「グループ」と「チーム」の違い

shinozw
4 min readSep 22, 2015

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呼び変えただけでは意味ないんです。

「君たちで取り組んで欲しい」といったときに「君たち」はグループだろうか、チームだろうか。言葉尻だけの問題ではない。不幸だなーと思うのは「チームとなって頑張って欲しいと言われたが、実態としてはチームでなくただの集団(グループ)」であった場合だ。要するにチームとなるメリットが何もない場合がありうる。地獄である。

グループ(集団)は「個人」の発展形

単なる言い換えでないという背景をさらっと見ていきたいと思います。

まず登場するのは「個人」です。組織の中には個人がいる。その個人が集まって組織内に集団(グループ)を形成するという順番です。「グループ」という言葉は個人が発展するかたちで定義されます。

「組織行動のマネジメント」では

「特定の目的を達成するため互いに影響を与え合い依存しあう複数の人々」

というふうに定義されています。グループが存在する理由は、各自の責任分野内で業務遂行をするのをお互いに助け合う目的だといいます。やることとしては、主として情報を共有し、意思決定を下します。

営業部、製造部みたいな言い方は「グループ」を意識させる

いわゆる大企業における管理部、製造部、企画部、営業部といった部署それぞれの言い方は、かなり「グループ」をイメージさせます。営業部には、販売・営業を責任分野とし、お互いに助けあって部署の営業目標達成に向けて動きます。訪問先をかぶらないようにするなど情報共有をし、担当を決めるなど意思決定を行います。

グループの状態では、能力と努力の重ねあわせを必要とするような集団作業の必要も機会もなく、その業績はメンバーの貢献の総和になっている、というのもその通りでしょう。

グループとチームの違いは「相乗効果」にある

グループとチームの違いは、協調を通じて相乗効果を生むことにある。チームがなぜ必要か、ということについては「その目標、チームでやる意味ありますか」にも書いたが、複数の人からの多様な情報が必要で、判断が入り組むなどのときなどだ。ほかに部署をまたいだメンバーどうしでも共通といえる目的が掲げられている場合、そして相互依存する目標を持っているときだと言われています。

「全社をあげての在庫圧縮」みたいな目標が掲げられたときに、営業部、製造部、流通部などから人が集められた場合、グループではなくてチーム化することができる、といえます。これはお互いが掛け算の関係になるからです。

別の視点をあげると、同じ職能の人を集めてもチームにならないともいえます。例えば、全事業部から部長をあつめたらチームになるか?という質問があったとします。

上の定義からすると、「それだけではチームではなく、ただの部長グループです」という話しになります。

ただし、全員が関係する目標が設定されればチーム化されます。例えば「次世代の経営陣のつもりで事業計画を設定せよ」というお題に答えるという状況であれば「次世代経営陣チーム」になって結束し、シナジーを出すことができる可能性があります。(これも結局足し算っぽいですが

よって「事業部横断チームだ!」と集められた集団があったときにただのグループなのか、シナジー追求するようなチームになれているのかはよくよく自己診断してみるといいかもしれません。余計なメンバーや、目標設定に対して関わりの薄いメンバーがいるとわかることもあるのではないでしょうか。位置を見直す視点になるといいと思います。

脱「グループ」しチーム化するにはメンバーどうしの目標が掛け算の関係になる必要がある

たとえば、売上を2倍にといった場合、

売上=顧客数×単価

ととらえて、顧客数向上と単価向上のタスクを担う人々に別れたら、それはチームっぽい動き方なんではないでしょうか。顧客数を考えて動くチームの成果と、客単価向上を考えて動くチームの成果は、総売上に対して掛け算で効いてきそうです。

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shinozw

放て心に刻んだ夢を未来さえ置き去りにして