間取り図データで住まい設計が変わる?
前回は「楽天はなぜ間取り図を骨抜きにするのか?」という記事を書いたところ、まぁまぁ反響があったので、さらに突っ込んで未来を先読みしてみたいと思います。
とりま「間取り図 自動化」でググってみましょう。すると、こんな記事にたどり着きました。
AI(人工知能)で住宅建築の間取り設計はいつから自動化されるのか?
「グーグル社から独立したFlux社は、同社で開発した自動設計システムの事業化を図っている。建物の意匠や構造、設備の要素データを含んだ『建築の種』をパソコン上の敷地に配置すると、三次元モデルを自動生成する。法規制をクリアするように位置や高さ、長さなどを調整できる」
「建物を建設する前に時間が掛かっているのは、周辺地域との合意形成や建築確認の手続きだ。半分の工期を実現するために、まずこの部分に着目した」(チム氏)。
ビルの建築計画をクラウドシステム上に3Dモデルによって表現することで、周辺の住民や建築行政の担当者も同じように計画を理解できる。そのため、合意形成や建築確認が短時間でスムーズに行えるようになり、建設前の段階に費やす時間を短縮することが期待できる。
同社CEOのチム氏は、建物も自動車と同じように設計・生産される、という世界を描いているようです。
私が読んだ時、パッとイメージが浮かんだのがコレでした。
Google Wants to Build the ‘City of the Future’ in Toronto, and Locals Are Worried
「モジュラー化された家」といったところですね。モジュラー化することで、手頃な値段で且つ多様な組み合わせを実現できそうです。
ガワ(建物)が自動的に決まれば、あとはナカ(間取り)をどう設計するかだけになりますね。
すると、
間取りの設計技術とデータが、住まい設計自動化ビジネスのラストワンマイル
になりそうです。
では、FluxやGoogleが描く未来が実現されるとき、テクノロジーはどう進化していくか、考えてみましょう。
「動線 間取り」などで特許を検索してみると、住宅メーカーから結構特許が出ていることがわかります。
興味深い特許がたくさんありますが、
今回は「コンピュータを用いた建築物の動線計画方法」を取り上げます。
技術内容は、滞在頻度の高い複数の拠点を起点に動線を入力したうえで、総移動距離を推定算出し住宅の間取りの良し悪しを評価する、というシステムのようです。
明細書には、「個々の顧客Kの移動パターンを決定するには、予め演算処理装置16に入力されている標準的な移動パターンを選択する方法と、個々の顧客Kの移動パターンを個別に入力する方法とがある。上記標準的な移動パターンとは、予め多数の顧客Kからのアンケート調査に基づいて作成されたものである。(中略) 標準的な家事労働者の一日の各時間帯
毎の移動パターンが作成され、演算処理装置16に記憶されている。」という記載がある。
つまり居住者の生活リズムのデータが十分に蓄積されていれば、間取りの住みやすさを予め評価可能であることがわかります。
ここで使えそうなのが、先の楽天研究所が公開していたデータです。
なんとなく世界がつながってきましたね。
此処から次の先読みは、「間取り図は数値化される」にて。