【連載②】仮想通貨の価格変動にも左右されないクオンツ投資とは

HEYBIT
7 min readJan 29, 2020

--

仮想通貨にお金を入れるのは、果たして「投資」なのか投機なのかに対する意見はまちまちです。「投機なのでやめるべきだ」という意見、「ギャンブルのように投機に近いが、適切な比率でやるならいい」という意見、そして最後に投資だという意見です。

「投資」と「投機(ギャンブル)」の違いとは?

実は、二つはよく似ています。

ここでは簡単に「特定の資産や戦略の期待収益が預金金利より高いと投資、低いとギャンブル」と定義しようと思います。(他の定義や区別についてはこちら

つまり「投資」とは確率的に勝つ可能性が高い(期待収益率が0より大きい)時に行うゲームです。

カジノのルーレットで丁に100円をベッティングすれば勝率は48.6%であり、勝てば100円を取ります。

つまり、平均的にかけるたびに2.8円(100*0.486–100*0.514)を失うことになります。この確率は絶対変わりません。なのでルーレットはギャンブルです。

つまり、平均的にかけるたびに2.8円(100*0.486–100*0.514)を失うことになります。この確率は絶対変わりません。なのでルーレットはギャンブルです。

ルーレットがギャンブルである理由

もし100円をベッティングして勝率が55%で、勝てば200円を取り、負ければ100円を失ったら?

それでは一回のベッティングで平均的に65円(0.55*200–0.45*100)を取ることになります。

金額を増やして一度に100円ではなく、1,000万円をベッティングすれば?

650万円を手にすることができるでしょう。

「こんなありえないカジノがいったいどこにあるんだ?」

という声が聞こえてきそうですが、あるんです。

仮想通貨市場に。

確かになんとなくで投機・ギャンブルすればこの確率は絶対出ません。

特定のルールに従った戦略を使いこなす「投資」をしてからこそ、こんな驚くべき確率が出れるのです。

このシリーズでは 「仮想通貨への投機(ギャンブル)」を「投資」に変える方法を詳しく教えたいと思います。

「マネーボール」を仮想通貨の投資に!?

ブラッド・ピット主演の「マネーボール」という映画を観たことはありますか?

各種統計から選手を客観的に評価する測定法を用いて、他球団からは評価されていない埋もれた戦力を発掘し、低予算でチームを改革する実話をベースにした映画です。

彼はデータ分析に基づいた測定法で低予算でチームを優勝させる

投資にも「マネーボール」と言えるテクニックがあります。

それが「クオンツ投資」です。

2017年から仮想通貨市場に莫大な個人のマネーが流入され、2018年のバブルがはじけることにより非常に多くの投資家たちが大きな損害を被りました。

これまで仮想通貨関連の書籍も多く出刊されていますが、どのような戦略で投資し、どのようにリスクを管理すべきかについて具体的かつ計量分析的な方法が書かれている本は多くありません。

クオンツ投資とは高度な数学的テクニックを駆使し、マーケット(株式、債券、為替、金利、コモディティ)や経済情勢などのデータをコンピューターで分析して作られた「数理モデル」に従って運用する投資のことをいいます。(定義の詳細についてはこちら

著名な教授たちの数多くの論文でも、クオンツ投資の有効性を証明しています。

上記の定義の「マーケット」には資産クラスの一つとして入っていませんが、仮想通貨市場にもこういったクオンツ戦略を適用して、高い収益を上げながらリスクは抑えることができるのです。

つまり、球場での「マネーボール」が

仮想通貨市場では「クオンツ投資」です。

クオンツで仮想通貨投資の世界を変えられるのか

なぜ仮想通貨の投資にクオンツ!?

ビットコインなど特定の仮想通貨の価格が上がり続ければ問題はありませんが、仮想通貨のボラティリティ(価格変動性)があまりにも大きいため、たった1日でも資産の半分近い損失が生じるリスクが常に存在しています。

仮想通貨のボラティリティにより、含み損が出ても動じない精神力を持つことは投資をする上で重要なことですが、簡単なことではありません。

人の感情は投資に全く適しておらず、投資家のほとんどは相場変動に感情が振り回されて損をしてしまうのです。

それに人間の脳は心理的偏向(bias)があり、間違ってると分かっていても同じミスを繰り返してしまうのです。

そこで投資判断を人が行うのではなく、コンピューターが行うことで相場変動に感情が振り回されることなく利益を得ることができます。

クオンツ投資は客観的にデータのみを見て決まったルールに従って投資するため、激しいボラティリティに左右されずに(投機ではなく)投資できる方法なのです。

ボラティリティに左右されない投資、それはクオンツ! (Source: https://cc.minkabu.jp/column/1363)

それが自分にできるかって?!

実はクオンツ投資やその方法はすでに数十年前から広く知られており、数多くのトレーダーが毎日の売買に日常的に使ってる伝統的なテクニカル取引手法の一つです。

しかし、単純だからって決してバカにしてはいけません。

本シリーズで紹介する極めて単純なリスク管理手法と代表的なトレード戦略の成果は、非常に安全でありながら、有効です。

国内では(ヘッジファンドなどの機関投資家所属もしくは専門個人投資家の)少数のシステムトレーダーだけが、このようなテクニカル分析に基づいた自動売買戦略を駆使しています。

また、システムトレーダーではないから無理だといって、クオンツ投資をはじめから諦める必要はまったくありません。

テクニカル取引の核心となる原理と戦略は大学生でも理解できるほど単純で、簡単です。

次の連載からは仮想通貨の価格が90%以上暴落する最悪のシナリオでも元本の10%以上を失わない「価格変動にも左右されない」戦略の内容を一つ一つ紹介したいと思います。

まずは基礎知識から!

わしもできるぜ!

今後の連載の流れをざっくりと書いてみると

投資の基本から

投資の半分以上は心理:脳の偏りを乗り切れ!

  • 仮想通貨の投資の最大の敵は「自分の心」
  • 仮想通貨の投資にはどうアプローチすべきか?
  • 投資で判断ミスを招く致命的なバイアスのリスト
  • 牛に乗っかったネズミのようにトレンドに乗っかって!
  • 仮想通貨の投資期間中にぐっすり寝かせるクスリはリスクマネジメント!
  • 実戦で使える仮想通貨の投資戦略リスト
  • 投資のレジェンドが語る響きのあるアドバイス

--

--