HashHub入居者インタビュー Vol.6 BlockBase CEO オオキマキさん ~中編~

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10 min readJan 31, 2019

今回はHashHubのシードプランを利用されている BlockBase CEO のオオキマキさん(本名:真木大樹)にインタビューしてみました。前編では会社の事業内容や、開発物のお話をお聞きしました。中編ではそこから得られた知見や、お客さんとの接し方などをお聞きしました。

前編はこちら

後編はこちら

オオキマキさんTwitter:@ookimaki_JP

BlockBaseホームページ:https://block-base.co

Bazaaarプレスリリース:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000003.000039475.html

ーー得られた各チェーンの知見はありますか?

実際にお話するとコスト感というのは話題になりがちかなと思います。実際に大きなシステムを完全な分散型にする場合はそこまでコスト感を気にする必要はないと思います。

例えばEthereumだと、このトランザクションにはこれだけのGasが発生して、それは誰々が負担してという風になっています。ただそれをいきなりやるのはどうしても難しいと思っています。やはりどこかで中央集権的アプローチが必要だと思っていて、そうなると中央にコストが集中しがちです。そういった時に各チェーンのコスト感というのは話題になりがちです。Ethererumだったら送金、EOSだったらリソースのマネジメントの部分でコストがかかり、そういうコスト感は大事だと思っています。

ーー実際にコストはそこまで大きく下がらないということですか?

そこは実装方式によると思います。Ethereumの時はそこまで考えていませんでしたが、EOSやNEOの場合だと考え方によっては下がるのかなと思います。

ーーそれは管理的なコストや、セキュリティー的なコストが下がるということですか?

それもあります。他にもこのシステムは信頼されているからやりやすいという、信頼のコストもあるじゃないですか。そういう部分をAWSとかと比べて検討していいと思います。Ethereumは今の所ガス代が高いので厳しいかもしれませんが、NEOだと最初のデプロイは少し高いですが、その後の送金などはあまり手数料がかからないです。EOSは掛かるは掛かるんですが、それはあくまでデポジットのようなモノです。このように各チェーンで手数料の取り方も違うので、そこを従来のクラウドと比較して考えながら話しているところです。

ーーコンサルにはどのような企業が来られるのですか? コストを下げたいからという理由なのか、単純にブロックチェーンを使ってみたいからという理由なのか?

やはり「ブロックチェーンを使ってみたいから」という理由が一番多いような気がします。純粋にコストを下げたいからという理由で来られる方は少ないです。ただ、今はブロックチェーンで何ができるか分からなくても、将来色々出来るようになった時に出遅れないようにしたいという危機感があるようです。

なのでそういう中で必要なのは、僕たちはプロダクトを作っていきますが、お客さんとしてはチームビルドが出来ているかどうかというのが大事だと思っています。作って終わりだと、使う使わないにせよあまり財産にならないじゃないですか。先行きが分からないからこそ、対応できる力を付けられるかというのがお互い大事だと思っているので、そこはしっかり出来るようにしていきたいと思っています。

ーーこの会社はもう自走できるな、というような判断基準などはありますか?

一つの基準としてはトップダウンなのかボトムアップなのかというのはあると思います。もちろんトップダウンでやるのもいいですが、実際のブロックチェーンや、扱える人材は開発者のような現場の人間だと思います。そういう意味で、現場の人間からボトムアップ的に提案できるようになっているかです。

あとはその会社がグローバルなコミニティーと連携出来るようになっているかというのもあると思います。僕らも開発はしていますが、各チェーンの最先端コミュニティーというのはあるので、僕らもそのコミュニティと連携しつつ、お客さんとそのコミュニティがうまく連携出来るようになればかなり動きやすくなるじゃないですか。なのでボトムアップになりつつ、グローバルなコミュニティと連携出来るようになっているかというのが自走できるような体制の一つかなと思っています。

画像出典:BlockBaseホームページより

ーーただもともとトップダウンでやっている会社だとしたら、それをボトムアップにするのは大変ではないですか?

もちろん大変だとは思います。ただ僕らはあくまで技術に特化したコンサルなので、経営的なコンサルはしていませんので、相手の経営に口出しするというイメージではありません。

もちろんボトムアップになっているかというのは大事ですが、それよりもエンジニアの好奇心が大事だと思っています。エンジニアの好奇心があれば色んなアイデアが生まれます。例えば会社でこんな事したいんだけどブロックチェーン使ってみたらこんな事できるかもしれないね。だったらこれ作ってみようという気持ちになるじゃないですか。なのでその状態になればプロトタイピングもその会社で作れるようになって、一緒に作れるようになるかもしれません。なので、エンジニアが色々試してみたいと言えるような状態がいいのかもしれません。

ーー立ち位置的には技術アドバイザーのような形でしょうか?

そういう動きも多いかもしれません。ただアドバイザーと言いつつ、ブロックチェーの技術は多少あるかもしれませんが、ブロックチェーンの技術だけあっても意味ないなと思っています。課題から出発して、じゃあその課題を解決するために、このアプローチを試してみようというのをもっとやってみたいと思っています。なので、お客さんの課題感を学ばせていただいているというのもあります。僕らが考える課題というのはあくまで頭の中にある課題感というか、本とかで読んだり、聞いたりした話です。一方お客さんからすると、その課題の真っただ中にいます。なので、その課題を一番知りたいというのがあります。僕らは技術を提供していますが、一方で課題は勉強させていただいている。そうする事で、実際に必要なサービスというのを考えられるようになっているのかなと思います。なので知らない課題があるとは知らなかったけど、それを踏まえてブロックチェーンのこんなところが使えるんじゃないかという提案をしてフィットした時はとても楽しいです。

ーーその課題というのはどういうものでしょうか?

緊急で重要な課題というのはあまりありません。ただ緊急じゃないけど重要なものというのが課題感に繋がるのかもしれません。例えば会社のシステムがあったとしてもシステムはシステムであって、その会社がどこに行こうとしているのかの第一歩としてのシステムじゃないですか。そうなった時に、例えばアイデンティティにフォーカスが行っていたとして、なんでアイデンティティなのか。それはお互いに評価しあえるようにするための評価経済であったりとか、その評価するためのアイデンティティがあることによって実はこういうことがやってみたいんだ。今目の前にこういうシステムがあって、目の前の課題があってというよりは2,3年先の未来にブロックチェーンがフィットする場合が多いと思います。なので、そういうのを見つけるとやっていて楽しいです。

ーーなんとなくこの領域は強いだろうなという目星はついていますか?

目星とまでいきませんが、僕らが注目しているのはアイデンティティです。個人情報の認証であったり、色んなデータをブロックチェーン に乗せていく。そうするとブロックチェーン上にアカウントがアイデンティティとして存在することになっていく。従来のアイデンティティはどこにあったかと考えると、割とサービスに依存するようになっていたのかなと思います。

ーーサービスに依存するとは、顧客データなどを持っているからという事ですか?

そうです。今だと自分の名前だったり、住所とかは各サービスに提出するじゃないですか。なので一回変えたら全て変えなければいけません。これは自分に集約するべきものが自分に集約していないと思います。つまり悪い意味で分散していると思います。そこをうまく変えて、自分に情報を集約させて、集約した情報を参照するというように変えれば一回で済むようになります。そうなるとそのブロックチェーン上の情報は一つのアイデンティティになってくると思うんです。例えばメルカリとかでで凄く良い対応の人ってそんなに悪い人いないと思うんですよね。そういった情報がもっと可視化されていくんじゃないかと思います。そういう意味で、アイデンティティというのは色んな方面から当たっていけると思っていて、そこを重点的に当たっていきたいと思っています。

後編へ続く

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