Certified Agile Leadership (CAL1) トレーニング参加レポート

ハイパフォーマンスな組織に成長するために

Yasuko NAITO
WingArc1st Inc.
9 min readJan 30, 2020

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去る2020/1/14~15にマイケル・サホタ氏のCertified Agile Leadership1 (CAL1)トレーニングを 受講し、ハイパフォーマンスな組織に成長するためのリーダーシップモデルを学びました。

実は前の週にRSGT2020 Day2にサホタさんのKeynoteがあり、今の私達の活動のヒントになりそうな話しをきくことができ、CAL1トレーニングへのテンション&モチベーション急上昇でこの日を迎えました。

今回は、トレーニングの中から印象に残ったところを中心に参加レポートをお送りします。

photo by Hiroyuki TAKAHASHI

トレーニングの中で言われる「組織」、「リーダー」について認識合わせをしたいと思います。

  • 組織:「会社」や「部門」などの大きな単位も含みますが、より小さなユニットも含みます。
  • リーダー:役職者や責任者のことを指しているわけではなく、「リーダーシップを持つ人」といったほうが近いでしょう。どの組織にもリーダーはいて、それは複数人でも良いのです。

組織やリーダーというのは大きな話しではなく、非常に身近なレベルにも存在している。自分がリーダーシップを持つレベルの組織全般に適用できる……そういった事を今回のCAL1トレーニングで習得しました。少し詳しく説明します。

Being Agile

Doing Agile はアジャイルプラクティスの導入など戦術的な事で、Being Agileはマインドセットを示しており、CAL1ではBeing Agileのモデル、メソッドを学びました。

Beingと は成長することで、これは誰しもが望むことなので自然で受け入れられやすく、Doingよりも効果が大きくなるという話しがあり改めてマインドセットの重要性を理解しました。

https://agilitrix.com/2016/04/doing-agile-vs-being-agile/

RedList vs GreenList

人やチームと接する際の行動をRed ListとGreen Listとして表現しています。

Red Listは押し付けのリストで、自分のエゴであること、Pushするから抵抗は生まれるのであって自分がPushするのをやめれば抵抗はなくなります。一方、ハイパフォーマンスな組織というのはGreen Listです。

https://agilitrix.com/2018/12/how-to-overcome-resistance-in-your-agile-transformation-the-power-of-invitation/

改めてこう見ると、私は良かれと思ってPushしている場面あります……

いま、自分がどちら側にいるか認識し受け入れることで、Green Listになれるはずなので日々Red List 、Green Listを意識していこうと思います。

カルチャー・ダイアグラム

組織を変化させたいと思ったとき戦術、戦略に注目しがちですが重要なのはカルチャーです。カルチャー(Visionや価値観)を理解した上で戦術や戦略を立てないと大きな利益を生み出しません。

では組織カルチャーとはなんなのでしょう?

サホタ氏が考案したのが下図のカルチャー・ダイアグラムです。

https://agilitrix.com/2016/04/culture-centre-organization/

このカルチャー・ダイアログでは、組織カルチャーはすべての中心に存在し、2つの重要な側面を表します。

  1. 構造(ここには組織構造やプロセスなどが含まれます)
  2. 意識(マインドセットや人の行動に関わることが含まれます)

これら2側面は、相互に複雑に依存しあっています。つまり、組織カルチャーが変わるときにはどちらか一方が変わるのではなく、構造と意識両方が変わっていく必要があることを示しています。

組織カルチャーが異なるとプロセス、価値観、行動なども異なるという事実は、私自身、複数回の転職で身を置いた過去の組織で経験しています。今所属するウイングアークも例外ではなく、現在進行系で組織のVision・Core Valueを浸透させる活動に参加しているので、このカルチャー・ダイアログはとても分かりやすかったです。

Learders Go First

トレーニング中、次のような印象的なお話しがありました。

カルチャーを作るのはリーダーであり、リーダー自身が自分のマインド、振る舞いから変える。そうしていけば周りもよい影響を受ける。

これをサホタさんは「Culture Bubbleを広げる」と表現しました。

私が所属するSPQI部は1年ほど前から組織改革がはじまり、会社のVisonに沿った戦略・戦術に修正をしている最中です。つまりはサホタさんが言うCulture Bubbleを作り、広げる重要性を再認識しました。まずは自分を含めたリーダーが変化しなければならない、ということを肝に銘じて行動します。

Sahota Playbook for High Performance

Culture Bubbleを作って広げる道筋がPlaybook (定石集) です。Playbookのベースには、心理的安全性と平等な発言権、傾聴、思いやり、忍耐などがあります。

Playbookでは以下のことを確認していきます

  • 関係者と健全な関係を築けているか
  • 組織内の課題が重要であることが認められているか
  • なぜ重要かが理解されているか
  • 課題を解決するための戦略、プラクティスを実行した結果、組織は変わったか
  • リーダーが率先して変わったか

上記のどこかで NO になるならばベース(心理的安全性、平等な発言権、傾聴、思いやり、忍耐)となるどれかが自身に足りていないはずです。立ち止まって足りない部分を考えてから再度スタートになります。

Playbookはハイパフォーマンスな組織になるためのJourneyでどこから進んでもよく、これをリーダーが継続的に続けることでCulture Bubbleが作られ、広がっていきます。

High Performance Culture

ここでは有名な「ティール組織」になぞられて話が展開しました。組織は5つの進化段階に分けられ、赤が最も原始的で、アンバー、オレンジ、グリーン、ティールへと進化していきます。

  • 赤+アンバー:強力なリーダーの決定で動く階層構造の組織です。リーダーが個別に責任を与えた結果、サイロになります。つまり、サイロはリーダーが生み出します。
  • オレンジ:達成型の組織。実力主義で早く成長したいために、成功が保証されていることしかできません。つまり、失敗するチャレンジがゆるされず心理的安全性が低い状態です。
  • グリーン:人を重視した組織。階層はあるが個を重視し、このような組織がアジャイルのマインドセットを支援します。
  • ティール:ネットワーク型組織。自己組織化され、権限を共有します。このような組織がアジャイルのマインドセットを支援します。

私達の組織は今どの辺にいるか?をワークを通じで再認識しました。まずは現在地を確認することが重要で、リーダーが自分の組織の現状を理解して行動すれば組織は変わります。

リーダーとして成長するための4A

4A意識的リーダーシップのフレームを用いてうまくいっていないリーダーシップ行動について整理します。

4Aは以下の頭文字です。

  1. Awareness(認識)
  2. Acceptance(受け入れ)
  3. Aspiration(願望)
  4. Ask for help(助けを求める)

うまくいっていないことに向き合うことは苦痛ですが、苦痛を乗り越えることができれば成長することができます。この4Aのフレームワークで日頃どうしようかな...…モヤモヤするな……と思っていることを整理すると自分の行動を見直せるように思います。

おわりに

私自身のリーダーシップそして、自分たちの組織の現状を見つめる2日間となりました。ウイングアークはまだまだ進化できるのびしろのある組織ですことを再認識したので、明日から ’私自身が変わって’ 周囲によい影響を与えられるように努力します。そして、CAL2のトレーニングも受けたいです。

なお、今回のエピソードはサホタさんご自身のBlogにより詳しいお話が載っていますので、組織カルチャー、リーダーシップに興味をもってくださった方はご一読ください。

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