楽しさと悔しさと次回への宿題(RSGT2024より)

アジャイルにまつわるエトセトラ#14

あらかー
WingArc1st Inc.
Feb 1, 2024

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久々のRSGT現地参加

先日開催された「Regional Scrum Gathering℠ Tokyo 2024(以下RSGT2024)」にDay1〜Day3までの3日間、現地参加してきました。

<私の参加歴>

  • RSGT2020:初の現地参加
  • RSGT2021:オンライン参加
  • RSGT2022:オンライン参加
  • RSGT2023:現地ボランティアスタッフとして参加

振り返ってみると、純粋な参加者として現地に赴いたのは実に4年ぶりということになります。

私が印象に残ったセッションTOP3

◆Outcomeに向き合う中で出会っている出来事とその解決案

私も以下のブログでも書いている通り、アウトカムを意識しながら仕事に取り組んでいます。

スクラムを継続することが我々の目的ではありません。
いくら良いやり方、良いメンバー、良いチームでプロダクト開発ができたとしても、多くの顧客に価値を届け続けることができなければ、それは失敗と同義です。
スクラムの初動でこころがけたこと より)

ただ、どうやって向き合っていけばいいかの引き出しがまだまだ足りず、こちらのセッションからは「アウトカムを出すためのチームの作り方」という新たな視点をいただきました。

私が関わっているプロダクトはビジネス面でも一定の成長を見せているので、こちらで学んだ先述の「チームづくり」や「アウトカムの計測」という取り組みにもチャレンジして、さらに飛躍するようにしていきたいなと感じました。

◆A Theory of Scrum Team Effectiveness 〜『ゾンビスクラムサバイバルガイド』の裏側にある科学〜

数あるセッションの中で個人的にベストは何かと問われれば私はこちらを挙げます。

昨年執筆したブログの終盤にもある通り、「計測」や「定量化」は近年の私のテーマでもあり、こちらのセッションの「スクラムチーム活動そのものを科学的に評価する」という内容やサービスにとても驚きました。

中でも発表者のぼのたけさんが説明してくれたエンピリカルという言葉が特に印象に残っています。

https://speakerdeck.com/bonotake/a-theory-of-scrum-team-effectiveness-zonbisukuramusabaibarugaido-noli-ce-niaruke-xue?slide=46

経験主義といえばまさにスクラム。
最後に発表のぼのたけさんの言葉、

「スクラムがもっとエンピリカルになればいいなと思っています」

がとても心に染みました。
まだ遠い道のりかもしれませんが、私も少しづつエンピリカルな仕組みを増やしていきたいなと強く思いました。

◆QAエンジニアってスクラムで何をすればいいの?

これは私が初めてQAとしてスクラムに参加した2012年(もう10年以上前というのに驚いている)から自問自答しているテーマであり、自分の中にも答えのようなものもあることから「他の方が考えることはどういった感じなのかな」とある種答え合わせ的な目的で拝聴しました。

私の答えは「 QA/開発関係なく垣根を越えてみんなで早めに早めにテストしていきましょう」なんですが、発表者のHayashiさんもシフトレフト施策や一緒にふりかえりを行うなど、とても共感できる内容でした。

そしてそれに加えて、それぞれのスクラムイベント(リファインメント・プランニング・デイリースクラム・スプリントレビュー・レトロスペクティブ)でも様々な”テスト”をするという考え方は、私も感覚としては持っていましたが、それをこちらのセッションで言語化してくれたことにより、スクラムマスターとしてより明確な視点で各イベントを観察できそうだなと感じました。

上に挙げた他にも、もはやショータイムのようなOdanakaさんのセッションや、尊敬するスクラムマスターAmanoさんのセッションなど興味深いセッションがたくさんありました。

多くのセッションから私が読み取ったテーマ「壁を壊そう(越境しよう)」「アウトカムに向けた取り組み」「計測しましょう」は私たちの部署でもチャレンジしているので、その取り組みを更に推し進めたいと刺激を受けた3日間でした。

どんなブログを書こうかしら

さて、今回もたくさんインプットできたものの、どういった感じでブログにアウトプットしようかなと色々考えていたのですが、なかなか筆が進まない。

そうこうしている内に、菩薩さんがこんなオーサムなブログをアップしたものだから、いよいよ何を書いたらみんなに思いが伝わるかもわからない。

そんな風に逡巡していると、じゅんぺーさんから「前に現地参加した時、いい感じにブログレポート書いてたじゃないですか」と言われ、記憶の奥底に沈んでいた自分のブログをあらためて読み直してみました。

3つも書いている…そして熱い…

当時のこの熱量、完全に忘れていたなあ。

コロナ禍によるリモート業務への切り替えなのか、日々の業務に追われ小さくまとまってしまっていたのか、心身そして頭が衰えたのか(これが老害の入り口か?)、とまあ考え始めればキリがないのですが、色々な要素が重なった結果、セッションのインプットのみを重視して、アウトプットすることや色々な人と楽しむ姿勢を失っていたことに気づきました。

そして今「もっと違う動き方があったなあ」と少し後悔しています。

過去の自分のブログを改めて読んでみて思ったことは、

  • イベントに参加して、セッションを聴いて、新しいことや違った視点をインプットできて楽しいのはあくまでもスタート地点
  • それをどうアウトプットして自身の思考を整理できるか
  • 色々な人と会話してイベントで得た知見を自分の中で掘り下げる
  • その後、業務へ還元できれば尚良し

こういうことの積み重ねが大切なのだなと。
今回の私は2番目3番目(業務への還元は当然考えている)の意識が薄くなっていたなと。

4年越しの宿題回収と次回への宿題

そんな悔しい感情を残した今回のRSGT2024だったわけですが、ポジティブなこともありました。

最終日のOST(オープン・スペース・テクノロジー)で、私の今の業務にも大きく関連する「会社をまたいだスクラム」というテーマで、テーブルのホストを務めることができたことです。

Photo by MISAKI EBATA

想像していたよりも多くの方々がテーブルに訪問してくれて、多様な意見をいただいたことで、私の想像以上に興味を持っていただけるテーマなのだなという実感を得ました。

こちらについては資料にまとめ、近いうちにイベント登壇できるように準備を進めています。プロポーザルが採択された際にはぜひ聴いていただきたいです。

私もネタ出しをしたかったが躊躇してしまってひたすら後悔。
来年はかならずネタ出しをすることを決意。
RSGT 2020 数行まとめ DAY3 より)

こうして4年越しの宿題を回収した私は、総合的にはとても充実したRSGTだったなと今あらためて実感しています。

来年は「初参加の私」と「5年間で成長した私」のいいとこ取りのハイブリッドなあらかーとして参加することを次回の宿題として心に刻みました。

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あらかー
WingArc1st Inc.

ウイングアーク1stでプロセス改善とソフトウェアテストの自動化に取り組んでます / Certified ScrumMaster® /Certified ScrumDeveloper®/Certified Scrum Product Owner® / JBA公認E級審判