なんだかモヤっとする地域猫の話

Kazuki Imamura
CodeforCAT
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4 min readDec 1, 2018
CIVIC TECH FORUM 2018で発表したときの模様

この記事はCode for CATアドベントカレンダー2018の2日目の記事です。
昨日は太田さんによるCode for CAT 発足秘話でした。知らなかった話もたくさん。続きが楽しみです!
今日はCode for CATに参加してまだ1年も経っていない新参者の私が、CATに参加する動機になったことについて書きたいと思います。

私の地域の野良猫事情

少しだけ、個人的なことを。

私の母親は野良猫のエサやりをしています。そのため、地域住民とのトラブルはしゅっちゅうです。私も最初は大反対でした。しかし母のこだわりは止まりません。

そこで私は地域の野良猫事情を調べようと思いたちました。そうすることで、母を理解しようと思ったのです。

その流れで、地域の保護団体を知りました。そして、母のことを知っている猫ボランティアさんと繋がることができました。

その猫ボラさんは、野良猫の捕獲と不妊去勢手術の負担をほぼ一人でやっているとのことでした。母がエサやりをしている猫たちも、この猫ボラさんによって手術を受けていました。

私が知った保護団体も毎日のように捕獲&手術を行っており、ときには保健所の職員から個人的に要請を受けて現場に駆けつけているそうです(手術はこの団体に協力している病院が行っています)。

あくまで個々人が善意でがんばっている、という状況です。

TNR+M

地域猫のとっかかりは「TNR」だと言われます。「TNR」とは、「Trap(捕まえる)」「Neuter(不妊去勢手術)」「Return(もとに返す)」の頭文字をとったものです。

でもそれだけではダメで、「TNR」+「M(マネージメント)」だという意見も現れました。

つまり、不妊去勢手術をして戻ってきた猫に対して適正なエサやり(エサを放置しない、決まった時間にやる)と糞尿の始末をしっかりやって、環境美化に努める、ということです。

そうやって初めて、地域猫活動の「始まり」と呼べるでしょう。

それは簡単なことでしょうか?

行政はどう関わる?

環境省の「家庭動物等の飼養及び保管に関する基準(最終改正:平成25年環境省告示第82号)」には、こうあります。

第5 猫の飼養及び保管に関する基準

6 飼い主のいない猫を管理する場合には、不妊去勢手術を施して、周辺地域の住民の 十分な理解の下に、給餌及び給水、排せつ物の適正な処理等を行う地域猫対策など、 周辺の生活環境及び引取り数の削減に配慮した管理を実施するよう努めること。

私の住んでいる自治体では、飼い主のいない猫の不妊去勢手術に関する助成制度があります。しかし、上記の「周辺地域の住民の 十分な理解の下に、給餌及び給水、排せつ物の適正な処理等を行う」ことは当人の責任でやってください、というような、一見すると消極的な、あるいは非協力的ともとれる文章が自治体のサイトに掲載されています。

自治体の姿勢は、地域猫活動に影響しないでしょうか?

地域猫活動は誰のため?

実は、半数以上の住民が野良猫問題に無関心なんだそうです。野良猫のことをかわいそうに思う猫好きな人と野良猫に迷惑している猫嫌いな人は、ほんの一部です。

しかし、これらすべての人たちが歩み寄ることが地域猫活動には必要です。そのためには、猫テリトリーの把握、町会や住民への周知徹底など、やるべきことがたくさんあります。とても個人ができることではありません。

ここまでくると、猫だけの問題ではありません。人と人の問題なのです。

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Kazuki Imamura
CodeforCAT

webデベロッパー。シビックテックコントリビューター。React, Vue, Nuxt, Next, Gatsbyなど。インフォ・ラウンジ / Code for CAT / Django Girls