木材を使った家具のデザインコンペ2022、審査結果の発表!
300点を超える多数のご応募、ありがとうございました。審査により、グランプリをはじめとする入賞・入選作品が選出されました。この記事では、審査結果(入賞・入選作品データ)をご報告します。なお、本コンペの告知ならびに募集を開始した際の記事(2022年3月24日公開)はこちらです。
それでは、入賞作品・入選作品をご紹介します!
入賞作品
(敬称略)
グランプリ
金賞
銀賞
銅賞
入選作品
(順不同)
審査員による講評
(敬称略、順不同)
コロナ禍の中、3年振りの開催となりました「木材を使った家具のデザインコンペ」。SDGsやサスティナブルという言葉が多くのメディアで話題となり、世界情勢の変化など、2022年度の応募作品には新時代への意識が感じられ、この3年間の時代の変化にふさわしい作品が応募作品の中に多く見受けられました。今回、素材の使い方やアッセンブルなど、現代とこれからの世代の人々の暮らしの現場へのメッセージが伝わってくるもの、時代性を捉えている作品など、大変新鮮な印象を受けました。木材の国、日本の伝統的な匠と技など、多くの作品からそれらに対する意気込みも感じられました。
われわれ人間は、木材という材料を知り尽くしてはいません。単位重量当たりの力としてはスチールに匹敵する異方性のある素材、その優れた性質の一部を身近なところで借用しているに過ぎないとすら思っています。
グランプリのSHOUROUは、仕口の探求から生み出された木の性質を最大限引き出し、それをデザインに昇華しようとしたところが魅力です。何より木という素材に惚れ込み、慈しんでいるところがいい。実物を見ないと分からないのですが、やや仕口を追い込み過ぎか。だいぶ前、木は少しゆとりを持って使ったほうがいい、と大先輩の建築家から言われたことがあります。ご参考まで。金賞のshell×shelfはガウディが使ったカタルニアンシェルを立てた形が美しい。銀賞のYOJI coat hangerはとても面白いアイデアで、製品化されたら欲しいと思いました。銅賞のSECTIONには、新しい木の質感が感じられます。
今回も多くの家具を「木材を使った家具らしさ」を見つけながらじっくりと拝見しました。木製であることで、形を保つための構造の工夫だったり、経年変化をする姿だったり、家具という身近な道具に込めた気持ちや思いなど、様々な視点で「木材を使った家具らしさ」を感じることができました。そして、入賞・入選した家具のほとんどが、機能や性能を追い求めた家具ではなく、家具と人の関わり方など情緒的な感覚を大事にしていることが印象的でした。今回、思いのこもった沢山の家具を拝見して、家具が人の感情や感覚に寄り添う大切な道具であることを改めて感じることができました。
たくさんのアイデアに圧倒された審査であった。サスティナブルで素材そのものにフォーカスしたもの、テレワークなど今の時代のニーズに合わせたアイデア、フレキシブルで使い手側に使い方を委ねるもの、目を引く形状に特徴があるもの、様々であった。最終的に高評価を得たのは家具の原点である、モノのありよう、素材の特性に真摯に向き合ったものだったのが印象的だった。原点回帰、家具の面白さと魅力はやはりそこにあるのかと改めて感じさせられた。机、椅子、棚、コートハンガー、それぞれの機能、そしてそこに結集する素材、ディテール。過去から脈々と続いている沢山のデザイナーが葛藤してきた道。そこに現代の新しい素材と技術が組み合わさり、くるくる同じ道を巡りながらもスパイラルに上昇して行っているのを感じる。そしてそのチャレンジはこれからも続いていくだろう。そこにデザインの面白さがあると思う。
展示風景
入賞・入選作品について、東京インターナショナル ギフト・ショー LIVING&DESIGN(東京ビッグサイト、2022年9月7日~9日)にて展示会を開催いたしました。期間中には表彰式も開催し、審査員の先生方からご講評をいただくとともに、入賞・入選の皆さまに認定証・目録が贈呈されました。
以上、本コンペの運営事務局、フレーズクレーズがお届けしました!
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
主催:東京インターナショナル ギフト・ショー LIVING&DESIGN
運営事務局:株式会社フレーズクレーズ 家具コンペ2022事務局
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