「あまりにも短い夏2021」
東京が五輪開会式に沸く中、僕たちは飲むのに忙しかった。何せ、旅先にいた。燃え盛る炉端でサウナ状態になった3軒目の店内のテレビを観ながらようやっと同行者と「あぁ、オリンピック(笑)ね。MISIA歌ってんな、おい(笑)国歌がJ-POPになってんぞ(爆笑)」と話し、左手に生ビール、右手は和風スペアリブと呼ぶにふさわしい「新子焼き」にベアーハンドでかぶりつくのに忙しかったのだ。すなわち、開会式に目線を送るほど僕らは暇じゃなかった。7軒の酒場行脚を終えた翌朝、「ブラジル」という昔ながらの喫茶店でLARKをふかしながらTwitterを覗いてみると、開会式が「日本の文化的貧しさを露わにした」だの「終わりの始まり」…