The Internet Computer’s Post-Genesis R&D Roadmap の日本語翻訳
ロードマップでは、DeFiの強化、ビットコインやイーサリアムとの直接統合、トークン化などのマイルストーンを目標としています。
2019年、Dfinity Foundationの著名な暗号学者、コンピュータ科学者、分散システムエンジニア、プログラミング言語の専門家からなるチームは、Genesisの立ち上げに向けて、インターネットコンピュータのブロックチェーンのコア開発のための一連のマイルストーンを描きました。それ以来、Dfinity Foundationは技術的な貢献という形でエコシステムに研究開発資源を投入し、Network Nervous Systemの提案を通じてインターネットコンピュータコミュニティが採用し、形にしています。
昨年12月、コミュニティは、今後数年間のブロックチェーンの研究開発ロードマップを示した25の動議提案の主要セットを採択しました。最新のインターネットコンピュータのロードマップはこちらからご覧いただけます: https://dfinity.org/roadmap
新しい研究開発ロードマップには、DeFiの強化、(BTCやETH等の)直接統合、Dappsトークン化などに焦点を当てた6つのマイルストーンが含まれています:
- Titanium | DeFi
- Chromium | BTC統合 Satoshi Release
- Carbon | Service Nervous System(DappsトークンをNeuron準拠化)
- Vanadium | ETH統合 Vitalik Release
- Iridium | Multi-Chain統合
- Futurium | Post-Quantum Cryptography
NOTE: マイルストーンの焦点とスケジュールは変更される場合があります。
Titanium | mid-Q1 2022
焦点は: DeFi
- ガス代ゼロのAMM、アトミックスワップ、GameFiを大規模に行うためのDeFiを完全に実現。
要旨:
インターネットコンピュータ(以後、IC)は、DeFiのDapps開発者を魅了している。ウェブコンテンツをチェーンから直接提供できること、比類のない取引速度、少しの取引コストとストレージコスト、そしてデータがチェーン上に保存されるという事実が、ICをDeFiにとって理想的なブロックチェーンネットワークにしているのです。Titaniumのマイルストーンでは、IC元帳へのアクセスやトークン取引のためのAPI、最も一般的なDeFiのユースケースを示す例、Dapps開発者が使用できる元帳キャニスターなど、DeFiの必須の「ビルディングブロック」がリリースされる予定です。
期日: Mid-Q1 2022
内容:
- ICPをキャニスターのスマートコントラクトでコントロール(主に転送)する(完了)
- Internet Identityのサポートを拡張する(完了)
- BTC統合の開発者プレビュー(開始済み)
- ロードマップ(Titanium)用の Dappsサンプル
- Merge neurons(訳者:この記事を基にした税制用の改善案のことか?)
- TX元帳を取得できる今よりシンプルなAPIs
- (ICP用の)元帳キャニスターのDapps(SNS仕様) への適用
- キャニスターのアップグレード時の安全性の検証(Candid(バックエンドとフロントエンドのインターフェース)とMotoko変数)(訳者:アップグレード時にはレプリカ毎で遅延が生じるため、脆弱性が指摘されている)
- NNSのノードプロバイダー報酬の管理(投票によって報酬の決定)
Chromium | end of Q1 2022
焦点は: Satoshi Release
- BTC統合でBTCをIC内DeFiでスマートコントラクトで扱えるようになる
要旨:
BTCは、ブロックチェーンにおける最大の資産プールです。今回のChromiumのマイルストーンにより、BTCを使って高度なスマートコントラクトを書くことが初めて可能になります。これは、ICのユニークなChain Key暗号を拡張した画期的な暗号プロトコルによって実現されます。ICの取引速度と低い取引コストを世界最大の暗号通貨と組み合わせることで、数多くの新しいDeFi Dappsが生まれます。また、このマイルストーンの一環として、Service Nervous System(SNS)のトークン化されたガバナンスのための最初の「ビルディングブロック」も提供されます。
期日: End of Q1 2022
内容:
- BTC統合
- ECDSA閾値署名
- ICOS バウンダリーノード(訳者:IC OSをバウンダリノードも使用する)
- ノード・シャッフリンク
- 分散型ノードの追加(NNS投票結果による)
- キャニスターによるHTTPSリクエスト実行
- ネットワークの拡張:ステート同期、認証、XNet(訳者:XNetはクロスサブネット)
- インターネットサービスのオープンガバナンス
- カスタムサブドメイン
- 決定論的タイムスライス(訳者:ブロックタイム制限を複数ブロックに分割・計算を継続できる仕様にする)
- コミュニティ・ファンド(訳者:SNSファンドのことか?)
- キャニスターのサンドボックス化
- バーチャル・ピープル・パーティの実施(匿名ユーザーの人称化)
Carbon | Q2 2022
焦点: Service Nervous System
- Dapps、DAO、オープンインターネットサービスのトークン化は、それぞれのユースケースに合わせた独自のカスタマイズが可能です。
期日: Q2 2022
内容:
- サブネットの分割
- シングルトランザクション / アトミックスワップ(訳者:現状必要とされる複数txを単一化)
- サードパーティ「API」バウンダリーノード(訳者:エンタープライズのDMCA適用するノードの設置のことかと思われる)
- 完全なEVMサポート
- キャニスターのフォークとBigMap(訳者:BigMapを使ってアーカイブ化のことか?)
- シングルボタンでトークン発行(オークション・SNS・台帳など)
- 完全なDeFiサポート
- ネイティブ保存データを含む次世代ウェブ・インタラクション
- ノード不正の監視とペナルティ
- ノードオペレーションのセキュリティ強化&システム化
- Internet Identity 属性のサポート(訳者:不明)
- 提案におけるスパムを防止する機能
- 提案を撤回する機能
- ICP以外のトークンによるcycle交換機能
- キャニスターの廃止と延期の簡略化を行う提案作成
- キャニスターのコントローラーに対するメッセージ
- AMD SEV 仮想マシンサポート
- ロゼッタAPIのアップデート | neuron カストディ(訳者:取引所でneuron取扱いか?)
- キャニスターの一時停止と復活
- キャニスターのスケールを300GB以上に
- XNet(クロスサブネット)のスケール化、目標50サブネット
- ゴシッププロトコルとアーティファクトプールの強化(P2P層)
- Proposal-based claiming of seed/ECT neurons(訳者:不明)
Vanadium | Q3 2022
焦点は: Vitalik Release
ETHとの直接統合、相互運用可能なスマートコントラクト、ブリッジなし(より高いセキュリティ)、インターネットコンピュータのブロックチェーン上でETHの資産と直接やりとりできること、ICのリバースガスモデルを活用できること。
期日: Q3 2022
内容:
- サブネット間のシングルキャニスター・マイグレーション
- ETHレイヤー1の統合
- ノードプロバイダー・オークション
- Big Map(訳者:具体的に何か不明)
- MVP分散型ネットワークモニタリング(訳者:MVPが具体的に何か不明)
- レプリカの統計的偏差を自動的に検出と対処
- E2Eのセキュリティ強化— 完全な分散型バウンダリーノード
- TEE(Trusted Execution Environment)によるバウンダリーノード
- キャニスターのスケールを1TB以上に
Iridium | Q4 2022
焦点は: Multi-Chain Integration
- 最もインパクトのあるブロックチェーンエコシステムを横断する直接的な統合を継続し、ブロックチェーンシンギュラリティのWeb3.0の未来に向けて継続します。
期日: Q4 2022
内容:
- 分散型認証局とDNS(カスタムドメイン含む)
- TEE(Trusted Execution Environment)で強化されたレプリカ
- ETHレイヤー2などのマルチチェーンの統合
- F+1 query calls enabled(訳者:不明)
- 次世代P2Pネットワーク
- 任意のサイズのイングレスメッセージ対応
- ストレージサブネット
- 分散型バックアップとリカバリー
- 自動ノードローテーション
Futurium | 2023 & Beyond
焦点は: Post-quantum cryptography(ポスト量子暗号の暗号通貨)
- インターネットコンピュータのブロックチェーンの機能を開発することで、ポスト量子暗号を適用し、暗号のイノベーションを進めていきます。
期日: 2023 & beyond
内容:
- ポスト量子暗号の暗号通貨
- キャニスターでのMPC(Multi-Party Computation)
- 自動サブネット生成&管理