Google Cloud で Manager になった最初の 1 年で学んだ 3つのこと

Yasushi Takata
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Published in
Dec 23, 2021

この Story に掲載された意見はすべて著者個人のものであり、組織の意見を反映するものではありません。

この記事は Google Cloud Japan Advent Calendar 2021 の 22 日目の記事です。最近、ますます寒さを身に染みて感じるようになりましたね(つまりは朝布団から出られない・・・)

はじめに

みなさん、こんにちは。Customer Engineer チームの マネージャの高田です。私は 2020 年 の 9 月にマネージャのロールにつきまして、今年の終わりで 1 年 4 ヶ月になります。本当にすばらしいチームのメンバに支えられ、日々、成長を実感しています。ちょうど年末のアドベントカレンダーの時期ということで、マネージャーを経験して学んだことを3つのことについて書いてみたいと思います。

そもそもの Google の マネージャーの前提となる行動指針についてはこちらの記事をご参照ください。

Photo from Roppongi office

1. フィードバックを受けることのありがたさ

Google では年に 2 回フィードバックを受ける機会があります。メンバーから自分のマネージャとしてのパフォーマンスについてのフィードバックになるわけですが、非常に学びが多い機会であると感じています。

このフィードバックは匿名なのでメンバーから率直な意見をもらうことができます。メンバーの一人一人が本当にしっかりとフィードバックを書いてくれるので、良かったこと、改善してほしい内容、またその改善案を具体的に知ることができます。また、これらのいただいたフィードバックについて、自分で咀嚼して、次のアクションプランを立て、メンバーとディスカッションをします。このディスカッションを通して、自分が判断に迷っていることや、うまくはまっていないなぁということを率直に共有し、メンバーとお互いが感じていることをすり合わせを行うことによって、自分の次のアクションに自信を持って向かうことができます。

自分が見ている景色が、あくまでも「マネージャーからの視点」であることを認識し、チームのメンバの視点も踏まえて方向性を定めていくことがチームのパフォーマンスを最大化するには非常に重要であると感じました。(僕ができているかはさておき。。。。)いろんな意見を一つのテーブルに上げてディスカッションできるというのは非常にやりやすいと思います。

また、こういった一連の活動を通してチームの成長、また自分の成長の機会として活かすことができると、フィードバックをもらえる環境というのは非常にありがたいなーと日々感じています。Feedback is gift (参照)というのをどこかの偉大なマネージャがおっしゃっていたのを思い出しました。

2. 心理的安全性の大事さ

Google のリサーチチームが発見した、チームの効果性が高いチームに固有の 5 つの力学のうち、圧倒的に重要なのが心理的安全性と言われています。これは本当に実感できるほどに、心理的安全性があり、活発に議論ができる状況のほうが圧倒的に物事が早く進んでいきます。

Customer Engineer の仕事として、お客様の抱える課題や、アーキテクチャの相談事に対して、チームでディスカッションをすることがよくあります。その場合に、いろいろな視点でディスカッションを行うことによって、1人では全然思いつかなかったようなアイデアや、一つのアーキテクチャの課題についていくつもアイデアが生まれてきます。アーキテクチャを検討する際には、いろんなバックグラウンドを持ったメンバがいるので非常に幅広い意見がでてきて、とても楽しい時間です。

こういったディスカッションを推進するには、課題を持つメンバが質問をすることでバカにされるんじゃ無いかと思わないような環境にしていくこと、またディスカッションの中でアイデアを出すメンバが自分のアイデアを出すことに躊躇しないディスカッションの場作りが重要になってきます。

前項でも書いた通り、フィードバックについてディスカッションをすることがあります。こういったディスカッションでは明確な正解があるわけではないので、みんなが発言してくれて考えを共有してくれること自体に大きな意味があると感じています。普段から相互の信頼関係を築けること、ミーティングにおいては、全員が意見しやすいように、僕自身がいつもポジティブにいることを心がけています。

3. コンテキストを伝えることの大切さ

Google のこれまでの人事施策に関する研究結果がまとめられているサイト re:Work に記載されている通り、マネージャーには「明確なビジョンと戦略を持ち、チームと共有する」、「決断力がある」ということが求められます。(詳細についてはこちら)
メンバーとして働いている時には、自分の思いついたアイデアや、改善点があればすぐに動き出すことができます。そしてうまくいかなければ、やり直すという形で非常にシンプルにアクションを回していくことが可能です。ピントのずれたアイデアであってもスコープが自分に留まっていれば周りの方に迷惑をかけずに済むので、僕自身は悩むよりやっちゃおうかなというタイプではありました。
一方、マネージャーとして考えた時には、自分が判断した方向性やアイデアがチームのメンバがやることに大きく影響します。そのため、アイデアが仮に正しいものだったとしても、ちゃんと伝わっていないとメンバーの足並みを揃えて実行していくことが難しくなります。そもそもの何が問題で、どういう状態にしたいのかを明確にするほうが重要です。逆にそれらが明確に伝わって、同じ課題意識を持つことができれば、自然といい方向に向かっていくと感じています。

特にすぐに実施できることであればあるほど、とりあえずやってみたらいいんじゃないかという発想になってしまっていたのですが、どんなシンプルなことであっても、なぜそれをやるのか(今の課題は何か)を明確にすることは重要だと思いました。また、それをちゃんとドキュメント化しておくということと、伝える方法、タイミングも非常に重要と感じています。

さいごに

本当にこの1年4ヶ月の間、マネージャーというロールを楽しくやらせてもらいました。また来年、2022年12月に新たな学びをこのAdvent calenderでアップデートできることを楽しみにしています。それでは、みなさん良いお年を!

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Yasushi Takata
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Google Cloud, Manager, Customer engineering for Gaming. Disclaimer. Opinions are my own, NOT the views of my employer. All posts here are my personal opinion.