1/3 スケール三田式 3 型改 1 製作記
12部シリーズの第9部
If you prefer you can read the English translation of this article, which was provided by the author. この記事に進む前に、このシリーズの 第8部 を読むことをお勧めします。
製作その39 中央翼フェアリング用FRP成形品
石膏型の乾燥が終わりましたので中央翼フェアリング用FRP成形品の製作に移ります。
準備
石膏型は作った当初は水分が蒸発して気化熱を奪うのでひんやりと冷たいのですが、日が経つに従って冷たさが薄れてきました。十分乾燥したと思われたので樹脂を塗る面に離型ワックス(ボンリースワックス)を8回塗りこみました。その上にPVAを塗布しました。
通常は出来上がってから切り取る線を石膏型にケガくようですが、上手くケガく自信が無いので、切り取り線に沿ってマスキングテープを貼りました(画像189)。
またガラスクロスとマットも所定の寸法に裁断しておきました。こうしてクロス貼りの準備が整いました。
クロス貼り
ガラスクロスは#100(1平方m当たり100g)のマイクロガラスクロス2枚と、1平方m当たり30gのガラスマット一枚です。マットをクロスの間に挟んでサンドイッチ状に積層します。#100ガラスクロスの厚さは0.1㎜弱、マットの厚さは0.15㎜程度です。
使用した樹脂はブレーニー技研のGM-6600というガラスクロス用のエポキシ樹脂です(画像190)。
最初に石膏型に刷毛でエポキシ樹脂を薄く塗ってその上にガラスクロスを1枚載せて樹脂を付けた筆で押さえます。樹脂が十分に浸透して空気が抜けたと思われる頃にマットを載せて同じことを繰り返します。しかしここで筆を擦った為にマットがバラケて随分毛羽が立ってしまいました。そのためマットは相当薄くなったようです。その上に最後のクロスを同様の要領で被せました。
画像191が積層を終えた状態です。
使用した樹脂は硬化剤を含めて39g(主剤30g、硬化剤9g)でした。最初様子を見る為に主剤10g、硬化剤3gを、二回目はその倍を混合して塗りました。しかし、この程度の少量では、かなりの部分が刷毛や混合容器にくっ付いてしまい、実際にFRPに使われた分はそれより相当少ないと思われます。
離型
エポキシ樹脂は使用量が少なく且つ薄く伸ばす程硬化するのに時間がかかります。GM-6600の硬化時間は標準で30分程度ですが、フェアリングは薄く且つ使用量も少ないので2時間経ってもべとつきました。そこで一日放置して置いたところ完全に硬化しました。
いよいよ離型です。今回のフェアリングの形は周囲がはみ出しているので引っ張ることは容易ですが、部分的に型にくっ付いてスンナリとは離型してくれません。慎重に4隅から引き剥がすとそれ程力を入れなくても離形しました(画像192)。
しかし離型後の石膏型を良く見ると角が欠けている部分があります。FRP成形品の対応する個所には石膏片が貼りついています(画像193)。
それ程力を入れなかったのに欠けてしまったので残念です。内側の一部に空気が入ってしまったところがありますが、表面は石膏型に密着していたために比較的綺麗です。但しコーナー部分は少し樹脂欠けがありますので後でパテで補修する必要があります。
カッティング
付着した石膏を剥がし、マスキングテープに沿って周囲を切り落として成形品が完成しました。重量を計ってみると36g、厚さは凡そ0.7㎜程度でした。適度な剛性があって初めてのFRP整形としては、まずまずの出来栄えです。早速中央翼を胴体に載せてその上にフェアリングを被せてみました。
良い感じにフィットします。上から見ても良さそうです。これで中央翼フェアリング用のFRP成形品が出来上がりました。このあと機体に取り付ける為の金具やフレームを取り付けてフェアリングとして完成します。
製作その40 機首カウリングのFRP成形
中央翼フェアリングに続いていよいよ大物の機首カウリングのFRP成形品を製作しました。
準備
石膏型の乾燥を待ってボンリースワックスを複数回塗りその上にPVAを塗布しました。通常PVAは軽く一回塗るだけですが、中央翼フェアリングの離形が意外に困難だったので今回は薄く見えるところに2,3回塗り重ねました。その後、切り取り線に沿ってマスキングテープを貼ったこと、#100のガラスクロス、平米30gのガラスマットを必要量切出したことは中央翼フェアリングの場合と同じです。
違いはフェアリングの時はクロスもマットも一枚で全面が貼れるので小分けの必要がありませんでしたが、円錐状のカウリングを一枚で皺無く全周を覆うことはできないので4枚に小分けしました。
画像195が準備完了した石膏型です。
クロス貼り
最初に樹脂40gと硬化剤12gを容器に取り、撹拌して石膏型の内部に薄く塗りました。その上にガラスクロスを載せて筆で押さえます。型を回転して4枚のクロスを貼り終えました。これが一番外側になる第一層です。まだ樹脂が残っているのでその上にマットを載せて押さえました。マットはクロスの重ね部分の上に中央が来るように載せて厚さが均一になるようにします。マット2枚を貼り終えた段階で樹脂が無くなりましたので、更に同量の樹脂と硬化剤を別容器に取り残り2枚のマット貼りました。
未だ十分樹脂が残っているので第3層のクロスを貼りました。これは最初のクロスに直交するように裁断してあります。クロスの2枚目を貼っているうちに樹脂の粘度が急激に増してきて、上手くクロスが伸びてくれません。容器に残った樹脂も固まりかけています。一回目より作業時間が長いわけではないのですが、硬化剤の量が多少違っていたのかも知れません。仕方がないのでこの樹脂の使用はここで止めて3回目として樹脂10g、硬化剤3gを別容器に採って撹拌しました。刷毛も固まりだしたので新しいものに変えました。
このようなハプニングがありましたが、何とかクロスとマットを貼り終えました。
画像196が貼り終えた状態です。このまま一日放置して硬化を待ちます。
離型
いよいよ型から外す段階です。中央翼フェアリングの経験から離型は多少の困難を覚悟していましたが、今回はその比ではありません。縁部分ですら多少の力では剥がれません。何とか力をいれて直線状の縁部を剥がしましたが、キャノピーに繋がる上面の湾曲部分が剥がれません。プラスチックのヘラを挿し込んでようやく少し剥がれました。
縁部が剥がれたので更に内部に向かってプラスチックヘラを挿しこんで剥がしましたが、ピッタリと貼りついて相当の力を入れないと剥がれません。剥がれた間に指を入れて隙間を広げる作業を行っているうちに、余りに強く内側へ引っ張ったので折角綺麗に出来ているFRPに折れ線が入るようになってしまいました。未だ全体深さの1/3も剥がれていません。
これ以上同じことをしているとFRPが壊れてしまうと思われたので、意を決して石膏型を壊すことにしました。石の上に型を置いて玄能で叩きましたが、石膏にガーゼを入れて補強してあるので、簡単には割れません。それでも何回かハンマーを打ち付けていると、石膏型が余り割れないうちにFRPが飛び出してきました。どうやら振動を与えると剥がれるようです。画像197が苦労して型から外したFRP成形品と石膏型です。石膏型は完全には割れていません。
カット
次いでマスキングテープの縁に沿って不要部をカットしました。カット後のカウリングです。
割合綺麗に出来ています。尚、黒い線はクロス裁断の為に引いたマーキング線で、青い部分は付着したPVAです。厚さは薄いところで0.7㎜、厚いところで1.2㎜程度でした。これは1層につきクロスやマットを4枚に小分けしたことで、重なり部分が生じる為です。重なり部分が補強材の役目をしてかなり剛性が高いものに出来上がりました。
フィットチェック
何はともあれ胴体に上手く嵌るか否かのフィットチェックです。これが一番の心配毎でしたので。結果は下の写真(画像199)が示すように略完璧です。
因みに重量は114gです。この後は無理に型から剥がそうとして傷ついた部位を補修し、胴体との境界線に付ける木製枠を構造側に貼りつけます。
製作その41 機首カウリングの取付
取付方法
当初、機首カウリングは1/5模型と同じように機体構造に接着して取外せない取付方式にする予定でした。その為カウリング内に配置されるモーターやラダーサーボはコクピット内から取付・取外しができるように作られています。しかし、ここまで作ってくると実機にある飛行機曳航用索リリース機構も付けたくなりました。私や私の所属するクラブには曳航機は無いのですが・・・・。
三田式の飛行機曳航用索リリース機構は機首スキッドの前、カウリング内の下部に装着されています。この位置はコクピットからは手が届きません。そこで、機首カウリングは取外し可能な取付に変更することにしました。
準備工作
図面49がカウリング取付要領図です。
まずカウリングの後端が胴体構造に繋がる部分のトラス構造との隙間を木枠で埋めます。木枠は胴体構造側に取り付けます。同様にキャノピーとの境はカウリング側に木枠を取り付けます。カウリングの固定は左右2か所のボルトと機首スキッドです。機首スキッドはカウリングを挟んで胴体構造に4本のボルトで取り付けられます。そのため構造側にスキッドを取り付ける構造を設けることと、スキッド本体を準備する必要があります。画像200が準備工作が完了した機体構造です。
胴体構造に取り付けた木枠、上部左右2か所の取付ボルト受け、スキッド取付構造が見えます。機体をひっくり返してスキッド取付構造を見ると画像201のようになります。
カウリング本体にはキャノピーとの境界になる木枠を取り付けました。
取付
以上の準備をしてカウリングを取り付けました(画像203)。左右2か所の取付ボルトが見えます。
画像204は下から見た機首スキッドの取り付け状況です。
最後はコクピット側から見た状態です(画像205)。
このように書くといかにもスムーズに取付けられたように思われますが、実際は調整に手間取りました。特にカウリングに木枠を取り付けると中々すんなりと胴体に嵌りません。何度も木枠を紙やすりで削って微調整を繰り返した結果すんなりと嵌るようになりました。
折りペラの試装着
折りペラを試しに装着して折り畳み状態を確認しました(画像206)。折りペラはグラウプナー製18×9です。ハブは一番小さい42㎜サイズのものですが、機首形状に丁度マッチして綺麗に折りたためることが確認できました。
製作その42 中央翼フェアリングの取付
続いて中央翼フェアリングを取り付けます。
フェアリングの取り付け方
実機の中央翼フェアリングの取り付け方は、フェアリング前方2か所の金具で中央翼の上面にある金具に引っ掛け、後方2か所の金具で後胴上部の山形張出構造にビス止めした上で、中央部分を翼の左右2か所ずつ計4か所にネジ止めしています。模型では実機に比べて相対的にフェアリングの剛性が高くなっているので取付方法は若干簡略化することにしました。図面50が取り付け要領図です。
フェアリングの前部に実機同様の木製フレームを取付けて、それにL型金具2個を付けます。L型金具は中央翼内部から立ち上がる座にビス留めします。後部は実機同様の金具を2か所に取り付けます。この金具は後部が1㎜弱開いていて、後胴上部の山形張出構造に取り付けられたL型アルミチャンネルを咥えて固定されます。
フェアリングと中央翼の加工
図面に基づいてFRPフェアリングに木製フレームと金具を取り付けました(画像207)。
フェアリングのL型金具をネジ止めする座を設けました(画像208)。
フェアリングの取付
フェアリングを取り付けるにはまず翼カバーを被せてスポイラーサーボを隠します(画像209)。
その上にフェアリングを載せてネジ止めして完成です(画像210)。
製作その43 飛行機曳航用索リリース機構
飛行機曳航用索リリース機構の概要
三田式3型改1の飛行機曳航用索リリース機構は、機首スキッドの前のカウリング下部に取り付けられていて、ワイヤーでウインチ曳航用索リリース機構と同じノブに繋がっています。ノブを引くことで開錠します。実際の機構の構造はアクセスが難しいので良く判りませんが、模型用に簡単な機構を考案しました。これがその図面です。
フックをアルミ製の2枚の枠で挟んだ簡単な機構で、フックに取り付けたワイヤーを引けば開錠します。フックには弱いスプリングを付けてワイヤー張力が無い時にはフックが閉じます。ワイヤーはウインチ曳航用索リリース機構と同じサーボに接続されます。つまりサーボを作動すると両リリース機構が同時に作動します。
機構の製作
図面に基づいて製作した索リリース機構です。
フックは3mm厚の硬質アルミ板で、枠は2mm厚のアルミ板で作りました。フックの回転軸は3mmボルトで、枠にジュラコン製の軸受を嵌め込んであります。フックには既にワイヤーとスプリングを取り付け済みです。最下部には20Φのリングを取り付けてあります。
機構の取付
機構を機首下部に取り付けました(画像212)。
フックの回転軸に2枚の2mm厚カーボン製耳金を取り付け、それをモーターマウントの一つ後のトラスに取り付けています。耳金の両脇にはトラスとモーターマウントの間に2本のカーボンロッドを渡し、それに小さな耳金を付けて機構の前部を支えることで機構の回転を押さえています。
当初は本索リリース機構を設けない積りでしたのでこの部分は図面52のようになっていました。
即ちモーターの反トルクを受ける斜めの部材が走っていました。これがリリース機構と干渉するので取り外して上述のように改修したのですが、反トルク押さえ能力が減少することを少しでも避ける為に、機構の外側に2本の斜め部材も取り付けました。画像213がサーボとの関係が判る全体取付写真です。
カウリングを被せてみました。リングが少しだけ顔を出します(画像214)。
感じが出ていると思います。
尚、コクピットの左サイドにある索リリースノブとサーボもワイヤーで繋ぎました。途中には画像215のようなスプリングを設けたので、フックが開錠する時にノブも実機同様に後ろに動きます。
これで索リリース機構の製作は一応完了しましたが、ウインチ曳航用機構を含めて良く作動確認をしたいと思います。
製作その44 計器盤とその取付構造
計器盤
三田式3型改1グライダーの計器盤は図面53のような格好をしています。これを1.6㎜厚のシナベニアで製作しました(画像216)。計器を取り付ける前に艶消しの黒色塗装を施します。
計器盤の位置と取付構造
計器盤は機首カウリングの内側で操縦桿の前方にあります。実機はカウリングのRに沿ってカーブした鋼管を胴体構造に溶接し、それに計器盤をネジ留めしていますが模型では剛性のあるカーブした管が得にくいので、カウリングに木枠を貼りつけ、それに計器盤をネジ留めする構造にしました。
取り付け方は決まりましたが、計器盤を実際に機体に載せてみると問題があることが判明しました。いろいろなものと干渉してしまうのです。図面54が計器盤の位置を示します。
当初この図面を書いて干渉しないことを確認した積りでしたが、ラダーサーボのホーンが最大角度に回転した時に計器盤に当たることが判明しました。図面ではサーボ本体とは干渉しないことを確認していたのですが、ホーンとの干渉までチェックをしていなかった罰です。更に操縦桿の中立位置が図面より若干前傾気味であることから最前傾位置でやはり当たってしまうことも発見しました。
仕方がないので、ラダーサーボを8mm前進させ、操縦桿の中立位置も若干後傾気味に修正しました。サーボの前進と操縦桿の後傾はそれらに接続した可変長リンクの長さ調節範囲を超えるので、作り直しを余儀なくされました。更に計器を付けると計器盤の後側に飛び出しますが、一番下の2つの計器が機首構造の上面に設けた天板(画像217)に当たる事が判りました。
この天板は実機には無いものですが、モーター用のアンプ等を搭載するために設けたものです。計器が当たる部分は天板を切欠くことで解決しますが、問題は天板の後端に貼りつけたカーボン角チューブが邪魔します。仕方がないのでこれも切り取りました。
計器盤取付構造の完成
このように色々問題が発生しましたが、一つずつ解決して漸く取付構造が完成しました。最後にカウリングに木枠を貼りつけた上で計器盤を取付けて、機体に搭載・確認しました(画像218)。
なかなか良い感じです。実際に計器が嵌ると実機感がグッと上がると思います。この後ミニ旋盤をお持ちのクラブ仲間に計器のケースを削って貰ってから目盛盤を製作してこの計器盤に取付けます。
キャノピー木型図面の作図
製作には大物のキャノピーが残っています。バキューム方式で製作する透明部は私には未経験で、どのように作るか情報を集めていたらその達人Tさんが長野県にいらっしゃることを知りました。しかも色々な人のキャノピーも製作しているようです。早速連絡を取ると快く製作して頂けることになりました。しかも製作に必要な木型も製作して頂けます。そこでキャノピー木型の図面を作図しました。
三田式3型改1のキャノピー
三田式のキャノピーは前後2つに分かれています。前部は開閉可能で前後席搭乗者がそれを開けて乗り降りします。後部キャノピーは機体に固定されて開け閉めできません。図面にするとこのような形です。図の赤線範囲がキャノピーです(図面55)。
後部キャノピーは中央翼を挟んで複雑な形状をしています。しかも底面が前部キャノピーと同一平面にありません。このキャノピーの木型をどのように作るか考えましたが、底面を前部、後部で一致させた図の黒線にすることにしました。これで整形した透明部を切断して2つに分ける方式です。
木型図面
木型範囲が決まったのでその3次元形状を定義する図面を書きました(図面56)。作図法は機首カウリングカウリング図と同じです。
機首カウリングに接する最前部(断面A-A)、平面図でキャノピーシルがキンクする場所(断面B-B)、前後キャノピーの分割ライン(断面C-C)および最後部で中央翼フェアリングに接する部分(断面E-E)の4か所の断面形状を定義して、それらの間の適当な断面(A1、A2、B1、C1)を仮に作図します。
それを高さ20mm毎の平面で切断して等高線を描いてみます。等高線に変なウネリがあれば断面図を修正します。しかしそれほどおかしなことがなく、一発で定義できました。
それにしても大きなキャノピーです。木型の寸法は長さ670㎜、幅210㎜、高さ180㎜あります。Tさんも手持ちのバキューム装置では対応できず、大きなものを新製されるようです。
キャノピー製作には一抹の不安があったのですが、ベテランのサポートで課題がクリアーされました。
飛行機曳航用索リリース機構の改良
先に製作したウインチ曳航用と飛行機曳航用索リリース機構の索リリース具合を入念にチェックしたところ、飛行機曳航用機構の具合が余り芳しくないので改良設計して作り直しました。
不具合の原因
実は飛行機曳航用機構の設計は余り深く考えもせず、ウインチ曳航用機構と同じように作ったものでした。しかし、両機構の索リリース時の状況は大きく異なります。
ウインチ曳航ではかなり強力な牽引力で索を引き、機体がウインチの真上近くに来たときにリリースされます。即ち、機軸に対して索はかなり下向きの角度に位置します。一方、飛行機曳航では索にかかる張力はウインチ曳航に較べて遥かに小さく、リリースする時の索は略機軸に並行の角度です。
先日作った索リリース機構はこの違いを考慮せず、曳航索に取り付けたリング状の金具を受けるリリース機構のガイドの形状を、ウインチ曳航用と飛行機曳航用で同じ設計としました。両機構に実際に索を付けてリリース具合を確認してみると、ウインチ曳航用は素直にリリースしますが、飛行機曳航用は上手くリリースしないことが判明しました。
改良設計
そこで上に述べたリリース時の状況を考慮して飛行機曳航用機構のガイドを再設計しました。改良前と改良後の比較が図面57です。
側板に設けたガイドの出口付近の形状が違います。
リリース具合の再チェック
再設計した機構に取り換えてウインチ用と飛行機用の両機構のリリース具合を再チェックしました。
画像219が索に付けたリングです。
リリース機構用サーボにサーボテスターを繋ぎます。
その後索のリングを飛行機曳航用機構のフックに掛けます。この状態で索を飛行機曳航状態と思われる角度で引っ張って置き、サーボテスターのダイヤルを廻しました。今度は極めてスムースにリングが外れました。
同様にしてウインチ曳航用機構も基軸に対して深い角度をつけてテストして、素直にリリースすることを再確認しました。
これで両機構のリリース具合に問題の無いことが確認できました。
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