第8回ニコ技深セン観察会を通して新入社員の私が感じたこと

Yuta Oba
9 min readMar 30, 2018

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2018年3月17日から22日まで、ハードウェアのシリコンバレーとも呼ばれる中国の深センに行ってきました。今回は私が、

①なぜ深センに行ったのか

②深センで何を見たのか

③深センに行って何を感じたのか

の以上3点についてご報告しようと思います。

①なぜ深センに行ったのか

このブログを見てる皆さんはきっと、深センのことはよくご存知の方が多いかと思いますが、正直私は数ヶ月前まで深センという地名さえ耳にしたことがありませんでした。そんな私が深センに行くことになったキッカケは、会社の先輩が”ニコニコ技術部深セン観察会”なるツアーを見つけてきたことです。「このツアーに皆んなで応募して深センの最新技術を調査しよう!」という流れになり、私はその流れに乗っかる形で応募を決めました。参考図書として、高須さんの「メイカーズのエコシステム」、藤岡さんの「ハードウェアのシリコンバレー深センに学ぶ」を読み、深センのイメージはなんとなく掴みました。こちらのURL(https://medium.com/@yutaoba/%E3%83%8B%E3%82%B3%E6%8A%80%E6%B7%B1%E5%9C%B3%E8%A6%B3%E5%AF%9F%E4%BC%9A%E7%94%A8%E8%87%AA%E5%B7%B1%E7%B4%B9%E4%BB%8B%E6%96%87-9a106148bc39)に応募当時の私のコメントがあります。今見返してみると、深センについて何も分かっていなかったことが分かります(笑)このツアーは非常に人気があって、参加したくても参加できない方が沢山いらっしゃると聞いていたので、ダメ元で応募していましたが、幸運にも参加できることになり、深センに行くことが決まりました。

②深センで何を見たのか

まずは深センの日程を振り返ってみます。

2018/03/17 深セン到着

2018/03/18 華強北を散策、Mobikeを使って深セン都市部をサイクリング、ニコ技深セン観察会の方々とウェルカムディナー

2018/03/19 Seeed AMC、JENESIS、Insta360、ミートアップ

2018/03/20 CityEasy、Dobot、Honeycomb、南山地区、Kandao、Seeed XFactory、Xiaomi旗艦店

2018/03/21 DJI旗艦店、HAX、M5Stack、SEG Maker、ニコ技深セン観察会のラストディナー

2018/03/22 帰国

私が深センで見てきたものを時系列順に示していきたいと思います。

・WeChatで初めて決済。深センの人々にとってスマフォ決済は既にスタンダード。

・Mobikeを利用。QRコードを読み取ると即座に解錠。GPSで常に場所を特定。

・深センをサイクリング。日曜ということもあり子供連れが多い。とにかく人々が若い。老人が見当たらない。

・プリント基盤を製作するSeeed AMCを訪問。「アジャイルに開発するが計画通り実行する」という二律背反のテーマを掲げている。

・タブレット型端末で高いシェアを持つJENESISを訪問。深センのエコシステムを活用した製品開発について藤岡さんからお話を伺う。

・360度カメラのスタートアップInsta360を訪問。スマフォとの連携が容易で、SDKも充実。Insta360 Oneを即買い。

・SoftbankのPepper的ロボットを開発するCityEasyを訪問。中国ローカル銀行で導入実績あり。

・デスクトップ上ロボットを開発するDobotを訪問。教育用プロダクトとしても展開。

・STEAM教育用の電子ブロックを製作するHoneycombを訪問。深センでは幼少期からエンジニアとしての素養を鍛える文化がある。

・ソフトウェアインダストリーパークの位置する南山地区を訪問。中国の国際特許出願件数のうち1/4はここ南山地区から出ている。

・ハイエンド向け360度カメラを作るKandaoを訪問。視点を移動するソフトウェア技術に衝撃を受ける。

・Mobikeと電車を使い、ドローンメーカーのDJI旗艦店を訪問。

・ハードウェアアクセラレータのHAXを訪問。スタートアップを支援する体制が充実している。現在はBtoCからBtoBに移行してきており、IoT関連の製品が多い。

・SEG Makerにて伊藤先生、澤田さん、高須さんのプレゼンテーションを聞く。こんなにも引き込まれるプレゼンは初めての経験だった。

・華強北の中華料理屋でラストディナー。辛くて物凄く美味しかった。また食べたい。

③深センに行って何を感じたのか

1.道路や通路が非常に整っており、ゴミが少ない

いわゆるアジアの大都市は街も空気も汚いというイメージがありましたが、深センの道路は非常によく整備されており、ポイ捨ての形跡も少ないと感じました。電気街の店舗も一見汚い雰囲気ですが、通路は清潔に保たれております。清掃が行き届いているだけでなく、高い環境リテラシーを持った人々が集まっていると感じました。

2.シェアリング自転車の普及率が高い

Mobikeアプリをスマホに入れると、空席の自転車を見つけて解錠できます。更に支払いは、WeChatで済ますことができます。約1時間、7.6km走行し、料金は33元でした。あまりに大量のシェアリング自転車が走行しているため、何のクラウドでストリーミングデータ処理をしているのか気になりました。中国ではアリババ社のAliyunというクラウドのシェアが高いようですが、Mobikeのシステム構成はどうでしょうか。

3.ハードウェア製品に付属するソフトウェア機能が魅力的

印象に残っているのはやはりInsta360でしょうか。Insta360が開発する360度カメラは、画像を編集・加工するソフトウェア機能が超魅力的です。例えば、自撮り棒を画像・映像から消去する、必要な画角のみを切り出してGoProで撮ったような映像に加工するなどが挙げられます。Insta360はハードウェア製品ですが、私はそのソフトウェア機能が提供する付加価値に購買意欲をかき立てられ、つい衝動買いしてしまいました。日本に帰国してから使いまくってます。

4.Kandaoが持つソフトウェア開発力に衝撃を受ける

Kandaoは、ハイエンド向け360度カメラのスタートアップです。物体までの距離や深さの可視化、人工的に影の方向を変更、対象を指定してリフォーカス、バックグラウンドを変更などの画像編集・加工機能があり、高いソフトウェア開発力を持っていることが伺えます。中でも衝撃的な機能は、視点移動技術です。私がこれまで使ったことのある360度カメラでは、撮影地点を軸とした映像しか見ることができませんでした。一方Kandaoのカメラを使い、室内で1枚の360度画像を撮ると、部屋の外側に視点を動かすことができます。技術に心底感動したのは、もしかしたら初めての経験かもしれません。

5.スタートアップの支援体制が超充実

深センには、Baidu、Tencent、Alibabaなどの大企業とスタートアップ企業が乱立する、「ソフトウェアインダストリーパーク」と呼ばれるエリアがあります。周辺には深セン大学のキャンパスがあり、かつ中国の他大学もサテライトキャンパスを配置しています。カフェでは盛んにミートアップが行われ、大学生のアイディアやプロダクトの評価が常に行われています。事業が失敗したとしても、優秀な人材を欲している会社が沢山あるので、果敢にスタートアップにチャレンジすることができます。深センではなぜ新しいビジネスが次々と生まれてくるのか、その答えがこのエリアにあると思います。リアルなミートアップの現場に参加してみたい。

6.コミュニティってメチャクチャ刺激的だし楽しい!!!

ニコ技深セン観察会には、自分の趣味や夢を追いかけて活発に活動されている方が沢山いらっしゃいました。自分の好きなことを、やりたいことを実現するために、果敢にチャレンジする方々を見て、メチャクチャ楽しい人生なんだろうなと感じました。ちなみに高須さんのプレゼンは、涙腺の刺激が強すぎて困りました。メチャクチャ感動しました。私の人生の目標は、とにかくスキルを磨いて、自分を育成ゲームかのように成長させて、より面白い人生にすることです。この目標を達成するために、まずは好きなこと、興味があることをやってみて、それをコミュニティで共有することから始めようと思います。ニコ技深セン観察会で出会って、知識も経験も浅い私と親身に話して頂いた皆さんに、感謝しています。ニコ技深セン観察会に参加することができて、本当にハッピーです。ありがとうございました。

以上です。これからもよろしくお願いします。

大場 勇太

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