家族と世界中を航海しながら10のビジネスを展開するミリオネアと時を共にしたストーリー

彼が私に語ったビジネスの真髄

Ray Yamazaki
7 min readDec 9, 2015

By Dave Schools

名前は非公開のこの男性はあまり目立つ格好ではなかった。私は偶然彼と出会って何となくそこから話が始まった。そして話が弾んだついでにランチでもということになった。

私たちがオーガニック・フード・マーケットまで行き、そこでランチを食べていると、彼はおもむろに自分のストーリーを話し始めた。

ISO 9000は品質管理システムの世界基準だ。

彼は1人の作家であり、ISO 9000の上級主任監査役でもあった。

ISO 9000は世界的に採用されているビジネスにおける品質管理基準で、世界中でサポート・ビジネスを展開しているブランド企業が利用している。出資者たちが海外の工場できちんと契約通りの製造が行われているか疑問に思ったときに、わざわざそこまで出かけて大々的な視察を行う必要がないようにこの基準は生まれた。自分の工場がISO 9000か9001の認証を受けていれば、その基準に達したパフォーマンスがあると分かるというわけだ。

ISO 9000は「品質管理の8原則」に基づいている。 そして、GM、クライスラー、ボーイング、ゼネラル・エレクトリック、ノースロップ・グラマン、アリババ、およびイーストマン・ケミカル・カンパニーといったそうそうたる大企業がこの基準を導入している。

この男性が言うには、彼は自分が制定を手伝ったISO 9000の「品質管理の8原則」を、今現在展開している10のビジネスに適用しているそうだ。そのビジネスとは、スケートボードとBMXのショップ、質屋のネットワーク、コンサルタント業、楽器店、インターネット・セールス・ビジネス、不動産開発&管理会社、銃砲店、海産物のオンライン・ストア、スタンドアップパドルボード販売店、ディスプレイのストアだ。

10ものビジネスを切り盛りしてるなら、さぞかしこの男性は忙しいとあなたは思うだろう。しかし実際はそうでもない。彼は幾つか所有しているヨットのひとつ、おそらく「ゼファー」か「ウィスパリング・アイ」あたりに妻と家族を乗せて世界を航海して過ごしている。

ここからが彼が私に語ってくれた人生とビジネスについてのストーリーだ。下に聞いた全てをまとめているので目を通して見て欲しい。

複数の事業から利益を上げろ

10あるビジネスの1つだけを取り上げてみても、それほど目立った凄さはない。小さな家族がシンプルで人並みの暮らしをするに足る程度の利益しか出ない。つまらないけれど安定している。小さなビジネスだが、それ故フォーカスできていて利益が出るものだ。

業務内容は普通でありふれている。あなたのように若くスタートアップ狂いの生意気な若造たちは、注目を集めたり、素早くバイラル化する類いのビジネスが好きなんだろう。私の事業はバイラル化しない。でも、質の高いソリューションを何度も何度も提案することで特定の人々の手助けをしている。

そして、古風で小さくても利益の出ているビジネスを10倍にしたものは、リスクを分散させた数百万ドルのポートフォリオと同じだと言えるだろう。

誰もパートナーにするな

避けられるなら誰もパートナーにするな。パートナーを増やせば増やすほど、分け前のパイはどんどん小さくなる。また、自分のアイデアや立場を争う相手が増える。さらに何を決定し実行するのにも時間がかかる。共同設立がどうの、共同設立者の誰それがどうのと話題にされることが多いが、それらは過大評価されている向きがある。

スキルは1人で学べ。自力で困難を乗り越えるんだ。それから雇うべき人を雇えばいい(下記参照)。

市場を研究しろ

私たちのビジネスは小規模な市場が主戦場だ。サンフランシスコにいるのでもなければパリやニューヨークでもない。小規模な市場というものは大規模な市場よりも2〜3年遅れている。大都市で売れているからといって小規模な市場で同時期に売れるとは限らない。でも、2〜3年も経てばホットケーキのように売れに売れるようになる。

新しいものの価値を見極め、自分の本拠の小さな市場で最初に店を開くのが良いだろう。

誰を雇うかは慎重に慎重を重ねろ

うちの従業員に業務の垣根はない。1人1人がマルチスキルだ。レジで働く女性は客が支払いを済ませて店から出る合間に、オンラインでソーシャルメディア・マーケティングを進めている。

それぞれのビジネスには銀行のカードを持たせたマネージャーを置いている。そして、それぞれのマネージャーはISO 9000で採用しているのと同じ原則に基づくトレーニングを受けていて、自分の担当するビジネスを自由にできる。しっかりしたインセンティヴ・プランがあるため、ビジネスが上手くいくならそれはマネージャーの手柄になる。一方、店でホットな新しい製品を売りたいと思えば、それを仕入れるために銀行口座が相当な額になるまで売り続けなければならない。

私は独立心が強くて責任感がある、自分の事業に対して完璧なオーナーシップを持っている人物を探してきた。そのお陰で私は世界を旅することができている。こういう連中は何より自分自身のために働いてるからだ。

ああ、それからパーティーはかなり頻繁に開いている。あるビジネスで上手くいっているマーケティング戦術は他のビジネスでも上手くいくかも知れない。そこで、賞を設けたり、一緒にゲームをやったりしながらパーティーでアイデアをシェアするようにしている。

ビジネスを上手くまわすには

私の所有する全ての会社に通有するミッション・ステートメントは次のようにシンプルだ。

お客様に価値あるサーヴィスと質の高い製品を。

ビジネスで成功することは必ずしも世界を変革することと同義ではない。ビジネスでの成功は、規模に関わらずお客様の要望に良く応え、信頼を得るまで何度も何度もそれを繰り返すことで得られる。

何かを売ってみることだ。もしそれが製品なら、品質に注意して適正な価格で売り、損益分岐点がオーナー視点で継続可能なものであることを見極めろ。一方、それがサーヴィスなら、価値あるサーヴィスかどうか、その分野で自分に十分な知識があるか、少なくとも自分がいる市場ではサーヴィスがユニークと言えるかどうかを確かめる必要がある。

彼が話してくれている間、私は猛烈な勢いでEvernoteにメモを取りながら何とかアイコンタクトを取り続けようと必死だった。そして、ランチを食べ終わると私たちは別れた。有難いことにノートは取れていたので、ここで皆さんとシェアしたい。

いつか私も10のビジネスを切り盛りしながら、数あるヨットの1つに乗って家族とともに世界をまわるかもしれない。でもその時までは、人々の生き方について書き続けることにしよう。

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