吉富のCES2017レポート まとめ

Ryosuke Yoshitomi
吉富亮介のCES探訪
10 min readFeb 7, 2017
メイン会場であるLVCCの一幕。前に行きたいのに全然進めない。

先月1月頭にラスベガスに行き、帰国してから既に1ヶ月以上が経ちました。一度社内でレポート会を行ったものの、日々記憶は薄れていくもの。

ということで、改めて「初めてCES2017という場に行ってみて感じたこと」の雑感をここにまとめておきたいと思います。

簡単にですが、下記のようなことを書いていきます。ちょっと長いです。

01)世の中の広さと実体験の強さ
02)見せ方の強さ
03)個人的に気になったものBEST5
04)CES2018〜はどうなるのか(勝手な想像)

※ CESってなんぞ?という方は こちら をご覧ください

01)世の中の広さと実体験の強さ

スタートアップメインの会場 Sands -Eureka parkの一幕。特にフランス勢がすごかった。

昨年の3月にSXSWに初めて行った時にも感じたことでしたが、世の中は広く、たくさんの人たちがいるんだということを、改めて実感させてくれました。世界、マジ広い。色んな人、たくさんいる。

そんなの当たり前じゃないか、ワールドワイドウェッブにアクセスしたらもっとすごい数の人がそこにいるんだぞ。という話なのかもしれないですが、直に見て、体験することで改めて理解できる「実感」「熱量」というものは、やはりリアルな場で感じるのが一番だなと。

特にスタートアップが集まるSands Expoという会場では様々な国から「我らの考えた面白いもの/すごいものを見てくれ!」という熱気を嫌というほど浴びることができ、初日は本当にヘトヘトに。(正直に言うと、期間中ずっとヘトヘトでした)
※どんなものをここで見たかはこちらの記事をご覧ください。
吉富のCES2017レポート「Eureka Park」

なので、今年は海外に限らず日本でもそういう場にもっと行ってみたいと思いました。
一度も行ったことのないすごい集客力・熱気のある場だと、コミケとか?
ニコニコ超会議は去年、一昨年と2回連続で行けたので、できれば今年も行ってみたいかな。

02)見せ方の強さ

Eureka Park内で行われてたスタートアップ企業によるピッチブース。話がおもしろい人はやっぱり反応もいい。

色んな企業が並んでいる中で、同系統のところをいくつか見ていると「なんだかさっき見たのと同じようなモノだぞ」と感じてくるものが多くありました。それはきっと、同じような事業をやっているのだから「似てくる」のは当たり前なのだけれど、直感的に「ここはなんだかすごいな」と思えるような企業は自ずと目にも耳にも入ってきました。

もちろん発表しているモノ自体が「新しい」「既存のものからDisruptされてる」という場合もあるとは思うけれど、そうではなくても差別化できてるものってあるなと。

例えば、家電メーカーとしてはLG社が印象強く残りました。
天井から壁にかけて全体を覆うようにOLED( LG社の有機ELブランド名)で映し出す映像のトンネルを潜ると、自動で回転しその薄さを主張するTVが待っていて、そこを抜けると、音声認識技術のAmazon Alexaを搭載したシースルー冷蔵庫がパフォーマンスを見せてくれる。などと導線がスムーズで、次々と新しいものを体感させてくれることで、他社と「圧倒的に違う」商品群ではないのに、なんだか「LGの製品はいいかも」と思ってしまった。

薄いテレビを印象付けるために自動で回転するパフォーマンスはみんなが立ち止まっちゃってた
LG社のスマート冷蔵庫「Smart InstaView」Amazonへの注文やら音楽の再生などもできちゃう。

見せ方、プレゼンはやっぱり大事だなと。結構そこに尽きるなと感じることが多かったのもCES2017での気づきかも。

あと、EurekaParkやLVCC奥にあった中国ブースではその見せ方部分で大きな差を感じた。活気の違いも。「こっちもCESだよね?」とちょっとびっくりした。でも日本の展示会ってこういうところあるなーと肝に銘じる結果にも。

みんな同じフォーマットのブースに各社のプロダクトを置いていた。正直賑わってなかった。

03)個人的に気になったものBEST5

私が見ておもしろいな、欲しいなと思ったものをご紹介。

5. SONY「Xperia Projector」

これは去年2016年時点で発表済みだったプロダクトでしたが、実際に見て触ったのは初めてで「ああ、家に欲しいな」と思いました。
簡単に言うと、タッチセンサーや音声認識機能を有した小型プロジェクター。これを使うことで、家の様々なIoT機器を壁に映し出した映像へのタッチなどで操作することができるというシロモノ。

本当は Life space UXシリーズの超短焦点プロジェクターが欲しいと前から思っていたのですが、これ見てこっちの方が欲しくなりました。
いろいろ遊んでみたい。

※オフィシャルのコンセプトムービーはこちら

オオー!しか言ってなさすぎて恥ずかしい映像

4. Sleep Number「Sleep Number 360」

次が、スマホでベッドの温度や硬さ、リクライニングを操作したり、時間や日々のリズムを学習して起こしてくれるスマートベッド。
我が家はよく朝の起床時間が不規則になりがちなので、これを導入することでスムーズな睡眠、起床を取り入れることができたらいいなと。

最初この寝転んだ時に見える真上のモニターもセットなのかと思ってスタッフの人に聞いてしまった

3. HONDA 「倒れないバイク Honda Riding Assist」

私自身はバイクや車に全然乗らない(一応免許は持ってる)のだけれど、今すぐ乗ってみたい!という気持ちになったのはコレでした。いろんな車メーカーのブースを見てココが個人的には一番印象的だったなと。
他社ブースがコンセプトモデルや映像のみに従事している中で、ほぼ唯一と言っていい形で「試乗」や「デモ走行」を見せていたことで、その「実体験の強さ」があった。
※オフィシャルのムービーはこちら

奥に見える小さなモビリティが同じ技術を搭載した「UNI-CUB β」

2. kino-mo「kino-Hypervision

Sands Expo内 Eureka parkでも一二を争うレベルで常に人だかりができてたのがこのブースでした。LEDのついたプロペラを高速回転させることで立体的な映像を映し出すプロダクトで、イベント会場や店舗での製品デモを見せることを目的としているみたい。
とはいえ、使い方はそれだけではなく色んな方法がありそう。

自分が撮った映像は微妙だったので、動きは本サイトで http://kino-mo.com/

1. Amazon「Alexa」

ここにきて、これかよー。というご意見、ごもっともだと思います。もっと「みんなは全然注目してなかったけど、これすごかったぞ!」というものがあったらとは思ったのだけれど、やはりこれは外せないなと。
他の色んなメディアの方々や、出展されてた方々含め、みなさんが言ってましたが今年のCES2017の最大トピックの1つはこの「Alexa」の存在だったと思います。なのにしっかりしたAlexaブースがなかったのも印象的でした。
※ちなみに「Alexa」とは、Amazon社が提供する音声認識機能を有したクラウドベースの人工知能のこと。Skillというアドオンを追加することで色々カスタマイズが可能。Skillは企業や個人でも開発できるように情報公開していて、それが今回の要因とも言えます。

他企業が提供する音声認識技術、AIもいろいろと出ていましたが、Alexaが断トツで採用率が高く(CES2017の中ですでに700以上のプロダクトが採用していたそうです)、もう他の追随を許さないとはこのことだ!と言わんばかりの存在感でした。

これを受けて、且つ今年日本語への対応をすることで、来年は日本企業もたくさん対応プロダクトを出すんじゃないでしょうか。

このでかい Amazon echoオブジェの中に入ると、Alexaの音声ガイド体験ができました。楽しかった。

04)CES2018〜はどうなるのか(勝手な想像)

ここで、勝手な想像を。
約1年後、CES2018ではどんなモノコトがトピックとして出てくるのでしょうか。

1つ目はすぐ上でも書いたことですが、「日本企業のAlexa(もしくは他の音声認識技術)対応プロダクトが多く登場」するのでは、と思いました。
今年のAlexa無双による現場を見た、各社担当者の方々の生の意見が聞きたいところ。みんなで話しながら飲む会とか開きたい。

2つ目は、あの企業がこの分野に!?といった別分野とも思えるところへの参入が色々ありそうだなと。あまり根拠ない想像を。
それというのも、今年のCES2017を歩き回ってみて「メルセデスが健康管理を車でやります」と言ったりするようなものをいくつか見て、自分の中での固定概念から外れたアイデアを形にしている企業・人がいま世界中にたくさんいるんだと感じたことが大きい気がしてます。むしろ今までが固定概念の塊すぎた。

例えば、車メーカーから食品廃棄物をリサイクルするプロダクトを発表(もちろん “車メーカーだからこそ” の理由があって)といったようなニュースが起きないかな、一緒に起こせないかな、という最後は願望だったりしますが、そんなことを思いました。

そんな今は2月。来月はSXSWが開かれ、また新しい何かが発表されたりすると思うので、そちらも楽しみです。
さらに言えば、半年後ぐらいにはいま想像している事とは全然ちがう方向に世の中向かっているかもしれないですね。その時はその時でまたわくわくできたらいいなと思います。

最後に

CES2018に行く予定/行きたいと思っている方は是非いまのうちにホテルの予約を取っておくことをオススメします!ぎりぎりに取ると本当に高い部屋しか残っていないので、、、飛行機も大変な金額になってきます。

私が宿泊したホテルはスロットマシン群を抜けないとフロントにたどり着けないシステムでした

ということで、雑感をつらつらと書いたのみにはなりますが、この辺で。
もっと詳しく!どんな内容だったか教えて!などあればご連絡もらえると嬉しいです。飲みに行きましょうー!

長文お付き合いいただきありがとうございました!

--

--

Ryosuke Yoshitomi
吉富亮介のCES探訪

吉富亮介 1984年生まれ。McCANN TOKYO Creative Planner / McCANN MILLENNIALS Co-Founder、MILLENNIALS TIMES編集長。色んなものを良くする、解決する「アイデア」を形にしたくて仕事しています。最近やっと英語勉強中。あと、PGFJごくごく。