こんにちは、AppSociallyの萩原です。私たちの会社でUXチームの運営のベースとして「UX for Lean Startups」を使用しています。非常に優れた書籍ですが、日本語版が出版されていませんので、その内容をこれから何回かに分けてお伝えしていければと思います。

http://www.amazon.co.jp/UX-Lean-Startups-Experience-Research/dp/1449334911

UX for Lean Startupsとは?

「 UX for Lean Startups」は、Lean Startupsのサイクルに沿ってUXを創り出していく実践的な方法が書かれた書籍です。シリコンバレー界隈のUXデザイナーたちの中ではバイブルとなっています。それぞれのステップについて具体的な方法や過去の事例が織り交ぜられていて、分かりやすい内容になっています。

著者のLauraは、エンジニア兼デザイナーであり15年以上スタートアップにおいてUX指導を続けているプロフェッショナルです。LauraはLean Startupの著者であるEric Riesのスタートアップで一緒に働いていた経験もありますので、UXチームの視点でLean Startupを実践するためのノウハウや経験としては、Lean UXという言葉の生みの親であるJanice Fraserと並んで、Lean UXについての第一次情報源と言える人です。 まだ訳書がなく英文で読むしかありませんが、このブログが本著を読む際に少しでも助けになれば幸いです。

それでは、本の内容を紹介していきます。

Foreword

誰のための本?

アントレプレナー、プロダクトデザイナー/マネージャーの人たちに向けた本です。その中でも特に、スタートアップでイノベーティブなプロダクトを創ろうとしている人に向けています。

何が書かれている?

ユーザーに愛されるユーザー体験をつくるために、どうやってユーザーを理解していくかが書かれています。

この本で書いているUXデザインは、ユーザーインタフェースのあるすべてのものに役に立つでしょう。ハードウェア、ソフトウェア、それにドアノブまで、人々が関わる可能性のあるすべてのものです。

どうやって読み進めればいい?

好きな場所から読み進めてください、順番に読み進める必要はありません。あなたのいま手がけているプロダクトのフェーズに合ったTipsを見つけてください。

ただし、全てを読む必要はありませんが、自分が理解していると思い込んでいて、実際は出来ていないことも多いので注意してください。例えばユーザーリサーチは、一見簡単なように見えて、実際に実践することは難しいです。

また、何も考えずに書かれた通りに実践してもプロダクトが改善していくわけではありません。この本はレシピ本ではないのです。あるときにはデザインしたり、ユーザーを観察したり、テストを走らせたり、複数の方法を同時に実施したりする必要が出てきます。

この本から、より早く、精度高く、そして安くUXを高める実践的な戦術を習得してください。

この本に関して質問がある方に向けて、Lauraのemailアドレスが紹介されています。

Introduction

“Get out of the building”の先を考える

“Get out of the building”は、Steve BlankとEric Riesによって提唱されたフレーズです。もしあなたが、Steve BlankとEric Riesそしてリーンスタートアップの手法に精通していないのならば、一読することをおすすめします。

“Get out of the building”は、ユーザーが求めているものをつくる上で大切な言葉です。ビルの外に出て、ユーザーに会い、彼らから学び、検証を繰り返していくことはLean startupにおいて最も重要な概念の一つです。しかし、あなたはビルの外に出たあとに、しなければならないことがたくさんあります。使いやすいデザインを生み出したり、継続的にデプロイしたり、アジャイル開発を実施したり、Minimum Viable Productを開発したりしなければならないのです。

それらに精通したプロフェッショナルを雇うことも出来ますが、残念ながら使いやすいデザインを実現できる経験のある人は少ないです。
だからこの本を読んで学んでください。ビルの外に出たあとに次にどこに行けばいいのか、これから解説していきます。

Lean UXとは?

Lean UXは一過性の言葉ではありません。デザインの改善にあたって土台になるものであり、長い間多くの人々に実践されてきた手法です。

また、実際に多くの人はユーザー中心設計(user-centered design)やアジャイル設計(agile design)と混同しがちです。理由として、Lean UXの大部分がユーザー中心設計やアジャイル設計に近いためです。しかし、Lean UXにはそれら二つにはないデザインの手法も含まれています。それでは、具体的にLean UXを定義していきましょう。

今回はここまでです。次回はLean UXの定義を紹介していきます。

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Shingo Hagiwara

サンフランシスコと東京でエンジニアをしています。SFまわりの話題について書いています。 @AppSocially / @ChatCenteriO