とミシシッピ川をつなぐ主要な供給水路であるシカゴ下水処理・船舶運河です。アジアコイがこの運河を離れるのを防ぐために、一連の電気的障壁がうまく使用されて移動を阻止しています。しかしながら、この脅威は非常に重大であるため、いくつかの州とカナダがシカゴ運河をミシガン湖から永久に遮断するよう訴訟を起こしています。地元と国政の政治家はこの問題を解決する方法を検討していますが、アジアコイが最終的にホテイアオイやカワホトトギスガイなどの他の侵入種のように迷惑動物と見なされるかどうか、またはそれが世界最大の淡水漁業の破壊者になるかどうかは誰もわかりません。

アジアコイに関連する問題は、個体群と生物群集の生態学、漁業管理、および政治が、人間の食糧供給と経済にとって極めて重要な問題においてどのように交差するかを示しています。このような社会-政治的な問題は、個体群生態学(生息地として知られている特定の領域を占める特定の種のメンバーの研究)と生物群集生態学(生息地内のすべての種の相互作用の研究)という科学を広範囲に利用します。

生物群集の動態

生物群集の動態とは、生物群集の構造と組成の経時的な変化のことです。時にはこれらの変化は、火山、地震、暴風雨、火災、気候変動などの環境の撹乱によって引き起こされます。安定した構造を持つ生物群集は平衡にあると言われます。撹乱の後、生物群集は平衡状態に戻る場合も戻らない場合もあります。

遷移とは、生物群集内での種の経時的な出現と消失を表します。一次遷移では、新たに露出した、または新たに形成された土地に生物が定着します。二次遷移では、生態系の一部が撹乱され、以前の生物群集の名残が残ります。

一次遷移および先駆種

一次遷移は、新しい土地が形成されるか、岩が露出するときに発生します:たとえば、ハワイ島の火山などのような火山の噴火の後のことです。溶岩が海に流れ込むにつれて、新しい土地が絶えず形成されています。ハワイ島では、毎年約32エーカーの土地が追加されています。まず、風化やその他の自然の力により、土をほとんど必要としない特定の丈夫な植物や地衣類(先駆種として知られています)の確立に十分なだけの基質が破壊されます(図45.32)。これらの種は、無機物が豊富な溶岩をさらに分解して土壌へとするのに役立ちます。そこで、他のそれほど丈夫ではない種が成長し、最終的に先駆種に取って代わります。さらに、これらの初期の種が成長して死ぬと、それらはますます増加する分解された有機物の層に追加され、土壌形成に貢献します。時間が経つにつれて、この地域は平衡状態に達し、先駆種とはまったく異なる生物のセットを伴っているでしょう。

図45.32 | ハワイのマウイ島の溶岩での一次遷移では、多肉植物が先駆種となります。(credit: Forest and Kim Starr)

二次遷移

二次遷移の古典的な例は、森林火災によって一掃されたオークおよびヒッコリーの森林で起こります(図45.33)。森林火災はほとんどの植生を燃やし、その地域から逃げられなかった動物を殺します。しかしながら、それらの栄養素は灰の形で地面に戻されます。したがって、激しい火災のためにその地域に生命が欠けている場合でも、その地域はすぐに新しい生命が定着する準備が整います。

火災の前には、植生は主要な植物エネルギー資源である日光にアクセスできる背の高い木々が優勢でした。その高さはそれらに日光へのアクセスを与え、同時に地面の種や他の背の低い種に日陰を作りました。しかし、火災の後には、これらの木はもはや優勢ではありません。したがって、最初に戻ってきて成長する植物は通常、一年生植物で、その後数年以内に草や他の先駆種が急速に成長して広がります。少なくとも部分的には、草や他の種の成長によってもたらされる環境の変化により、長い年月のうちに、低木とともに小さな松、オーク、ヒッコリーの木々が出現します。これらの生物は中間種と呼ばれます。最終的に、150年以上をかけて森林は平衡点に達し、そこでは種の組成はもはや変化せず、火災前の生物群集に似ています。この平衡状態は極相生物群集と呼ばれ、次の撹乱まで安定した状態を保ちます。

図45.33 | オークやヒッコリーの森林における森林火災後の二次遷移が示されています。

45.7 | 行動生物学:行動の直接の原因および究極の原因

この節が終わるまでに、あなたは次のことができるようになります:
•生得行動と学習行動を比較する
•移動および移住行動がどのようにして自然選択の結果であるかを議論する
•個体群のメンバーが互いにコミュニケーションをとるさまざまな方法について議論する
•種が交尾の表示や他の求愛行動にエネルギーをどのように使用するかの例を与える
•さまざまな交配様式を区別する
•種が学習するさまざまな方法を記述する

行動とは、刺激に反応した生物の活動の変化です。行動生物学は、そのような変化の生物学的および進化的基盤についての研究です。自然選択の圧力の結果として行動が進化したという考え方は新しいものではありません。何十年もの間、いくつかのタイプの科学者が動物の行動を研究してきました。生物学者は動物行動学の科学で、心理学者は比較心理学の科学で、そして他の科学者は神経生物学の科学でそれをやっています。最初の2つ、動物行動学と比較心理学は、行動生物学の研究にとって最も重要です。

行動生物学の目標の1つは、強い遺伝的要素を持ち環境の影響から大きく独立した生得行動を、環境条件付けから生じる学習行動から区別することです。生得行動、つまり本能は、誤った行動が学習されるリスクがないために重要なものです。それらはシステムに「組み込まれて」います。一方、学習行動は、リスクは高いものの、柔軟で動的であり、環境の変化に応じて変更できます。

生得行動:移動と移住

生得行動または本能的な行動は、刺激に対する反応に依存しています。これの最も単純な例は、反射作用、すなわち刺激に対する不随意で迅速な反応です。「膝」反射をテストするために、医師は膝頭の下の膝蓋腱をゴムハンマーで軽くたたきます。この神経の刺激は、膝で脚を伸ばす反射をもたらします。これは、熱いストーブに触れて本能的に手を離した人の反応に似ています。優れた学習能力を持つ人間でも、さまざまな生得行動を示します。

動性と走性

生得行動における別の活動または動きは、動性、すなわち刺激に対する無指向性の動きです。変速無定位運動性は、刺激に応じた生物の運動速度の増加または減少です。たとえば、ワラジムシは、高温または低温にさらされたときに動きの速度を上げます。この動きは、ランダムではありますが、好ましくない環境でこの昆虫が過ごす時間が短くなる可能性を高めます。別の例は、回転運動の増加である変向無定位運動性です。これは、大腸菌などの細菌によって示され、変速無定位運動性と共同して、生物がより快適な環境をランダムに見つけるのに役立ちます。

動性と似ていますが、より指向性を持つバージョンが走性です:刺激に向かって、または刺激から離れる指向性のある動きのことです。この動きは、光(走光性)、化学シグナル(走化性)、または重力(走地性)に反応することがあり、刺激源に向かう(正)、または遠ざかる(負)ことがあります。正の走化性の例は、単細胞の原虫テトラヒメナ(Tetrahymena thermophila)によって示されます。この生物は繊毛を使って泳ぎ、時にはまっすぐに動き、他の時には回転します。この生物が濃度勾配の増加に従って発生源に向かって直接移動する際には、誘引性の走化性物質が回転の頻度を変更します。

固定動作パターン

固定動作パターンは、刺激によって誘発された一連の動きであり、刺激が除去された場合であっても、このパターンは完了するまで続きます。そのような行動の例は、小さな淡水魚であるイトヨで生じます(図45.34)。この種の雄は繁殖期に赤い腹を呈し、この時期の間に他の雄に対して本能的な攻撃性を示します。研究者たちは研究室の実験において、この魚に対して、形がまったく似ていないものの下半分が赤く塗られている物体を見せました。雄のイトヨは、この物体に対して、まるで本物の雄のイトヨであるかのように攻撃的に反応しました。

図45.34 | 雄のイトヨは、固定動作パターンを示します。交尾期には、真っ赤な腹を呈する雄は、魚にまったく似ていない赤い底部を持つ物体に強く反応します。

移住

移住は、動物の長期にわたる季節的な移動です。それは資源の利用可能性の変動に対する進化した、そして適応した反応であり、すべての主要な動物グループで見られる一般的な現象です。鳥類は冬に備えて南に飛んで、十分な食料を伴う温暖な気候に到達し、サケは産卵場所に移住します。2005年の人気のあるドキュメンタリー「皇帝ペンギン」は、皇帝ペンギンが南極大陸を通じて62マイルを移動し、繁殖地と幼若に餌を持って帰るところを追いました。ヌー(図45.35)は、新しい草地を求めて毎年1800マイル以上移動します。

図45.35 | ヌーは、雨で成熟した草を求めて、毎年1800マイルにわたって時計回りに移動します。(credit: Eric Inafuku)

移住は生得行動と考えられていますが、常に移住するのは一部の移住種のみです(絶対的移住)。条件的移住を示す動物は、移住するかしないかを選択できます。さらに、一部の動物では、個体群の一部のみが移住しますが、残りは移住しません(不完全移住)。たとえば、ツンドラに住んでいるフクロウは、食物源である小さなげっ歯類が比較的少ない年には移住しますが、げっ歯類が豊富な年には移住しません。

採餌

採餌は、食料資源を探して利用する行為です。エネルギー利得を最大化し、エネルギー消費を最小化する摂食行動は、最適採餌行動と呼ばれ、それらは自然選択によって選好されます。たとえば、インドトキコウは、その長いくちばしを使用して、淡水湿地の底のカニやその他の餌を探します(図45.36)。

図45.36 | インドトキコウは、長いくちばしを使って採餌します。(credit: J.M. Garg)

生得行動:グループで生活する

すべての動物がグループで生活するわけではありませんが、無性生殖できる動物を除いて、比較的孤立した生活を送る動物でさえも交配しなければなりません。交配には通常、交配する欲求を伝えるために、ある動物が別の動物にシグナルを送ることが含まれます。交配の儀式と呼ばれる、交配に関連するエネルギー集約的な行動または表示にはいくつかのタイプがあります。グループで住んでいる個体群で見られる他の行動は、その行動からどの動物が恩恵を受けるのかという観点で記述されます。利己的な行動では、問題になっている動物だけが恩恵を受けます。利他的な行動では、ある動物の行動が別の動物に利益をもたらします。協力的な行動は、両方の動物が利益を得ることを表します。これらの行動はすべて、個体群のメンバー間の何らかのコミュニケーションを伴います。

種内のコミュニケーション

動物は、シグナルとして知られる刺激を使用して互いにコミュニケーションをとります。この例は、イトヨで見られます。この魚の下半分の赤い領域の視覚シグナルは、雄に対して攻撃的になるように、そして雌に対して交尾するように信号を送ります。その他のシグナルは、化学シグナル(フェロモン)、聴覚シグナル(音)、視覚シグナル(求愛と攻撃的な表示)、または触覚シグナル(接触)です。これらのタイプのコミュニケーションは、本能的なものまたは学習されたもの、またはその両方の組み合わせである場合があります。これらは、人間やおそらく霊長類やクジラ類の一部の種でのみ観察されている言語に付随するコミュニケーションとは異なります。

フェロモンは、同じ種の別の個体から反応を得るために使用される、分泌された化学シグナルです。フェロモンの目的は、受け取った個体から特定の行動を引き出すことです。フェロモンは社会性昆虫の間で特によく見られますが、それらは、異性を誘引したり、警告を出したり、食物の痕跡を記録したり、他のより複雑な行動を誘発したりするために多くの種で使用されています。人間でさえ、腋窩ステロイドと呼ばれる特定のフェロモンに反応すると考えられています。これらの化学物質は、他の人々についての人間の認識に影響を与え、ある研究では、月経周期を同期させる女性のグループの原因となっていました。人間同士のコミュニケーションにおけるフェロモンの役割は完全には理解されておらず、研究が続けられています。

歌は、受け取るものによって聞かれる必要がある聴覚シグナルの例です。おそらく最もよく知られているのは鳥のさえずりで、これは種を特定し、交配相手を引き付けるために使用されます。他の有名な歌はクジラの歌です。それは非常に低い周波数なので、水中で長い距離を伝わります。イルカの種は、さまざまな発声を使用して互いにコミュニケーションをとります(時には、他の種のイルカとさえ通信します)。雄のコオロギは、特別な器官を使用して鳴き声を発し、交配相手を引き付け、他のオスを撃退し、交尾の成功を知らせます。

求愛の表示は、交尾する異性のメンバーを引き付けて説得するようにデザインされた、一連の儀式化された視覚的行動(シグナル)です。これらの表示は、動物界で広く見られます。多くの場合、これらの表示には、あるメンバーによる最初の表示とそれに続く他のメンバーからの応答を含む一連の段階が含まれます。もしいずれかの時点で、表示が正しく実行されなかったり、適切な応答が行われなかったりすると、交配の儀式は中止され、交尾の試みは失敗します。コウノトリの交尾の表示が図45.37に示されています。

攻撃的な表示もまた動物界で一般的です。たとえば、あるイヌは、別のイヌを退けたいときに歯をむき出しにします。おそらく、これらの表示は、その動物の戦闘意欲だけでなく、その戦闘能力も伝えます。これらの表示は送った側の攻撃性を示しますが、これらの表示は実際には同じ種のメンバー間で発生する実際の戦闘の量を減らすためのメカニズムであると考えられています:それらの表示は、個体が対戦相手の戦闘能力を評価し、「戦いに値する」かどうかを決定できるようにします。ゲーム理論を使用した特定の仮説のテストでは、これらの表示の一部は動物の実際の戦闘能力を誇張し、対戦相手に「はったりをかける」ために使用されているという結論に至りました。このタイプの相互作用は、たとえ「不誠実」であったとしても、失敗するよりも多くの場合において成功するならば、自然選択によって選好されます。

図45.37 | このコウノトリの求愛の表示は、潜在的な交配相手を引き付けるようにデザインされています。(credit: Linda “jinterwas”/Flickr)

注意をそらす表示は、鳥類や一部の魚類に見られます。それらは巣から捕食者を引き付けるようにデザインされています。これは利他的な行動の例です:それは、表示を実行することによって自らを危険にさらす個体よりも、幼若に利益をもたらします。

多くの動物、特に霊長類は、接触を介してグループの他のメンバーとコミュニケーションをとります。グルーミング、肩や尻尾の付け根を触ること、抱きしめ、口唇の接触、挨拶の儀式などの活動はすべて、旧世界ザルの一種であるハヌマンラングールで観察されています。他の霊長類、特に大型類人猿でも同様の行動が見られます。

学習へのリンク

アイダホ州ボイジーで撮影されたこの映像では、フタオビチドリがけがをした翼を装うことにより、捕食者の注意を卵からそらしています。(http://cnx.org/content/m66699/1.3/#eip-id1171734275996)

利他的な行動

個体の適応度を下げるものの、別の個体の適応度を上げる行動は利他的と呼ばれます。そのような行動の例は、動物界全体で広く見られます。働きバチなどの社会性昆虫は生殖する能力がありませんが、それらは女王バチが巣に子供を産むことができるように支えます。ミーアキャットは、見張りのように立ち上がることで自身が危険にさらされる場合であっても、侵入者についてコロニーの残りのものに対して警告するために見張りのように立ち上がって警備しています。オオカミと野生のイヌは、狩りの際にいなかった群れのメンバーに肉を運びます。キツネザルは、自身とは無関係の幼児の世話をします。表面的には、これらの行動は利他的であるように見えますが、真実はそれほど単純ではないかもしれません。

利他的な行動が存在する理由をめぐっては多くの議論があります。これらの行動は、その種の全体的な進化の利点につながるのでしょうか?それらは利他的な個体が自身の遺伝子を受け渡すのを助けるのでしょうか?そして、無関係な個体間でのそのような活動はどうなのでしょうか?利他的なタイプの行動のための説明の1つは、自然選択の遺伝学の中で見られます。科学者リチャード・ドーキンスは、1976年の本「利己的な遺伝子」で、遺伝子自体の観点から一見したところ利他的な多くの行動を説明しようとしました。遺伝子は明らかに人間における意味で利己的となることはできませんが、もし個々の犠牲が、同祖的な遺伝子(共通の系統のために親類に存在するもの)を共有する関連する個体に利益をもたらす場合には、そのように見えるかもしれません。哺乳類の親は、その子供の世話をするためにこの犠牲を払います。皇帝ペンギンは厳しい条件の中を何マイルも移動し、その子供たちに食べ物を持って帰ります。利己的な遺伝子理論は長年にわたって論争を呼ぶものであり、関連分野の科学者の間で今でも議論されています。

あまり関係のない個体(親と子によって共有されるものよりも遺伝的同一性が低いもの)でも、一見したところ利他的な行動の恩恵を受けます。ハナバチ、カリバチ、アリ、シロアリなどの社会性昆虫の活動は良い例です。これらの社会における生殖能力のない労働者は、女王の世話をします。なぜなら、それらは女王と密接に関連しているためです。そして、女王が子供を産む際には、それは労働者からの遺伝子を間接​​的に伝えています。したがって、労働者がその生殖能力の欠如のために自らの遺伝子を直接伝達する機会が全くないにもかかわらず女王の世話をするのは、適応度における利点のためです。親類の生殖適応度を高めるため、したがってあるものの包括適応度を高めるために個々の適応度を低下させることは、血縁選択を通じて進化します。この現象は、動物に見られる多くの表面的に利他的な行動を説明することができます。しかしながら、それらのケースでは、その行動は真の利他主義としては定義されないかもしれません。なぜなら、その行為者は実際には、直接的に(自身の子孫を介して)または間接的に(遺伝子を共有する親類を通じて得られる包括的適応度を介して)自身の適応度を高めているからです。

無関係な個体も互いに利他的に行動することがあり、これは「利己的な遺伝子」の説明に反するように見えます。この例は、多くのサルの種で観察されます。そこでは、あるサルが無関係なサルに背中を向けて、その個体が毛皮から寄生生物を取り除くようにさせます。しばらく時間が経った後、その役割が逆転し、今度は最初のサルが2番目のサルをグルーミングします。したがって、この行動には互恵性があります。どちらもこの相互作用から利益を得て、それらの適応度は、どちらも協力しなかった場合、あるいは一方が協力し他方が協力しなかった場合よりも大きくなります。この行動は、依然として必ずしも利他主義ではありません。なぜなら、行為者の「与える」行動は、自分が将来にその行動の「受け手」になるであろうという期待に基づいているためです。これは、互恵的利他主義と呼ばれます。互恵的利他主義では、個体が繰り返し出会うこと(しばしば同じ社会集団に住んでいる結果)と、不正行為者(決して「お返し」をしないもの)が罰せられることが必要とされます。

数学の古典的なゲーム理論の修正版である進化ゲーム理論は、これらのいわゆる「利他的な行動」の多くが利他的ではないことを示しています。人間の行動に基づいた「純粋な」利他主義の定義とは、自分自身にいかなる直接的な利益をもたらすことなく、別の者に利益をもたらすような行動です。前述の行動のほとんどはこの定義を満たしていないようです。そして、ゲーム理論家はそれらの中に「利己的な」要素を見つけるのが得意です。他の人々は、動物の行動を議論するとき、「利己的」および「利他的」という用語は完全に削除すべきであると主張しています。なぜならそれらは人間の行動を記述するものであり、本能的な動物の活動に直接適用できないであろうからです。しかし明らかなのは、あるものの遺伝子またはあるものの遺伝子の一部を受け渡す可能性を向上させるような遺伝性の行動は、自然選択によって選好され、その行動が適応度の利点を伝える限り、将来の世代において保持されるだろうということです。これらの本能的な行動は、特別な状況で他の種に適用されることがあります(ただし、それがその動物の適応性を低下させない限りにおいて)。

性交相手を見つける

すべての動物が有性生殖するわけではありませんが、有性生殖をする多くの動物が同じ課題を抱えています:それらは適切な交配相手を見つける必要があり、しばしばそれを得るために他の個体と競争しなければなりません。性交相手の特定、誘惑、交尾のプロセスにかなりのエネルギーが費やされます。このプロセスでは、2つのタイプの選択が発生します:性間選択(1つの性別の個体が他の性別の交配相手を選択します)と、性内選択(同じ性別の種のメンバー間での交配相手をめぐる競争)です。交尾相手の選択はさまざまな視覚的、聴覚的、触覚的、および化学的手がかりに基づいていることがあるため、性間選択はしばしば複雑です。性間選択の1つの例は、雌のクジャクが最も明るい羽を持つ雄と交尾することを選択する場合です。このタイプの選択は、しばしば、異性にとって最も魅力的な形質であるものの、選択された性別の生存率を向上させないような形質をもたらします(多くの場合、生存を犠牲にして)。性内選択には、交尾の表示と、雄羊が頭を突き合わせるような攻撃的な交配の儀式(この戦いの勝者が、交尾できます)が含まれます。これらの儀式の多くはかなりのエネルギーを消費しますが、交配のために最も健康で、最も強く、および/または最も支配的な個体の選択をもたらします。

動物の個体群では、3つの一般的な交配様式が見られます。それらはすべて学習行動ではなく生得行動を含んでいます。それらは、一雄一雌、一雄多雌、一雌多雄です。

学習へのリンク

性選択に関する有益なビデオについては、このウェブサイト(http://openstaxcollege.org/l/sex_selection)をご覧ください。

一雄一雌様式では、少なくとも1回の繁殖期に1匹の雄と1匹の雌がペアになります。ハイイロオオカミなどの一部の動物では、これらの関連性はずっと長く続き、一生続くこともあります。いくつかの理論がこのタイプの交配様式を説明するかもしれません。「交配相手の防御仮説」は、他の雄が雌と交尾するのを防ぐために雄は雌と一緒にいる、と述べています。この行動は、交配相手が少なく、見つけるのが困難な状況において有利です。別の説明は「交配相手の支援仮説」であり、これでは、幼若の保護と子育てを支援する雄がより健康な子供を持つことになります。一雄一雌は多くの鳥類の個体群で観察されており、そこでは雌からの親としての世話に加えて、雄もひなに対する親としての世話の主要な提供者です。一雄一雌の進化的な利点の3番目の説明は、「雌の強制仮説」です。このシナリオでは、雌は、雄が自分の子供と競合する可能性のある他の子供を持たないようにするため、雄による他の交配相手を誘惑するシグナリングに攻撃的に干渉します。

一雄多雌の交配は、複数の雌と1匹の雄とが交尾することを指します。これらの状況では、単一の雄はその多くの子供に対して世話を提供することができないため、雌が親としての世話のほとんどを担当する必要があります。資源ベースの一雄多雌では、雄は最高の資源を持つ縄張りをめぐって競争し、その後、資源の豊富さに惹かれて縄張りに入る雌と交尾します。雌は、支配的で遺伝的に適応した雄と交配することにより利益を得ます。しかしながら、子供の世話をするのに雄の助けがないという犠牲を払っています。1つの例は、インドミツオシエに見られます。この鳥は、雌が蜜蝋を食べるために雄が蜂の巣を守ります。雌が近づいてくると、巣を守る雄がそれらと交尾します。ハーレム交配構造は、一雄多雌様式の1つのタイプであり、特定の雄が交配を支配し、資源を持つ領土を管理します。ハーレム交配はゾウアザラシで発生し、そこではアルファ雄がグループ内の交尾を支配します。一雄多雌の第3のタイプはレック様式です。ここでは、いくつかの雄が雌のために精巧な表示を行う共同の求愛エリアがあり、雌はこのグループから交配相手を選択します。この行動は、キジオライチョウやソウゲンライチョウなど、いくつかの鳥類の種で観察されています。

一雌多雄の交配様式では、1匹の雌が多くの雄と交尾します。これらのタイプの様式は、一雄一雌や一雄多雌の交配様式よりもはるかにまれです。ヨウジウオとタツノオトシゴでは、雄は雌から卵を受け取り、それらを受精させ、袋に入れて保護し、子供を産みます(図45.38)。したがって、雌は受精卵を妊娠する負担なしに、複数の雄に卵を提供することができます。

(a)
(b)
図45.38 | 1匹の雌が多くの雄と交尾する一雌多雄の交配は、(a)タツノオトシゴと(b)ヨウジウオで生じます。(credit a: modification of work by Brian Gratwicke; credit b: modification of work by Stephen Childs)

単純な学習行動

前述の行動の大部分は、生得的なものであるか、少なくとも生得的な要素を持っていました(生得行動のバリエーションは学習される場合があります)。それらは継承され、その行動は環境からのシグナルに応じて変化はしません。逆に、学習行動は、本能的な要素を持っている場合であっても、生物が環境の変化に適応することを可能にし、以前の経験によって修正されます。単純な学習行動には馴化と刷り込みが含まれます。どちらも若い動物の成熟プロセスにとって重要なものです。

馴化

馴化は、動物が刺激に繰り返しさらされた後は、刺激に反応しなくなる単純な形態の学習です。この刺激は罰や報酬に関連付けられていないため、これは非連想学習の一形態です。プレーリードッグは通常、捕食者に脅かされたときに警告音を鳴らします。しかし、人間の足音に危害が関連付けられていない場合には、プレーリードッグはその音に馴化するので、それらはもはや警告音で応答しなくなります。この例では、この動物はまだ潜在的な捕食者の音には反応するため、馴化は人間の足音の音に固有のものです。

刷り込み

刷り込みは、特定の年齢または生活段階で発生する学習のタイプであり、関連する種に依存せずに迅速に行われます。アヒルの雛は、最初に見た成体(母親)を認識し、彼女との絆を結びます。母親の後を歩いたり泳いだりするアヒルの子供は、おなじみの光景です(図45.39)。これは別のタイプの非連想学習ですが、これらの動物の成熟プロセスにおいて非常に重要です。なぜならそれは、雛が母親の近くに留まることで保護され、生存の可能性が大幅に増加するためです。しかしながら、もし生まれたばかりのアヒルが母親を見る前に人間を見てしまうと、それらには人間が刷り込まれ、本当の母親の後を追うのとまったく同じ方法で人間の後を追います。

図45.39 | アヒルの母親への愛着は、刷り込みの例です。(credit: modification of work by Mark Harkin)

学習へのリンク

国際ツル財団は、アメリカシロヅルの世界の個体群を21個体から約600個体にまで増やすのを助けてきました。雛への刷り込みが成功の鍵です:生物学者はこの鳥が人間を決して「見ない」ように完全なツルのコスチュームを着ています。詳細については、このビデオをご覧ください。(http://cnx.org/content/m66699/1.3/#eip-id5650108)

条件付けられた行動

条件付けられた行動とは、刺激が結果に関連付けられるようになる連想学習の1つのタイプです。オペラント条件付けの間には、行動による反応は、その形式、強さ、または頻度に関連する結果によって修正されます。

古典的条件付け

古典的条件付けでは、条件反射と呼ばれる反応は、それまでは関連付けられていなかった刺激に対して関連付けられます(条件刺激)。元の条件付けられていない刺激(無条件刺激)に対する反応は、無条件反射と呼ばれます。最もよく引用されている古典的条件付けの例は、イワン・パブロフの犬の実験です(図45.40)。パブロフの実験では、無条件反射は、食べ物を見るか匂いを嗅ぐ無条件刺激に対する犬の唾液分泌でした。研究者が無条件反射に関連付けた条件刺激は、ベルが鳴る音でした。条件付けの間、この動物に餌を与えるたびに、ベルが鳴りました。これはいくつかの試行中に繰り返されました。しばらくして、犬はベルの鳴る音と食物を関連付け、唾液分泌によって反応することを学びました。条件付け期間が終了した後、犬は、無条件刺激である食物がないときでも、ベルが鳴ったときには唾液を分泌することで反応しました。したがって、ベルの鳴る音が条件刺激になり、唾液分泌が条件反射になりました。パブロフは、条件付けられた犬の唾液には、条件付けられていない犬と比べて特徴的な違いがあることを発見してさえいますが、一部の科学者は、無条件反射と条件反射は同一であると考えています。

図45.40 | 古典的なパブロフ反応では、犬はベルの鳴る音と食物を関連付けるように条件付けられます。

一部の科学者は、このタイプの条件付けはペアとなる刺激と反応への複数回の曝露を必要とすると考えていましたが、現在では、これはすべての場合に必要なわけではなく、一部の条件付けは一回のペアリング実験で学習されることがわかっています。古典的条件付けは、行動主義(生物のすべての活動、思考、感情は、行動の修正と環境の変化によって扱うことができる行動であると提案する心理学的哲学の一分野)の主要な教義です。

オペラント条件付け

オペラント条件付けでは、動物が刺激に反応するときに、条件付けられた行動がその結​​果によって徐々に修正されます。このような条件付けの主要な支持者は、スキナー箱の発明者である心理学者B・F・スキナーでした。スキナーは、ラットを箱に入れました。その箱の中には、押し込まれたときにラットに餌を与えるレバーが入っていました。当初、ラットは偶発的にレバーを何回か押しましたが、最終的にはレバーを押すことと食物を得ることを関連付けました。このタイプの学習は、オペラント条件付けの例です。オペラント学習は、ほとんどの動物のトレーニングの基礎です。条件付けられた行動は、正の強化または負の強化によって絶えず修正されます。正の強化または負の強化は、多くの場合では、それぞれ食物などの報酬や、ある種の罰です。このようにして、動物はあるタイプの行動を罰または報酬に関連付けるように条件付けられ、時間の経過とともに、水族館のショーでイルカが演じる「芸」のように、野生では行わないであろう行動を行うように動物を誘導することができます(図45.41)。

図45.41 | イルカに餌を与えることによるイルカの訓練は、正の強化のオペラント条件付けの例です。(credit: Roland Tanglao)

認知学習

古典的条件付けおよびオペラント条件付けは、人間や他の知的な動物が学習するには非効率的な方法です。人間を含む一部の霊長類は、他者の行動を模倣することや、指示に従うことによって学習することができます。人間による複雑な言語の開発により、認知学習(心を使用した情報の操作)が人間の学習における最も顕著な方法となっています。実際のところ、それこそが、今まさにこの本を読むことによって生徒たちが学習している方法です。生徒が読み進めるにつれて、彼らは物体や生物の心的なイメージを作り、それらへの変化、またはそれらによる行動を想像し、その結果を予測することができます。認知学習は、視覚処理に加えて、過去の経験を記憶したり、物理的な物体に触れたり、音を聞いたり、食べ物を味わったり、その他のさまざまな感覚に基づいた入力によっても強化されます。認知学習は非常に強力であるため、それは条件付けを詳細に理解するために使用することができます。逆のシナリオでは、条件付けは誰かが認知について学ぶのを助けることはできません。

認知学習に関する古典的な研究は、ヴォルフガング・ケーラーによってチンパンジーを用いて行われました。彼は、これらの動物がパズルを解く方法を学べることを示すことにより、これらの動物が抽象的な思考を行えることを実証しました。バナナがケージの中の手の届かない高い位置につるされており、いくつかの箱が床にランダムに置かれているとき、チンパンジーの一部は箱を積み重ねてその頂上に上り、バナナをとることができました。これは、チンパンジーが、行動を実行する前であっても、箱を積み重ねた結果を視覚化できることを意味します。このタイプの学習は、条件付けよりもはるかに強力で用途が多いです。

認知学習は霊長類に限定されませんが、霊長類はそれを使用するのに最も効率的です。H・C・ブロジェットによって1920年代にラットを用いて行われた迷路走行実験は、単純な哺乳類の認知スキルを初めて示しました。この動物が迷路を通り抜けようとする動機は、その出口にあるひとかけらの食物でした。これらの研究では、グループIの動物は1日に1回の試行で迷路を走り、走行が完了した際には毎日食物が与えられました(図45.42)。グループIIのラットは、最初の6日間は迷路の中で食物が与えられず、その後の数日間は走行の後に食物が与えられました。グループIIIのラットは、3日目とそれ以降毎日食物を与えられました。その結果、統制されたラット(グループI)はすぐに学習し、7日間で迷路を走る方法を見つけました。グループIIIは、食物なしの3日間ではあまり学習しませんでしたが、食物の報酬を与えられると、急速に統制群に追いつきました。グループIIは、やる気を起こさせる報酬のない6日間は非常にゆっくりと学習し、餌が与えられる日までは統制群に追いつき始めることはありませんでした。そしてその後、迷路を学習するのに2日間余分にかかりました。

図45.42 | グループI(緑色の実線)はそれぞれの試行の終わりに食物を見つけ、グループII(青色の破線)は最初の6日間食物を見つけませんでした。グループIII(赤色の破線)は最初の3日間の試行の間は食物を見つけませんでした。早い段階で食物を与えられたラットはより早く学習し、最終的に統制群に追いついたことに注意してください。グループIIおよびIIIの線の上のオレンジ色の点は、迷路に食物の報酬が追加された日を示しています。

このタイプの学習が条件付けとは異なることは、すぐには明らかでないかもしれません。ラットは一連の条件づけられた右と左のターンを通じて道を見つける方法を単に学んだと考えたくなるかもしれませんが、E・C・トールマンは10年後に、ラットが自身の心の中に迷路を表現したものを作り上げていることを証明しました。彼はこれを「認知地図」と呼びました。これは、認知学習の力と、これらの能力が人間だけに限られていないことの初期の実証となりました。

社会生物学

社会生物学は、もともと1970年代に社会性昆虫の研究者E・O・ウィルソンによって普及された学際的な科学です。ウィルソンは、この科学を「個体群生物学と進化論の社会組織への拡張」と定義しました。[9]社会生物学の主な推力は、攻撃性やその他の社会的相互作用を含む動物と人間の行動は、おおよそ遺伝学と自然選択の観点からのみ説明することができるということです。この科学は議論の余地があります。故スティーブン・ジェイ・グールドなどの著名な科学者は、行動に対する環境の影響を無視しているとしてこのアプローチを批判しました。これは、生物の特徴を決定する上での遺伝学の役割と環境の役割とについての「生まれか育ちか」論争の別の例です。

[9] Edward O. Wilson. On Human Nature (1978; repr., Cambridge: Harvard University Press, 2004), xx.

社会生物学はまた、遺伝子を行動に結び付けるものであり、すべての行動が私たちの遺伝子に組み込まれているという信念である「生物学的決定論」に関連付けられています。特定の行動が遺伝的に継承され、自然選択がそれらを保持する役割を果たしていることに異議を唱える人はいません。今日でも活発なこの論争を引き起こしているのは、そのような原則を人間の行動に適用することについてです。

重要用語

年齢構造:特定の年齢層の人口の割合

攻撃的な表示:同じ種または異なる種の他のメンバーを思いとどまらせるためのある種のメンバーによる視覚的表示

警戒色:捕食に対する防御メカニズムとして使用される警告色

ベイツ擬態:無害な種が有害な種の警告色を身に着ける擬態のタイプ

行動:刺激に反応する生物の活動の変化

行動生物学:行動の生物学と進化の研究

生物的潜在能力(rₘₐₓ):ある種の最大の潜在的な成長率

出生率(B):特定の時点での個体群内の出生数

カモフラージュ:背景に溶け込んで検出されるのを避けること

環境収容力(K):ある生息地の限られた資源によって支えられることのできる種の個体の数

古典的条件付け:条件付けを通じた特定の刺激と反応の関連付け

極相生物群集:植物および動物種の特徴的な組み合わせによって安定した生物群集が形成される、遷移の最終段階

認知学習:心の中で情報を操作することによって得られる知識とスキル

片利共生:1つの種が密接な長期の相互作用の恩恵を受ける一方で、他の種は利益も危害も受けないような種の間の関係

競争的排除の原則:ある生息地内の2つの種は、同じ場所と時間で同じ資源を求めて競合する場合には、共存することができない

条件付けられた行動:条件付けを通して特定の刺激に関連付けられるようになる行動

求愛の表示:仲間を引き付けるために使用される視覚的表示

死亡率(D):特定の時点での個体群内の死亡数

人口統計学に基づく個体群モデル:r選択理論およびK選択理論の多くの特徴を取り入れた個体群動態の現代的モデル

人口統計学:個体群の経時変化の統計学的研究

密度依存的調節:混雑効果など、個体群密度によって影響を受ける個体群の調節。通常、生物的要因が関与する

密度非依存的調節:森林火災や火山噴火など、個体群密度とは無関係に働く要因による個体群の調節。通常、非生物的要因が関与する

注意をそらす表示:捕食者を営巣地から遠ざけるために使用される視覚的表示

エムスレイ/メルテンス擬態:有害な種がより害の少ない種に似せる擬態のタイプ

エネルギー収支:体の維持、生殖、親としての世話のためのエネルギー資源の割り当て

環境の撹乱:自然災害または人間活動によって引き起こされる環境の変化

動物行動学:動物行動の生物学的研究

指数関数的成長:資源が制限されていない条件下での種に見られる成長パターンの加速

繁殖力:個体の潜在的な生殖能力

固定動作パターン:一連の本能的な行動で、ひとたび開始されると、環境の変化に関係なく常に完了するまで続く

採餌:食物を見つけるために種が使用する行動

基盤種:生息地の主要な構造部分をしばしば形成する種

馴化:なんらの結果もない繰り返される刺激を無視するという、種の能力

宿主:寄生生物が住んでいる生物

刷り込み:新生児が生まれた後に見た最初の生物を両親として識別すること

生得行動:環境の変化によっても変わらない本能的な行動

性間選択:異性の望ましい交配相手の選択

種間競争:共有の生息地または環境での資源をめぐる種間の競争

性内選択:交配相手をめぐる同性のメンバー間の競争

種内競争:同じ種のメンバー間の競争

島嶼の生物地理学:列島での生命と、その地理がそこに見られる種の多様性と相互作用する方法の研究

多数回繁殖性:種の生涯の間における複数の生殖事象を特徴とする生活史戦略

J字型の成長曲線:指数関数的な成長曲線の形状

K選択種:少数の比較的大きな子供を産み、親としての世話を提供するような、安定した環境に適した種

キーストーン種:その存在が生態系の生物多様性を維持し、生態学的な生物群集の構造を維持する鍵となる種

血縁選択:自分の遺伝子が親類によって将来の世代に引き継がれるために自分の命を犠牲にすること

動性:刺激に反応した生物の無指向性の動き

学習行動:環境の変化に反応する行動

生活史:自然選択や他の進化的な力の影響下にある資源配分の受け継がれるパターン

生命表:年齢に基づいた個体群のメンバーの平均余命を示す表

ロジスティック成長:資源の制限により指数関数的成長が横ばいになること

標識再捕獲法:移動性の生物の個体群のサイズを決定するために使用される手法

移住:動物の種の長距離にわたる季節的な移動

一雄一雌:少なくとも1回の交尾期に1匹の雄と1匹の雌がペアのままになる交配様式

死亡率:ある年齢間隔の開始時まで生存していたものの、その年齢間隔の間に死亡した個体群の割合

相利共生:両方の種が恩恵を受ける2つの種の間の共生関係

ミュラー擬態:複数の種が警告色を共有し、そのすべてが捕食者にとって有害であるような擬態のタイプ

一人っ子政策:都会のカップルが一人の子供を持つか、さもなくば罰金を科せられるように制限することによって人口増加を抑制する中国の政策

オペラント条件付け:正および/または負の強化に反応した学習行動

寄生生物:他の種、すなわち宿主からの資源を使用する生物

先駆種:一次遷移および二次遷移で最初に現れる種

一雌多雄:1匹の雌が多くの雄と交尾する交配様式

一雄多雌:1匹の雄が多くの雌と交尾する交配様式

個体群密度:個体群のメンバーの数を測定対象の面積または体積で割ったもの

個体群成長率:それぞれの生殖世代で追加される生物の数

個体群のサイズ(N):同時に生息地にいる個体群のメンバーの数

一次遷移:以前は生命がなかった土地における遷移

方形:ゆっくり動いているか、または静止している生物の個体群のサイズと密度を決定するために使用されるさまざまな材料で作られた正方形

r選択種:多くの子供を産み、親としての世話をほとんどあるいはまったく提供しないような、変化する環境に適した種

反射作用:神経の直接的な物理的刺激に対する反応

相対種個体数:生物群集内の他の種の個体群のサイズと比較した際の特定の種の絶対的な個体群のサイズ

S字型の成長曲線:ロジスティック成長曲線の形状

二次遷移:生物群集をその平衡状態から遠ざける環境の撹乱に応じた遷移

一回繁殖性:単一の生殖事象とそれに続く死を特徴とする生活史戦略

シグナル:嗅覚、聴覚、視覚、または触覚によって得られるものを含む動物間のコミュニケーションの方法

種の分散パターン(または、種の分布パターン):特定の時点での生息地内における所与の種の個体の空間的位置

種の豊富さ:生物群集内の異なる種の数

生存曲線:生存している個体群のメンバーの数とそのメンバーの相対年齢のグラフ

共生:関連する個体群の個体数と分布に影響を与えるような、長期間にわたる異なる種の個体間の密接な相互作用

走性:刺激に反応した指向性の動き

個体群ゼロ成長:出生率と死亡率が等しい安定した個体群のサイズ

この章のまとめ

45.1 | 個体群の人口統計学

個体群は、特定の生息地に住んでいる種の個体です。生態学者は、個体群の特性、すなわちサイズ、密度、分散パターン、年齢構造、性別比率を測定します。生命表は、個々の個体群のメンバーの平均余命を計算するのに役立ちます。生存曲線は、時間に対してプロットされたそれぞれの年齢間隔で生存している個体の数を示します。

45.2 | 生活史と自然選択

すべての種は、成長、維持、生殖のためにエネルギーを分配するような、生活史戦略と呼ばれる生活パターンを進化させてきました。これらのパターンは自然選択を通じて進化します。それらは、種が環境に適応して、生殖をうまく行うために必要な資源を取得することを可能にします。繁殖力と親としての世話の間には反比例の関係があります。種は、生殖年齢まで生き残るのを確実にするために、生涯の早い段階で生殖することもあれば、より大きく、より健康になり、親としての世話をより良く与えるために、生涯の遅い段階で生殖することもあります。種は、その生涯に一度だけ生殖(一回繁殖性)することもあれば、何回も生殖(多数回繁殖性)することもあります。

45.3 | 個体群の増大に対する環境的な制限

無制限の資源を持つ個体群は指数関数的に成長し、成長率は加速します。資源が制限されるようになると、個体群はロジスティック成長曲線に従います。ある種の個体群は、その環境の収容力で横ばいになります。

45.4 | 個体群の動態と調節

個体群は、さまざまな密度依存的および密度非依存的な要因によって調節されます。種は、その生活史パターンのさまざまな特徴に基づいて2つのカテゴリーに分けられます:子供の数が多いr選択種と、子供の数が少ないK選択種です。r選択およびK選択理論は使用されなくなりました。しかしながら、その主要な特徴の多くは、個体群の動態についてのより新しい人口統計学ベースのモデルでまだ使用されています。

45.5 | 人間の人口増加

世界の人間の人口は指数関数的に増加しています。人間は、移住、農業、医療の進歩、コミュニケーションを通じて、世界の環境収容力を高めています。人口の年齢構造により、人口の増加を予測することができます。抑制の利かない人口の増加は、私たちの環境に深刻な長期的影響を与えるかもしれません。

45.6 | 生物群集生態学

生物群集には、所与の地域に住んでいるすべての異なる種が含まれます。これらの種の多様性は種の豊富さと呼ばれます。多くの生物は、進化および生物群集の他のメンバーとの相互作用の結果として、機械的防御、警告色、および模倣を含む、捕食や草食に対する防御を発達させてきました。2つの種は、同じ生息地に存在して、同じ資源をめぐって直接競争することはできません。種は、片利共生や相利共生などの共生関係を形成することがあります。生物群集の構造は、その基盤種とキーストーン種によって記述されます。生物群集は環境の撹乱に対して、安定した生物群集の構造が確立されるまで、遷移(さまざまなタイプの植物種の予測可能な出現)によって反応します。

45.7 | 行動生物学:行動の直接の原因および究極の原因

行動は刺激に対する反応です。それらは、環境の影響を受けない本能的/生得の行動、または環境の変化による影響を受けた学習行動のいずれかです。本能的な行動には、交配様式とコミュニケーションの方法が含まれます。学習行動には、刷り込みと馴化、条件付け、そして最も強力な認知学習が含まれます。

ビジュアルコネクション問題

1.図45.2 | このグラフが示すように、個体群の密度は通常、体のサイズが大きくなると減少します。あなたはなぜそうなのだと思いますか?

2.図45.10b | もしアザラシの主要な食料源が汚染や乱獲のために減少した場合、次のうちどれが起こりそうですか?
a.アザラシの環境収容力は減少し、アザラシの個体群も減少する。
b.アザラシの環境収容力は減少するが、アザラシの個体群は同じままである。
c.アザラシの死亡数は増加するが、出生数も増加するため、個体群のサイズは同じままである。
d.アザラシの環境収容力は同じままであるが、アザラシの個体群は減少する。

3.図45.16 | 急速に増加している集団、ゆっくりと増加している集団、安定している集団の年齢構造の図がステージ1~3に示されています。ステージ4はどのようなタイプの集団の変化を表していると思いますか?

レビュー問題

4.次の方法のうち、生態学者に個体群のサイズと密度の両方を教えてくれるのはどれですか?
a.標識再捕獲法
b.標識解放法
c.コドラート法
d.生命表

5.ある個体群内の個体の平均余命を示すのに最適なものは次のうちどれですか?
a.コドラート法
b.標識再捕獲法
c.生存曲線
d.生命表

6.人間はどのタイプの生存曲線を持っていますか?
a.I型
b.II型
c.III型
d.IV型

7.集中した個体群分布は、獲物となる動物にとってどのように有益ですか?
a.より大きなグループのメンバーになることで、それぞれの個体が捕食者から保護される。
b.獲物となる動物は食物を得るために互いに依存する。
c.獲物となる動物は小さな家族グループとして生活し、幼若を育てる。
d.個体群分布を集中させることで、個体群の少なくとも1体のメンバーが季節的な移住ルートを特定する方法を知っていることを確実にする。

8.次のうち、長期の親としての世話に関連付けられるものはどれですか?
a.少数の子孫
b.多くの子孫
c.一回繁殖性
d.繁殖力

9.次のうち、種の生涯における複数の生殖事象に関連付けられるものはどれですか?
a.半数回繁殖性
b.多数回繁殖性
c.一回繁殖性
d.繁殖力

10.次のうち、種の生殖の潜在能力に関連付けられるものはどれですか?
a.少数の子孫
b.多くの子孫
c.一回繁殖性
d.繁殖力

11.資源が限られている種は通常、________成長曲線を示します。
a.ロジスティック
b.論理的
c.実験的
d.指数関数的

12.ある種の増加特性の最大の率は、その________と呼ばれます。
a.限界
b.環境収容力
c.生物的潜在能力
d.指数関数的な成長パターン

13.環境によって支えることができる種の個体群のサイズは________と呼ばれます。
a.限界
b.環境収容力
c.生物的潜在能力
d.ロジスティック成長パターン

14.一度に多くの子供を持つ種は通常________。
a.r選択される
b.K選択される
c.r選択とK選択の両方である
d.選択されない

15.森林火災は________調節の例です。
a.密度依存的
b.密度非依存的
c.r選択
d.K選択

16.霊長類は________の例です。
a.密度依存種
b.密度非依存種
c.r選択種
d.K選択種

17.次の記述のうち、キリンがk選択種であるという結論を支持しないものはどれですか?
a.出生時のキリンの身長は約6フィートで、体重は150ポンドである。
b.野生のキリンは6~7歳で交尾を開始する。
c.新生児のキリンは、出生から1時間以内に協調的に歩行し、出生から24時間以内に走ることができるようになる。
d.キリンが双子を産むことはめったにない。

18.次の事象のうち、イエローストーンのハイイロオオカミの環境収容力に悪影響を与えないものはどれですか?
a.冬の雪
b.川をせき止めているビーバー
c.森林火災
d.鹿の個体群内における慢性消耗疾患

19.人口増加がゼロの国は________可能性が高いです。
a.アフリカにある
b.アジアにある
c.経済的に開発されている
d.経済的に低開発である

20.若い個人の割合が最も高いのはどの国のタイプですか?
a.経済的に開発されている
b.経済的に低開発である
c.人口増加ゼロの国
d.ヨーロッパの国

21.次のうち、人間が環境の収容力を高めた方法ではないものはどれですか?
a.農業
b.大量の自然資源を使用する
c.動物の家畜化
d.言語の使用

22.火山性溶岩から形成されたものなどの、新しい土地に最初に住む種は________と呼ばれます。
a.極相生物群集
b.キーストーン種
c.基盤種
d.先駆種

23.似たような警告色を持ち、すべてが捕食者にとって有毒な複数の種を含む模倣の種類はどれですか?
a.ベイツ擬態
b.ミュラー擬態
c.エムスレイ/メルテンス擬態
d.メルテンス擬態

24.共存する種の両方が相互作用の恩恵を受ける共生関係は________と呼ばれます。
a.片利共生
b.寄生
c.相利共生
d.共産主義

25.次のうち、相利共生的な関係ではないものはどれですか?
a.水中のクリーニングステーションを使用するサメ
b.宿主から食物を受け取る寄生蠕虫
c.花から花粉を集めるマルハナバチ
d.人間の腸に住んでいる細菌

26.迷路の走行方法を学ぶラットの能力は________の例です。
a.刷り込み
b.古典的条件付け
c.オペラント条件付け
d.認知学習

27.動物の訓練には通常________が含まれます。
a.刷り込み
b.古典的条件付け
c.オペラント条件付け
d.認知学習

28.親族の遺伝子が伝えられるように、個体の生命を犠牲にすることは________と呼ばれます。
a.オペラント学習
b.血縁選択
c.動性
d.刷り込み

29.一雌多雄の交配様式が、一雄多雌の交配様式よりもまれなのはなぜですか?
a.雄だけが、単一の繁殖期に複数回の繁殖が可能なため。
b.雌だけが幼若の世話をするため。
c.雌は通常、雄よりも大きい性内選択の圧力を経験するため。
d.雌は通常、子供の出産と発達により多くのエネルギーを費やすため。

クリティカルシンキング問題

30.研究者が標識解放法を使用して南極のペンギンの個体群の大きさをどのように決定するかを記述してください。

31.CDCは、2013年の重要統計レポートで以下のデータを発表しました。

表45.3

それぞれの年齢間隔の死亡率を計算し、2013年の米国での出生10万人あたりの成人死亡率および小児死亡率の傾向を記述してください。

32.長期の親としての世話は、生殖の出来事中に多くの子供を持つことに関係しないのはなぜですか?

33.早期に生殖を開始する動物と、生活環の遅い時期に生殖する動物とが経験する進化的圧力の違いを記述してください。

34.ロジスティック成長のS字曲線のさまざまな部分で予想される個体群増加率について記述してください。

35.大量絶滅事象を生き延びた種の個体群が、絶滅事象の直後からの時間の経過にしたがって、その大きさと成長パターンがどのように変化するかを記述してください。

36.密度依存的要因と密度非依存的要因がどのように相互作用するかの例を与えてください。

37.人口が急速に増加している国、ゆっくり増加している国、および人口増加がゼロの国の年齢構造を記述してください。

38.絶滅危惧種法の導入以来、保護リストに掲載されている種の数は2倍以上になりました。人間の人口増加パターンが絶滅危惧種の増加にどのように寄与しているか記述してください。

39.競争的排除の原則と、競合種へのその影響を記述してください。

40.ジャガーはアマゾンのキーストーン種です。それらは他の多くの種よりもはるかに数が少ないにもかかわらず、どのようにして生態系に不可欠なのかを記述してください。

41.パブロフの犬の実験を古典的条件付けの例として記述してください。

42.視覚シグナルではなく、聴覚シグナルまたはフェロモンシグナルを使用して交配相手を引き付ける利点を記述してください。個体群密度は、聴覚または視覚的な交配の儀式の進化にどのように貢献しますか?

解答のヒント

第45章

1 図45.2 小さい動物は必要な食物と他の資源が少なくて済むので、環境はそれらをより多くサポートできます。3 図45.16 ステージ4は、減少している集団を表しています。4 C 6 A 8 A 10 D 12 C 14 A 16 D 18 A 20 B 22 D 24 C 26 D 28 B 30 研究者は、特定の数のペンギンに標識を付け、それらを個体群に戻します。後で、ペンギンを捕獲して、捕獲されたペンギンの何%が標識付けされているかを確認します。この割合により、ペンギンの個体群の大きさの推定が可能になります。32 多くの子供を持つ生物にとっては、子供の世話をするために利用できるエネルギーがないため、親としての世話は実行不可能です。そのエネルギー収支の大部分は、種子または子供の形成に使用されるため、親としての世話をするための余力はほとんどありません。また、子供の数が非常に多いため、個別に親としての世話をすることが不可能になります。34 曲線の最初の部分では、その種の個体がほとんど存在せず、資源が豊富なため、成長は指数関数的であり、J字型の曲線に似ています。その後、種が資源を使い果たすため、成長は遅くなります。最後に、個体群は環境の収容力で横ばいになり、長期的には比較的安定しています。36 もし個体群の少ない冬に火災などの自然災害が発生した場合、個体群レベルが高い夏に同じ災害が発生した場合よりも、個体群全体とその回復に大きな影響を与えるでしょう。38 指数関数的な人口増加が続くと、人口を維持するためにより多くの資源が必要になります。これらの資源は通常、環境とその環境の中でそれらの資源に依存している生物を犠牲にして取得されます(たとえば、人間の開発のための生息地の破壊や、灌漑のための水路変更など)。化石燃料を継続的に使用して人間の活動のための電力を生成することは、気候変動の一因ともなり、特定の種がもはや生き残れないほどに、一部の地域の気候を変化させています。40 ジャガーはアマゾンの頂点捕食者であり、さまざまな獲物の動物を食べるものの、他の捕食者の餌食にはなりません。捕食を通じて、それらはより小さな草食動物と雑食動物の個体群の数を制御します。もしジャガーがこの生態系から姿を消すと、より小さな草食動物の個体群が劇的に増加し、植物の個体群を過剰に消費するかもしれません。42 聴覚シグナルまたはフェロモンシグナルを使用して潜在的な交配相手とコミュニケーションをとる動物は、より長い距離にわたってシグナルを送ることができます。音波と化学物質は環境に拡散することができますが、視覚的な手がかりでは送り手と受け手の間が直接的に見通せることが必要です。交配相手を獲得するために聴覚的な手がかりを使用する動物は、おそらく視覚的な手がかりを使用する動物よりも低い個体群密度を示します。

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