リスク管理の秘訣①:MDDは20%以下に!

HEYBIT
8 min readMar 2, 2020

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今までどう投資すべきかについてかなり学んできました。ここで一回復習してみましょう。我々は自分の頭脳を使うと逆に痛い目にあってしまうことに気づきました。クオンツ投資で我々の脳の限界を乗り越え、人々が犯すバカなことを逆に活用できることを学びました。なぜ、何が何でもトレンドをフォローしなければならないのか、どうやって上げ相場と下げ相場を区分するのかも学びました。

具体的な戦略を練る前に、最後の関門が残っています。「リスク・マネージメント」です。多くの投資家は、これ以上取り返しのつかない状況になるまで、リスク管理の重要性に気づかないです。成功した投資家は様々ですが、倒産した投資者は共通点があります。リスク管理に失敗したのです。

成功投資の条件は、投資心理が50%、リスク管理が40%、投資戦略が10%だと強調したことがあります。リスク・マネージメントで達成しようとする目標は何でしょう? ここで詳しく説明します。

いかなる場合にもMDD 20%を超えてはならない

いかなる場合にもMDD 20%を超えてはならない

MDDをもう一度復習してみましよう。MDDは、投資家が特定の区間内で経験する最大の損失です。例えば日経平均株価に投資した投資家は1996年から2003年まで7年間、日経が64%暴落したことを経験したはずです。日経のMDDは64%です。個人投資家が唯一得意なのは何でしょうか。最高値で買い、最安値で売ることです。これひとつは本当に上手です。投資の実力が低ければ低いほど、この能力が優れています(笑)。したがってMDDは、投資家が実際に経験できる最大の苦痛と思えばいいです。

1996年からの日経平均株価のMDD(最大損失)は60%も超える

ウォーレン·バフェット氏はいつか「株式を買って株価が半分になる覚悟がなければ株式を買わない方がいい」と語りました。つまり、投資家であるあなたは50%のMDDを飲み込む覚悟ができているはずという話です。(あれ?)ですからバフェット氏は優秀な投資家になったのです。クールに50%という損失を耐えるなんて! 筆者を含めた一般の投資家の大半はこんなに「クール」ではないはずです。高値から10%だけ損しても頭に来るし、20%以上の損失を心理的に耐えられる投資家は数少ないです。10万円を投資して700円損しただけで落ち込む人も周りにいますから。

「株式を買って株価が半分になる覚悟がなければ株式を買わない方がいい」なんて。。。

ですので投資戦略を設計する際にどんな方法を使っても、最高値に比べて20%以上のドローダウン(MDD 20%)以上を記録してはならないのです。

ここで問題!

問題:2013年10月28日、ビットコインを買って2018年3月12日まで耐えたらいくらを儲けたでしょうか。
正解:4,594%を稼いだはずです。
問題:それではMDDはいくらだったんでしょう?
正解:89%でした。 ウソ! ビットコインは2013年11月29日ピークの16万円からずっと下落し、2015年1月14日の最安値(1.8万円)を記録しました。
問題:それなら本当に2013年10月28日、ビットコインを買って2018年3月12日まで粘って46倍を儲けた人は何人いるんでしょうか?
正解:極めて少ないはずです。2014年の恐ろしい大暴落を耐え切れず、悲しんで、ほとんどが売ってしまったでしょう。1年以上価格が残酷に下落しているのに耐えられる人はほとんどいないです。

ここでもう一つの秘密を教えます。仮想通貨の投資戦略の最も重要な目標はMDDとボラティリティ(価格変動性)を下げることです。収益の最大化はその後に目指してもいいのです。実戦で投資をしてみればわかるでしょう。MDDと収益のボラティリティを下げると収益は自ずとついてくるということを。

ボラティリティはジェットコースターみたいもんや!

高いボラティリティを避けなければならない理由は二つです。心理的な理由はすでに説明しました。ポートフォリオの損失があるレベルを越えれば投資家たちはそわそわして理性的に考える能力を完全に失ってしまいます。この文章で人間はお金を投入したとたん猿に変身するとすでに述べました。しかし大金を失えばあったはずの猿の脳さえ消え、金魚のIQ並みに墜落すると考えてもいいです。投資戦略をどんだけうまく作っておいても、これを無視して完全に非理性的マインドに変わる可能性がかなり高いのです。いつ猿の脳が金魚に変わるんでしょうか。前述したように10%損失の区間で変身(?)が起こることもあるしある程度大胆な投資家たちでも20%損失を見ると、金魚に変身します。

自分のお金を入れると我々はサルになる(左)| 金魚は与えられた餌はお腹が空いてるかどうかとは関係なく全部食うため、餌をやりすぎると胃袋が破れてしまうほど知能が低いという(右)

「90%値下がりしてもそのまま塩漬けしとけばいいんじゃないですか? ビットコインは結局2016、2017年には大ブレークしたじゃないですか!」と言うかもしれないです。ただビットコインが右肩上がりする資産という確信がないので、次に 90%のMDDが出たら再び新高値を突破できるか極めて不明ですし、このデータは過去のデータなのでこれからこのような現象が全く同じく現れることも保証できないです。新高値を永遠に突破できないかもしれないです。大きなボラティリティを避けなければならない数学的な理由もあります。以下の表をご覧ください。

すべての投資市場は複利効果で動きます。つまり、10%損したら10%を儲けたからと言って元本リカバリするわけではないです。11%を儲けなければなりません。20%を損したら? 25%を儲ければ元本リカバリができます。 30%を損したら? 43.7%を儲けなければなりません。50%だったら? 2倍、つまり100%を儲けてやっと元本です。66.7%だったら? 3倍、200%儲けなければならない。80%だったら? 残った資産を5倍にして元本リカバリです。

さあ、ところで10%損して11.1%取り返すことは可能なのでは? その程度なら難しくないかもしれないです。20%損して25%リカバリは? 不可能ではないでしょう。30%損して、43%儲けるのは? ここからかなり難しくなります。もちろん本気でやれば、理論的には不可能ではないはずですが、資産の30%を失った人が急に上達して+43%でカムバックする可能性はどれほどあるでしょうか? そして幸いに1、2回はリカバリできたとしても資産を長期的に守る実力になるのでしょうか?

資産の半分を台無しにして2倍稼いで元本リカバリするんだって? こんなドラマのようなことは現実ではめったに起こらないです。心理的にも数学的にも20%以上損する状況はどうしても避けるべきです。いかなる投資家はその限界が10%の場合もあれば、これよりも低い投資家もいるはずです。

4年間元本リカバリできず、、、涙(Source: https://gentosha-go.com/articles/-/16927)

ところがここまで読んだのなら疑問に思う点が出てくるでしょう。仮想通貨は一日にも50%以上値動きすることが多いですが、どんな状況でも20%以上は損しないことが本当に可能でしょうか? 買ったら10年間上がり続く第2、第3のビットコインがまた出てくるのでしょうか? 残念ながら、筆者にはそれを予測できる能力が全くありません。「ちくしょう! それなら毎日寝ずに仮想通貨が一定金額以上落ちれば損切りをしなければならないのか? ところで5%損切りを5回連続すればすでに20%以上損するのではないか。」 5回連続損することもよくあるのに、どうやって20%以上損は絶対しないのでしょうか?

繰り返して損切りするよりもMDDを減らせる、はるかに効果的な方法があります。

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