クリプトネイティブゲームの課題
原文:Obscuro Labs
ブロックチェーンゲームはここ数年で大きな関心を集めていますが、Axie Infinity、Splinterland、Crabadaといった最も人気のあるゲームは、実はオンチェーンの要素がほとんどないことが指摘されています。ゲーム内の資産をNFTやトークンで表現するためにブロックチェーンを利用することはよくありますが、ゲームロジック自体はオフチェーンで動かしています。その理由の1つは、例えばEthereumのようなモノリシックなベースレイヤーで計算を実行するのは非常にコストがかかるからです。
しかし、Starknet、Arbitrum、Optimism、Obscuro(soon)といったロールアップソリューションの領域で見られるように、スケーリングの急速な進歩により、ゲームロジックをオンチェーンに移すことが可能になってきています。このようなゲームはクリプトネイティブゲームと呼ばれます。
それはクールですが、どうしてそのようなことをするのでしょう?
クリプトネイティブゲームがなぜ次のフロンティアとなり得るのか、これまで見たことのない新しい領域の可能性をどのように解き放つのかを理解するには、gubsheepによるクリプトゲームの論文を読むことをお勧めします。ゲーム全体をスマートコントラクトとして展開した場合にのみ可能となるような、ジェネレーティブかつ自律的なゲーム、あらゆるゲームのあらゆるコンポーネント間のオンチェーン合成可能性、無限の創造性をもたらすオープンソース開発、パーミッションレスで検閲不可能なゲーム、などが挙げられます。
これは非常に初期のものであり、多くの課題が横たわっています。しかしクリプトネイティブゲームのパイオニアが直面する最も一般的な課題のいくつかは、Obscuroによってネイティブに対処されていることに私は驚きました。
その課題とは何でしょうか。
フロントランニング
OGブロックチェーン開発者のRonan Sandfordは、EthCC 4でL2上のゲーム構築について講演し、フロントランニングの問題を提起しました。
フロントランニングが可能なのは、実際にゲームで起こる前にプレイヤーがパブリックmempoolで相手の動きを読み、それに応じて反応することができるからです。Sylveが指摘するように、これは分散型金融におけるMEVに相当するため、gaMEVと呼ばれています。
ランダム性
多くのゲームはランダム性に依存しており、以前EthCC 3で完全なオンチェーンゲームを構築することについて講演した際、Ronanはブロックごと、あるいは1秒ごとに予測不可能な数字を生成することの難しさに言及しています。
パブリックブロックチェーンでは、コントラクトの内部状態だけでなくブロックチェーンの全履歴が誰にでも見えるため、確かに安全な情報源を見つけるのは困難です。
隠された情報
ゲームの仕組みの多くは、プレイヤーから何らかの情報を隠すことになりますが、これはパブリック台帳上で扱うにはデリケートな問題です。これはSylveが「Four challenges in blockchain gaming」で提起した課題の1つで、ジャンケンのような単純なゲームでさえ、実際にオンチェーンで構築するには厄介で、Commit-Revealスキームやゼロ知識証明などのテクニックが必要になると説明しています。
Edward A Thomsonの投稿「Preventing cheaters in fog of war games」では、古典的な「fog of war」をオンチェーンで再現するための解決策を模索しています。これはマップの一部や敵の位置を隠すことを目的としたものです。
Obscuroとクリプトネイティブゲーム
お察しの通り、上記の課題であるフロントランニング、ランダム性、情報隠蔽に共通するのは、パブリックブロックチェーンの本質である「透明性」です。そしてそれこそが、Obscuroが他のロールアップソリューションと一線を画すところです。
Obscuroは、Ethereum上に構築された分散型レイヤー2プライバシーソリューションです。Trusted Execution Environmentsを活用して機密性の高いロールアップを作成し、EVM互換のスマートコントラクトに低いガスコストとプライバシーの恩恵をもたらします。
Obscuroの機密ロールアップは、スマートコントラクトを完全に難読化することができる計算上のプライバシーを導入しています。したがってゲームのあらゆる部分を隠すことができ、あらゆるデータを情報のソースとして使用でき、mempoolも隠されます。
ゼロ知識証明で可能なプライバシーもいくつか存在し、Dark Forestのようなゲームはその好例です。しかしゼロ知識証明は汎用的なプライバシーソリューションではなく、Obscuroのようにスマートコントラクトを完全に難読化することはできません。このトピックについてさらに掘り下げるには、Cais Manaiによるブロックチェーンプライバシーのトリレンマをお勧めします。
Obscuroをベースにしたいくつかのアイデア
- Poker、Battleship、Mastermindといったクラシックゲームのオンチェーン版
- Civilizationのようにお宝が隠されたゲーム
- Killariによる自動抽選のアイデア
- 誰にもコードを覗かせずにゲームのプロット全体をデプロイする
- gubsheepによる6つのMoonshot ZK アプリケーション
- ブロックチェーンや実世界のイベントに応じて属性が変化するシェイプシフト型のNFT
- 開発者さえも次の展開を予測できない自律的かつジェネレーティブなゲーム
…などなど、盛りだくさんです!
この記事で紹介したすべての方々のアイディアに感謝します。また大きなインスピレーションを与えてくれたdialecticの「オンチェーンゲームに関する考察」にも感謝申し上げます。
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