蒼い石 — ラブラドライト
巷では、占い師が足りないのですよ。
電話の着信を示す、シグナルが点滅し続けている。
小さな狂気は、水の色。
思い出そうとしてることは、何?
夜が終わりにさしかかる頃、ふと窓から空を見た。
そこには、細く鋭く下方弧を描いた文字通りの「下弦の月」が、東の空に登ろうとしていた。
Ms Rosa Damascena
その女は、椅子に姿勢正しくまっすぐに座って僕を眺めていた。
海岸沿いの細い道を車に乗せられて、どこへ行くのかも知らされないまま、先へ先へと進んでいた。窓から私たちについてくる蒼い月が見える。