shunsuke ikegaya
4 min readMar 23, 2016

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年に一度の発酵祭り「お蔵フェスタ 2016」

ここ数年、改めて注目を集める“発酵”の世界。常に魅力的な情報を提供してくれる雑誌SPECTATOR最新号も「発酵のひみつ」と題した特集を組み、その魅力に迫るほど。

日常的にごく自然と口にしている、代表的な発酵食品である味噌・醤油・パン・お酒などは、全国各地その土地の気候風土や文化に応じ、様々な風味になります。

古くから穀倉地帯として農作物に恵まれ、地下水も豊富だった千葉県神崎町は古くから醤油や酒など、醸造業が栄えた町。

この地で江戸時代より続く酒蔵の一つが、発酵カルチャー界では知らぬ者はいないとまで言われる、『寺田本家』。

年に一度の「お蔵フェスタ 2016」

その寺田本家で、毎年3月に開催される「お蔵フェスタ」。当初は身内だけの小さな催しだったものが、回を重ねる毎に来場者も増え、今では全国各地より発酵食品が集まる町の一大行事に発展。10回目を迎えた今年は過去最高の5万人もの人が来場。

人口六千人程の千葉県一人口の少ない町と言われる神崎町が、この日ばかりは町中至る所が人だらけ。酒蔵で振る舞われる試飲のお酒を目当てに訪れる人はもちろん、各地から集まる出展者を目当てに訪れる人、子供連れでお祭り気分で参加する人、蔵内の見学ツアーや出展者と意見交換して、発酵について学ぼうという人などなど。

来場者の年齢性別目的も様々で、もはや酒蔵のお祭りに留まらない、年に一度、発酵好きが集まる場として定着していました。

裏お蔵フェスタも同時開催

寺田本家敷地内の現在は使われていない古い酒蔵のある裏庭では、こちらも毎回恒例になっている「裏お蔵フェスタ」が同時開催。

会場内に目を向けると、もはやアートな自家製天然酵母でお馴染みのPARADISE ALLEYや、発酵+韓国薬膳料理の発酵リアンカフェ moWa、早くからコーヒーのフェアトレードに取り組んでいるslow coffee、それに青果ミコト屋など、発酵食品に限らず寺田本家を慕って集まった個性的な店舗が数多く出店。その中央に位置したソーラーパネル発電の特設ステージでは、なんと寺田本家伝統芸能部(!)のライブも披露されるなど、その他の会場よりも一層ピースフルな雰囲気が醸し出されていました。

ギブミーベジタブルな後夜祭

名残惜しく今年のお蔵フェスタが終わった後、町内にある古倉庫をリノベーションしたコミュニティー・スペース「ALMONDE あるもんで」では、野菜が入場料として話題のイベントを全国各地で展開する「ギブミーベジタブルin千葉県神崎町」が開催。

会場にはアースオーブンが設置され、野菜やピザが次々と焼かれていきます。ふと見ると、ギブミーベジタブルではお馴染みの料理人 南風食堂 三原さんも登場し、お祭り後の心地良い余韻を引きずった多くの面々に美味しい料理を提供していました。

うふふで発酵

今年も大盛況のうちに終了したお蔵フェスタ。イベント中はお酒の試飲がが好きなだけ楽しめるなど、お酒好きにはたまらないイベントだったにも関わらず、泥酔した人やマナーの悪い人などは一切見受けられずに、寺田本家の精神でもある“うれし、たのしき、ありがたき”が参加する皆にも広がり、まさに発酵しているかのような、非常に気持ちの良い町のお祭りといった感じでした。

2015年3月13日 訪問

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