世界一周旅行記:インド編

Akinori Machino
9 min readJul 14, 2015

世界一周旅行も順調に進み、東南アジアネパールを経て、インドに着きました。1週間ほどと、インド旅行としては短い滞在だったのですが、それでも色々と楽しむことができました。

インドビザにご注意

ここで、時系列はネパール編の前にまで遡ります。順調に進んでいた旅でしたが、タイのバンコクからインドのデリーに着いたときに事件は起きました。デリー国際空港に着き、まだ見ぬインドに想いを巡らし入国審査へと進むと、怖い顔をした審査官がこう言うのです。

「お前は入国できない。日本に帰れ」

ビザ(査証)は外国に入国するために必要な書類ですが、日本人であれば観光目的の短期滞在の場合、ビザ免除されている国がほとんどです。その中でインドはビザが必要な国の1つなのですが、もちろんそれは承知しており、事前にオンライン取得済みです。

eTV (e-Tourist Visa) の仕組みに審査官もまだ慣れていないのか、皆で覗きこんでいます

ただし、このインドビザに罠が。入国後1ヶ月の間だけ滞在できるというのは理解していました。しかし、インドビザは取得してから1ヶ月以内に入国しないといけないという項目を見逃していたのです。

eTV (e-Tourist Visa) にオンライン申請をしたのは、世界一周旅行出発前の、1ヶ月ちょっと前でした。東南アジア編に結構日数を使っていたために、1ヶ月を少し過ぎてしまっていたのです。

とはいえ、その時点ではまだ焦っていませんでした。インドにはアライバルビザ(空港到着時に取得できるビザ)もあるはずです。前に友人から聞いていたので間違いない。わかった、じゃあアライバルビザを取るからその方法を教えてくれ、と伝えると、

「無理だ。お前は今から日本に帰るしかない」

とか言いやがります。どういうことだコノヤロウと問い詰めると、インドのアライバルビザは 2015年から廃止されたとのこと。

(*´Д`*)ェェエエ工工

(*´Д`*)「…」

(*´Д`*)「ごめんなさい! 知らなかったんです!! 許してください!!! 日本には帰れません!!!!」

全力で泣きつきました。全力で。しかし必死の交渉虚しく、

「駄目だ。日本に帰れないなら、カトマンドゥに行け」

と言われました。カトマンドゥってどこだよ…と思って地図で指を指してもらって理解。あぁ、ネパールの首都カトマンズのことか。っていやいや、大地震からまだそんな経ってないし大丈夫なの。。

しかしそれしか選択肢はないと断言され、仕方なく空港で夜を明かし、翌日のカトマンズ行きの便に搭乗。そしてネパール編へ…

そして再入国

とまあ、そんな経緯があったわけですが、カトマンズ滞在の間にインドビザを取り直し(24時間ほどかかります)、無事にデリーに戻ってきました。やっとインド編スタートです。

インドは酷いところだと色々な人に聞かされていました。やれ「インドに行けば必ず腹を壊す」だの、やれ「インドでは全員が騙しにかかってくる」だの。

ネパールの宿の主人に至っては「なぜインドなんかに行くんだ。あんな国に。クレイジーな人間しかいない」とまで言われました。隣国にここまで言わせるとはどういうことなんだ。

インドの旅ルート

インドでは、ニューデリー→アーグラ→ワーラーナシー→ニューデリーという北インドコースを一週間で回りました。

ニューデリー

インドの首都であるニューデリーは思ったより都会でした。とは言っても東京やバンコクほど近代都市ではないですが、インドと聞いてイメージするようなカオスな感じはありません(最初オールドデリーの路地裏に迷い込んだ時は生きて出られないかと思いましたが)。

ニューデリー

まずはタージマハルを見に行こうと、ニューデリーからアーグラまで鉄道で移動することに。インドの鉄道の仕組みは Waiting List とかあって色々ややこしいのですが、Cleartrip というインドのオンラインサービスが便利です。

インドの鉄道

アーグラ

アーグラはデリーから鉄道で3時間ほどのところにある街で、タージマハルがあることで有名です。駅を降りた瞬間に寄ってくるボッタクりドライバーは無視しつつ、相場の値段のオートリキシャを捕まえてまずはタージマハルへ。

昼寝するリキシャのおっちゃん

観光客が使うインドでの交通の足は、主にリキシャかオートリキシャになります。リキシャは自転車で引っ張る人力車(リキシャという名前は日本語の人力車から来ているそうです)、オートリキシャは3輪タクシー。東南アジアでいうトゥクトゥクですね。

宿も決めずにやってきたのですが、適当にタージマハル近くの宿に入ると、中を案内されてびっくり。屋上から目の前に見える素晴らしいタージマハルビュー。これでプライベートルームで1泊250ルピー(約500円)は安い!

もちろん綺麗な部屋ではないですが、安宿暮らしにも慣れてきていたので全然苦痛じゃない。むしろ久しぶりの個室で贅沢気分(いつもは基本ドミトリー泊)。

せっかくなのでインド式トイレ作法にもチャレンジしましたよ。インドには、便器の横に水桶が置いてあり、それを右手で掬って半分をおしりに流し、左手で拭き取り、残った半分の水で左手を洗います。

タージマハルは想像以上でした。汚いインドの街並みの中にドーンとそびえる美しい真っ白な大理石の巨大建造物。

圧巻。

実はタージマハルに大した期待をしてなかった(ゴメンナサイ)ので、想像とのギャップにやられました。その後アグラ城も見ましたが、タージに比べると見劣りしてしまいますね。

ワーラーナシー

アーグラから寝台列車で8時間ほど揺られ、ワーラーナシーに向かいました。ガンジス河のほとりにある、ヒンドゥーの聖地です。現地ではガンジス河のことは「ガンガー」と言います。

自分の思い描いていたインドがそこにはありました。細い路地を人間と同じように闊歩する牛たち。ガンガーで楽しそうに泳いでいる子どもたち。

ガンガー沿岸には「ガート」という沐浴場があります。ここで人々は沐浴をしたり、洗濯したり、あるいは亡くなった方を火葬したりもします。

火葬場のガート付近には、観光客を騙そうとする輩がいたので注意してください。「ここは亡くなった人の親族しか許されていない場所だ。観光客はあの建物から見なさい」といってその建物に連れ込み、出ようとすると、別の男が「亡くなった人のために薪代を寄付しなさい。$20 だ」といって入り口を塞ぎます。自分は問答の末、「Call police!」と言いながら男を押しのけて脱出しました。

サールナート

初転法輪の地に立つダメーク・ストゥーパ

ワーラーナシーの北 10km ほど離れたところに仏教の四大聖地の一つ、サールーナートという小さな町があります。ここは、ブッダガヤで悟りを開いたブッダが、初めて人に説法を行った場所です。

仏教の三宝(仏・法・僧)が初めて揃った場所であり、仏教発祥の地と言えますね。仏教に馴染み深い日本人としては、ワーラーナシーを訪れたらサールナートにも行ってみるのがオススメです。

日本寺の初転法輪像

おわりに

インドの旅を終えてみて、脅されたほど酷いところではなかったかなーと思います。いや、確かに街は汚いし、実際腹も壊したし、怖い思いをして嵌められそうにもなりました。ですが、東南アジアでも同じようなことはあるし、こういった体験も含めて旅かなと。

インドに限ったことじゃないですが、騙しにかかってくる人は、観光地で向こうから声をかけてくる連中です。一般の人は皆いい人です。駅のプラットフォームで困ってたりすると助けてくれたり。

もっと時間があれば、ピンクシティ(ジャイプル)やブルーシティ(ジョードプル)にも行ってみたかったですね。ちなみにブルーシティは ONE PIECE のアラバスタのモデルだそうですよ! これから夏休みを迎える学生の方、例のポーズをしにインドにバックパッカー旅行に出かけてみてはいかがでしょうか。

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