ERC721x — クリプト収集物の未来のためのスマートトークン

ERC721xとはERC721のエクステンションであり、完全後方互換でありながらも、マルチファンジブルトークンとバッチトランスファー向けのサポートを追加する。

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7 min readSep 11, 2018

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本記事は、ERC721x — A Smarter Token for the Future of Crypto Collectibles(Luke Zhang) の翻訳です。万一誤訳などありましたらPrivate Note機能でお知らせ下さい。

背景

我々Loom Networkでは、メインストリームのユーザーをターゲットにした100%オンチェーンのカード収集ゲーム・Zombie Battlegroundに取り組んできた。

最近Kickstarterキャンペーンを終了し、早期バッカーリワードの一部としてほぼ2百万枚のカードをバッカーのみなさんにお届けした。

我々はERC721のスマートコントラクトからスタートしたものの、それをメインストリーム・フレンドリーなものに適応させる必要があることをすぐ理解した。

こんな感じだ:

  1. たとえプレイヤーが大量のアイテムの移転をする場合でも、移転はごくわずかのガスで可能であるべきだ。 例えば、安価なカード何百枚かを転送したい人がいる。それらは個々ではほぼ価値がないが、束になると非常に高価になる。
  2. 1つのコントラクトに複数のアイテム「クラス」が含まれるべきだ。Zombie Battlegroundのようなカードゲームでは、全アイテムがユニークであるというわけではない。同じカードの同一コピーが何千枚も、様々な所有者に所有されるだろう。そしてコントラクトは、それらアイテムが同一「クラス」の一部であると認識できる必要がある。
  3. マーケットプレイス、ウォレット、さらに既存のインフラストラクチャ(例: Etherscan)との互換性 ウォレットとマーケットプレイスメイカーは、コミュニティにとって価値あるサービスを提供する。またそれら既存の取り組みを利用することは非常に理にかなっている。

現在の状況

こういったものを必要としているのは、我々が最初ではない。そしてGithub上ではいくつかの素晴らしい提案がなされてきた。

しかし全ての単一インスタンスは、完全な新規仕様を作ることで、既存のウォレットやマーケットプレイスとの互換性を犠牲にしてしまっている。

新たな技術進歩を心から支持しているのだが、我々にはこうするのがより実用的なやり方であるように思われる。1ヶ月後に使えるものではなく今使えるものは、全てまとめて断念せずとも、ERC721をどのようにか拡張していくだろう。

我々のアプローチ: 既存のERC721とERC1178を併せる

この問題に対する既存の全解決策のうち、我々のニーズに最も適していたのは ERC1178であった。

  1. ERC20との類似性のため、読んで理解するのが非常に簡単だ —興味を持ったユーザーは誰でもでもスマートコントラクトをオーディットでき、開発者がその中に何を含めているのか見ることができる。それだけ十分に簡単ということだ。 (もしちょっとしたヘルプが必要であれば、 CryptoZombies.io のレッスンを何個かやるだけで十分なはずだ 😉)
  2. 肥大化しない — 必要な機能を実装するための最低限のものしかない。これはバトルテスト済みのコードからほとんど逸れたものではないので、追加されるものが少なければそれだけ安全であるチャンスが多くなる。
  3. ゲームのみならず、それを超えたものにとっても本当に役立つものだ —例えば、 企業の優先株式、普通株式または制限株式を表すことができるトークン作成など。

ERC1178をベースとして使いながら、我々はクリプト収集物をサポートするための非常に薄いオプショナルな機能レイヤーを追加し、そして全てをERC721の互換レイヤーで包み込んだのだ。

我々はこれをERC721xと呼ぶ。

ERC721xは、クリプト収集物のゲームでの実際の使用に必要となる機能のためのサポートを追加している。また既存のERC721サービスと完全に後方互換性を持つよう、互換ラッパーを備えている。

現実世界での使用法

ERC721xは、ERC721互換のどんなウォレットやマーケットプレイスまたはサービスともすぐに使用することができる。

例えば、あなたはTrust WalletでZombie Battlegroundのカードを閲覧し、そして簡単に友人に移転することができる。彼はEtherscanで移転ステータスをチェックし、そしてOpenSeaやRarebitsに送って転売することもできる。

このように、強化されたERC721xの機能(安価なバッチトランスファーなど)をサポートするサービスは、エンドユーザーに技術的詳細を知ってもらう必要なく、バックグラウンドでガス節約の実装をすることができる。

例として、Loom Trading Postでは1枚のカードを送る値段で何百枚ものカードを送信することができ、またPlasmaChainにカードを保存することで完全無料のトランザクションをお楽しみいただける 😎

結論

ブロックチェーンを作っている技術的な部分を超えて、ブロックチェーン技術のスピリットも(少なくとも)同じくらい大切だ。

サービスは、相互運用可能かつオープンで互換性を持つべきである。もしあなた100万個の機能を追加しても、もしエンドユーザーがアイテムを開くウォレットを1つも持っていなくて、それらを見ることができるEtherscanのようなサービスが1つもなくても、問題にはならないのだ。

同時に、技術のためになされた改良はどんなものであれ、可能な限りシームレスであるべきだ。この素晴らしい例はUSBデバイスに見ることができる。「このUSBは1.0か2.0、それとも3.0?」と立ち止まって考える必要は全くない。全ての新機能がサポートされていなかったとしても、善として全く同じ方法でデバイスを使用可能であるということで、我々はこの心的オーバーヘッドを免れている。(少なくとも、USB Cの登場までは 😒).

これら2つの原則で、我々は新たなERC721xを作るに至った。具体的にはクリプト収集物のためのもので、クリプトコミュニティのためにオープンソース化する。

我々のGitHubにて、ソースコードのチェック、コード監査やコントリビュートの手助けをすることができる。

ERC721x source code on GitHub

ERC721xはLoom Network GitHubにてオープンソースとなっている。

Loom Networkは、イーサリアムのハイスケーラブルなDPoSサイドチェーン構築のためのプラットフォームで、大規模ゲームやソーシャルアプリにフォーカスしています。

さらなる情報は こちらから.

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