一般参加者がカンファレンスの議事録をとったら受賞した話

takasek
8 min readSep 9, 2018

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気付いたら1週間も過ぎてしまったけれど、iwillblog第二弾です。

国内最大級のiOS開発者カンファレンス、iOSDCの2日目。
Interactive Round TableAutoLayout相談会に参加した際、自主的に議事録をとってみた件については前の記事で書いた通りです。

激レア!!!!

その結果何が起こったかというと、「IRT司会者賞」を受賞してしまいました。カンファレンスのエンディングで大々的に名前を呼ばれて、数百人の目の前で表彰され、iOSDC主催の長谷川さんと同じ色の激レアパーカーを頂いてしまいました。
司会者の inamiy さんが評価してくださったとのことで、本当にありがとうございました

受賞した意味を考えてみる

いや、ていうか何、登壇者でも何でもないのに、勝手に議事録をとったら受賞って。え?
……予想外でした。

ですが同時に、納得もしました。
これは私への賞というよりも、iOSDC運営チームからの、iOS開発者コミュニティ全体へのメッセージなのだと思います。

iOSDCは、その根底の思想として「カンファレンスを届ける側」「カンファレンスを受け取る側」を可能な限り分断しないようにしています。それはたとえば「リアクションは増しで」という運営の度々のアナウンスであったり、アンカンファレンス(飛び入りセッション)枠の創設であったりと、随所から感じることができます。
ですからiOSDCのオープニングでも、ミサトさんがこう言っているわけです。

「皆様は、人を巻き込み活性化する、iOSDCコミュニティの一員です」

運営に用意された役割でなくとも、誰しもがコミュニティの一員として何かをできる。むしろ積極的に便乗して、一緒にコミュニティを盛り上げていこう。
そうiOSDCは言っています。
そしてそれは、iOSDCというカンファレンスに限らず、あまねく開発者コミュニティにおける、正しく健全な姿勢であると思います。

そんなチャンスを適切に拾って貢献できた証が、今回のIRT司会者賞なのでしょう。
というわけで私も、今後もいい感じにコミュニティ活動をやっていくぞ!という決意と誇りの象徴として、赤文字のパーカーを羽織っていこうと思います。

議事録のススメ

私が今回書いたオンライン公開議事録について、すこし説明します。
この議事録は「WorkFlowy」というオンラインサービスを利用しました。
WorkFlowyは必ずしも議事録のためのツールというわけではありません。もっと広い、「文章をまとめる」行為全体を支援するツールです。もっと言えば、私は日常的に、文字を書きながらものを考える行為を、大抵このWorkFlowyの上で行っています。

WorkFlowyの何が嬉しいかというと、まず一点は「アウトライナーであること」
換言すれば、「まだ構造化されていないテーマを、ツール上で整理しながら構造化していく」ための必要充分な機能が、WorkFlowyには備わっています。すなわち、

  • 「タイトル」と「説明」が一体化していて、再帰的な「項目」として扱える
  • 項目をツリーにできる。その階層は無限個
  • 任意の項目を、子項目ごと、好きな場所へとドラッグできる
  • 項目のツリーを折りたたみ・フィルタできる
  • 任意の項目をルート項目として扱うビュー(「フォーカス」という)を提供できる
  • 項目にタグをつけ、タグによる抽出や項目間のジャンプができる

概念の説明だけでは伝わる気がしませんが、アウトライナーはプログラミングに限らず、あらゆる思索や文章推敲において効果を発揮する強力なツールです。興味が湧いた方は、以下の書籍をご参照ください。

WorkFlowyの嬉しい点、その2は「オンラインツールであること」
デバイスを選ばず、いかなる環境でも同じドキュメントを連続的に取り扱えることの利点は、Appleの思想に慣れ親しんでいる皆様もよく理解されているところですね。
そしてオンラインであり、「フォーカス」が可能であるということはつまり、任意のツリー以下を公開設定にするだけで、即座に「あるテーマの断片」を全世界と共有できるってことです。今回はその側面が「議事録」という形で立ち現れた、というだけに過ぎません。
なお公開時には、閲覧者の権限を「View」と「Edit」の二段階で設定できます。ケースによっては共同編集も可能です。(今回のIRTでは、私は最初だれでも編集できるようにして、IRT終了後にReadOnlyに変更しました)

ちなみにWorkFlowyには、サードパーティーによって開発された、各デバイス環境に最適化されたアプリケーションが数多くあります。

iOSでは「MemoFlowy」や「HandyFlowy」によって、外出中に思いついた事項をワンタップでWorkFlowyに転送したりできますし、

Macでは「DeskFlowy」によって、編集時のCSSをカスタマイズしたり、ツリーを好みの書式に変換したり、という作業を簡単に行うことができます。

スクリプトが自作できるのでカスタマイズ性抜群

ね。すごくないですか?

このWorkFlowy、無料枠としての制限は「月に250行しか追加できない」というだけです。試しに使うだけなら無料で問題ありません。
また、招待リンク経由でサインインしてもらうことで無料枠で利用できる行数が増えるというシステムもあるので、ヘビーに使いたくなった場合もだいたい安心です。
iOSDC以降、どなたか存じませんが私の招待リンク(どこで公開したのかも覚えてない…)からサインインしてくれた方もいらっしゃるようで、私の制限行数もガッポガポです。いや有料で使ってるので無制限なんですが。本当、本当ありがとうございます…。

…。
えっと何の話でしたっけ?
WorkFlowyのダイマの話でしたっけ?
違った、そうそう。
オンライン議事録とか気軽にとれるから、カンファレンスでのコミュニティ活動としてそういうのやってると、うっかり賞取れたりするかもよ! みんなやろうぜ!!
って話でした。

あと、iOSDCのセッションにフィードバックを送るのも素晴らしいコミュニティ活動だと思います! 期限まであと1週間ですよ!

iOSDC便乗活動繋がりで告知

そういえばiOSDCに便乗して勝手にやってる活動はもうひとつありまして。
iOSDCで採択されなかったCfPから勝手に面白そうなものを選んで発表してもらうイベント「俺コン」が来週(9/12–13)開催されます。私も個人的に聞きたいトーク選んだり、サイト作ったりしました。

おかげさまで本日増枠しましたので、ご興味ありましたらconnpass(DAY1, DAY2)から是非。

非公式イベント仲間のiOSDC リジェクトコン(9/18,20)も応援しています!

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