年収とシリコンバレーとソフトウェアエンジニア

Kazuki Sakamoto
Jan 14, 2018 · 9 min read

もしくは柳の下の泥鰌のお話

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シリコンバレーでは、ある程度の経験を積んだソフトウェアエンジニアの年収は3000万円に容易に達しうる

今回も尻馬に乗りますが、このclaimが事実であるか検証します。

シリコンバレー

まず、冒頭の「シリコンバレー」について。

以前書いた通り、シリコンバレーと言われる地域の位置や範囲は、人やコンテキストによって異なるため、同定することが難しいです。具体例を出します。

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この証拠によれば、楽天米国本社があるところがシリコンバレーです。楽天米国本社がどこにあるかというと、San Francisco Peninsulaの真ん中あたり。

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Google本社は、半島の付け根。

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Twitterは、半島の先っちょ。

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ようするに、San Francisco Peninsula一帯のどこか、もしくは全てを指して、シリコンバレーという言葉を使っているわけです。地元民的には、サンフランシスコ・ベイエリアの方が通じます。

ちなみに、最近オープンした丸亀うどんは、ココです。

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これで、若干の土地勘が得られたこととします。

年収3000万円

2018年1月13日現在の為替相場では、年収3000万円は、米ドルで27万3千ドル。収入に関するwarrantとしては、Glassdoorを信頼してください。

ここでGlassdoorを検索して、都合のいいデータを見つけ出すことも可能ですが、正直めんどくさいので、Quoraの回答を使います。

How common is $300k total compensation for Silicon Valley engineers?

$300kだと27万3千ドルよりちょっと多いですが、

It is common IF you are working for

1. Tier-1 companies (FB/Goog/Netflix)

2. Unicorn flush with cash (Uber/DropBox/Pinterest)

「GoogleとかNetflixとか、その手の巨大テックカンパニーで働くか、UberやDropboxのような、いわゆるユニコーンカンパニーで働けば、普通」

Very common, if you include the value of restricted stock remuneration (whether in the form of options or units).

「株まで含めれば超普通」

以上、年収3000万円は普通でした。

…で、納得するわけないですよね。巨大テックカンパニーやユニコーンでは、確かにそれだけもらえるかもしれないけど、じゃあ、それ以外で働く場合は、どうなんだ? と。

たとえばゲーム業界。当然ソフトウェアエンジニアが働いていますが、どんな感じでしょう。

ここに興味深いツイートがあります。

もし仮に、ゲーム業界のソフトウェアエンジニアの収入が、GoogleやAppleという巨大企業で働いて得られる収入に匹敵しているのならば、「家族を養う為に」転職する必要はないはずです。つまり、相場観としては、GoogleやAppleでの収入より低いと認めざるを得ません。

捕らぬ狸の皮算用の前に、Glassdoorで十分に調査してください。シリコンバレーも一枚岩ではないのです。

でもまぁ、3000万円は普通ですけど。

いろいろ細かい説明をすっ飛ばしますが、シリコンバレーのソフトウェアエンジニアは、会社で働くと現金と株をもらえます。Netflixみたいに全部現金だったり、スタートアップでは株のかわりに、株を買う権利だったりしますが、ここでは、現金と株をもらうケースに限定します。以降「株」は「RSU」と表記します。RSUって言ったほうが、通っぽいですからね。詳しくはSchwabのページをどうぞ。

ここから先の話は(も)、会社によって異なります。細かいことを言うと、ポジションごとや、オファーごとに違う可能性まであります。柳の下には、二匹目のドジョウはいないこともあるのです。

RSUのGrantとVesting

会社が従業員に「RSUをあげるよ」って約束したら「Grant」して、会社が従業員に「RSUを実際にあげる」のが「Vesting」です。図式で示します。

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入社時に「Initial RSU」を「Grant」するのが普通です。1年目はInitial RSUの四分の一、つまり25%が「Vesting」されます。1年目が25%ということは、2年目も25%で、3年目4年目も25%づつです。4年かけてInitial RSUをもらうわけです。

実際に、RSUがあなたの証券口座に入るスケジュールは、会社によって違いますし、入社した時期でも変わります。また、AmazonではInitial RSUのvestingが1年目5%、2年目15%、3年目40%、4年目40%という傾斜になっているというウワサです。

2年目以降は、「Refresh RSU」が毎年「Grant」され、やはり4年かけて「Vesting」されます。2年目のRefresh RSUは、2年目に25%、3年目に25%、4年目に25%、5年目に25%。

Initial RSUもRefresh RSUもわかったけど、いったいいくらもらえるかって?

Initial RSUは、オファーレターに明記されます。

Refresh RSUは、パフォーマンスレビューの結果に依存するでしょう。とはいっても、Initial RSUの25%くらいは期待してもいいかな、ってところ。もっと?

はい、5年目の減りが気になりますね。

だから、シリコンバレーのソフトウェアエンジニアは転職しちゃうんです。理由なんて人それぞれですが、きっかけの一つにもならないとは言い切れません。転職すると、GrantされててもVestingされてないRSUは消え失せます。

現金

次は現金。大きくわけて3つ。ベースサラリーと、ボーナスと、サインアップボーナス。同じく図式します。

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え、サインアップボーナスなんてもらってないんだけど、ですって!? 前述どおり、オファー次第です。

Compensation

現金とRSUを合計したのがCompensation。3000万円行くやつですね。

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1年目で3000万円行くかどうか、それはあなたの腕次第。会社、ポジション(SeniorとかStaffとか)、オファーに依存します。

インフレ

入社以降、入社したときと同じパフォーマンスを発揮し続けられれば、もらう現金とRSUも維持できることでしょう。もしくは、アメリカのインフレ率に応じて、若干の昇給も期待できます。

毎年2%とか増えてもいいんじゃないですかね。

また、アメリカの株式マーケットの成長率も無視できません。

仮に毎年10%株価が上昇することを期待してみます。

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ほら、こんなに多くなるんです。

いまいち、よくわからないので、インフレなしバージョンと重ねます。

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いかがでしょうか。

1年目が3000万円だとしたら、4年目はいかほど?

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信じるも信じないも、あなた次第です (続きは可処分所得の話)。

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