VimConf 2017に参加した #vimconf2017
最近テキストエディタの話が続くが、私は2011年からの忠実なVimユーザーでもあるのでVimConf 2017に参加してきた。
とは言ってもVimの機能についてはメモ帳に毛の生えたような程度でしかうまく扱へないのだけれど、Emacsのパッケージ開発者のはしくれとしても非常に多くの学びがあった。
見どころはさまざまあったが、中でも暗黒美無王(@Shougo)はいつも通り軽妙であるだけでなく、自分でもやってみたいとやる気を惹起する魅力に溢れた発表だった。
私はいままでVim関連のイベントに参加したことはなかったが、ほかの技術コミュニティで見知った顔もありアウェイといった感じはしなかった。特定の言語に依存しない汎用のテキストエディタのイベントは参加者の個々人によって日頃取り組む本業としての問題領域は多様であり、異種格闘技の趣もある。
Vimの別の可能性
ここから先は今回のVimConfとは関係のないVimについての私見だ。Vimについて騙りたい要素は実際のところさまざまあるのだけれど、特に個人的な最近のVimへの関心について。
Vimの優れたエディタ実装・あるいはエディタインターフェイスの一体系としてのポテンシャルは議論を俟たないが、文字列処理に特化した処理系、具体的にはソースコードのリファクタリングツールとしての可能性といったものも大きく感じる。
その点では同僚の@kanaが(ここ最近特に)ほぼ毎週あっと驚くようなVim scriptでのリファクタリングを披露してくれるのでとても刺戟を受けた。
その一端は同僚がPHPカンファレンスで発表した「大規模WebサイトのURL刷新の方針と実装」でも紹介されてるので、興味があれば見てほしい。
この領域でのVimの活用は一種の職人藝とみなされがちだが、魔術ではなく現実に適用可能な技術として会得したい気持がある。その用途でのEmacsを活用する向きもあるかもしれない。それはおそらくできなくはないがVimほどの簡潔であざやかなコードで表現することは(すくなくとも私の技倆においては)極めて困難だ。
……といった話をVimConfの会場でする機会がなかったので、ここに書いておく。
Emacsコミュニティから見たVimConf
ここまでは一個のVimユーザーとして書いたが、現在の私の技術的な本領であり主戦場であるEmacsコミュニティから見ると非常にうらやましい。日本国内のEmacsコミュニティとしては定期的に開催されるミートアップはないのが現状だ。
もちろんこれがVimコミュニティの一朝一夕ではない不断の取り組みと交流から生まれたものであることは非常によく承知してゐる。
幸運なことに先日のEmacs実践入門の機会でそのような場への需要がある程度に存在することがわかったので、Emacsコミュニティにおいて私も口先だけではなく実践していきたい気持ちがある。
いきなり大規模なカンファレンスを主催などといったことはできないが、来年2018年の早い段階で何らかのイベントが開催できるように動いていきたい。