瞬きのような3年間:これまでのオントロジー

これまでと、これからのすべての出来事を総括します。

Ontology Japan
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9 min readNov 27, 2020

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はじめに

平常時には3年が永遠のように感じることがあり、2020年のような1年も例外ではありません。ブロックチェーン業界では、時間の流れは非常に速く、短い時間の中で多くのことが起こることを考えると、まるで光速で移動しているように感じることがあります。2017年の終わりにニューヨークでオントロジーが正式に立ち上がったとき、初めてビットコイン価格が2万ドル近くまで跳ね上がり、世界的に認知され、その後2018年1月に暴落することになりました。業界が詐欺や偽装、透明性の低さに悩まされていた時期に、オントロジーはその機を逃さず、企業が信頼できる業界のリーダーとしての地位を確立することができました。

オントロジーは、最初のバブルの崩壊を乗り越えただけでなく、その過程で足元を固めながら成果を上げてきました。オントロジーの最初の3年間は、技術開発と市場での導入の両面で、大きな成果を上げてきました。当社の焦点は、創業者であるリー・ジュン氏がオントロジーブロックチェーンの初期の構想の中で述べたように、ユーザー個人のプライバシー権の保護と管理に向けられてきましたし、これからも変化はありません。実際、彼のビジョンは、当時よりも今の方がより適切であると思われます。

今日、ユーザーのプライバシーに関する懸念は、社会のあらゆる面で常に高まっています。2018年5月可決されたGDPRのような法律は、政府がこれらの懸念に対処しようとしている証拠です。私たちのONT IDのような、完全な分散型IDソリューションのオントロジーのビジョンが、今まで以上に必要とされています。

しかし、過去3年間に業界が経験してきた盛況と衰退を見てきており、成長と進歩は一直線ではありません。しかし重要なのは、前進し続けることです。過去3年間の進捗をまとめました。

1年目:システム構築

ほとんどの長期プロジェクトと同様、最初のステップは、プロジェクトを発展させる強固な基盤を構築することです。オントロジーの初期段階では、メインネットONTOウォレットの最初のバージョンの立ち上げが行われました。当社のメインネットは、分散型台帳とスマートコントラクトを備えた高性能なパブリックブロックチェーンで、パブリックチェーンのカスタマイズとチェーンネットワークの提携にも対応しています。特筆すべきは、オントロジー 1.0は、本人情報を元にスマートコントラクトを実行できる最初のパブリックチェーンであり、分散型IDのビジョンを打ち立てました。それからより良いユーザーの関わり方を可能にするために、2018年夏にONTOの最初のバージョンを発表し、個人用ウォレット、共有ウォレット、台帳ハードウェアウォレットに対応しました。その上で、最初の年に、オープンガバナンスモデルの基礎となった、オントロジーフレームワークとトリオネスコンセンサスシステムのための新しいコンセンサスアルゴリズムVBFTを導入しました。2018年3月に最初の一連のプロジェクトをGitHub上で立ち上げたことで、私たちは、オントロジーの分散型IDプロトコルと検証可能な要求プロトコルを含むONT IDの立ち上げで、分散型IDの分野にさらに踏み込みました。1年目のシステム構築を締めくくるために、オントロジーはDecentralized Identity Foundation(分散型ID機構)を含む国際的に認知されたブロックチェーン組織に加入しました。

2年目:業界の認知

2年目のオントロジーは、私たちの特異なビジョンを開発し、より広範なエコシステムの中で技術的な力を向上することが主でした。オントロジーが2018年12月にマイクロソフトアクセラレーターに選ばれたこと、また、2019年2月には、グーグルクラウドパートナーとして正式に採用され、3つのプロジェクトが彼らのパートナープログラムに受け入れられたことで、私たちの目標は実現しました。そして2019年6月、オントロジーはメインネットの立ち上げから1周年を迎えました。オントロジーの裏にある技術的専門知識に対する一定水準の公的信頼の元で、メインネットを立ち上げたことで、分散型IDとデータプライバシーに焦点を当てた企業プロジェクトのため、さらなる構築を行うことができるようになります。さらに、史上初のクロスチェーンテストネットとともに、Wasmテストネットを5月に公開しました。6月には、IEEEが策定するブロックチェーン標準の両方に双方とも合格することができました。

2年目の締めくくりとして、10月にはマルチ仮想マシンを発表、続いてシャーディング設計を発表しました。当社のシャーディング設計は、効率的な線形安定性を提供し、アトミック・クロスシャード取引処理に対応できるよう設計されています。

2年目の7月に、第2版ホワイトペーパーを発表しました。このホワイトペーパーでは、分散化IDとデータのプライバシーに関するリー・ジュン氏の本来のビジョンを再確認し、当社の技術インフラとフレームワークに目を当てることで、業界をリードすることになりました。

3年目:グローバルな統合

オントロジーの3年目に焦点を当てたのは、他の大手企業との提携でONT IDとデータ保護機能を活用しながら、ブロックチェーン業界のクロスチェーンの動力源になるための重要な方法を見極めることでした。技術的な観点では、ONT FSとブロックチェーンSaaSフレームワークを発表しました。2020年に向けて、当社の技術的な進歩は、オントロジーレイヤー2.0の立ち上げで実証されました。つまり、まるっきり新しいWasm-JITの公開で、低い保管コストで高性能を実現することが可能になりました。これは、ユーザーの分散型IDとONTOウォレットを1回のログインでつなげ、ユーザーの本人情報とデータの管理を支える枠組みを提供しています。これにより、プライバシーとデータ保護における市場リーダーとしての当社の地位はさらに強化されました。この地位は、CoinDeskやCointelegraphなどの大手メディアから3年目に達成した膨大な量の外部パートナーシップやメディアへの言及に反映され、さらにはCointelegraphのコンサルティング会社の企業ソリューションプロバイダとしても選定されることにも表れています。7月には、ONTとONGの両方に関連するしいガバナンスとステークキングモデルを導入し、ノード利回り計算機も搭載し、ユーザーがONTを介してステークキングからどの程度の利益を得ることができるかを簡単に見積もることができるようにしました。Neo および Switcheo との提携によるPolyネットワークの立ち上げにより、オントロジー上でのクロスチェーン資産の対応が可能になりました。これにより、異なるチェーン間での分散型IDソリューションの提供にさらに注力することができるようになりました。夏が終わる頃には、ONT と ONG がUniswapに上場しました。紅葉の季節には、Ethereum, Near, Neo, TRON, Klaytn, Binance Smart Chain, Polkadot上に、クロスチェーンの分散型IDソリューションを展開しました。11月下旬にはPatract Labsと提携し、当社の技術力を元にスマートコントラクトエコシステムの開発を加速させました。

3年目を終えるにあたり、最近は分散型金融(別称:DeFi)に重点的に取り組んできました。2020年9月、オントロジーのコアチームは、信用ベースのクロスチェーン分散型金融貸出プラットフォームであるWing.Financeを立ち上げました。Wingは、すでに10以上のガバナンス投票が可決されている、分散型自律組織(DAO)の多大な成長とエンゲージメントが見えています。それだけでなく、オントロジー独自の信用スコアリングソリューション「OScore」を活用した信用ベースの融資を組み込んだ、史上初のDeFiプラットフォームとなる準備ができています。ウィング・インクルーシブ・プールは、ユーザーに低担保率そして低金利を実現します。インクルーシブプールは、DeFi界だけでなく、より広範なブロックチェーン業界全体においても、この種のレンディングプールは初めてです。これはWingにとって信じられないほどワクワクすることであると同時に、OScoreの需要喚起にも、素晴らしい機会となるでしょう。

さらに前進

私たちはこの3年間で多くのことを成し遂げました。私たちは1日で達成できることを過大評価し、1年で達成できることを過小評価しがちです。このことを念頭に置いて、次の3年間を過去3年間以上に成功させるために、私たちが断固として、努力をし続けていることを、コミュニティの皆様にきちんとお伝えしたいと思います。具体的に言うと、ONT IDやOScoreなどの中核機能の開発を継続し、オントロジーの技術と根底にある信念を統合するべく、パブリックチェーンとオフラインの企業の両方とより多くのパートナーシップを模索していきたいと考えています。Wingを元に、信用ベースの融資がいかにDeFiを次の段階へと成長させるかを実証していきます。

それ全てを通じて、創業者リー・ジュン氏の描いた元々のビジョン「ユーザーのデータを保護するために設計された完全な本人情報の分散化」であり、すべてのユーザーにアクセス、管理、自律性を与えることができると信じています。

ありがとうございました。

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