電子書籍はいつまで読めるのか
ここ数年、毎年のように、経験したことのないような100年に一度クラスの大雨が記録されています。
科学技術の進歩によって観測精度も高まり、予想しやすくなって来たはずなのに、異常気象という想定外を予想することは、やはり難かしいようです。
しかし、私たち人間が作り出したものならどうでしょう? 今日は、人間が作り出した電子書籍について考えてみたいと思います。
電子書籍の耐用年数
ブログのアクセス解析の中に「検索ワード」の項目があります。
見ていると定期的に、「電子書籍 耐用年数」が出てきます。案外、気になっている方が多いようです。
ということで、今週はこのテーマについて考察して参ります。
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耐用年数について
紙書籍の耐久性はどれくらいでしょう?
個人が自宅で普通に保存している状態ですと、20年くらいがおおよその目安ではないでしょうか。いつの間にか、黄ばんで痛んで来ます。
直射日光が当たらない、ガラス戸のある書棚で保存している本であれば、50年でも余裕かもしれません。
実家の書棚が、まさしくそういう状態なのですが、50年以上も前に父親が購入した本が綺麗に保存できています。
それでは、電子書籍はどうでしょう?
保存状態によって、紙書籍の耐久性は大きく左右されます。電子書籍も、その耐久性において保存状態が大事です。理論上、適切なバックアップが行われれば、電子書籍の耐久性は半永久と言っても良いでしょう。
Amazonをはじめとする商業的な電子書籍と、個人的に保存されている電子書籍では、自ずとバックアップに違いが生じてしまいます。
個人の場合、PC環境、端末環境、バックアップメディア、OS更新、ヒューマンエラー、故障、停電、天災など、保存に関する障害がいくつも存在するからです。
あなたも一度は、PC上のデータを失った経験があるのではないでしょうか?
商業出版の電子書籍
一般的な電子書籍(Amazon等で購入)は、保存という観点からみれば、個人の場合と比べて飛躍的に保存レベルが向上します。バックアップという点において、雲泥の差があるからです。
商業出版された電子書籍は、スマートフォン・タブレット端末・PC等で読むことができます。しかしながら、それはあくまで読むためのコピーであり、本体はAmazonなどのサーバーに保存されています。
仮に、いつも使っているスマートフォンが故障したり、PCが突然壊れたりしても、新しい端末やPCに再度ダウンロードすることが可能です。いわゆるクラウドシステムだからです。
このシステムのおかげで、あなたの購入した(正確には、読む権利を購入した)電子書籍は、スマートフォン等の耐久性に左右されず、半永久的に読み続けることができるのです。
個人がPC上で保存するデータの信頼性と、24時間365日耐震性のある無停電の巨大サーバーで保存されるデータの信頼性は、比較するまでもありません。
例えば、Amazonは、世界中に巨大なサーバー網を所有しています。地球規模での保存、バックアップなので、大規模災害にも安心です。
ところで、昨年は電子書籍事業から撤退する企業が相次ぎました。とても残念なことですが、視点を変えれば当たり前のことです。
電子書籍の生命線とも言える、バックアップ体制を十分に担保できない企業が、電子書籍のプラットフォームビジネスに参入すること自体、無理があります。自前で地球規模のクラウドシステムを構築できるグローバル企業は、自ずと限られるのです。
電子書籍の耐久性を考えたとき、私たちは、地球規模のクラウドシステム上にある電子書籍プラットフォームから、電子書籍を購入することが、最も賢明な選択と言えるでしょう。
古典になるまで
先ほどの間違いのない選択をすれば、基本的にあなたの購入した電子書籍は半永久的に読むことができます。翻って、あなたが電子出版する電子書籍も半永久的に読まれ続けることを意味します。
グローバル企業のサーバー網で保存されているので、あなたの電子書籍を孫の世代に残すことは、いたって簡単なことです。お孫さんが、世界中のどこに住んでいたとしても、一瞬にして、あなたの電子書籍をダウンロードして読むことができるからです。
電子書籍なら、手軽に、かつ確実に、未来に向かって、あなたの比類ないビジネス上のノウハウや、人生の英知を、後世にそのまま残すことが可能になります。
絶版のない電子書籍は、 サーバー内でバックアップされ続け、やがて古典と呼ばれる日を迎えることになるでしょう。
もし、あなたが、このことに何かピンと来るものがあるのなら、きっとそれは、あなたの中に、電子出版に値するものが眠っているのだと、私は考えるのですが如何でしょう?
まとめ
インプット型とアウトプット型
電子書籍は、まっとうに生きる個人が、その人生で得た価値観を次世代に残すための手段です。誰もが自由に人類の英知を継承させることを可能にしました。
紙書籍のもたらす価値観は、記憶を中心とした、いわばインプット型の思考です。つまり、どれだけ本を読んで、知識を蓄えたかで評価される世界になります。
この点に関して言えば、電子書籍は、読んでも記憶に残らないという意見を耳にします。しかしながら、電子書籍は強力な検索機能を持っていますので、インプットして記憶するためのコンテンツではありません。
呼び名に「書籍」が付きますが、紙書籍とは似て非なるものと考えた方が、その立ち位置に近づけるでしょう。
デジタル時代は、アウトプット型の思考の世界です。ありとあらゆるデータから検索し、情報をまとめあげ発信することで、価値観を形成していきます。
この、アウトプット=情報発信を、誰でも自由に行えるようにしたのがデジタルコンテンツです。すっかり日常に浸透しはじめたWebは、しかしながら、時系列で情報が流れていく特性があるため、系統立てて知識を習得するには不向きなところがあります。
その点、電子書籍は、デジタル時代の情報発信の中で、知識を伝える最も洗練されたパッケージのひとつと言えるでしょう。
IT革命がもたらした最もインパクトのあることは、誰もが情報の受信と発信の両方を行えるようになったことだと、私は考えます。
そして、電子書籍という手段を手にした今、より高度な情報発信を世界中に瞬時に行えるようになったのです!
今日は、電子書籍の耐用年数というテーマから、いろいろと考察してみました。
あなたは、どのような方法で、情報発信を行っていますか? そして、その情報発信の場所は、デジタル・スペース上でしょうか?