ロングテールとリトル・ピープル(5)
ロングテール的な「物語」の在り方は、生の意味づけのタコツボ化を生み、他者への共感を欠いた人々で構成される社会を生む。あるいは、それはもはや社会とは呼べないかもしれない。それくらいには不安定な状態になってしまうだろう。
かといって、「大きな物語」の復権は望めない。ITの進歩から見ても、それが起こるのは難しいと予想される。インターネットの普及は、当然のようにロングテール的なものを導く。今後もさらにネットワークの端末は世界中へと広がっていく。一部の国はそれを遮断しようと試みるだろうし、国に力があるうちはそれも可能となるだろうが、いつかは限界が…