ウェブデザインの進化の過程を考えるとき、西洋建築史はとても参考になります。美術の形として、両者は同じ項目で定義することができます。
- 人が集まる場所として機能する
- 実用的に作られている
- 技術の進歩に大きく左右される
- 実用的だが、間違いなくアートでもある
このような制約があるなかで、両者の進化の過程はとても似ています。どちらも同じように過去の作品をもとに、その上に新しいものを築いています。もしウェブデザインの未来が知りたければ、建築家が辿った道を見てみればいいのです。
I. 新石器時代
シンプルで限られた構造
大きさの違いで付けられた強弱のアクセントこそありますが、この時代には要素を配置すること自体が大変な仕事でした。
II.クラシック(古典)
整列、均整、若干の装飾
クラシック(古典)時代には全体のバランスや階層構造が改良され、要素は目的によって「セクション」に分けられるようになりました。素材(石かピクセル)自体はなにか別のものを模倣するように装飾が施されました。例えば、ドーリア式柱に見られるトリグリフは木材の梁を模倣し、立体的なボタンは物理的なボタンを表現していました。
III. ロマネスク
厚みある形と丸い角
ロマネスク時代には角は柔らかくなりつつも、壁や仕切り — メニューやボタン — はぶ厚くなりました。重く厚く、ユーザーにとってクリックしやすい形です。
IV. ゴシック
目を惹く装飾
CSSとFlashはウェブデザインにおけるステンドグラスと言えるでしょう。ゴシック時代までに基礎は出来上がったので、それまで不可能だったことを可能にする為に素材の特性が追求されるようになりました。ゴシック建築は、ただの石から思わず息を飲んでしまうような厳粛で壮大なデザインが作り上げられました。今となっては忘れられがちですが、この時期のFlashとCSSはゴシック建築と同じように、私たちを魅了したものでした。
見ての通り、ノートルダム大聖堂との比較にマルーン5のウェブサイトを選びました。私は大真面目ですよ。
V. ルネサンス
シンプル、論理的、精巧
わたしたちはまさに今、このあたりにいます。最近の「フラットデザイン」の流行は気味が悪いほどルネサンスの流行そのものです。ルネサンス建築は古典論理に立ち返ることを目指しました。複雑な装飾は簡素で幾何学的な形に置き換えられ、デザインもシンプルになりました。多くのデザイナーが新しいルールを論文のように発表し、ゴシックはその地位をルネサンスに譲ることになりました。
ここからはウェブデザインの未来の話になります・・・
VI. バロック
すべての論理がひっくり返る
論理的で精巧に作ることが楽しいのは一定期間のみです。その期間がすぎれば、人は作ったルールを壊し始めます。建築では、文字通り古典派の装飾を壊して複雑な形をつくりだしました。ルネサンスの主知主義と比較すると、バロックはドラマチックで感情的でした。
では、ウェブデザインでこれはどうやってこれは実現されるのでしょうか?明言するのは難しいですね。待ちましょう。2年以内にその答えは見られることでしょう。
VII. 新古典主義
過去に傾倒する
新古典主義の建築物はすべてが完全な円から成り立っています。十分に発展し終わると、人は初期の古典的なデザインを讃え、完全にレトロを好むようになります。そこに到達するまでに長い時間がかかるだけのことです。新古典主義なウェブデザインが現れるのは、ずっと先のことでしょう。まだ私たちは、初期のヤフーのサイトがよかったとは到底思えませんよね。でも6〜7年先はどうでしょう?またかっこよく見える日がくるのです。
VIII. その先は?誰も知らない世界
まあ、なんとなく予想はできます。おそらく新ロマン主義やネオゴシックでしょう。「新」や「ネオ」がつくなにかです。アートのトレンドは、過去の形をその時々で復刻しながらぐるぐると回るものです。でもやがては、、?新しい技術や新しい世界観は今の私たちには到底想像もできないトレンドを作り出すことでしょう。
そして、変てこなものが生まれるのです。
画像の出典:jborsboomによるストーンヘンジ。 AJ Alfieri-Crispinによるパルテノン神殿。Berthold WernerによるマリアLaach修道院。 Archigeekによるランス大聖堂。素晴らしいマルーン5のgif画像はNickの制作。Timothy Brownのヴィララロトンダ。wsifrancisによるサン·カルロ·アッレ·クワトロ·フォンターネ聖堂。Marko Kudjerskiによるパンテオン。 Wojtek Gurakによるグーゲンハイム美術館。