PlasmaChainバリデーター&ステーキングエコノミクス、Part 1

By Michael Cullinan and James Martin Duffy

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8 min readDec 17, 2018

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本記事は、PlasmaChain Validator & Staking Economics, Part 1(Michael Cullinan) の翻訳です。万一誤訳などありましたらPrivate Note機能でお知らせ下さい。

PlasmaChainにおける可能な限り強固なセキュリティとパフォーマンスを保証するため、バリデーターがいかにして重要な役割を果たしているか、我々は多くを説明してきた。

ご想像いただけると思うが、これをうまく行うのは彼らにとって些細な仕事ではない。フルのバリデーターノードを稼働させるのは、本格的な技術の専門知識と投資を必要とする。そのため彼らの貢献と引き換えに、我々はその苦労に対して彼らが報酬を受け取っていることを確認する必要があるのだ。

最初、我々はPlasmaChainバリデーターはネットワーク上で生じた料金 — サードパーティー開発者から支払われるDAppホスティング料、 マーケットプレイス手数料、ペイメント時のPlasma移転料 — に基づいて報酬を与えられると発表した。

しかしながら、ブロック報酬があってトランザクション手数料のみに頼っていないBitcoinとEthereumのように、PlasmaChainも保障されたブロック報酬をプールしており、長い期間をかけてネットワークバリデーターへとリリースされるのだ。

このブロック報酬プールに今後数年分の資金供給をするため、Loom Networkは自社のLOOMトークン予備の残り大部分を提供し、長い期間にわたってこれをリリースしていく。

つまりトークンプールの残り3億5000万のうち、3億が利用されるのだ!この3億LOOMは、「インフレ供給」であると考えられる。(トークン数は10億で固定されているが、これまでこの3億分は市場に供給されることはなかった。)

ネットワークを立ち上げ、DAppホスティング料やマーケットプレイス手数料がPlasmaChainの保守コストを十分カバーするまでの間、このブロック報酬はバリデーターが利益を得られることを保証してくれる。

ではブロック報酬支払いスケジュールや報酬のパーセンテージ、ロックアップのボーナスインセンティブなどの詳細や数値について、詳細に説明していこう。

ブロック報酬支払いスケジュール

毎年、当社トークンプールの残りのうち最大20%がバリデーターに支払われる。

支払いは選挙期間(2週間)のたびに行われ、各バリデーターのステークしているトークン料の割合に比例している生成ブロック数に基づいて分割される。

今後5年間にわたる最大の支払い量はこのようになる(各前年度に最大量がリリースされたと仮定):

注: これらの数字は、各年の最大インフレーション値を表している。

最初の年、最大の支払い量は6千万トークンである(3億の20%)。2年目は、6千万トークンの全てが1年目に支払われた場合、最大インフレーション値は4800万トークンとなる(残り2億4千万の20%) — といった感じだ…

最大値とは何を意味しているのか?

支払われるトークンの実際量は、ネットワークにステークされているトークンの総量、および下で詳細に説明しているようにトークンがスマートコントラクト内にロックアップされる期間次第である。

そのためネットワーク全体に少量のトークンがステークされている場合、その年は最大値よりも少ない量のトークンがリリースされることになる。

ブロック報酬のパーセンテージとロックアップボーナス

バリデーターが受け取るブロック報酬量は (a)ステークしているトークン量、および (b)トークンのステークまたは「ロックアップ」の期間に基づいて計算される。

下で説明したように、ロックアップ期間が長ければそれだけ、報酬パーセンテージも高くなる:

より多くの価値がステークされてネットワークを保護している場合、DPoSネットワークはよりセキュアなものとなる。そのためより長いロックアップ期間にコミットするよう、強く動機付けを行うことが狙いとなるのだ。我々は期間に応じてスケールアップする競争的報酬を提供することで、これを行なっている。

例えば、ロックアップコミットメントなしに選挙一期間だけトークンをステーキングすると、リターン基準値は5%となる。一方ロックアップ期間を一年にすると、20%にもなるのだ(ロックアップ期間なしよりも、ボーナス300%分がつく)。

上で説明したように、ブロック報酬の最大支払いスケジュールに従って報酬総量の上限は定められている。そのため1年目は、年間報酬が6千万に迫る前に最低3億トークンがステークされている必要がある(全3億トークンが12ヶ月ロックアップされると仮定すると — 3億の20%は6千万だ)。

3億トークンは現在の市場供給量の約47%にあたり、この全てが12ヶ月のロックアップコントラクトに置かれることはありそうもない。そのため一年目にネットワークが最大ブロック報酬に迫ることはなさそうだ。(もしそうなったとしても、ネットワークの安全性にとって良いことなのだが!)

もしそれ以上がステークされた場合は、「トークンステークの年間報酬(Annual Reward on Tokens Staked)」欄が無視される。その代わりに最大のブロック報酬(1年目6千万)はステークされた全トークンに比例して分割され、各ステイカーはロックアップコントラクトに関連する「ロックアップボーナス」を受け取ることになる(12ヶ月ロックされたトークンに300%のボーナス、6ヶ月ロックされたトークンに100%のボーナスなど)。

バリデーターはステイカーに報酬を渡すことを選択できる

ユーザーが任意のバリデーター候補者にどのようにトークンを委託できるかについて、そしてそれによってバリデーターのステーキングプールの規模が大きくなり、効果的にそのバリデーターに「投票」できるということについて、我々はこれまで書き記してきた。

トップ21のステーキングプールがネットワーク公式バリデーターとして選出され、その貢献と引き換えに支払いを受け取ることを覚えておこう。

バリデーターは、デリゲーターのトークンで獲得した報酬のパーセンテージをシェアすることを選択でき、このパーセンテージは個々のバリデーターの決定次第となる。

これが実際にはどうなるか、簡単な例を見てみよう。デリゲーターが自身のステークを6ヶ月間10%の報酬(表2を参照)でロックアップし、50%の手数料でバリデーターに委託した場合、最終的に彼らが受け取る報酬は5%の割合となり(すなわち、10%の目標値の50%)、バリデーターは5%を受け取る。

デリゲーターは、自分のトークンのコントロール力は持ち続ける。彼らは単にそれらをスマートコントラクト内にロックして、PlasmaChainのDPoS UIツールを使ってどのバリデーターに委託するかを選択するのだ。バリデーターはいかなる点においても、デリゲーターのトークンへのアクセス権を持つことはない。

注: 現在我々は最小料金体系を研究中である。これはより良いリソースを持ったバリデーターがより小規模なバリデーターをアンダーカットしたり排斥したりすることを防ぐために、静的および動的フロアを課すことができるものだ。

いつからPlasmaChainにステークできるのか?!?

よく知られているように— PlasmaChainはあらゆる面で前進し続けている!

すでに初の外部バリデーターたちが参加し、たくさんのサードパーティの開発者が初期テストネット上で構築をスタートしている。さらにZombie Battlegroundはベータテスターの間で実際に使用されているが、なんと数日中にapp storeに登場予定となっている!

我々は今後数週間のうちに全ユーザー向けにデリゲーションを展開し、来年Q2の初めにはロックアップボーナスの紹介を行なっていく。

バリデーター最低料金、条件や仕組みの改訂、調整の取れたステーキングプール維持のための基準などといった今後のアップデートをどうぞお楽しみに。

Loom Network は、イーサリアムのハイスケーラブルなDPoSサイドチェーン構築のためのプラットフォームで、大規模ゲームやソーシャルアプリにフォーカスしています。

さらなる情報は こちらから.

あなたがブロックチェーンゲームのファンであれば、 Zombie Battlegroundをチェック!世界初・独自のブロックチェーン上でフルに稼働するPC & モバイルカードゲームです。

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Thanks to Robert H.

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Loom Networkは、ゲームやソーシャルアプリを中心としたEthereum DAppsのためのスケーリングソリューションを提供します。http://loomx.io/