報道でデータビジュアリゼーションが必要なのか [2]

Marika Katanuma
TOKYObeta Journal
Published in
3 min readDec 28, 2015

前回の「テレビとデータビジュアライゼーション / 山本智さん(NHK)」に引き続き、今回は鎌田健一郎さん(日本経済新聞)のプレゼンテーションをまとめる。

「ビジュアルデータ」 / 鎌田健一郎さん(日本経済新聞)

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日本経済新聞の編集局メディア開発部でビジュアルデザインのディレクターを務める鎌田健一郎さんは、4月から発足した「ビジュアルデータ」制作チームのエンジニアとデザイナーを招いて、コンテンツ制作秘話や制作にあたって注意している点などについて話した。

「ビジュアルデータ」は、イントラクティブなデータビジュアリゼーションを使ったニュースコンテンツで、話題なニュースを新しい視点から解説したり、より詳しく伝えている。「ビジュアルデータ」の制作チームはディレクターの鎌田さんを中心に、デスク記者7人、情報設計デザイン1人、エンジニア2人で活動している。

鎌田さんはコンテンツの作成秘話として、エンジニアならではのデータの見方や、ビジュアルデータとニュースの相関性の重要さなどを挙げた。

たとえば、国別ランキングのデータを扱うとき、記者は上位10ヵ国に絞って取り上げるといったように限定的なデータの使い方をしがち。一方で、エンジニアは、最上位から最下位まで、データの全体像を把握して分析し、そこから見えてくるトレンドに気付くことができるという。エンジニア×記者のコラボレーションから生まれる新しいデータとの向き合い方は「ビジュアルデータ」の特徴、ニュースの「真相」を捉える要となっている。

「ビジュアルデータ」のコンテンツを読者に読んでもらうには、コンテンツをトレンドなニュースと相関させることが大切だと鎌田さんは述べた。無作為にデータを見つけくるのではなく、記者に数週間先のニュースを予測してもらい、事前にそのニュースと関連したデータを分析しコンテンツをつくることで、読者の人に読んでもらいやすくなると説明した。

つづき: 報道でデータビジュアリゼーションが必要なのか[ 3 ]

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