[BEYOND WORDS] SXSW 2018

Mitsuyo Demura
Konel
Published in
5 min readMar 22, 2018

米オースティンで3月に開催されたSXSW2018にて、トレードショーに出展しました。同イベントはテクノロジー / 映像 / 音楽の最先端が世界から集結する国際コンベンションです。

たたくと、ひかる:因果が誰でも理解できるインターフェース

Konelはテクノロジー(Interactive)部門に「低度テクノロジー」というコンセプトのもと、振動などのアナログなインプットを光や音などの直感的なアウトプットに変換するプロトタイプ [PLAYJACK] を公開しました。

On Sports:光る卓球(制作期間 : 6日)

ラケットの振動に合わせて、台や観客のアクセサリー(ツノ)が光る卓球を公開しました。

老若男女、卓球だけでここまで笑っている姿は予想以上でした。

開発ログ(English)

On Game:爆音オセロ(制作期間 : 4日)

様々な音をデジタルに出す楽器「サンプリングマシーン」を少しだけパイソンでハックし、箱をかぶせただけのシンプルなオセロは、勝敗の結果だけでなく一打一打に熱狂を与えてくれました。

開発ログ(English)

BEYOND WORDS

また今回のブースは、会話の可視化でコミュニケーションの革命を目指すTransparentと、発達障害者の生活支援にホログラムを活用するHoloashとの共同出展で「BEYOND WORDS = 言葉を超える」というコンセプトを掲げていました。

Konel + DOKI DOKI + ISID US

Transparent

人々の会話を透けるように可視化するTransparent。会話を音声認識し、瞬時にWeb上の関連情報のサムネイルを付箋のように表示してくれる、最先端のツールです。情報はすべてWeb上のエンティティなので、文字による補足も、詳細ページへのリンクも瞬時に叶えてくれます。インターネットの新しいページが見えた気がします。

DOKI DOKI 井口氏による解説

Holoash

注意が散漫になりやすかったり、極度に孤独を感じやすいADHDの方にとって、やさしく頷いてくれるホログラムは、言葉がなくとも大いに役に立つことがよく伝わる展示でした。代表の岸 慶紀氏が自分を投影し「Hey, its me!」と語り始めるピッチは、1秒で共感を作るお手本のようでした。

ADHDアシスタントホログラムのデモ(Holoash)

気づき

4日間の展示で、ゆうに1,000名を超える方々にPLAYJACKを体験いただき、大いなるフィードバックを得ることができました。

音楽・スポーツ・ゲームなど、人々の熱量が高まる瞬間、演出効果をテクノロジーによってブラックボックス化するのではなく、五感で演出効果の因果関係がわかるレベルまでシースルーにすると、グルーヴ感はより高まることがわかりました。ブラックボックスを壊すのには低度なテクノロジーの応用が適しています。

テクノロジーの進化先行し、人間がテクノロジーに合わせることが増えています。そのようなケースは目的の達成に遠回りなることが多く、本末転倒です。

Techfugees CEO : Josephine Goube *Engaget

オープニングの基調講演のテーマは「Let’s Tech the Borders Down」。

難民のコミュニケーションを支援するTechfugeesのCEO Josephine Goubeも、技術は高度であることが重要なのではなく、ホスピタリティをもった活用が重要であるという趣旨を語っていました。

技術の使い手である人間に、アイディアが強く問われる時代だと考えます。

参考リンク

[1] 低度テクノロジーがもたらす体験

[2] PLAYJACK

[3] [SXSW2018]Vol.03 キーワードは“禅”。SXSW2018に刻まれた日本の心、文化たち〜インタラクティブ部門

[4] Transparent

[5] Holoash

--

--