自分のツイートでふりかえるJaSST’24 Tokyo
アジャイルにまつわるエトセトラ #15
タイトルを書いていて、ふと気になったのでChatGPTに確認しました。
よいみたいです。
ということでこんにちは、あらかーです。
去る2024年3月14日、15日に開催された「JaSST’24 Tokyo(JaSST : Japan Symposium on Software Testing)」に現地参加してきました。
私が初めてJaSSTに参加したのが2014年。
にしさんの「これからのテスト業界、わくわくしませんか?」といった勇気の出るお言葉や、招待講演の「ナウシカの飛行具、作ってみた。- お客さんと作るプロジェクトの組み立て方 -」がとても面白かったことを記憶しています。
あれから10年が経ち、ソフトウェアテスティング界隈の文化や技術が明確に変化していることを実感したシンポジウムでした。
今回私は長年放置していたXでちょくちょくリアルタイムツイートするようにしていたので、その自身のツイートを眺めながらふりかえっていきたいと思います。
久々のJaSST現地参加に向けて
JaSSTのスペルを間違えるくらい楽しみだったんでしょうね。
後述しますが、この目的(これからのQAエンジニアがソフトウェア開発活動にどう関わっていくべきなのか?の考えを深める)は概ね達成できたかと思います。
<セッション>開発リードタイム70%短縮したアジャイルチームでQAがやったこと
リードタイムを短縮させるための引き出しを増やしたいと常々思っていたので聴講しました。
「実例マッピング」というのは私まったく明るくないのですが、ブロッコリーさんのスライドなども拝読したところ、要求定義や要件定義などのフェーズでとても有用なのではないかと感じています。
われわれ品質部門も開発の初期段階から一緒に活動できるような施策をどんどん進めているので、活用の機会をうかがいたいなと思いました。
<セッション>三社三様のQAのカタチ
URBAN HACKSさん、サイボウズさん、テクバンさんの三社からQAエンジニアが登壇し、同じトピックについてそれぞれの活動を紹介するセッションでした。
「バグ100個出せ→エッジケースなバグを無理くり起票」「QA:これじゃリリースできませんね→開発テンション↓」といった出来事が日常茶飯事だった時代からずいぶん変わったものです。
これはもうツイートの通りなんですが、それぞれアプローチの仕方は違うけど、やっぱり共通するところがあるのだなと思いました。
そしてもちろんこれは我々ウイングアークも大切にしています。
これもそのまんまなんですけど、けっきょく最後まで結合テストや単体テストのレイヤーの自動テストについてのお話はなかった気がする。
気になるなら質問すればよかったんですけどね。
これ私だけ遅れている(我が部署でもやってる?)かもなんですが、目から鱗でした。リグレッションテストはノーマルなシナリオが主だと思うのでサービスの仕様や機能把握にはもってこいですよね。
機会があれば選択肢にいれたいなと思います。
QAエンジニアに至るルートのお話。
開発経験のない(薄い)人材をQAエンジニアとして育成するのか、開発経験者がQAエンジニアにキャリアチェンジするのかといった会話中につぶやきました。
ウチの部署も一般的にいうSET(ウチの部署ではPE:Pipe-line Engineerに包含)的な動きが出来るエンジニアを増やす活動を続けていますが「開発→QAルート」が一番効率的なんだろうな、どうしたものかなという最近の個人的見解が漏れ出たツイート。
<セッション>テストだけで品質は上がらない?! エセ自己組織化した品質組織からの脱却
ここ数年「なぜプロセス改善するのか」「なぜ4Keys+1を測定するのか」などをもっとわかりやすく言語化したいなっていう自分がいて、こちらのセッションがうまく表現されていたので目の前がぱっと明るくなりました。
このセッションの内容をいま私と一緒に働いてくれている人たちと考えていきたいなと思いました。
<セッション>スタートアップのQA採用戦略
ただただ語呂が良かったのでつぶやかずにいられなかっただけです。
菩薩さんもDiscordで反応してました。
MVV=ミッション・ビジョン・バリューですね。
私たちの仲間になってくれる人には私たちがどこに向かっているのかをしっかり伝えなければなりません。
で、私もそういった資料作っているのですがなかなかアップデートできておらず、今の状況に合わせてメンテナンスして活用できればなと思いました。
<セッション>サイボウズのQAエンジニア育成
中途入社した社員さんに対するオンボーディングのお話。
私も中途入社の方とはよくコミュニケーションするようにしていますし、部としてもオンボーディングプランはありますが「アプリの作成・活用」っていう考えはなかったのでとても刺激を受けました。
活用したい。早く中途入社の方来ないかな。
<セッション>UIからの自動テスト事例2選
自動テスト導入時の道しるべ。これ以上でも以下でもない。
私が以前、自動テストを始めた際も同じことをなぞっていた気がします。
聴講者も多く「さすが浅黄さん」という感想もちらほら見かけました。
<招待講演>自動車のソフトウェア品質に関する現場の試行錯誤
昨今の自動車はもうソフトウェアのかたまりなので、テストについても共感できる内容多かったです。と同時にこれだけソフトウェア積んで走るようになってくると致命的なバグはもちろんハッキングとかへの対処が必要なんだろうなと思ったり。急にハンドルがロックするとかブレーキが効かなくなるとかそんな妄想が…
それにしてもLF-ZCめちゃくちゃカッコいい。
久々のJaSST現地参加を終えて
書きましたぞっと。
今回のJaSSTで実感したことは、ソフトウェアテストエンジニアの守備範囲がことごとく広くなっているということです。
10年前に初めてJaSSTに参加したころのテスト(QA)エンジニアに求められるのは、システムテストフェーズ、開発がこさえたシステムを終わりの段階でUIレベルで操作しバグを見つけることに主きを置く活動でした。
- もれなくダブりなく、 効率よくテストする項目を策定(テスト分析・設計・実装)すること
- 多くのバグを見つけること
主にこの2点、いわゆる外部品質への関与が重要視されていた時代だと記憶しています。
10年経った今回のJaSSTでは、アウトカムやシフトレフトに関するセッションも多く、テストエンジニアの活動が「ソフトウェアがちゃんと動くことを保証する活動」から「顧客を幸せにするソフトウェアを届け続けることに関与する活動」に完全にシフトしたことを実感しました。
そうなると必然的にテストエンジニアが登場する領域は広くなってきます。上記の外部品質に加えて、
- ユーザーに有益なものは何かを把握すること(アウトカムへの関与)
- 早く円滑にユーザーへの価値を届け続けること(外部品質に合わせた内部品質への関与)
あたりの活動も必要とされてきます。
加えてウイングーアークではじゅんぺーさんがこれらをさらに発展させて、「経営の品質」なども視野に入れた「全社品質」を標榜する動きも出てきており、これらを実現するには我々テストエンジニアも、経営層や事業部などの狙いを理解するためのビジネスの知識や、シフトレフト実現のため開発者と同等のエンジニアリングスキルなどの獲得が必要となってきます。
今回のJaSSTはそういったことをあらためて認識すると同時に、自身のスキルやマインドのアップデートし続けていきたいと、モチベーションの種をもらえた素晴らしいシンポジウムでした。
実行委員の方、講演者の方、情報交換会でお名刺やX相互フォローしてくれた方、ありがとうございました。
それではまた。