木材を使った家具のデザインコンペ2023、審査結果の発表!

Fraze Craze
フレーズクレーズ
Sep 14, 2023

約200点もの多数のご応募、ありがとうございました。審査により、グランプリをはじめとする入賞・入選作品が選出されました。この記事では、審査結果(入賞・入選作品データ)をご報告します。なお、本コンペの告知ならびに募集を開始した際の記事(2023年4月10日公開)はこちらです。

それでは、入賞作品・入選作品をご紹介します!

入賞作品

(敬称略)

グランプリ

『Envelop』
松橋孝之

金賞

『廃材椅子』
浅倉 有希
永木 伶奈
鳥居 澪

銀賞

『150stools』
吉田 峻晟

銅賞

『Band Chair』
山崎 輝
小牧 遊太郎

入選作品

(敬称略、順不同)

『KOKO』
田邊 耕治
『クレインスツール』
小田 晃史
『decoboco』
田仲 勇介
舟津翔大
『THE CHAIR』
本杉 一輝
『KAGOISU』
豊田 亮
『Character Stool』
野原 颯太
『KeeL chair』
奥山 香菜子
大谷 拓嗣
『m stool』
碓井 厚希
『bark chair』
前田 大輔
『TETORA STOOL』
秋谷 桃子
『Twist Hanger Rack』
鍋梨 世知
ペレス 矢田 舞
西野 杏望
『SUNAO』
小柳津 仁

審査員による講評

(敬称略、順不同)

喜多俊之 (プロダクトデザイナー、LIVING&DESIGN総合プロデューサー)

世界中がコロナの影響から解放された雰囲気の中、今年の家具コンペも昨年に続き、多くの優秀な作品の応募が寄せられました。入選作品のそれぞれから日本における新しい時代の始まりが感じられました。数多くのクリエイティブな作品の中から選ばれた作品の多くには、市場にあるものとは異なる新しい視点が目立った。木材という素材の使い方をもう一度、考えることから取り組んだ作品、技術を加えることで次への可能性を追求した作品、伝統の要素を加えてのデザインに対する可能性を感じる作品など、それぞれに時代性とクリエイティブな作者の個性など、切り口が大きく広がった印象であった。グランプリを始め、入賞作品、そして入選作品にも木の国らしいバラエティと創造性が溢れ、素材の特徴などを捉えた、世界レベルと云える優秀な作品が集まった今年のコンペであった。

内藤廣(建築家、東京大学名誉教授、多摩美術大学学長)

ずいぶん経験を積んできたつもりですが、木の性質はいまだに分かりきらないところがあります。特に暮らしの身近なところにある家具では、思わぬ使われ方で壊れては困ります。日常利用の中での危険も考えねばなれません。それ故、私の審査の判断基準は、木の使い方を追い込み過ぎないこと、にしています。ある程度ゆとりを持たせるくらいの大らかな使い方が良いと思っています。
上位に残った作品は、その意味で、木の優しさ、温かさ、柔らかさ、が際立つものばかりだったので、良い結果が得られたと思っています。グランプリのEnvelopは、背面を一本で支えるという、ありそうでなかった新しい形でした。再利用にアイデアを求めた金賞の廃材椅子は、しぶとい感じがします。銀賞の150stoolsは、LEGOの木材版。こんな家具で育つ子供は幸せですね。銅賞のBand Chairは、木のぬくもりを生かした新しい座り心地が楽しみです。個人的には、入選したdecoboco、この考え方は家具に留まらずどこまでも拡張できそうで面白いと思いました。

小泉誠(家具デザイナー)

今回も多くの家具を「木材を使った家具らしさ」を見つけながらじっくりと拝見しました。このコンペも回を重ねるごとに、デザインという思考に向かい合ったものが増えてきていて、コンペ自体が成長していることを感じました。また、木の特性を活かした形も数多く「木の家具」らしいデザインが増えてきています。反面、安易に成型合板を使い構造を誤魔化した形も増え、結果的に魅力が薄れていくものも多く見受けられました。今回受賞した家具は、ただ単に形が美しいということではなく、素材・環境・関係・現象・感覚など、明確な目的に向けてデザインしたものが多く、本来のデザインのあり方を改めて感じることができました。

永山祐子(建築家)

今までに世界中で沢山の木製家具がデザインされ、そして私たちの生活の中で使われてきた。その中で新しい提案をすることはとても難しいと感じる。それはどんなデザイン分野でも同じかもしれない。その時にデザインの拠り所となるのは私たちの生活スタイルの変化、そしてマテリアルへの認識の変化ではないかと感じている。その家具が使われるシチュエーションが鮮やかに思い浮かび、そこに魅力的なアクティビティ、コミュニティが生まれているか、廃材利用、木の粘りをうまく活用するなどマテリアルの考え方に新しさがあり魅力的なプロダクトとして表現されているかなどがとても重要な審査のポイントだった。その部分が突出した作品が受賞するに至った。毎回このコンペの醍醐味は実物展示である。提案書を超えた物の力強さを目の当たりにするとこれからもデザインが進化していくのを感じ、そのパワーから元気をもらうのである。実物を見るのを楽しみしている。

表彰式ならびに展示風景

入賞・入選作品について、東京インターナショナル ギフト・ショー LIVING&DESIGN(東京ビッグサイト、2023年9月6日~8日)にて展示会を開催いたしました。期間中には表彰式も開催し、審査員の先生方からご講評をいただくとともに、入賞・入選の皆さまに認定証・目録が贈呈されました。

以上、本コンペの運営事務局、フレーズクレーズがお届けしました!
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。

主催:東京インターナショナル ギフト・ショー LIVING&DESIGN
運営事務局:株式会社フレーズクレーズ 家具コンペ2023事務局

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