ついにcoinがshut down
とうとうというか、ついにというか。
複数のクレジットカードを1枚にまとめることのできるカードを提供するCoinがつい先ほどサービスをshut downする旨、同社のブログにてアナウンスを行った。最終的にサービスは2/28/17で完全に終了となる予定。
最初にCoinを入手して使用感をここで書いたのが懐かしい。と言ってもあれからまだ2年も経っていないけど。
それにしても、ビジネス自体もそうだけど、最初から最後までコミュニケーションが下手というか、ユーザーへの対応がうまくなかったな、という印象しか残らなかった。
crowdfundingで最初に資金を集めた後、プロダクトの製造に遅延が生じた時(しかも2回)もそうだったし、β版のサービスを開始する時もそうだったし、そして今回のshut downの時もそうだけど、一方的、事務的過ぎて負の感情しか湧かない。温かい目で見守ってあげようという気にさせないというか、応援し続けたいという気にならなかった。
最初の頃はちょくちょくメールでプロダクトの進捗とか、アプリのアップデートとか色々coin側から働きかけて、engageするぞという感じがあったのに、いつの間にかそれもなくなり、気がつけば自分も半年くらいしかcoinを使っていなかった。
もちろん使用に制限があったとか、プロダクト的な欠点もそうなんだが、サービス提供側から忘れられているような感じがあったと思う。そりゃユーザーも離れていくよな、としか言いようがない。
ハードウェアというプロダクトの性質上、1回ものを出したらしばらく製品のアップデート/アップグレードは難しいのはわかるけど、だからこそもう少しユーザーとのコミュニケーション・インタラクションをとって要望や質問、時には叱責もきちんと聞いて真摯に対応すべきだったように思う。最大の失敗はユーザーについてきてもらえなかったこと(もちろんハードウェアならではの製造の難しさもあると思うけど)のような気がする。
今後IoTという名の下に多くのハードウェアを絡めたサービスが出てくると思うけど、今まで以上にユーザーとのインタラクションが大事になってきているといういい事例(教訓)になったんじゃないかと個人的には思う次第。
<追記(2017.04.21)>
どうやらcoinの対抗馬だったplastcもシャットダウンを発表した。この記事にこれまでの会社側の発表を含め時系列にまとめられている。
http://digg.com/2017/plastc-smart-card-bankruptcy-what-happened
これまでに8万人のbackerから$9Mもcrowdfundingで調達していたが、それら返還されるのかどうか心配(多分ほとんど返ってこないんじゃないかな)。
今回、plastcがシャットダウンする理由の一つとして、資金調達を進めていたが、新規で資金提供を約束していた投資家がサイン直前で撤回したためとあった。個人的にはあまりに他人のせいにしすぎだと思う。
自分たちの落ち度(例えばproductionの見込みが甘かったとか、パッケージングが難しかったとか、software開発に手こずったとか色々あったはず)を一切認めないのもなんとも言えない。shippingの遅れはパーツメーカーのあるアジアで台風があってパーツが遅れるとか、ちょっと不信感が募るよね。自分が投資検討するとしたら、そんなユーザー対応するような会社にはやっぱり投資しないと思う。
coinもダメ、plastcもダメ、どうやらstratosもダメっぽい。credit card aggregation deviceって何が難しいのかわからないけど、やっぱり技術的な困難(EMV対応とか)とか製造関連の困難とか超えられない壁がどの辺りいあったのか気になる。