熊野古道 小辺路その3(三浦口〜十津川温泉)

2014年05月17日(土) ~ 18日(日) 

Jean. Ohmori
10 min readMay 25, 2014

小辺路1日目の後半その2(後半その1はこちら)+2日目の前半。

ここからの三浦口〜十津川温泉の地図はこちらを参照の事→PDF

さて、三浦峠登山口なのだが前のトンネルからトボトボと歩いてきた。

だいたい10分程でここ、三浦峠登山口入口(17:41)に到着する。

ここには世界遺産熊野参詣道登山マップに載っているイラストをリアル化したモノが目の前に本当にあった!

ただこれだけでは分かりづらいのか、道向かいにちゃんと三浦峠登山口と書かれた矢印と道標石が置いてあるので安心だ。

それにしても…個人のガレージが三浦峠看板と結びついたというだけで、これだけ存在感を放つ事もそうそうあるまい…そう考えていくと道標なんていうものは元来そういうものなのかもしれない。

そのガレージ横を通る小道を歩いて、吊り橋を渡って行く。

その赤い吊り橋を船渡橋と呼ぶらしい。

で、その吊り橋を渡る前に自販機やら無人販売所やら書かれている道標が誘惑してくる、実によく考えられている(笑)手前の水場で顔を洗って気を引き締めて吊り橋を渡った。

三浦峠登山口(17:45)には、今ではすっかり有名になった激励看板「いまからがんばれ」を見る。

これを書いた子は一体今は何歳になっているのだろう?

そして、三浦峠までの所要時間3時間に目がくらむが、日没時間はだいたい19:00前なので…1時間チョイで三浦峠まで行くペースを設定。

途中、一面に咲くお花畑に心奪われながらも先に進む。

で、激励の新バージョンがあっても…って、これはかなり心奪われました。人恋しい時にこのハートマーク、素直に嬉しい。

チョイ負けです(笑)

そこを過ぎ、有名なアプローチ路を登って行きます。

やっとここまで来れたんだな!そう思う瞬間です。

そう思えるぐらい三浦峠は昔からトレランをしている人にとったら、とてもドラマチックで憧れの場所なんだと思う。

で、またしても一般常識では民家の軒先で庭なんじゃぁ…という所を平気で通って行く…だけでなく、そこにちゃんと道標があるのが相変わらず違和感が…。

でも、そこを通らないと先に行けませんから!

民家が無くなると一般的な登山道に。

暫くすると吉村家跡(18:11)の見事な防風林が現れてきます!樹齢は500年前後なのだとか?そのせいかとても神秘的でした♪

そこを過ぎると何か物音が?で、そちらの方に目をやると…イノシシの親子が!と同時にこちらに気づいたのか凄い斜面をもの凄いスピードで駆け上がっていった!

あの瞬発力は羨ましい限りです。

そこから暫く行くと、今度は三十丁の水(18:38)があります。旅を終えて今思うと、ここの水が道中一番旨味があって美味しかった様に思います。

ガブガブ飲ませていただきました。

そこからちょい行くと三十丁の水~三浦峠間の通行止めが解除されてて、今まで使っていた迂回路が閉鎖されていました!これはラッキーですね♪

なんでも、復旧工事が完了しましたので、平成26年4月1日(火)から通行止めを解除いたします。これからは、災害前のように正規の登録ルートを歩いていただけるようになります。なんだとか♪(通行止め解除のお知らせ)これは知りませんでした!

なので復旧した正規ルートを通るのですが…これがまた痛ましい…。

それでも、あの台風被害からここまで通れる様になったのだから凄いものです。そこを歩ける事をとても感謝しています。

正規ルートは山を巻いて行くので、お蔭で山に沈んで行く綺麗な夕日を眺める事ができました。ゆっくりと変わりゆく空の色はとても淡く、他のもので表現しづらいものです。それを見れるのはその場所に行く事が出来る者の特権でしょう。

控えめに色づいては映え、もの静かに色褪せていく…暫く三浦峠手前の坂で時間の経つのを忘れ、夕日を眺めていました。

こうして私の小辺路1日目は終わりました。

小辺路2日目の朝(小辺路2日目の前半)。

昨日、日が沈んでから計画段階で目を付けていたうちの一つであった三浦峠の東屋でビバークさせてもらいました。近くにトイレもあるのでとても便利が良かったです。水場も小辺路を少し先に行った所に沢がありました。

ただ北面が伐採などで開けているので風の通りが良く、3時間毎に鹿のパトロールが来て見慣れぬ物に警戒して鳴き、上空が飛行機の通り道なのかその音が意外に響くのが気になりました。

でも良い事もありまして、この場所はドコモのケータイがアンテナ3本で安否確認の報告が出来るのです♪

2日目は外が明るくなってる5:00ぐらいに起床して、軽く食事&片付けをし、1日目の高野より断然暖かいのですが、それでもレインウェアの上を着て三浦峠を6:00に出発!2日目の始まりです。

まずは、三浦峠後ろにあり横に走る林道を跨いで、奥に見える林間の小道へと進みます。

そこを暫く行くとチョットした崩落箇所に出会うのですが修復されてます。そして、沢に出ます(6:02)。

この時は結構な水量だったのでそうそう枯れる沢ではないのかもしれません?

もし、三浦峠で野営されるのなら知っていて損ではない情報です。

この沢ぐらいまで路が若干心許ない感じですがそれ以降の下りはとても感じの良い路で、徐々に軽くなっていく装備と共に足取りも軽くなっていきます♪

途中、広場に出ますが、そこは古矢倉跡(6:08)だそうです。

次は出店跡(6:18)。

かつては茶店や旅籠があり、周辺には水田があり、往時は豊な田園風景だったとか?

確かにその痕跡の規模が少し大きく感じるのでそうなのかもしれません、と想いを馳せる。

その次は五輪の塔(6:35)。

ちょっと高台にあり、気持ち良く走っている最中だったので見逃す所でした。

途中、何か横切るものがいたので、何かな?と目を凝らしてみたら野生のリスでした!

鹿、イノシシ、ウサギ、と見てきて今度はリス!

実はトレイル上でリスを見たのは初めてだったりします、感激です♪可愛らしいですね。

そして、次が矢倉観音堂(6:56)。中に三体の石仏像が安置されていて、ここの左の地蔵菩薩立像が耳に良いらしく、頭を撫でると快方に向かうらしいです。この旅のもう一つの目的が、うちのカミさんの耳の事をこのお地蔵さんに頼む事なのでしっかり撫でてお願いしてきました。

で、気持ちの良い下りトレイルを快調に進んでいると、前から二人のおっちゃんが!今日初めて♪と喜んで挨拶をして話をしていると、トレイル整備を月2回任されている方達でした。なかなか気さくな方達でついつい長話を…すみませんでした…なんせ人恋しいもので…。

で、話はトレイル整備から小辺路を旅する人の事などから始まり、昨今話題になっているダニのことまで…現場の活きた体験談なので大変約に立ちました、ありがとうございます。お蔭でまたダニが恐くなりました…

その二人と別れた後、程無くしてこの極上の下りトレイルは民家横に出て終わりを告げました(7:11)。

三浦峠からここまで約1時間。もっと身軽ならもう少し詰められるかと…。

三浦峠越えを終え、十津川まで出て来た。出てきてすぐ近くに水場が。ここで水を飲み、顔を洗い、気分一新で先を急ぐ!

ここからの行程はアスファルト道〜トレイル〜アスファルト道〜トレイル〜アスファルト道で西中バス停となります。

その間のトレイルは古道らしくは無いのですがひっそりしっとりとした感じの良いトレイルでした。

さて、そのトレイルから今度は西中の集落に入って行きます。

西中バス停に到着(7:33)。ここで選択を迫られます、なんの変哲の無い単調なアスファルト道を約7.5km歩いていくか、それとも村営バスに乗って昴の郷で降りるか。

私は決心がつかず、歩きながら考える事にしました。とりあえずトボトボと歩き出し、先に進んでいくと公衆トイレ(7:48)があったので、用を足し、そこの水道で水をフル補給。

で、まだ決心がつかないので先に歩き始めました。

で、途中犬の散歩の方とお話ししたりしてたら橋を渡った玉垣内のバス停(7:56)でバスが来る時間になったので乗る事にしました。

あかんです...道が単調過ぎて私には堪えられません…(><)

今度は素直にバスに乗り、昴の郷へ。

乗っていると意外にバスに乗ってくる人が多いです。で程なくして昴の郷(8:25)へ。

降り際にバスの運転手さんが、道を教えてくださいました。右の細い道を行き、トンネルを渡って吊り橋を行ってください、と。ありがとうございます、感謝感謝です。人に出会う事は少ないですが、こういう何気ない心遣いが溢れているのに気づかされます。

トンネルを通って(旧道?)、直ぐにとてもデンジャラスな吊り橋(8:29)があります!

これはこの道中一番危険なヤツや…

気を引き締めていかなければ!

【コースタイム】

三浦峠登山口入口(17:41)→三浦峠登山口(17:45)→吉村家跡防風林(18:11)→三十丁の水(18:38)→三浦峠(19:05)→ビバーク

三浦峠(6:00)→古矢倉跡(6:08)→出店跡(6:18)→五輪の塔(6:35)→矢倉観音堂(6:56)→西中バス停(7:33)→玉垣内バス停(7:56)→村営バス→昴の郷(8:25)→デンジャラスな吊り橋(8:29)

つぎの 熊野古道 小辺路その4(十津川温泉〜八木尾)はこちらへ。

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Jean. Ohmori

ずっとスポーツに慣れ親しんできましたが、子どもの体力低下が気になり野外活動に軸足を移すことに。 多くはありませんがそれなりにマイナースポーツをしてきたことが今に役立っていますがやはり移り変わる中で日々勉強が大事だと痛感しています。普段は気になる事が少ないB型(♂)です。