「データ利活用型公務員」を目指して(データアカデミー)@富山県南砺市
富山県南砺市が発行する「なんとポイント」の活用を促進しようと、2019年3月19日に南砺市役所福野庁舎で「データアカデミー」が開催されました。
会場には福祉課や行革・施設管理課、美術館などから南砺市職員が集まり、「なんとポイント」を活用した課題解決方法について議論しました。
今回のワークショップは1月に続く二回目。1回目で出たアイデアをより具体的な施策とするため、参加者間のディスカッションを中心に行われました。
(前回のデータアカデミーの様子、「なんとポイントって何?」という方はこちらをご覧ください)
講師は前回に引き続き一般社団法人コード・フォー・ジャパンの市川博之さん(南砺市コーポレートフェロー)。
「なんとポイント」活性化のための3つの施策
はじめに、市川さんから半年間の取り組みについて報告がありました。
前回ワークショップで出たアイデアから、「なんとポイント」の課題解決に向けた施策案が下記のようにまとめられました。
① なんとポイント付与対象事業(イベント)の開拓
なんとポイント支援事業対象条件をまとめた資料を公開するなど3施策を行う方針。
② 交換券発行窓口拡大の検討
自治体が開催するイベントがほとんどのため、現状運用で対応。
③ 交換先事業者数の増加の呼びかけ
LINEならではの方法で情報発信をしていくなど4施策。
例えばLINEスタンプや画像を送ることで楽しさ・緩さを表現し、イベントレポート等の情報発信にも活用する。
LINE@の活用方法
今回のデータアカデミーに向けて「なんとポイント」のLINE@に登録している方々にアンケートを依頼したところ、1週間という短期間で25%の方から返答がありました。
これまでの紙アンケートに比べ、アンケート回答率はかなり高め。さらに集計に時間がかからないというメリットもあります。
LINE@とはビジネスや情報発信に活用できるビジネス用のLINEアカウントです。
アンケート依頼以外にもLINEの活用方法はたくさんあります。
例えば・・・
・文章ではなくスタンプで親しみやすさをアピール。
・開催報告レポートを動画で配信。
・メンバーごとに配信の時間、曜日を変えることで効果的な配信時間を調査。
市川さんからLINEの活用方法を聞いた参加者の方々は、その可能性の大きさに気づいたようでした。
イベント企画にあたっての課題を解決するワークショップ
今回の参加者は南砺市役所の中でもイベントを主催することが多い方々。
「人が集まらない・・・」
「いつも同じ人しか来ない・・・」
そんな悩みを持った方が多いようです。
① 各団体がイベントを開催するにあたっての困りごとや課題を洗い出し
「参加者の年齢に偏りがある(参加者の課題)」「どこにイベントのチラシを配れば良いかわからない(告知の課題)」など、様々な角度から悩みが聞かれました。
② 課題を解決するまでの流れを明確に
次に、現状からゴールまで段階に分けて考えます。
さらに「それを誰がするの?」まで落とし込むことで実行に移しやすくしました。
とあるグループでは「イベントに人を集めること」をゴールに流れをディスカッションしたところ、下記のようなアイデアが。
イベントスケジュールをLINEスケジュールで管理【イベント企画担当課】↓
LINEでお知らせする【広報課】
↓
前回のレポートを動画で配信【広報課】
↓効果測定
イベント実施後のアンケート回収【イベント企画担当課】
↓
レポート配信【イベント企画担当課・広報課】
↓
次年度へ
連続するイベント(入門編⇒基礎編⇒応用編など)に関しては、レベルアップするに従ってポイントの付与数を増加させる(1回1ポイント⇒1回2ポイント)といったアイデアや、「なんとポイント」LINE管理者が現状一人なので、フォーマットを作成して誰でも情報発信できるようにするべき、といった意見も聞かれました。
市川さんは「イベントの集客ばかりに気を取られ、イベントの事後報告がおろそかになることがあります。すると同じイベントを開くときに全く情報がないなど『結局何をやっているのかわからない』状態に。LINEを活用すれば、事後フォローまでしやすいですよ」とこれまでの経験を生かしてお話されました。
③出てきたアイデアを実行するにあたっての障害を洗い出し
最後に施策を実行するにあたって、ネックになるポイントも洗い出しました。
・イベント動画を作る際の肖像権(写真や動画撮影に対してあらかじめルールを定めておく)
・なんとポイント付与対象外のイベントも、LINE@で広告して良いのか明確にすべき
・イベント情報をすべて発信するマンパワーがない
・動画や写真を編集できるソフトやスキルがない
上記課題は、担当者が持ち帰り解決に向けて動くことになっています。
データアカデミーでの学びは、他の事業でも活用することができます。
参加者からは「イベントの開催にだけでなく、通常業務でも学びを生かしたい」「4月は異動があるが引き継ぎをしっかり行いたい」と言った声が聞かれました。
データアカデミーがきっかけとなり、南砺市が「データ利活用型公務員」集団となることが求められますね。
今回のデータアカデミーをもって、市川さんは南砺市コーポレートフェローとしての半年間の任務を終えられます。