Plug and Play Japan EXPOの創り方 — Vertical(業界)別の取り組み

Ayumi Fujimoto
Plug and Play Japan Blog
8 min readSep 11, 2018

Plug and Play Japanでは、4つのVertical(業界)ごとにプログラムを実施しています。Mobility、IoT、Insurtech、そしてFintechです。そしてそのプログラムごとにEXPOは行われます。

Mobility / IoT のそれぞれのVertical Lead のプレゼンテーション

今回全体コンセプトを決めた後、各Vertical Leadと話したのは「決定権はVertical Leadに持ってもらう」という事。また、スタートアップやコーポレートパートナーのピッチの順序や交渉は全てお任せしました。日々接しているのはVertical Leadであり、何をどう話してほしい、どの順番で登場するのがいいのか、というのは彼らが一番よく知っているからです。

もちろんConferenceによっては、事務局などを立てて全体調整していくのもいいと思います。今回のEXPOに関しては、Vertical の色をそれぞれどう出すか、というところを彼らの仕事ややりとりを通じて見たいという意図もありました。見事にそれぞれ違うのが個人的には面白いです(笑)

そしてVertical Leadと話したのはKeynoteの事です。前回書いたBatch 0の時と今回、どう違いを作るのか、また違いを作った方がいいのかというのを話しました。

例えばMobility。6月に実施したMobility Kickoffでは、株式会社日本総合研究所 創発戦略センター シニアマネジャーの井上氏に「Mobilityの未来 」というお話をいただきました。

Mobilityの話をするときによく言われるのが「自動運転の話でしょ」というもの。Mobility の英語の意味としては「移動性、流動性、可動性、動きやすさ」など。そこから車はもちろん、都市開発まで幅広い意味で使われているのがMobilityの業界です。Plug and Play JapanのMobility パートナーもBatch 1では5社。(今回5日に新しく1社、マクニカのパートナー参画を発表し、今後は6社でプログラムを実施していきます。)が、ご覧いただいてもわかる通りの多様性。

2018年9月1日現在、Batch 1 のMobility Corporate Partner

今回のKeynote では様々な案を出して、最終的に少しだけ自動車寄りに、でもインターネットがつながることで展開される市場について(「MaaS」という言葉も最近ありますよね)、少し全体感を見ていらっしゃる方にお話いただきたい、という事で 株式会社 矢野経済研究所 ICT・金融ユニット
ITS・ビジュアルコミュニケーション担当 主席研究員の森 健一郎さんにご講演いただくことになりました。

株式会社 矢野経済研究所 ICT・金融ユニット
ITS・ビジュアルコミュニケーション担当 主席研究員 森 健一郎氏

次にIoT。IoT のVertical Leadといつも話のは「範囲が広すぎる!」ということ。以前報道機関向けの勉強会を実施しようとした時も、あまりに範囲が広くて最終的にカテゴリをもう少し絞ってやった方がいい、という結論に。(そこで実施したのが「XR」に絞った勉強会だったりします)

そもそもIoTってどうなっていくんだっけ?という話の中で、結局「社会を変えるために」ビジネスをやっている、という観点をもう少し掘り下げたいということに。そこでまず「テクノロジーが変える未来の社会」、というタイトルをつけたのですがそこから最終的に「IoTがもたらす社会の変化」とタイトルが決まりました。

次に、でもそのビジネスがどう社会に影響をもたらし、そして大企業の経営に影響をもたらしていくのか、という点を話していただきたいと思ってオファーしたのが株式会社 経営共創基盤のパートナー/取締役マネージングディレクターである塩野誠さんです。

そしてIoTの今までを見ている方ってどんな方がいるだろう・・と思った時に株式会社マクアケ 代表取締役社長の中山 亮太郎さんが頭に浮かびました。2013年創業でIoTに関するもの以外にもたくさんの“新しい製品やサービス”が生み出される場であるMakuake。どんなものが増え、そして変改してきているのかをお話いただくことで、IoTって社会を変化させているのか?ということをお話いただきたいなと思いました。

そのお二人から話を引き出すのに、いつもat Will Workでもとてもお世話になっているBusiness Insider の統括編集長の浜田さんに、モデレーターをお願いしました。

そしてInsurtech とFintechは共通して、二つのKeynote を入れることにしました。一つ目は共通して「Plug and Play の卒業生に聞く」というセッションです。

InsurtechではNAUTO、Fintech ではAlpacaDB。コンセプトであげた【採択スタートアップの「今」と「未来」を見てもらう】ために、すでに卒業した先輩からその未来を少し見ていたいと思ってお願いをしました。Nauto Japan合同会社からはマネージャーの新保博文さん、AlpacaDBからはCEOの横川 毅さんに登壇いただきました。そして対談相手はPlug and Play の本社で彼らを見てきたPhillipにお願いしています。今後のEXPOでは、Batch 0やBatch 1の卒業生にも登壇してもらう予定です!

二つ目のKeynote はInsurtech に関しては大企業側の視点、そしてFintech に関してはスタートアップの視点を話してもらうという事で少し変化をつけました。

Insurtechは「「Insurtech」 に向き合う保険会社の組織と人材の在り方」というテーマ。早稲田ビジネススクールの入山 章栄先生にモデレーターをお願いして、Orix Corporation/Orix Life Insurance CorporationのChief Transformation Officer, Orix Life Insurance Corporation, and Head of Digital Transformation, Orix CorporationであるDamion Howlettsさん、そしてエヌエヌ生命保険株式会社執行役員チーフマーケティングオフィサーである信岡良彦さんにお話いただくことにしました。

Insurtechは、海外、特にアメリカではとても大きな市場なのですが日本はまだこれから。様々な変化が起きていくことが予想されますが、どの変化にどう向き合うのか。壇上にはホワイトボードも持ち込まれてのディスカッションになりました。(入山先生のスタイルですね!)

Fintechでは、本当はRevolut社にも登壇いただく予定だったのですが、急な予定変更で登壇が叶わず。本来なら、「Fintechユニコーン企業から学ぶ、Fintechの今とこれから」をテーマにパネルディスカッションを実施する予定でしたが、Plug and Play Japan のメンターも務めてくださっている株式会社メディカルノー /Arbor Venturesの高岡 美緒が聞き手になり、トランスファーワイズ・ジャパン株式会社代表取締役の越智 一真さんから、Fintechそして組織や企業の在り方についてお話いただくことになりました。

来場者の皆さんはスタートアップの話を聞きにきている方が大多数ですが、一方でそのスタートアップのビジネスがどう世界を変えていくのか、影響をもたらしていくのか、結果自分たちのビジネスにどう影響を与えていくのかということについても考えていただくきっかけをEXPOで作りたいと思っています。

次回Batch 2のKeynoteも着々と準備、進行していますのでぜひお楽しみに!

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Ayumi Fujimoto
Plug and Play Japan Blog

Executive Director, CMO at Plug and Play Japan. Also working as a board of directors at at Will Work.