外に出て人と話そう
より良い「検証」に向けて
これはウイングアーク1st Agile and DevOps Transformation Stories のAdvent Calendar 2023、2023年12月24日の投稿です。
こんにちは。
ソフトウェアプロセス&品質改善部(SPQI部)のじゅんぺーさんとあらかーさんにお誘いいただき急遽、飛び入り参加でアドベントカレンダーブログに参加させてもらいます。インダストリー事業開発部のまつしゅんです。
僕のやってる仕事をすごーく簡単に説明すると新規事業開発です。その名の通り「新しい事業を創る」ということをやっています。
新規事業開発って、みなさんどういうイメージをお持ちでしょうか。
とあるAさん「なんか楽しそう!アイデア考えて形にするんでしょ?」
とあるBさん「よくわからないけど、難しそうだね」
とあるCさんは「・・・・」
僕のイメージは、、、
「学業で優秀な成績を修めた人が立派な会社で色んな経験を積んで、MBAとかとったりして、そういう人がやることでしょ。」
ちなみに、、、
僕は学業では落ちこぼれ組だったし、
営業や企画が中心でそんなに幅広い業務経験を積んできた訳でもないし、
MBAなんてまず無理だし
という訳で、興味はあるし、やってみたいけど
求められるレベルには到底達していない
というのが自己分析の結果です、はい。
まぁそんなことを思いながらも何とかスタートし、今もなんとかやっている訳ですが、いやーもう苦難の連続です。
経験した苦難についてでしたら何個でもネタが出てきそうですが、今回は初めての登場ということで、ここの読者さんも言葉としてはきっと馴染みのある「検証」について少し書かせていただこうと思います!
前置き長いな。。。
新規事業開発における検証
はい、やっと本題です。
今回の話は検証といっても新規事業における検証です。
超ざっくり言うと、新規事業における検証とは事業構想がビジネスとして成立するかどうかの検証です。検証というとかなり幅が広くなってしまうので、その検証の中でも今回はインタビューというテーマに絞って少し書いていこうと思います。
何か新しい企画構想をしたときに、
その時点でははっきり言って
「ただの妄想」
であることが多いです。
アイデアを考えた人は
「こんなものがあったら便利だろう」
「間違いなく売れる」
「これは革新的だ。俺は天才かもしれない」
みたいなことを思ったりする訳ですが、
大体ただの勘違いです。
ほとんど場合はターゲット層や有識者にアイデアをぶつけてみると
「そんなものいらない」とか
「他にも既にあるよ」とか
「儲かる訳ないじゃん、そもそも実現できないでしょ」とか、
打ちひしがれるような答えが返ってきたりしますw
でもそこできつい返しを受けることは何がいけなかったのかということがわかるのでものすごく重要なことなんですね。
多少はがっかりはするけど。
有識者やターゲットにインタビューをすることって当たり前のようなことに聞こえると思いますが、実は結構それをちゃんとやっていないケースって沢山あったりするんですよね。
ま、マジか、、、
だいたいは以下のいずれかのパターンである気がします。
1 思いつきのまま走ってるパターン
2 インタビューをやってるようでやっていないパターン
勿体無いのがパターン2のほうです。
パターン2の場合にありがちなのは、
身近な人にだけ聞いてターゲットはこうです、って判断しちゃう場合
以下にある通り、会いやすい人だけに聞くと自分と同じような思考や環境下にいる可能性があり、ターゲットの深層心理を掴めないことがあります
次はインタビュー設計をきちんとせず、表層的な部分だけで物事を判断してしまっているパターン
最後は確証バイアスに陥ってるパターンもありますね
確証バイアスに陥っていると答えを誘導するような話し方や設問にしてしまったり、都合の良い結果だけを抜き取ってしまったり。
確証バイアスとは、認知心理学や社会心理学で取り上げられるバイアスの一つ。自分の思い込みや願望を強化する情報ばかりに目が行き、そうではない情報は軽視してしまう傾向のことを指す。政治、経済、ビジネス、SNS、日々の実生活等のさまざまな場面で散見される。
顧客の深層心理を掴むのはそう簡単なことではない、でも出来ないことでもない
大事なことは、ちゃんとインタビュー設計をすること、確証バイアスに陥らないように複数名で取り組むこと、そして十分な数のインタビューをこなすことです。
以下はNielsenの研究報告ですが、同じレイヤーの人5人と会話すれば80%程度のことがわかるというものです。
実際、こういうこと日々やっている自分の感覚としても5人くらいにインタビューすると大体のことが見えてくるので、実感としてもそうかなーと思います。
この話をした時のあらかーさんの反応は、
『ウチらも「ユーザー目線で検証しよう」とか「顧客解像度あげてこう」みたいなワードが登場するんですが、じゃあその目線とか解像度の妥当性って?って言われると、自分の体験を基にした想像から脱してないケースが多々あるなと』
『その想像の域から飛び出すには、その道に明るい人や関係する人ともっともっと会話することが重要』
とおおむね共感してくれたみたいでした。
品質保証と新規事業開発、主戦場は違えどお互い画面と向き合ってばかりいないで、色々な人と話をしてみるってことの大切さは共通するんじゃないかと思います。
みなさんも日々忙しくされてると思いますが、たまには外に出て人と話してみてはいかがでしょう。
とはいえ、人の深層心理は難しい、、、という例を最後に一つ
例えば、お客様に「どんな商品が欲しいですか?」とアンケート調査をすると、必ず「低カロリー」や「ヘルシー」や「オーガニック」という健康重視のメニューが挙がります。ところが、4枚のパティが入ったメガマックを販売しても、クォーターパウンダーを販売しても、若い女性が平気でそれらを食べているわけです。お客様のおっしゃる事と実際の行動は違うんです。
出典:
原田泳幸『勝ち続ける経営 日本マクドナルド原田泳幸の経営改革論』(朝日新聞出版)
今回はここまで。
また機会がいただけるようでしたら投稿させていただきます!
それでは!