#02 「中間地域」の特徴を見出す 調査準備編

ユノ
What is the city, region and town?
3 min readJan 31, 2018

「中間地域」の特徴は、既存の指標では見つけられないことを前回確認した。つまり、机上で数値を調べたり口コミを見たりするのではなく、自ら「中間地域」に赴いて特徴を調べるしかない。

既存の研究アプローチに多い「調査者が、どのような数値を扱うかで結果に独自性が生まれるもの」や、「住民が、どのような経験をしているのかを調べることで結果に独自性が生まれるもの」ではなく、「調査者が、調査対象地でどのような経験をするかによって独自性が生まれる」ことを企図したアプローチ方法で、「中間地域」に迫ることにする。

調査対象地

具体的に足を運ぶ「中間地域」としては、千葉県のA駅前住宅街を選んだ。陸路での都心へのアクセスは二時間弱かかるが電車一本で、かつ空路へのアクセスも良い場所だ。前回述べた通り、私は市区町村単位での都市・地域特徴を見出すことに違和感を感じている。そのため、鉄道駅前の住宅街という、ある程度の統一感がある小規模空間に対象を絞った。

ここからは、調査対象地くらいの規模…体感的に「ご近所さん」といえる範囲の規模単位を「まち」、同性質を有するまちの集合体(連続して存在するとは限らない)を「地域」と呼ぶ。そのため、明らかにしたい「中間地域」も、最終的には「特定の性質をもつまちの集合体」として「◯◯地域」という名称が付けられるはずだ。この「中間地域の適切な名付け」が、本研究の目標になる。

調査期間

卒業研究の一環で行うため、調査期間は2017年1月から12月までの1年間とする。そのうち、現地調査を行うのは月に一回、可能であればそれ以上を目指す。
ただし、元々都市・地域への関心が高かったため、事前に資料調査等は若干行っている。

調査方法

実際に現地を何度か歩き、加藤教授(Fumitoshi Kato)や同期に相談に乗っていただきつつ調査方法を決めた。

①巡回
調査対象地の中で、「ぱっと見だと衰退を表しているように見える場所」や、「今後変化が起きると予測される場所」を数カ所ピックアップし、それらの地点を毎月同アングルで撮影しつづける。それにより、単なる発展・衰退とは異なる対象地の様相を明らかにすることを目的とする。
→巡回スポット例:公園ベンチ、公園ブランコ、シャッター前プランター、電柱に貼られたビラ
②ものづくし
調査中に発見した、「通常とは異なる用法で用いられているモノ」や、「通常に比べて数・形態が特殊であるモノ」を記録する。数を数えて地図に落とし込む(マッピングする)ことによって、対象地におけるそれらのモノの意味合いを見出すことを目的とする。
→ものづくし対象:ごみ集積所、巨大プランター
③単探索
上に挙げた①②には該当しないが、対象地の特殊性を感じさせるモノコトを発見次第記録していく。今回は特に、①②と絡めて論じうる事象について見ていく。
→単探索事例:桜の看板、車優位の都市設計

こうした調査計画に基づき、実際に現地調査と文献調査を平行して行っていく。

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ユノ
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文章を書いたり、写真を撮ったりすることが好きです。