熊野古道 小辺路その2(大股〜三浦口)
2014年05月17日(土) ~ 18日(日)
小辺路1日目の後半その1。(前半はこちら)
ここからの大股〜三浦口の地図はこちらを参照の事→PDF
さて、小辺路中3つあるうちの一つの難所(とされている)伯母子岳、その登山口(12:54)はネットでよく見るのですが…はて、こんなに綺麗な看板だったでしょうか?
それはさておき、他の人の手記を見ると結構キツいと書いてあるので覚悟して登るぞーっ!
で住宅内の小道を行くのですが…程なくして集落を越え、もう少しで山中だ!という手前で水道発見(12:56)!ここで顔を洗い、使って少なくなった水を補給。助かりました〜♪伯母子岳で水が補給出来るところは地図上では書いてなかったので峠越えに手持ちで足りるかどうかを考えたらギリギリだったのです。ありがとうと感謝♪
しばらくはコンクリ道で標高を稼ぎ、小石混じりの地道になっても標高を稼いで行きます。大体の山は最初にガンっ!と標高を稼ぐのでこれは慣れっこなのですが…小砂利が…地味に体力を奪っていきます。フルに補給した水も重い(笑)で、そんな時に初めて向かいから登山者が下りてきた!初のすれ違い!挨拶しただけですがとても嬉しいぞ!
そんな気分一新が出来て、登って行くと萱小屋跡(13:29)にある避難小屋に辿り着きました。
広い平地があるのは…テント場でしょうか?ここで野営したらとても気持ち良さそうな感じがします。
小屋の中には薪もいっぱい!
明るく日が差し込んでいるのを見るとここに住みたいぐらいです(笑)それでもって清潔感があり、管理されている方々は本当に素晴らしい。
小屋の裏手にまわると水場を作ってあるようで…チョロチョロと音がしていました。
地図には書いてない水場がもう2ヶ所も!
大変ありがたい事です、感謝。
小屋を後にして、先に進むと程なくして迂回路が…
平成23年台風12号の爪痕がまだのこっているんだなぁ…と迂回し、迂回路から調査(修復?)中の路を眺めてたら、通れそうだったのでもう少しで迂回解除になるでしょう?迂回路は急で足場も悪いから大変です(^^;
で、桧峠(14:01)に到着。
確か迂回路はここを通らない筈では…?といつの間にかこちらを歩いていたようです。
とても歩きやすい良い路でした。
トレイル途中には夏虫山分岐もあるのですが…
夏虫山は標高1348.5m。これから先の伯母子岳は(頂上まで登らないけど)1344mで夏虫山の方が高いです。
なので、ちょっとした知識として頭に入れ、先を急ぐと…
伯母子岳分岐(14:21)です。山頂・山小屋(伯母子峠)の表示は分かるのですが…護摩壇山へも行けるのですね!とちょっと驚いてしまいました。いつか行く時があるかもしれないので覚えておこう…。
で程なくして伯母子峠の山小屋(14:32)が見えてきます。
ここには避難小屋の他にトイレがあって小屋に泊まる意外にもテント場としても使い勝手が良さそうです。
ただ...南側が直ぐに下りなので風通しの良い事…ちょうどお腹が減ってきたのでここで第二昼飯にと思ってもストーブをつける場所を少し考えました。お湯を沸かしている間にも体温が下がるしね...。
ちなみに小屋の中はこんな感じでした。先程の萱小屋と比べて窓が少ないのは…
多分、冬場は厳しいんだね?と勝手に想像しました。
で、昼飯を食べて、先に進みます!ちょっと日が傾いてきているので気が焦ってきてます。
ここが峠だから今度は下り!と思い、上りよりかは時間を少なめに設定していたのですが…これがちょっと狂い出しまして…
その前に、峠の道標に書いてあった「水5分」ってこのチョロチョロ流れている沢の事かな?
と、記録の為に載せておきました。今の時期だけかもしれませんが水量は少なめでした。
話を戻して、計算が狂った事ですが、伯母子峠以降の崩落の跡が結構残っていて…
遠目から、あぁあそこは台風で崩落したんだな!と一目で分かる状態のものが連続的に…
勿論、補修の小さいところはそれなりの素通り感を持たせて通れるのですが…
やっぱり、中には頑張ったね感が残る箇所もあるわけで…
で、無理に通らず危険だと判断したら迂回路へ!みたいな立て札もあり…路面状態もザレてたりで…ここは日のあるうちに通って良かったと最も思える区間になりました。
で、気を使いながら上西家跡(15:45)まで下りてきました。
昭和の初め頃まで旅籠があったという上西家跡は今までとは違くて往時の雰囲気を現在に伝えていました。やはり、人が住んでいた所はよく考えてあって災害が少なかったのであろうか?等と考えなくもありません。
その後の路は、なんでも明治22年以前の使われていた路が最近確認されたので復旧させ、明治22年〜この前まで使われていた路を代わりにシャットアウトしたそうです。
なのでこの通っている路は旧道になります。けっこう荒れている雰囲気を多く残していますね…気を使いながら先に進んで行く。
途中、水場っぽい所を発見したのですが…私の見た時は枯れてました。
水抜きではないと思うのですが…?
その水場を過ぎると、今度は水ヶ元茶屋跡(16:14)に出ます。
ここ以降、ちょっとずつ路が違う意味で歩きづらくなっていきます。ので、一息入れるならここで。
その後、急な登り返し等を経て、古道らしい石畳が現れます。ですが…こういう石畳が残っている所って結構急なんですよね…(^^;
ここに来るまでにも急な下りはあるのですが…伯母子岳の南側は人工物やら崩落跡やらで結構キツいです。
その途中に待平屋敷跡(16:47)があるのですが…由来は不明なんだとか?寺とか茶店とか関所跡とか…?
そこを後にし、急な下りをズンズン行くと…
いきなり神納川が目の前に!
こういう風景を見ると、十津川が近いんだな!と感じさせます。
それにしても…ずーっと砂利を動かしている重機の音がしてたのでなにかな?と不思議に思っていたのですがこういう事だったのですね…。
で、やっと伯母子岳登山道南側入口(17:06)に着きました…。
いや〜、長かった…。上りより、下りの方がキツい…、素直にそう思いました。
重機の音も17:00のサイレンで終業なのか着く頃には静かになってました。さて、次はアスファルト道を左へ、赤い三田谷橋を渡ります。
そして三田谷集落へ。
三田谷バス停(17:08)向かいのトイレでとりあえず一息入れる。
とても綺麗なトイレなのだが…撮影し忘れた。そんなに疲れてたんだろうか?
で、そこで用をたしてたら横にお住まいのおばちゃんが飲み物を要らんか?と聞いてきた。私設売店をしているようでトイレの横に東屋を建て、その中に家庭用冷蔵庫を置いて500mlペットボトルを1本200円で販売している。
ちょうど気分転換したかったのでCCレモンを1本買った。
で、ずっと会話をしてこなかったので暫く話し相手になってもらった。台風12号の時にこの目の前の川が氾濫寸前までいって本気で避難を考えた事、流されてまだ見つかっていない人がいる事、農家民宿が今は二軒あるけれども昔は20軒もあった事、民宿もあるにはあるけど土木業と兼ねているので今は復興が大変で閉めている事、最近は鹿やウサギが増えて農作物に被害が出ている事、など。
都会でテレビから伝え聞くものと違うものが話から聴こえてきた。
なかなか復興も進まないらしい…。
で、最後にここら辺で熊が出たという話を聞いた事があるか聞いてみたら、ない、ときっぱり言われたので気持ちはビバークする事に決まった!水はトイレの水が飲めると聞いたのでフルで補給して、そのおばちゃんと別れた。暫くして、私の横を元気なウサギが飛び跳ねていった(笑)
さぁ、次は小辺路第2の難所(と言われてる)三浦峠だ!
おばちゃんに言われた通りにトンネルをくぐって三浦峠登山口を目指した(小辺路1日目の後半はもう少し続く)。
【コースタイム】
伯母子岳登山口(12:54)→萱小屋跡(13:29)→桧峠(14:01)→伯母子岳分岐(14:21)→伯母子峠山小屋(14:32)→上西家跡(15:45)→水ヶ元茶屋跡(16:14)→待平屋敷跡(16:47)→伯母子岳登山道南側入口(17:06)→三田谷バス停(17:08)
続きの 熊野古道 小辺路その3(三浦口〜十津川温泉)はこちらへ。